リ・エスティーゼ王国のある寒村で、一人の少女が領主に連れ去られようとしていた。領主の性欲処理のために妾とするためだ。
本来ならば成す術もなく連れ去られ、弄ばれた末に巨大な裏組織に売り払われる運命だった少女だが、この世界では異なる結果が起こった。
本来の世界には存在しない盗賊団が村に乱入し、瞬く間に領主やその護衛達を捕らえ、村を支配下に置いてしまったのだ。
これからどうなってしまうのか不安に満ちた表情の村人たちに、盗賊団が突きつけた内容は、
「未亡人や若い村娘に、団員達の夜の相手をさせよ。人数や団員達の満足具合によっては、村に報酬も出す」
という、対価を伴った要求であった。
領主によって散々絞りつくされ、今年の冬を越せるかも怪しかった村人たちにとって、盗賊団の要求は村を存続させる大きな希望であった。
本当に対価を払ってくれるのかは分からない。払ってくれたとしても雀の涙にしかならないような僅かな対価かもしれない。それでも、このまま飢えずにするよりは良いと、村人たちはこぞって盗賊団に供する村娘たちや未亡人を募る事にしたのだ。
領主に連れ去られそうになっていた少女ツアレニーニャ・ベイロンも、両親を早くに亡くしたった一人の肉親となった妹セリーシア・ベイロンを養うために、その純潔を盗賊団に捧げることにしたのであった。
セリーシアを他の家に預けたツアレは、自分が住んでいる家で抱きに来る団員が来るのを待っていた。セリーシアを態々少し離れた家に預けたのは、血を分けた妹に自分が抱かれる姿を見られたくない羞恥心と、まだ幼い妹に万が一にも手を出されないようにするためだ。
セリーシアの心の内には不安があった。村を支配しても略奪や暴力を振るわなかった盗賊団だが、だからと言ってこの夜伽でもそれが通用するとは限らないからだ。ひょっとしたら、昼間の対応は自分たちを安心させるための芝居で、慰み者にして嬲りつくした後に豹変するかもしれない。
それでも、この貧しい村が今度の冬を越すためには、彼らの機嫌を窺って報酬をもらうしかない。
ツアレはふと、自分をあの悪い噂ばかり聞く領主から救ってくれた団員を思い出す。武器を持たずに拳一つで領主と護衛を殴り飛ばして昏倒させ、倒れそうになった自分を優しく抱きとめてくれた彼。彼の事を思い出すと胸の奥が温かくなって、鼓動が高鳴ってくる。
コン、コン、コンと玄関の扉を三回ノックする音がする。村と盗賊団との取り決めで、訪れる団員は目印のついた家に入る前に、玄関の扉を三回ノックすることがマナーとなっている。
ついにその時がやってきた。ツアレは怯えそうになる心を叱咤すると、自分の方からも玄関の扉を三回ノックし、それから扉を開けた。
「ぁ……」「あ……君は」
ツアレの前に立っていたのは、つい先ほど心の中で想っていた団員であった。
男の身長は180センチぐらい。年齢は二十台半ばといった所だろうか。
短く切りそろえた茶髪に透き通った翡翠色の瞳、健康的に焼けて引き締まった身体。美形ではないが頼りになりそうな強さを感じさせる容貌で、領主を殴り飛ばした時の厳つさが取れた温和な表情は、盗賊団の団員だと言われても信じる者はほとんどいないだろう。
しばしの沈黙の後に、ツアレがおずおずと声を上げる。
「そ、その……家の中にお入りください」
「わ、分かった。上がらせてもらうぞ」
男を家に招き入れたツアレは、速くなったままの鼓動を感じながらベッドまで案内する。
生きていくために娼婦のような事をすると決めたのに、盗賊団の慰み者となる事を選んだのに、この胸の高鳴りはまるで──
「名前を聞かせてくれないか?」
「──ひゃいっ! ツ、ツアレです。ツアレニーニャ・ベイロンと言います」
「ツアレか、良い名前だ。俺はアーリオ。アーリオ・アントニオだ。今夜はよろしく頼む」
「は……はい! よろしくお願いします」
名前を聞かれただけでツアレの心は舞い上がってしまって、名前を教えて貰っただけで嬉しくなって、肩を抱き寄せてくれただけで胸の鼓動がバクバクとしてくる。
ツアレは今の自分の姿を振り返る。男を誘惑するようなおしゃれな服などあるわけがない。それでも、精一杯彼らに満足してもらえるように、普段よりも着崩したりして肌の露出を増やしたつもりだ。
いつもお腹を空かしているような生活だったので身体の肉付きは良くないが、彼は私で満足してくれるだろうか?
ベッドを椅子代わりにして並んで座ったツアレとアーリオ。アーリオはツアレの肩を抱き寄せたままもう一方の手指で彼女の顔を上向かせると、そのままゆっくりと顔を近づけ……唇を重ねた。
「んっ……」
小鳥が啄む様な軽いキスに、ツアレの吐息が漏れ出る。少しの間、二人は優しく唇を重ね合わせ、それからアーリオはツアレから唇を離した。
ツアレはとろんとした顔をして、アーリオの事を見つめている。
「キスって、こんなに幸せな気持ちになれるんですね」
「キスは初めてだったか?」
「はい、私のファーストキスです。その……こういう事、今まで経験がなかったので、どうすれば喜んでもらえるのかよく分からなくて。勝手なお願いですけれども、もしよろしければ……私にあなたの喜ばせ方を教えていただけませんか?」
頬を染めながら上目遣いに尋ねるツアレ。その様子にアーリオは興奮から喉を鳴らす。
「分かった。君を俺色に染めてやる。まずは、キスの続きからだ」
アーリオはツアレの唇を味わうように軽いキスを数回繰り返した後、ツアレの唇を一舐めしてから舌で彼女の口をこじ開け、口内に舌先を押し込む。
驚いたツアレだったが、アーリオが口内を舐めまわす行為を受け入れ、おずおずとアーリオの舌に自らの舌を絡ませる。
「んっ……ちゅる、くちゅくちゅ……んちゅ」
アーリオの舌を受け入れたツアレの口内は熱く、舌が蕩けてしまいそうな心地よさを彼に与えていた。
ぎこちなく舌を絡めてくるツアレの口内をゆっくりと舐めながら味わっていくと、寝室に淫らな湿った音が響き渡る。
「──っぷは。ツアレ、服……汚れないようにそろそろ脱いでもらっていいかな?」
「はい……分かりました」
数分ほどだろうか? ツアレの口内を楽しんでいたアーリオはツアレから唇を離すと、彼女に産まれたままの姿になる事を求めた。
相手は盗賊である以上、無理矢理脱がされて服がダメになることも覚悟していたツアレだったが、アーリオの配慮に感謝しながら彼の求めに応じて着崩していた衣服を一枚ずつ脱ぎ始める。
衣服を全て脱いだツアレの身体は華奢で、肉があまりついていないために肋が浮いているお腹は日々の生活の厳しさを物語っている。
「ごめんなさい。私みたいな貧相な身体の女を抱いても、気持ち良くなれませんよね」
「いや、そんなことはないぞ。ツアレ、君は愛らしくて魅力的だ。もっと自分に自信を持っていい」
アーリオはそう言うと、まだ未成熟だが女性特有のまろやかさを持つツアレの乳房に手を伸ばして触り始めた。
その手つきはツアレの予想よりもずっと優しいもので、乳房を解すようなゆっくりとした揉み方は、彼女にむず痒さを感じさせる。
「ん、んんぅ……。キスした時から思っていましたけどアーリオさん、盗賊なのに優しいのですね」
「相手が気持ち良くなってくれている方が、俺も気持ち良くなれるからな。何というか……相手が苦しんでいると萎えてしまうんだ。それに、俺がいる盗賊団自体がそう言う強姦行為に厳しいのもある」
ツアレの疑問に答えながら、アーリオはもう一方の手で彼女の太股やおなかの辺りをさわさわと弄り、首筋や鎖骨の辺りを舌で舐めてツアレの身体を堪能する。
アーリオがツアレの乳房を触り身体を弄る度に、ツアレの口から艶っぽい声が漏れた。
「あ……ぁん。はぁっはぁっ……んぅ」
「ツアレ、気持ちいいかい?」
「これが気持ちいいのか、ぁん……分からないですけれども、体中がふわふわしてきて……います」
「それは良かった。次の段階に行くよ」
ツアレが快楽を感じていると判断したアーリオは、彼女の小さな乳首に指先と舌を、太股やお腹を撫でていた手も彼女の淫裂に指を這わせる。
それまでの愛撫で敏感になった乳房の小さな乳輪の縁をなぞるように舌と指先を動かしながら淫裂を弄ると、ツアレはそれまでよりも甲高い声を上げてビクンっと身体を震わせた。
「ひゃぁんっ! なに……これ? んんっ! 頭の中……が、真っ白……に」
「それはとても感じているからだよ。痛くは無いか?」
「い、痛くは……ありません。んぁぁっ! おっぱい、吸われてぇっ!」
ツアレが痛がっていないことを確認したアーリオは、両手でそれぞれ淫裂を弄り乳首を摘みながら、もう一方の乳首を唇で咥えてチュッチュッと音を鳴らして吸い始める。
しばらくの間、淫裂を繰り返しなぞっていると、固く閉じ気味であった女陰が徐々に解れ、膣口から滑りを帯びた愛液が滲み出てきた。
アーリオは緩み始めた女陰を薬指と人差し指で広げ、膣口の入り口に中指の腹をあてがうと、ツアレはその刺激だけでビクビクッと身体を震わせる。
指で感じる湿り気からまだ挿入には潤いが足りていないと判断したアーリオは、膣内に指が入らないように気を付けながら膣口の周辺に指を這わせて刺激していく。
外陰部に指を這わせ、両方の乳首をもう一方の手と舌で愛撫する度に、膣口からは白く濁った愛液が溢れ、クチュクチュと淫靡な音を部屋の中に響かせる。
「ちゅぱっ……ツアレ、この音が聞こえるかい?」
「あぁぁっ、は……はい。き、聞こえています。その……はしたなくて、恥ずかしいです……んんぅっ!」
「恥ずかしい事なんてないさ。この音は、俺がツアレを気持ち良くできている音なんだからさ。……そろそろ、ツアレが欲しい」
「んぁああっ。は、はい……来て下さい」
アーリオの問いかけにツアレは喘ぎ声をあげながら答える。
より万全を期すならば、前戯の段階で一度ツアレを絶頂に導いてからにするべきなのだろうが、彼女の性器を愛撫し続けていたアーリオの逸物は既に熱く滾っており、これ以上の我慢は出来そうにないという判断によるものだ。
アーリオは一旦ツアレから身体を離し、自らも着ている物を脱ぎ始める。すると、アーリオの堅く勃起した逸物がツアレの目に留まり、彼女はその大きさに息を呑む。
「これが……私の中に。本当に……入るのですか?」
「ああ。できるだけ和らげるようにするが、痛かったらすぐに言ってくれ」
「だ、大丈夫です」
「……分かった。無理はするなよ」
アーリオはそう言ってツアレに覆い被さると、いきり立つ逸物を握って彼女の濡れそぼった女陰に擦り付けていく。
「んぅっ! あ、熱い……です。男の人のってこんなに……熱いのですね」
膣口から垂れてくる愛液を逸物に塗すために擦り付ける度、ツアレは艶めかしい声を上げる。
十分に逸物に愛液が塗されたのを確認したアーリオは、膣口に亀頭をあてがった。
「ツアレ、君の処女を貰うよ」
「はい。貴方のしたいように、私を抱いて下さい」
ツアレが頷いたのを確認したアーリオは、彼女の背中に両腕を回して抱きしめると、膣口に亀頭を埋めていく。
「うぐっ! うぅううぅ、っぅぅうぅぅ!」
ベッドのシーツを強く掴み、必死に叫び声を押し殺すツアレ。
膣壁は侵入する亀頭を拒むように、痛いほどに締め付けてくる。ツアレが感じる痛みを少しでも短くするために、アーリオは一気に彼女を貫いた。
「うぁあぁっぁあぁっ! い、いたぁ……あぅうぅぅぅ、はぁっ……はぁっ」
アーリオの逸物を根元まで咥えこんだ膣内は、ツアレが感じている痛みを体感させようとしているかのように、痛いほどに締め付けていた。
その一方で、このまますぐにでも射精してしまいたくなるのを堪えなければならないほど、ツアレの膣内は熱くて心地よいものでもあった。
亀頭から肉竿まで膣壁に舐られ、射精を促されるが、アーリオはグッと堪える。
「はぁっ、んんっ……んぅぅっ!」
破瓜の痛みは相当なものだったようで、ツアレはアーリオの背中に両手を回して抱き着き、彼の胸板に顔を埋めながら呻いている。
肩で息をするツアレが落ち着けるように、アーリオは彼女の頭を撫でて額に口づけをする。
「ぁうぅぅ……んんぅ、アーリオさん。私の事は構わず、うぅぅ……好きに、動いて下さい」
繋がったまま動かないでしばらく抱きしめていると、アーリオを見上げるツアレは涙目になっても痛みを堪えながら、彼が気持ち良くなることを優先する。
「いや、俺はツアレと一緒に気持ち良くなりたいんだ。だから、ツアレが落ち着くまで俺は待つよ」
「分かりました、アーリオさん。んんぅ……それじゃあ、キス……してくれませんか?」
ツアレのお願いに対して、アーリオは彼女の唇に自らの唇を重ね合わせることで応える。
クチュクチュと音を鳴らしながら舌を絡ませ合わせると、その心地よさとリンクしているかのように膣内も徐々に蠢き方を変えて、逸物への快楽も痛みを伴ったものから甘いものへと変わっていった。
「むちゅっ、くちゅくちゅ……ちゅるる。んんっ……私の膣内、いかがですか……?」
「凄く……気持ちいいよ」
未だ成長途中だというのに、ツアレの膣内は名器と言える極上の気持ち良さだった。
挿入してからほとんど動いていないにもかかわらず、熱く濡れそぼった膣壁が心地よい圧迫感を齎して、逸物に絡みついてくる。
膣壁のヒダヒダはツアレの息遣いに合わせるように蠢いて、カリ裏の部分を刺激する。
アーリオにとって、こんなにも具合が良い女性を抱くのは初めてであった。
「私はもう……大丈夫ですから、もっと気持ち良くなってください」
アーリオはツアレの言葉に従って、ゆっくりと腰を動かし始める。
グチュっ、グチュっ、と粘りを伴った淫らな水音がゆっくりとしたテンポで繰り返される。
「あぁっ、ひぅっ、あぁぁ……」
まだ痛みはあるのだろうが、快楽も含まれている声を上げるツアレに、アーリオの劣情は強まるばかりだ。
ツアレを快楽でよがらせたい、もっとはしたなく喘がせたい、そしてセックスを楽しんで欲しい。
そんな衝動に突き動かされるように、アーリオは抽挿のペースを徐々に速めていく。
膣内を亀頭で突く度にツアレは喘ぎ声をあげ、アーリオも息を荒くしながら逸物に齎される快感を味わう。
グチュッ! ヌジュ……ヌジュッ! グジュグジュグジュグジュッ!
単純な注挿だけでなく、膣内で円を描く様に腰を動かしてみたり、膣奥を亀頭で小刻みに突いてみたりして、ツアレに様々な快楽を刻んでいく。
ツアレの喘ぎ声からは痛みの色が消えていき、次第に艶が掛かったものになっていた。
二人を乗せたベッドはギシギシと軋み、飛び散った体液がシーツに沢山の染みをつけていく。
「ん、はぁっ! はぁ、ぁぁ……! い、いい……の!」
「気持ち、いいのか?」
「っぁん! はい……っ! 頭の……中が、ふわふわして……でも、もっと……欲しいです!」
ツアレの顔は火照りきっており、その微笑みは快楽に蕩けていた。
そんなツアレに応えるように、アーリオは逸物の注挿をより激しくし、彼女の唇にキスをする。
上下の口を同時に愛されて、ツアレはくぐもった嬌声を上げながら快感に身を震わせていた。
膣内の締まりは一段と良くなり、アーリオの逸物を膣ヒダが蠢いて愛撫して快感を齎す。
アーリオの逸物は既にパンパンに張り詰めて、いつ射精してもおかしくないほど限界に達しつつあった。
アーリオはツアレを抱きしめていた両手を解き、彼女の両手を握って絡ませた。それはまるで恋人が睦み合うようで、ツアレもその手を取る。
「ちゅるっ、れろれろ……ちゅぱっ。ツアレ、そ、そろそろ……出そうだ」
「はい……! どうぞ、私の膣内に、貴方の想いを沢山、出してください……! ぁぁんっ! 私のお腹に、貴方の赤ちゃんを下さい……っ!」
孕ませて欲しいというツアレの要望を聞いて、アーリオは射精のためのラストスパートをかける。淫らな水音と肉同士がぶつかる音を部屋に響かせながら、二人は互いに快感を高め合っていく。
「ツ、ツアレぇぇぇ……! 出すぞ!」
「あぁ、ああぁぁぁああああぁっ!」
アーリオはツアレの膣奥に逸物を突き入れると、彼女の胎内に精を放った。
ドプッドプッ! と粘りの強い白濁液が鈴口から吐き出され、ツアレの膣奥に何度もぶつかっていく。
射精の熱さと感触を受け止めたツアレは、甲高い嬌声を上げながら背中を仰け反らせてビクビクと全身を震わせていた。
膣壁の蠢きで逸物から絞り出されるように二度、三度と断続的にツアレの膣内を白濁液で汚していく。
膣内射精が終わったあとも膣壁が脈打つように蠢いて、亀頭を刺激するのがくすぐったくも心地よい。
大量に射精したことで少しだけ柔らかくなった逸物で、アーリオはツアレの膣内に精液を擦り付けるように腰を動かしながら、ゆっくりと膣口から逸物を引き抜いていく。
「あぁぁぁっ、はぁはぁっ……んっ、んんぅ……」
ジュポンッと音を立てて亀頭が膣口から引き抜かれた時に、カリ首が彼女を甘く刺激したようだ。
ヒクヒクしている膣口からは、ツアレの破瓜の血と愛液、そしてアーリオの白濁液が混じり合って薄くピンク色に色づいた白い汁が湧き出て、ツアレのお尻へと垂れてシーツに新たな染みを作っている。
「ありがとう……ございます、アーリオさん」
その淫靡な光景にアーリオが心奪われていると、乱れた息を整えながら、ツアレが感謝の言葉を口にしていた。
「私……この夜の相手が貴方で良かったです」
「えっ……」
「あっ、いや……他の方が嫌という意味ではないんです。でも……その、私を領主から助けてくれた貴方に抱きかかえられた温もりを思い出して、貴方には……初めてを捧げることができて良かったって。そう思えたんです」
「君の様な愛らしい娘にそう言ってもらえるなんて嬉しい限りだよ」
「私も、貴方に喜んでもらえて嬉しいです」
ツアレは頬を赤く染めながら、潤んだ瞳でアーリオをじっと見つめる。
アーリオはそんなツアレが愛おしくて、顔を近づけてキスをした。唇を重ね合わせるだけの軽いキスだが、それだけでもお互いは幸福感に包まれる。
「ちゅっ、ちゅっ、……ふぁ、アーリオさんの……また大きくなっていますね」
啄むように唇を何度も重ね合わせている内に、アーリオの逸物は硬さを取り戻し、ツアレの太股に擦り付けられていた。狙ったものではなく、体が無意識にそうしていた行為だ。
「あ……すまない」
「いえ、私の身体でこんなに興奮してくれているんだって思うと、むしろ嬉しいです。……もう一度、しませんか?」
「良いのか、疲れているだろう?」
「疲れていないわけではないですけれども、農作業で鍛えられていますから大丈夫です。それよりも、アーリオさんが満足するまでもっと気持ち良くなってくれる方が、私は嬉しいです」
「すまな……いや、ありがとう」
献身的ともいえるツアレの言葉に、アーリオは謝罪ではなくて感謝の言葉を口にしながら彼女の腰を両手で掴む。
その夜、アーリオは追加で正体位が一回、後背位でも一回ツアレを抱いて、彼女の胎の中に子種を注ぎ込んだのであった。
────────────────────
数年の月日が流れ──。
ツアレは今年の作物の収穫を終えて自宅に戻ると、玄関の扉を開ける音に反応して家の中からタッタッタッと、軽い足音が駆けてくるのが聞こえてきた。
口元を緩めたツアレが姿勢を低くすると、視線の先には走ってくる影が一つ、広げていたツアレの両腕の中に飛び込んでくる。
飛び込んできたのは、目元がツアレに似た、年齢は4歳ぐらいの茶髪の少年だ。
少年はアーリオとの間に身籠ったツアレの息子だ。
アーリオに純潔を捧げた日から冬が明けるまでの暫くの間、盗賊団は村に残って街道の警備などを請け負っていた。
その間、ツアレは妹のセリーシアには「盗賊団の方に食糧を恵んでもらうため」と言い訳してはアーリオとの合瀬を繰り返していた。
その結果ツアレは妊娠して、冬を越した頃にはお腹が大きくなり始めていたのである。
「ママー、おかえりー」
「ただ今、フェルス。ちゃんと留守番していた?」
「うん!」
盗賊団は春には既に別の場所へと移動していて、アーリオとも名残惜しかったが別れることとなった。
そのため、ツアレは妹のセリーシアと二人で息子を育てている。
盗賊団に捕らえられた領主は、それまでの悪事が公の場に晒された事で爵位と領地を剥奪され、今では行方が知れなくなっている。
新しい領主は近郊の都市エ・ランテルの都市長の配下で、これまでの領主ならば実った作物の八~九割近くを持っていくところを六~七割に軽くしてくれたおかげで、それ以降の都市の冬は餓死者が出ずに済むようになった。
あの盗賊団の方々には、本当に感謝してばかりだと、ツアレは思う。
(そういえば、今日は私がアーリオさんに処女を捧げた日だっけ……。アーリオさん、元気にしているかなぁ)
「あっ! ママー」
「どうしたの、フェルス?」
「そういえばね、お留守番していたら、僕と同じ髪の色をしたおじちゃんが来てね。可愛いお花を持ってきてくれたの! 持ってくるね!」
そう言って部屋の中へと走っていくフェルスを見送りながら、ツアレはアーリオが来てくれていた事を嬉しく思うと同時に、直接会えなかったことを残念に思う。
彼はあの盗賊団の中でも強い部類に入る男だ。だからこそ、本来ツアレは盗賊団の他の団員の相手もしなければならない所を、アーリオだけにしてもらう我儘が届いたのだ。
だからこそアーリオは盗賊団には必要な存在そして村に残ることが出来なかったのだが、それでも自分の事を忘れないでいてくれている事に、ツアレの胸の中は温かな気持ちになっていた。
程なくして、フェルスが花瓶に挿されたその花を持ってくる。
その花は決して高価でも、絢爛華麗なものでもない。この村の近くで、この時期に咲かせる花だ。
しかし、その花に込められた意味を知っているツアレは、嬉しくて顔をほころばせていた。
その花に込められた花言葉は「私は貴方に恋焦がれています」である。
盗賊()ってなんだ?
今回は純愛路線で書いてみました。
花言葉についてはオバロ世界独自の花なので、似たような花言葉の現実の花と同じとは限りません。
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