※この作品はR-18です。

ドールズフロントライン ルナティックウォー   作:F.Y

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救助の翼

 2056年 1月24日 0922時 ウクライナ

 

 五十嵐たちは林の中を走り、回収地点へ向かった。タブレット端末で無人機からの画像を確認すると、東の向こうから敵が数体、こちらに向かってきているのを確認した。奴らは走っていないので、どうやら自分たちを探し回っているようだ。

 

「くそっ、この辺にいる鉄血が全部こっちに向かってきているんじゃないのか?」五十嵐が低い声で言った。

 

 FALが五十嵐を引っ張り、林の蔭へとそっと引き込んだ。他の仲間もしゃがんで隠れる。その数十秒後、リッパーの集団が走りながら五十嵐たちが隠れている場所を通り過ぎた。

 

「まずいわね。あいつら、獲物を逃がしたから、ハンターキラーになっているわ。私たちのこと、徹底的に探し出して狩り立てるつもりよ」FALが敵を目で追いながら、五十嵐の耳元で囁く。

 

「どうする?」

 

「早いところ仲間と合流して、あいつらを返り討ちにするしかないわ。こっちよ。静かにね」

 

 FALが五十嵐たちを先導し始めた。出鱈目に歩き回って、敵を撒くことにした。直進したり、曲がったり、大きくUターンして一度来た道を戻ったりする。潜水艦が敵を撒く時によく使うテクニックだ。地上部隊でも有効な手段とされているが、問題は、雪が積もっており、足跡が残ってしまうことだった。

 

「なるべく摺り足で歩きましょう。足跡をぼかして、追跡されにくくするの」

 

 

「わかった。そうしよう」

 

 2056年 1月24日 0924時 ウクライナ

 

 416が銃撃し、敵を倒した。周囲は蜂の巣を突いたような騒ぎになっている。

 

「くそっ、切りが無いわね。全く、飛んだ災難だわ」

 

 416は銃身の下に取り付けたランチャーから40mmHE弾を連続発射した。爆発に巻き込まれた敵が鋭い金属の破片で切り刻まれる。AEK-999とM60が新たな弾薬ベルトを薬室に押し込んでいる間に、スオミとM9が敵に反撃する。

 

「スプリングフィールドとG36は?」M60が416に訊く。

 

「指揮官のところに向かってる!RFBとファルコン一緒にね!TMPと9A-91はP中隊のところ!」

 

「わかった!それで、これからは?」

 

「こいつらを全部足止めするの!指揮官のところに向かわないように!」

 

 2056年 1月24日 0949時 ウクライナ

 

 くそっ。あいつら、こっちを追ってきている。五十嵐は高倍率の眼鏡で向こうにいる敵の様子を伺っていた。敵は下を向き、明らかに足跡を調べている。

 

「くっ。イェーガーが出てきたとなると、かなり厄介ね。SV、見えているかしら?」

 

 同じように双眼鏡で向こうを確認しているFALが言う。

 

「見えています。全部で・・・・・・・・8体。イェーガー2体にリッパー6体です」

 

「今、狙撃するのはまずいわ。気付かれて、鉄血の大群がこっちにくるわよ。静かにここから逃げ出しましょう」

 

 FALが先導、UMP9が五十嵐を直衛し、SV98が後ろの敵を警戒する。敵に気づかれないよう、慎重に、物陰に隠れながら移動する。

 

 やがて、五十嵐の左耳のイヤホンから仲間の声が聞こえた。

 

『指揮官、聞こえますか?聞こえたら、ビーコンを発信して下さい』

 

 スプリングフィールドだ。早いところ居場所を知らせて合流すべきだ。

 

『指揮官、返事をしてください!』

 

 五十嵐はマイクの送信ボタンを押した。

 

「今、そっちに向かっている。だが、敵が追ってきている。援護頼めるか?」

 

『当然ですよ!ビーコンでピンを送信してください』

 

「わかった」

 

 五十嵐はビーコン装置の"送信"ボタンを押した。小さな装置から、潜水艦のアクティブソナーのような信号が送信される。但し、この信号は電波なので音は出ない。

 

『確認しました。すぐに向かいます』

 

 2056年 1月24日 0956時 ウクライナ上空

 

 3機の大型航空機が、空一面に広がる鉛色の雲の下に飛んできた。2機がやや低空を飛んでいるが、1機はかなり高空を飛んでいる。この3機の航空機は直線的な主翼の下に搭載した4基のターボプロップエンジンを回し、機体の左側を地面に向けて一定のエリアを円を描くように飛行している。機体はガンシップグレーに塗られ、白いステンシルで『Guriffin&Kryuger』という文字が描かれている。機内では元アメリカ空軍のクルーが装備を操作し、無人機とデータリンクで連携しながら地上部隊の支援作戦を開始した。

 

「B中隊の信号は捉えたか?」

 

「ああ。全ての部隊のビーコンの信号が発信されたのをキャッチした。無人機でも捉えている。そろそろ回収部隊を呼び出そう」

 

「よし来た。ガーディアン、聞こえるか。こちらゴッドハンマー。部隊の位置を確認した。回収に向かってくれ」

 

『ガーディアン了解。離陸する』

 

 2056年 1月24日 0958時 ウクライナ

 

 MC-130H特殊作戦輸送機から知らせを受けた、5機のCV-22Bオスプレイが離陸した。このアメリカ空軍などで使われてきたティルトローター機は使い勝手がよく、グリフィンは部隊の投入と回収に利用している。

 

 2056年 1月24日 0959時 ウクライナ

 

 五十嵐たちは林の中を走り、回収地点へ向かった。タブレット端末で無人機からの画像を確認すると、東の向こうから敵が数体、こちらに向かってきているのを確認した。奴らは走っていないので、どうやら自分たちを探し回っているようだ。

 

「くそっ、この辺にいる鉄血が全部こっちに向かってきているんじゃないのか?」五十嵐が低い声で言った。

 

 FALが五十嵐を引っ張り、林の蔭へとそっと引き込んだ。他の仲間もしゃがんで隠れる。その数十秒後、リッパーの集団が走りながら五十嵐たちが隠れている場所を通り過ぎた。

 

「まずいわね。あいつら、獲物を逃がしたから、ハンターキラーになっているわ。私たちのこと、徹底的に探し出して狩り立てるつもりよ」FALが敵を目で追いながら、五十嵐の耳元で囁く。

 

「どうする?」

 

「早いところ仲間と合流して、あいつらを返り討ちにするしかないわ。こっちよ。静かにね」

 

 FALが五十嵐たちを先導し始めた。出鱈目に歩き回って、敵を撒くことにした。直進したり、曲がったり、大きくUターンして一度来た道を戻ったりする。潜水艦が敵を撒く時によく使うテクニックだ。地上部隊でも有効な手段とされているが、問題は、雪が積もっており、足跡が残ってしまうことだった。

 

「なるべく摺り足で歩きましょう。足跡をぼかして、追跡されにくくするの」

 

 

「わかった。そうしよう」

 

 2056年 1月24日 0959時 ウクライナ

 

 416が銃撃し、敵を倒した。周囲は蜂の巣を突いたような騒ぎになっている。

 

「くそっ、切りが無いわね。全く、飛んだ災難だわ」

 

416は銃身の下に取り付けたランチャーから40mmHE弾を連続発射した。爆発に巻き込まれた敵が鋭い金属の破片で切り刻まれる。AEK-999とM60が新たな弾薬ベルトを薬室に押し込んでいる間に、スオミとM9が敵に反撃する。

 

「スプリングフィールドとG36は?」M60が416に訊く。

 

「指揮官のところに向かってる!RFBとファルコン一緒にね!TMPと9A-91はP中隊のところ!」

 

「わかった!それで、これからは?」

 

「こいつらを全部足止めするの!指揮官のところに向かわないように!」

 

 2056年 1月24日 1001時 ウクライナ

 

 くそっ。あいつら、こっちを追ってきている。五十嵐は高倍率の眼鏡で向こうにいる敵の様子を伺っていた。敵は下を向き、明らかに足跡を調べている。

 

「くっ。イェーガーが出てきたとなると、かなり厄介ね。SV、見えているかしら?」

 

 同じように双眼鏡で向こうを確認しているFALが言う。

 

「見えています。全部で・・・・・・・・8体。イェーガー2体にリッパー6体です」

 

「今、狙撃するのはまずいわ。気付かれて、鉄血の大群がこっちにくるわよ。静かにここから逃げ出しましょう」

 

 FALが先導、UMP9が五十嵐を直衛し、SV98が後ろの敵を警戒する。敵に気づかれないよう、慎重に、物陰に隠れながら移動する。

 

 やがて、五十嵐の左耳のイヤホンから仲間の声が聞こえた。

 

『指揮官、聞こえますか?聞こえたら、ビーコンを発信して下さい』

 

 スプリングフィールドだ。早いところ居場所を知らせて合流すべきだ。

 

『指揮官、返事をしてください!』

 

 五十嵐はマイクの送信ボタンを押した。

 

「今、そっちに向かっている。だが、敵が追ってきている。援護頼めるか?」

 

『当然ですよ!ビーコンでピンを送信してください』

 

「わかった」

 

 五十嵐はビーコン装置の"送信"ボタンを押した。小さな装置から、潜水艦のアクティブソナーのような信号が送信される。但し、この信号は電波なので音は出ない。

 

『確認しました。すぐに向かいます』

 

 2056年 1月24日 1002時 ウクライナ上空

 

 3機の大型航空機が、空一面に広がる鉛色の雲の下に飛んできた。2機がやや低空を飛んでいるが、1機はかなり高空を飛んでいる。この3機の航空機は直線的な主翼の下に搭載した4基のターボプロップエンジンを回し、機体の左側を地面に向けて一定のエリアを円を描くように飛行している。機体はガンシップグレーに塗られ、白いステンシルで『Guriffin&Kryuger』という文字が描かれている。機内では元アメリカ空軍のクルーが装備を操作し、無人機とデータリンクで連携しながら地上部隊の支援作戦を開始した。

 

「B中隊の信号は捉えたか?」

 

「ああ。全ての部隊のビーコンの信号が発信されたのをキャッチした。無人機でも捉えている。そろそろ回収部隊を呼び出そう」

 

「よし来た。ガーディアン、聞こえるか。こちらゴッドハンマー。部隊の位置を確認した。回収に向かってくれ」

 

『ガーディアン了解。離陸する』

 

 2056年 1月24日 1011時 ウクライナ

 

 CV-22Bが固定翼機モードで曇り空の中飛行していた。パイロットはアメリカ軍やイスラエル軍、陸上自衛隊に所属していた人間たちだ。みな、飛行時間は3000時間を超えるベテランたちで、数々の戦場で鉄血の銃弾を掻い潜り、仲間を救助してきた実績を持つ凄腕たちだ。彼らは戦術人形と部隊指揮官を戦場から無事連れて帰ることで高い給料を得ている。今日も、彼らはその高給に見合った働きをするつもりであった。

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