※この作品はR-18です。

共通序章置場   作:夢枕 七変化

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各キャラクターごとの光源氏シリーズ共通序章となります。
この先のお話はお好きなキャラクターの物だけお読みいただけたらと思いますが、移動するのにお時間がかかるかと思いますので、広い心でお付き合い頂けましたら幸いです。


光源氏(共通序章)少しのズレが

 それは私が14歳の時の事、何だかんだと鉢合わせする事の多かったカリーナと言う名の私よりも1つ年下の少女と共に、捕えられた事が始まりだったと思う。敵に気付いた時には既に手遅れ、せめてこの少女は助けたいと思ったけど、そう上手くもいかなくて、カリーナへの拷問を辞めさせる為に自分に意識を向けさせるように挑発するくらいしか出来ない。

 

 「宝の場所を知ってるのはどちらなのかと考えたら、簡単に分かるでしょ?口の軽そうな妹分に、そんな大切な事教えたりしないわよ」

 「ナミ!?」

 

 カリーナの悲痛な叫びが聞えて、この子は優しい子だと思ったのは恐らく勘違いじゃない。その後、カリーナが宝を持ってくると言ったのを聞いて、最後に話をさせて欲しいと頼み耳元に見捨てて逃げろと囁きかける事に成功した。

 それを受けてカリーナが泣きながら飛び出して行き、私は死ぬ訳にはいかないからどうしようかと考える。カリーナは言いつけを守ったようで、約束の時間になっても帰っては来ない。

 それにホッとしながら殺そうとしてくる海賊に言う。

 

 「……宝の場所へ案内するわ。カリーナは隠し場所が分からなかったのだと思うから」

 

 案内ならば逃げられる事は無いと思うだろうと、彼等を案内する。血が抜け過ぎてクラクラする中で何とか辿り着いたのは、宝の1部を隠しておいた場所。

 万が1にもカリーナに全てを奪われないように、いくつかに分けて隠していたけどそれを回収する以前に、私は逃げる事など出来そうにない。そうなると村の人達が心配だけど、私がカリーナの存在を知らなかった事を考えれば彼女は私に巻き込まれただけだろうと思うから、これでよかったんだと思う。

 無関係の少女なのだから、逃がさなければ……。私はもう、誰にも傷ついて欲しくはない。

 宝の場所に到着した私が見たのは、カリーナからの私の宝も奪ったと言うメモだけ。彼女は、それならば上手く逃げられたのだとホッとした時、背後から鎖や刃物の音が聞こえて殺されるのだと自覚する。

 

 「見捨てられたな、妹分に」

 「……ええ、そうね。こうなっては仕方ないので、死を厭う事はしませんが、1つだけお願いを聞いてもらえませんか?」

 

 振り向かずに声を出す私に海賊達は1瞬の間を置いて、言ってみろと言ってくれる。これが叶うなら、本当に死んでも構わない。

 

 「……私の生首を、コノミ諸島にあるココヤシ村を拠点にしている魚人海賊団に送ってください」

 「仲間に死を伝えたいって訳か。それくらいならいいんじゃねェか?」

 

 その言葉に私は体から力が抜けて、穏やかな気持ちになる。これで逃げた訳でも裏切った訳でもないと分かってもらえる。

 それならば、皆が死ぬ事は無い。皆は取り敢えずだけど生きられる。

 なら……もう、充分かな。前の人生合わせれば人並み以上に生きた。

 もう……いいよね。そう思って瞳を伏せた時に浮かんだのは大切な人達の暖かな笑顔。

 その時ハッとする。遺される痛みと苦しみを、与えてしまう罪悪感と自分の業の深さに、目眩さえ起きそうになる。

 けれども何故か最後の時は訪れなくて、代わりに聞こえたのはカリーナの声。驚いて振り向くと、カリーナが挑発して逃げて行くのを見てしまう。

 

 「だめ……カリーナ、逃げて!」

 

 どうして自ら巻き込まれようとするの?

 どうしてっ……!

 私の叫びを聞いた海賊達が私を捕らえて船に乗り込むと、カリーナを追いかけ始める。私は身動きが取れないままに追い掛ける海賊達に囲まれて、威圧される。

 

 「あれを逃したら、お前は売り飛ばしてやる!」

 

 殺されないままに売られるのは、その方が困る。アーロン達に私の死が伝わらなければ困るのだ。

 でも、カリーナには無事に逃げて欲しい。今私に出来る事は何だろう。

 

 「売る場所はいくらでもある。覚悟しておけ!」

 

 そう言ってから部下に私を船底の倉庫へと押し込むように指示を出して、私を意識の中から追い出した。そんな男に私は内心で感謝する。

 船底からなら、この船を沈められる。私は笛も、扇子も、流星錘も盗られてはいないのだから。

 押し込められた船底で、板の弱っているところもしくは古い所を探して回れば、見付けた。船が沈めば、悪魔の実の能力者達は成す術もなく、カリーナが追われる事は無い。

 私も、危ないとは分かっているけれど、沈没する時には八割以上の確率で船は割れる。特に底のところは。

 それならば海流は下に向かい流れるから、それに逆らうのは難しいけど、下に向かう海流があるという事はその近くに必ず、登る海流がある。私ならその海流を必ず辿れるという自信があるから、より重みのある鉄扇を弱った床板に打ち付ける。

 何度も、何度も、繰り返し打ち付けると、次第にヒビ割れそして……水が入ってくる。短剣を使う事も考えたけれど、余り1気に浸水しては私が危険になるから今回は辞めておいたのだ。

 浸水してくる場所近くに倉庫にある荷物を移動させて、発見を遅れさせれば後出来る事なんて私には無い。クリマタクトを1度だけ強く握って、心を落ち着かせておく。

 腰に鉄扇を戻して、ロープで空の樽と体を固定しながら、私の意思を無視して遠のく意識を感じる。そうして私は、冷たい床へと倒れ込んだ。

 水に沈めば嫌でも目覚めるから、せめてそれ迄は眠らせて欲しいと……限界を超えてる自覚があったので、そんな事を思った。カリーナは、追わせないし、死なせないわと心で呟きながら。




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