ファイアーエムブレム ヒロインズ ~英雄たちの受難~ 作:瀬部唯人
二年度目も引き続き細々ながら投稿を続けていく所存ですので、
今後とも応援いただければ幸いに存じます。
「くぅ、あっ……本当に、最低だわ……っ、あぅぅっ……」
強引に流し込まれる官能的な刺激に声を震わせながらも、マリータは抑えようのない不満を口に出さずにはいられなかった。
半裸姿に身ぐるみを剥がされ、まるで卑猥なオブジェとなることを強制されるかの如く通路の壁に手足を飲みこまれ、磔のように拘束されてから早くも五分ほどの時間が流れていた。
「ひぅっ……この、少しぐらい離れなさいよぉ……うぅ」
どうにか刺激から逃れたくて、もじもじと身をよじりながらマリータは眉根を寄せる。
彼女が必死になって足掻いているのは、股に押し付けられた異物による奇怪な振動の刺激が、何よりも容認できないがためであった。
股間あるいは性器という、女の身体の中でも極めてデリケートな箇所に押し付けられた振動棒。
それは一定の調子であん摩にも似た刺激を送るよう振動を続け、微弱ながらも非常に甘美な刺激を流し込んできているのだ。
これが肩や首筋といった箇所であるのならば、おそらくはまた異なる心地よさがあったのだろうが、残念ながらあてがわれる場所が場所である。
女性器の中でも際立って敏感とされる陰核。
下着越しであるとはいえ、ある種の女の弱点とも呼べるその場所を正確に責め抜かれたとあっては、たとえ望まずとも性感を呼び起こされてしまうというもので、マリータが味わう気持ち良さには、イヤでも性的快感が混じることとなった。
(くぅっ……声にしては絶対に認めたくはないけど、気持ちいいことは確かね……)
こんな目に遭わされているという事への怒りや羞恥といった感情の割合は大きいが、それでも徐々に込み上げてくる官能的な気持ちよさは如何ともしがたいものがあった。
振動による刺激も今の段階ではまだ程よく微弱な上に、薄布があるおかげで素肌を直に触れられるよりかは幾ばくか負担も和らいだものとなってはいるが、女の秘所におかしなことをされているという現実の前には、何の慰めにもならないというものである。
(けど振動の強さはそこまで大したものじゃないし、これならまだ当分は耐えられるかも……)
状況が状況であるため、幸いにもというべきかどうかは非常に悩ましいところではあるが、少なくとも絶頂感に至るまでにはまだほど遠い。
マリータたちをこんな状況に追い込んでおきながらこの場を後にしたクロニエ曰く、この罠による責めで性的絶頂に達するごとにペナルティが課されるらしいが、この調子ならば今しばらくの間は大事となることはないだろう。
そう、マリータは見立てていたのだが……。
「―――ああっ! やっ、ダメ……ん! あんっ、うああっ!」
マリータと向かい合うよう対面の壁で同じように拘束されたタニアは、異様なほどに激しく身悶えていたのだった。
上気した頬は茹で上がったかのように赤らみ、全身は噴き出した汗によってしっとりと汗ばんでいる。時折切なげに吐き出す吐息にも言いようのない熱がこもっているようで、凡そ平時の彼女からは想像もつかないような女の色気が強く立ち昇って見えた。
「タニア……?」
思わず声を掛けると、ハッとした様子でタニアの顔が持ち上げられた。
薄らと潤む瞳がマリータを捉えると、たちまちその表情が激しい羞恥に歪む。
「や、やだ……! マリータ、見ないで……っ、お願い……こんなの恥ずかし過ぎ……はぁんっ! も、もうダメ……い、イっちゃ―――ん゛ぐう゛ッ!!」
くぐもった呻きと共にタニアの身体がびくりと跳ね上がる。直後に腰から全身にかけて引き起こる小刻みな痙攣。間違いなく性的昂ぶりの最高潮に達した現象であった。
「…………」
ゴクリ、と。その様子に、マリータの喉がほとんど無意識のうちに音を鳴らす。
それなりに長い付き合いをしているとはいえ、タニアとマリータの仲は至極健全な友人関係そのものだ。当然のことながら、お互いの性事情についてなど詳しく知るはずもない。
加えて、普段の日常では何かと男勝りな言動の多いタニアである。そんな彼女のはじめて見る“女”の艶姿といえるものに、マリータの目は釘付けとなっていた。
「うぁぁっ……は、恥ずかしい……! こんなので、あたしイって……っ」
己が痴態に対して、そしてそれを親しき友人に見られてしまった事に対して。タニアの目尻には薄らと涙が滲む。
ひどい自己嫌悪と激しい羞恥に染まるタニアであるが、しかし状況は待ってはくれない。事態はより悪い方へとその段階を進んでいく。
タニアの頭上で、時計の長針が進むような乾いた音が無機質に響く。
視線を向けた先に設置されていたのは、数字が刻まれたパネルのようなもの。元は「0」と刻まれていたはずの数字は、たった今その数を一つ増やして「1」となっていた。
それはクロニエの解説にもあった装置の一つであり、下にいる者が達した数字を示すという、相当に悪趣味なパネル板であった。
が、それが真に問題となるのは寧ろここからである。
「―――っきゃあぁっ!? な、なに……振動が急に強く……!?」
己の股を刺激する振動が唐突に強まったことを受け、マリータの身体が驚愕に強張った。驚きのあまり、悲鳴まで裏返ったものとなってしまう。
この装置に仕組まれたもう一つの悪趣味な仕掛け。それは、自分が絶頂に果てる度に「相方への責め手」が強まっていくというものであった。
今回の場合だと、タニアがオーガズムに達したがために、マリータへの振動責めが一段強い刺激へと引き上げられたという展開である。
「んんっ! くふぅぅ……っ」
いきなり振動が強まったことに驚きはあったが、それでも耐えられないほどのものではない。
程度でいえば、それまで然程の苦がなかった刺激が少しばかり辛いものへと変化したという度合いのものだ。まだ大丈夫だと、マリータは必死に自分にそう言い聞かせ続けた。
「ま、マリータ……。ごめん……っ」
「んぅっ……だ、大丈夫よ、タニア。これくらい、平気だから……」
マリータの様子に気づいたタニアが対面で申し訳なさげに顔を伏せる。
己が快感に耐えられなければ、それだけ相手への負担が大きくなってしまうのだから罪悪感を抱くのも仕方がないと言えよう。
確かに、こんなものにいつまでも耐えられるはずがないこともまた事実であるが、それでもまだどうにか許容範囲の内である。
気にする必要はないと云うマリータに対し、しかしタニアはそうではないと言わんばかりに、なおも首を左右に振ってみせた。
「い、いや……その事もそうなんだけど……」
「……?」
「っ……ごめん。さっきから身体、熱くて……ま、また……イキそう……~~~っくぅっ!」
「え、ちょっと待っ!?」
驚愕に目を見開くマリータの前でタニアの身体が再び痙攣を始める。そうなってしまっては最早止めようもなく、そのままタニアはあっさりと二度目の絶頂に達してしまったのであった。
「―――あああああっ!?」
たちまちタニアの頭上でパネルの数字が一つ増えたかと思うと、すぐさまマリータへの振動責めがさらに強い刺激へと引き上げられる。
一度目の時と違い予想できていただけに驚きは少なかったものの、より強まった振動に堪らずマリータの口から悲鳴が漏れた。
「あうぅぅぅんっ! や……あぁんっ、ふぁぁぁぁぁ……っ」
それまでどうにか耐えることができていたマリータであるが、立て続けに二段階もその強さを強められては流石に辛いものがある。
そうでなくとも、性に関する知識がそれほど豊富というわけではない彼女たちにとって、振動などという性への刺激は全くの未知のものなのだから戸惑いだって大きい。
しかし耐えようとする意思とは対照に、身体はすっかりと快感を享受してしまっており、漏れ出す声には少しずつ艶気を帯びたものが混じりはじめていた。
(ああっ……き、気持ちいぃ……! で、でもこんなの、おかしくなっちゃう……っ、気を抜けばすぐにでも達してしまいそう……なんとか耐えないと……!)
昂る身体をどうにか押さえようと、歯を食いしばって必死に耐え続ける。
こんな奇怪な仕掛けで果てさせられるなど女として屈辱でしかないし、たとえ見られる相手が同性の友人だけだとしても流石に恥ずかしい。
つい先程までのタニアも、おそらくはこんな心情を抱いていたのであろう。同じ立場に近づいてきたことで、マリータは友の心をより深く理解したのだった。
「あ、あぁぁぁ……ごめんマリータ……本当に、ごめん……」
そして、理解したからこそマリータは察する。
苦しげに呻き、詫びを漏らすタニアが抱くのは決して罪悪感だけでないと。今にも快感を抑えきれなくなり、またしても果ててしまいそうな状態にあるのだと気づいてしまった。
「う、うそでしょ……。お願いタニア、耐えて……私も、そろそろ辛いのぉ……っ」
「んぁぁぁぁぁっ! む、無理だ……もうずっと身体が火照ったままで……っぁ、き……気持ちいいのが抑えられないぃぃぃ……!」
異様なほどに頬を上気させ、微弱な刺激でさえ絶頂を繰り返し激しく身悶え続けるタニアの様子に、マリータはようやく彼女が正常な状態ではないのだと気づいた。
たちまちその原因に思い当たる。
二人が壁に拘束されるその直前のこと。敵の術中に嵌った彼女たちは、天井から突如として降り注いだ通路一帯を覆う毒々しい紫煙の中に飲み込まれる事態となってしまったのだった。
見るからにただの煙幕ではないと明らかなそれを、反射的に呼吸を止めてどうにか吸い込まずにやり過ごせたマリータに対し、タニアは盛大に吸い込んでしまったのである。
そして今のタニアの様子から、煙のもたらす効力が催淫作用を誘発させる媚毒の類だったのだと導き出すのは、実に容易いことであった。
「やぁっ! ぅああっ、いやっ、くああぁぁああっ! だめぇっ、止まらない……い、イク―――――ッ!!!」
ブシィッ! と三度目の絶頂にしてタニアの股間から勢いよく潮が噴き出した。
既にたっぷりと水気を含んで隠し様のない黒染みを作っていた下着が過剰ともいえる新たな水分を吸い取れるはずもなく、溢れ出した体液はタニアの脚を伝って落ち、床で恥ずかしい水溜りとなって広がっていく。
目の前で喘ぐ友人の惨めなその姿は、そう遠くない未来に訪れるマリータの姿そのものだった。
カチリ。と、タニアの頭上で再びパネルが音を鳴らす。
それは、これよりマリータへと執り行われるまさに処刑執行の合図のようなものであった。彼女の股間を責めぬく振動が、無慈悲にもさらに強められる。
「―――ッッッきゃああああああああぁぁぁぁっ!!!」
その刺激に耐えられず、とうとうマリータは全身を仰け反らせた。既に限界が間近であったというのに、ここにきて刺激をより強められたとあっては耐えられるはずもない。
それまで押さえつけていた快感をまるで全身から放出する勢いで、マリータは甲高い悲鳴を上げながら盛大に絶頂してしまったのだった。
(す、すごい……こんな弾けるようなイキ方、はじめて……。クセになりそう……! で、でも……これはだめ……。こんなので何度もイかされ続けたら、絶対に気が変になる……!)
おかしなイキ方をしたせいか、全身から冷や汗が噴き出し始める。
言葉にすればタニアが思わず口にしてしまったように、あるいは内心でマリータも思い続けていたように、“気持ちいい”ものであることは確かだ。
それだけならば一体どれほど良かったことかと思えるが、しかし残念ながら、これは決してそんな生易しいものではない。
彼女たちが味わうそれは、女を辱めながらその身に強烈な快感を叩き込み無理やり気持ちよくさせて苦しめ続けるという代物なのである。
それは、いわば快楽の拷問だ。
どういった意図があってこういった手法が用いられるのかは未だに謎であるが、女英雄たちに多大なる負担を与え、心身共々を弱らせるには実に効果的なものでもあった。
「んひぃっ!? な、なんだこれぇ! さっきまでと全然違って……つ、強すぎ―――うあああああああっ!!」
と、対面の壁でタニアの身体がびくりと張りつめた。喘ぐ反応も今までの中では一際大きい。
それもそのはず。マリータが絶頂を迎えたことによるペナルティはしっかりとタニアへと反映され、今や彼女の股間を責める振動は“マリータと同等の強さ”にまで引き上げられたのだから。
「ああっ、ああぁぁぁぁあああああっ!! 無理ぃ!! こんなの耐えられない!! イ゛グゥ―――――――ッ!!!」
媚毒に身体を犯された今のタニアには堪らない刺激であろう。そうでなくとも、絶頂直後の女の身体というのは敏感となりやすい傾向にあり、中でも陰核は一際快感が持続しやすいとされる箇所であるのだ。
びくびくと全身を小刻みに痙攣させながら、タニアはあっという間に絶頂へと達してしまう。……が、それだけでは終わらなかった。
「んひぃぃぃぃぃぃっ!? イクっ、またイクぅ! イクの止まらないぃぃぃ……!」
股間を責める振動は彼女たちが絶頂を迎えようとも決して止まる事がない。
いつまでも続く辱めは、いつまでも性的昂ぶりの最高潮の状態を終わらすことを許さないことと同義であった。
「……っ」
あまりにも激しく乱れ続けてしまっていたからか、下着がズレるという事態まで起きてしまう。
片側の乳がはみ出し、勢いよく顔を覗かせる。たわわに実った乳房のその先端部は、快感によって恥ずかしいほどに勃起してしまっていた。
外気に晒された己の秘部に激しい羞恥を覚えるタニアであるが、それも一瞬のこと。たちまち、圧倒的な官能の波によって押し流されていった。
「ん、はぅぅぅぅっ……んぃんんっ!? んああああっ! いやっ、はっ……あんっ!!」
そして、余裕がないのはマリータも同じである。
彼女の場合、媚毒の影響こそほとんど受けてはいないが、本来であれば運命を共にするに相応しい素晴らしき友人から、思いやりも労わりもない多大なる負担を強いられ、はじめの頃とは比較にもならない強烈な刺激に苦しめられていたのだった。
タニアのパネルの数字は、既に「6」にまでなっている。
その結果「5」に達した時点からは、振動の強さが高まるだけでなく、新たな振動棒までもが出現して菊門へとその先端部を押し付けてくる事態となり、マリータへの辱めはより過酷なものへと引き上げられていたのであった。
「あ、ああぁぁ……ど、どんどん強くなってくる……んんっ! た、タニア――っ! お願いだからもう少し耐えて―――っ!」
身を焦がす官能にとうとうマリータは叫び声を上げる。
あまり仲間を責めるようなことは言いたくはないが、それ以上に、これ以上責められては本気でおかしくなりかねないという恐怖心の方が上回ったのだ。
対面で反応を強めていくタニアの様子を見るに、自覚の有無はさて置き、おそらくはマリータも何度か追加で達してしまっているのであろう。自分では堪えたつもりであっても、パネルにはカウントを刻まれているという可能性は十分にあり得る話だ。
「む、無理だ! 気持ちよすぎて自分じゃどうにも―――ぉぉおああああっ!!」
絶叫を上げるタニアの全身が弓なりに仰け反っていく。
タニア側のパネルの数字がまた一つ増えた。
同時にマリータへの刺激がまた一段階強められる。
堪え切れず、マリータもまた身を捩りながら絶頂に達してしまう。
マリータ側のパネルの数字が刻まれ、タニアへの責めが一気に強められる。
限界を超えているタニアが耐えられる筈もなく、あっさりとイってパネルの数字を増やす。
―――それはまさしく終わりなき悪夢であった。
一度その悪循環に陥れば、そこから抜け出すことは最早不可能である。
休むことすらも許されず、時間が経つごとに強まっていく快楽拷問に、二人の身体からはありとあらゆる力が根こそぎ抜け落とされていった。
「あ、あ、あああっ、あああああ……! もう、ダメ……イクのいやぁ……」
「ああう、おぐうっ。イぐっ……! イぎ、じぬぅ……」
やがて数時間ほどの時間が経過した頃、少女たちは股間から潮どころか失禁までも漏らし、どちらもほとんど気絶するようにその意識を失うこととなった。
最終的に、彼女たちを責め立てる振動棒の数は、両の乳首と左右の脚の付け根へと辱めを追加された計六本にまで至り、パネルの数字は両者ともに軽く二ケタを上回ったものとなっている。
ことタニアのパネル数字に至っては、媚毒に身体を蝕まれていたこともあって、マリータの倍近くもあるという大差を開いた結果だ。
それだけの時間、無理やりの快楽漬けにされた二人の惨状はまさに悲惨の一言に尽きるものであったが、少女たちが現実に見ていた悪夢は、二人が意識を失ったことによって、一先ずは仮初の終わりを迎えたのだった。