※この作品はR-18です。

ファイアーエムブレム ヒロインズ ~英雄たちの受難~   作:瀬部唯人

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★オリヴィエの受難 【おまけ付き】

「きゃああああああああぁぁぁぁ―――――っ!!?」

 

 全身を駆け巡る雷撃の痛みにオリヴィエの口から甲高い悲鳴が響いた。

 目の前が真っ白にスパークし、何が起きたのかもわからないまま電流の渦に包みこまれ、その中心でただただ身悶える。

 いっその事、意識を失って楽になってしまいとさえ思った。そうならないのは、彼女を蝕む電撃が強烈でありながらも、生命を奪うほどの電圧ではないことに他ならないためだ。

 絶妙な加減で威力を落としたそれは、相手を殺さずに苦しみを与え続け、じわじわと弱らせることを重点とした類のものであり、オリヴィエは仕掛け人の思惑のままに意識を繋ぎ止めたまま無理矢理踊らされ続けた。

 

「――――っか、はっ、あ、あぁ……」

 

 やがて緩やかに雷の嵐が引いていくと、たちまちオリヴィエの脚は大きくふらついた。

 時間にしてほんの数十秒ほど。ごく短い時間であったが、それだけでも彼女の身体から力を奪うには十分に過ぎるものであった。

 

「あ、うぁ……っ」

 

 崩れ落ちるようにそのまま膝をつく。

 痺れの余波は色濃くオリヴィエの中に残り、額からは脂汗が滲みだす。己の意思とは関係なく身体のあちらこちらでカクカクと不規則な痙攣が起こり、込み上げてくる気持ち悪さに喘ぐように息をついた。

 その時、不意にオリヴィエの胸元で淡い緑の光が輝きを放った。光は柔らかに彼女の身体を包み込むと、傷ついた彼女の身体を優しく癒し、少しずつ苦しみを和らげていく。

 塔に入る前、召喚士エクラが持たしてくれた護符「回復の聖印」による癒しの力である。

 

 ―――助かりました。ありがとうございます、エクラさん。

 

 慎重に身体を起こしながら、声には出さず胸の内でエクラへ感謝の言葉を紡ぐ。

 万全とはいかないものの、おかげで随分と身体が楽になった。先までは動くこともままならない状態であったが、これなら動くことにも支障はない。

 

「……っ。な、なんですかこの部屋……!?」

 

 改めて顔を上げ、注意深く周囲を見渡したオリヴィエはそこで目を見開いた。

 圧迫するような四畳ほどの狭い部屋。その四方の壁を覆うのは「雷の塔」と呼ばれる電流を放つ魔法具だ。一つや二つではない、合計で十二個にも及ぶそれらがオリヴィエを取り囲んでいた。

 さらには、雷の紋様が描かれた黄色いパネルの床が一面を覆い尽くしている。通称「落雷の罠」と呼ばれるトラップ装置で、こちらも触れると周囲に雷撃を放つものだ。

 いずれも同じものが特務機関の「飛空城」と呼ばれる施設内に存在するため、それがどういった役割を担う物なのかオリヴィエも知ってはいたが、これだけ多くの数が並んだ光景を見るのは初めてであった。

 よく見ると、オリヴィエが膝をつく床は黄色のパネルが粉々に割れ、罠が作動した痕跡がある。それを見て、オリヴィエは少しずつ自分の置かれた状況が読めてきた。

 

「多分、この部屋に飛ばされた時に踏んで作動させてしまったんですね……」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 アスクの地に現れた謎の巨大な塔。

 その調査のために彼女たちは小隊で送り込まるのだが、罠だらけのこの塔にはその中でも一際厄介な罠が存在する。それが部隊を強制的に分断する転移魔法の罠である。

 それに触れてしまうとあっという間に現在地が切り替わり、仲間たちの元から孤立させられてしまうのだ。何の変哲もない床や柱などに仕込まれていることが多く、罠の有無を見分けることが非常に困難であるため、注意していても掛かることが多い。

 おまけに、一人飛ばされるとその後罠が再発することはほとんどなく、仲間たちと合流するためには、ほぼ独力でどうにかするしかないという、かなり厄介な代物なのである。

 おそらくはオリヴィエもその罠に掛かってしまったのだろう。そして転移させられたその先が、雷の罠に溢れたこの部屋だったというわけである。

 

「うぅ……困りました。部屋を調べようにも、これじゃ迂闊に動くこともできないです……」

 

 落雷の罠も基本使い切りの罠だ。一度発動すると次にもう一度発動することはない。

 つまり現状、オリヴィエのいる床の場所だけが唯一の安全地帯となっていた。

 回復の聖印のお陰で、多少であれば雷に打たれても致命傷にはならないだろうが、だからといって先のような苦しい目に遭いながら部屋の中をうろつきたいとは流石に思わない。

 

「うぅ、情けないですけど、やっぱり助けを待つしかないですね……」

 

 力なくため息を漏らしたその時であった。

 突如天井のいたる箇所で小さな穴が開いたかと思うと、そこから植物の蔓のようなものが這い出してきた。どこかに目でもあるのか、蔓はまるで意思を持った生き物のようにオリヴィエへ向けて一直線に伸びてくる。

 

「ひぅっ! な、なんですか!?」

 

 ゆるりと伸びてくる蔓を見て、とっさに両腕で胸元を庇うように肩を抱き寄せて後退りする。

 が、すぐ後ろには雷の塔が壁となるように並び逃げ場がないことを思い出し、寸でのところで踏みとどまった。今は起動していないようだが、何がきっかけで動き出すかわからない以上不用意に近づきたくはない。

 そうしている間にも伸びてきていた蔓がいよいよオリヴィエに触れようという距離にまで近づいてくると、彼女はついに堪えきれなくなり、とうとう腰から銀の剣を抜き放った。

 

「こ、来ないでください~~~っ!!」

 

 一閃。

 間の抜けた掛け声でありながら、半月の弧を描くその太刀筋は熟練の技そのものであり一切の無駄がない。迫りくる蔓はまとめて切り伏せられ、彼女に触れるその前にあっさりと地に落ちた。

 踊り子を生業としているオリヴィエの剣筋には舞うような美しさがある。まるで彼女に魅了されて落ちるかの如く、後続から迫りくる蔓も次々と切り落とされていく。

 しかし一人踊り続けるオリヴィエの舞台は、そう長くは続かなかった。

 回復の聖印のおかげでどうにか動けてはいるが、それでも体力の消耗は決して小さいものとはいえない。加えて足場の少なさから動くことを大きく制限され、押し寄せてくる蔓に徐々に対応しきれなくなっていく。

 

「あっ!」

 

 積み重なる疲労に足をもつれさせてしまう。

 どうにか踏みとどまり、ギリギリで姿勢のバランスを保つが大きな隙が生まれてしまった。そこを狙いすましたかのように直上から蔓の塊が迫る。

 

「くぅっ!」

 

 苦し紛れに剣を振るう。しかし無理な体勢から放ったことであまい一撃となってしまい、すべてを切り裂くことができなかった。

 止めきれずに迫る蔓を避けようと反射的に前へと跳ぶ。――いや、跳んでしまった。

 とっさの回避のために跳んだ先は、まだ発動していない罠が獲物を待ち構える部屋の中央である。オリヴィエがそれに気づいた時にはもう遅い。踏み出した足がスローモーションのように床と接地する。

 瞬間、閃光が迸った。

 

「―――――ッッッッッ!!」

 

 バチバチと音を立てる電撃の奔流に再び飲み込まれ、その中からオリヴィエの声にならない悲鳴が上がる。

 つま先から頭の天辺まで全身を容赦のない電流が通り抜けていく。抗いようのない強烈な刺激を受け、意思に反して身体がガクガクと震え続けた。

 

「~~~~~ッッッッッ!!!」

 

 カッと目を見開いたままオリヴィエの上体が大きく仰け反る。

 激しい電撃に身体の筋肉が力を失い、本人の意思とは全く無関係に粗相が流れ出した。

 大胆に肌を晒す下着のような踊り子衣装は、漏れ出した小便によってぐっしょりと濡れ、その色を白から黄色へと変えていく。太腿を伝って滴り落ちていく黄金色の小水は足元までも濡らし、床に落ちると小さな水たまりとなって広がっていった。

 平時の彼女であれば恥ずかしさで逃げ出したくなるほどにひどい有り様。

 しかし今のオリヴィエは電撃によって蹂躙の限りを尽くされ、恥じらう余裕さえない。それどころか、お漏らしをしてしまったという自覚さえもなかった。

 

「―――……ぁぁ……、ぅぅっ……」

 

 ようやく罠の発動時間が終わりを迎え緩やかに電撃の波が引いていくと、オリヴィエは今度こそ糸が切れた人形のように崩れ落ちた。

 床に倒れ伏し言葉にならない声が苦しげに漏れる。辛うじて意識は残っていたが、身体中が小刻みに痙攣を繰り返し、最早まともに身動きをする力さえ残ってはいなかった。

 傷ついたオリヴィエを癒そうと回復の聖印が再び輝きを放つ。しかしその力をもってしても、彼女の身体を癒し切るには至らず、先のように体を起こすこともできないでいた。

 そもそもこの護符が本来担う役割は、“保持者にその都度応急的な回復を施す”という点にあり、少しずつ治癒を繰り返すことで継戦を維持することを重点としたものなのである。そのため重い怪我や損傷への即効的な治癒力は備わっておらず、たとえ癒える場合であっても回復にはどうしても時間がかかってしまうのだ。

 

「ぅ……、ぁぅっ……」

 

 朦朧とするオリヴィエとは対照に、天井から伸びる蔓は電撃に堪えた様子もなくうねうねと動いている。オリヴィエが動けないのをいいことに、蔓は彼女に群がるとまるで何かを探すように身体中をまさぐり始めた。

 貴重な回復の聖印でも奪うのかと思いきや、そちらには大した興味も示さず、代わりに唯一の獲物である銀の剣や、踊り子の装飾である腕輪などの金属製のアクセサリーが奪い取られていく。

 すべての金属品を取り除いた蔓は、次にオリヴィエの両腕へと絡みついた。

 幾重にも巻きとられた腕が植物とは思えないほどの力で引き上げられ、オリヴィエはそのまま天井の方へと引っ張り上げられていく。

 やがて彼女は天井から吊るされるように両腕を頭上に拘束され、ほとんど爪先立ちとなる格好で身動きができないようにされてしまった。

 

「んっ、く……こ、今度はなにを……」

 

 その頃には三度聖印の光がオリヴィエの心身を癒し、ようやく意識がはっきりするようになってきていた。とはいえ身体の疲労は想像以上に大きく、抵抗する力もほとんど残っていない状態で、武器まで奪われて拘束されてしまっては流石に抗う術がない。

 とその時、それまで静かに佇むだけであった雷の塔が静かに動き始めた。

 台座の中央部から先端が細い針のようなものでできた細長い触手が一斉に飛び出す。「本来の雷の塔」には備わっていない機構であった。驚いている間にもそれらはオリヴィエに向けてゆっくりと伸びてくる。

 やがて触手はオリヴィエを取り囲むと、バチバチと音を立たせながら針の部分を光らせた。

 

「―――えっ」

 

 帯電し始める触手の様子にオリヴィエは思わず息を飲む。

 蔓が武器やアクセサリーなどの金属の類を奪い取ったのは、この電撃をオリヴィエに浴びせるためだったのである。

 

「そ、そんな……。いやです、やめて……お願い、やめてください。い、いやぁっ……」

 

 先刻受けた雷撃だけでも相当の苦痛だった。それがこれだけの数の触手から放たれるのだとしたら、今度こそオリヴィエの命は絶たれてしまうだろう。

 こんな処刑まがいのやり方で感電死させられるなど受け入れられるわけがない。

 しかしこの電撃触手にはオリヴィエを殺める目的はなく、また人を殺傷できるだけの電圧もなかった。そもそもこの塔に存在する数多の罠は、そのほとんどがいやらしいことを目的とした悪趣味なものばかりであるが、いずれにおいても殺傷能力は皆無に等しくできている。

 この部屋にしてもそれは例外ではない。

 もっとも、床の罠による雷撃によってその部分の記憶がすっぽりと抜け落ちたオリヴィエがその事実を思い出すのは、これから始まる拷問をその身に受け、すべてが終わった後であったが。

 

「―――きゃああああああああぁぁぁぁっ!!」

 

 触手の先端から電撃が放たれる。全方位から迸る強烈な閃光を浴びせられ、オリヴィエは堪らずに悲鳴を上げ、全身を激しく身悶えさせた。

 驚くことに先まで感じていたような激しい痛みはない。それどころか全身を通り抜ける電流には強烈な痺れこそあるものの、痺れそのものが非常に強い官能的な快感を伴うものであり、オリヴィエを大いに困惑させることとなった。

 

「ああっ! な、なんですかコレっんあぁっ!? ぃやああっ、か、身体が変にあううぅぅぅあああぁぁぁ!」

 

 性を直に刺激してくる甘い痺れにオリヴィエの悲鳴は次第に大きくなっていき、荒々しく吐き出される呼気が艶気を帯び始めていく。

 電撃触手、いやこの部屋に設置された「雷の塔」は特殊な快楽電流を放つ装置だったのだ。

 電撃を浴び続けるほど快感によってオリヴィエの身体から徐々に抵抗する力が抜け落ち、時間が経つほど増々敏感になっていく。

 

「ふあっ、あぁん! き、気持ちいぃ……っ! こんな、ひどい事されているのに、んああっ! か、身体、感じちゃぅふあああぁぁぁっ!」

 

 嬌声を上げながらオリヴィエは激しく身悶えた。

 整った横顔は今や発情した女のそれ同然に赤く上気し、快感に蕩けきっただらしないものとなっている。まるで全身が性感帯に作り変えられたかのように身体中が昂ぶりを覚えさせられ、何度も何度も強制的な絶頂を迎えさせられ続けた。

 

「んああっ! は、恥ずかしい……っ、私こんないやらしく踊らされて、ああぅ! こっ、腰が勝手に動いちゃう……は、恥ずかしいです~~~!!」

 

 電撃は苦痛が全くの皆無とまではいかないものの、それを差し引いても余りある快楽がオリヴィエの身体を激しく刺激し、抑えようとしても勝手に身体が跳ねてしまうのだ。

 両腕を縛られた不自由な体勢で腰が跳ねると、彼女の形のいい尻が魅惑的に揺れ動く。その仕草は本人も自覚する通り、非常に扇情的でいやらしい踊りそのものとなっていた。

 

「んああっ、うあ˝あ˝っ! また、イっちゃう……っ! あっく、だめっ……や、やめてっ、もうやめ―――ん˝う˝ん˝ん˝ん˝っ!!」

 

 暴力的ともいえる強烈な快楽がオリヴィエの全身を駆け巡り、絶頂によって一際大きく彼女の身体が跳ね上がる。

 言葉で表せば、彼女自身が思わず口走ったように気持ちいいという他ない。しかし、決してそれだけでもなかった。

 鋭い刺激ゆえの、どこか苦悶を孕んだ辛いイキ方。望まぬ快楽による強制的な絶頂は精神的に辛いだけでなく、身体に掛ける負荷も想像以上に大きいものであった。

 

「あ˝あ˝う˝う˝う˝~~~っ!!」

 

 股の間から再びおしっこが流れ出す。

 はじめに漏らした小便や、その後何度も噴き出した潮、愛液など。様々な体液によってすでにぐしょ濡れとなった下半身の覆いが、新たな過剰な水分を吸収し切れるはずもなく、あっさりと布から溢れ、脚を伝いながら床へと落ちていく。

 己の粗相を今度こそはっきりと自覚し、オリヴィエは恥ずかしさで気が変になりそうだった。

 

(あ、ああぁぁ……も、漏らしてしまいました……っ! は、恥ずかしい……っ! こんなエッチな目に遭わされて、お漏らしなんてはしたない事までして、恥ずかしくて恥ずかしくてどうにかなってしまいそうです! ……なのに、嫌でたまらないはずなのにぃ……っ)

 

 長時間の快楽電流によって彼女の身体はすっかりと快楽に支配され、今やお漏らしさえも快楽と認識してしまうほどに、いやらしいものへと堕とされてしまっていた。

 電撃は絶え間なく続き、ひたすらにオリヴィエを蝕み続けている。そうして絶頂に達するたびに彼女の腰は大きく跳ね、卑猥な踊りを舞わされ、股から恥ずかしい水滴が飛び散っていく。

 疲れ切った身体は一定の時間が経過するごとに輝く回復の聖印によって癒されるのだが、それが意識を失って楽になれない枷となってしまっている。

 これまで幾度となくオリヴィエに力を与えてくれていた護符が、なんとも皮肉なことに、ここにきて拷問器具の一部も同然と化してしまっていた。

 

 オリヴィエにとっては永遠にも感じられた長い時間。

 

 実際、数時間にもわたるとても長い時間。

 回復の聖印がついにその効力を失ったことで、力の供給が断たれたオリヴィエはとうとう力尽きて意識を失うこととなる。その間、彼女は電撃にひたすらイカされ続けた。

 やがてオリヴィエが失神したことで緩やかに装置も放電の動きを止めると、彼女を拘束していた戒めも緩やかに解かれていく。

 ようやく解放され、その場にぐったりと横たわるオリヴィエであったが、彼女にとって苦悶となる時間はそれで終わりではなかった。

 長時間電撃を浴び続けたことによって、オリヴィエの体内には濃密な電流の残滓が蓄積してしまっている。それがまるで後遺症のようにオリヴィエを蝕み、倒れた後も彼女の身体は痙攣を繰り返し続けていた。

 意識を失ってなおオリヴィエは快楽の余波をその身に味わい、夢の中でさえ彼女は快感に苛まれ続けるのであった。

 

 

 

 オリヴィエの受難afterへ続く

 

 

 

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