※この作品はR-18です。

ファイアーエムブレム ヒロインズ ~英雄たちの受難~   作:瀬部唯人

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 新年あけましておめでとうございます(3月初旬)。
 文書のデータを消失して以降、モチベーションの低下に伴う大幅なペースダウンをしながらも、細々と執筆を続けておりました。
 さらっと1万5千字余りとなる比較的長文になりますが、どうぞお気軽にお楽しみください。


★カミラ達の受難

 「並行世界」というものがある。

 パラレルワールドとも呼ばれるそれは、ある世界あるいは時空から分岐し、それと並行して存在する別の世界のことを示す。

 あらゆる選択の果てに成り立った誰しもの存在には、その時々の選択を違えていれば全く別の道を辿った可能性もありえたという「if」の物語があり、選択や可能性によって無数に分岐して存在すると考えられる世界を意味する言葉である。

 

 ―――そしてその内容は、召喚士エクラによって異界の地より招かれし英雄たちが集う特務機関ヴァイス・ブレイヴにおいても、非常に根深く関わってくるものであった。

 

 代表的ともいえる一例を挙げると、“まったく同じ人間が複数人存在する”といった、普通ではありえない事象が起きているというものがある。

 より具体的に言えば、この地にはかの名高き“英雄王マルス”が現時点で四人も召喚されているという、とんでもない現象が起こっていた。他人の空似などではない。いずれのマルスも英雄王その人なのである。

 それどころか、彼らと同じように「己と瓜二つの容姿をした者」が既に存在している、あるいは後になって突如として現れるという者は、他にも幾人と存在しており、多い者になってくると五人以上もの同一人物が集っているのだ。

 最早一種のホラー現象といっても差し支えないであろう光景である。

 

 こういった事象が起きるのは、前述した並行世界に依るものが大きく関わっている。

 異界の地よりアスクに召喚される英雄たちであるが、その誰もが皆同じ世界から招かれたというわけではなく、たとえ同郷の出身の者同士であっても互いの歩んできた歴史に齟齬があるという事はそう珍しいことではないのだ。

 ――その上で、意外にも英雄同士によるトラブルはそれほど多くないというのが実情であった。

 特に同一人物同士間ともなれば、同族嫌悪などにより不和が生じるのではと当初は懸念もあったのだが、“己とは異なる歴史を歩んだ自分”というものに対する関心の方が強いらしく、寧ろ好意的に捉えている者の方が多い。

 それゆえ、ほとんどの者たちは異界の自分とも良好な関係を築けているのだった。

 

 その延長に出来上がったものがある。それが “全員同一英雄小隊”という、文字通りに同じ顔が集まったなんとも偏りのある部隊であった。

 

 ある種の浪漫に溢れた編成とみるか、あるいは酔狂としか思えない編成と捉えるかは見る者によって分かれるであろうが、いずれにせよ戦略面における有用性は、実のところ非常に高い。

 特に、こと連携においては目を見張るものがある。

 たとえ邂逅から然程時間が経たずしても、まるで長年連れ添ってきた戦友同士のように息を合わせることを可能とし、並の相手では敵にもならない立ち回りが繰り広げられるということも、そう珍しいものではないのだ。

 個という点でこそ別人ではあるが、それでも本質的な部分で何かしら通ずるものがあるのだろう。当事者らは互いの意思疎通が非常に容易に行えるようで、聞けば「何となくお互いの考えていることが分かる」と皆一様に口を揃えるのである。

 さらに付け加えると、意思疎通が容易であれば意思決定もそれだけ早く決断ができるも同義だ。

 目まぐるしく戦況が動くことが常の戦場においては、即断即決による取捨選択が状況を大きく左右するといった局面など当たり前のように転がっており、時間的な猶予がないという状況の割合が圧倒的に多くを占めている。

 緊迫したその中で如何に早く最善の選択を選ぶことができるか。それが出来るか否かだけで、自分だけでなくより多くの仲間を守る事にも繋がってくるのだ。

 そう。全員同一英雄小隊には、編成を組むに値するだけの利点が間違いなく多くある。

 

 ……が。その反面、ある致命的ともいえる欠点を抱えていることもまた事実であった。

 

 一言で言ってしまうと「弱点が共通してしまう」というもの。

 細部では何かと違いのある同一英雄であるが、一方で日常生活での何気ない仕草や物事への考え方、他にも趣味嗜好などといった点で共通してくるものが多いこともまた事実であった。

 であれば自然、その共通するものの中に己が短所や苦手とするものまでもが混ざり込んでしまうのは、ある意味で当然の帰結ともいえる話であろう。

 難儀なことにも、大半がその内情に当てはまってしまっている。

 そういった事由もあって、同一英雄が並んで戦場に出ることは相応のリスクを伴うとされているのであった。

 

 とはいえ、前述した内容のように編成における確かなメリットが存在することも間違いない。

 それに加えて、現在特務機関はアスクの地に現れた異界の塔への調査が非常に難航したものとなってしまっている。

 ゆえに此度の塔の調査には、踏破するための新たな糸口となることを狙って、はじめて同一英雄を中心とした部隊が起用されることとなったのであった。

 

 ……だったのだが、物事とはそう上手く運ばないように出来ているというのが常とでもいうべきであろうか。

 結論から言うと、そうした経緯の下に選ばれた暗夜王国第一王女カミラ四名による麗しき小隊は、彼女らが抱えるとある致命的ともいえる弱い部分を的確に貫かれることとなり、最終的に驚くほどあっさりと崩壊することとなってしまったのだった……。

 

 

 

 

 

 目覚めたカミラは、自分の置かれた状況を目の当たりにすると、酷く憂鬱な感情を溜息に乗せて吐き出さずにはいられなかった。

 自身のすぐ両隣が真っ黒な暗幕で覆われた狭く薄暗い空間。その中央に置かれた分娩台のような椅子にカミラは拘束された状態にあった。

 両足はM字に開脚するように大きく広げさせられ、閉じることができないように固定されている。無防備に両脇を晒すよう両腕も後頭部のあたりで両腕を交差する形で動かせなくなっており、肩から下ろすことができないようにしっかりと拘束されているようであった。

 屈辱感を煽るような姿勢にカミラの頬が羞恥に赤らむ。どうにか抜け出せないかと試しに身じろぐが、椅子から僅かに軋んだ音が響くばかりで枷が緩む気配さえない。

 彼女の所有する強力な力を宿す“サングリズルの杖”が手元にあれば椅子そのものを破壊することも容易かったであろうが、当然の如く奪われてしまっており、残念ながら自力では拘束から抜け出せそうにもなかった。

 その他にも、椅子に拘束する際に邪魔と判断されたからか、杖だけではなく愛用する厚手の外套や防具の類も併せて取り払われてしまっている。どちらかと言うと薄着でいることを好むカミラであるが、今ばかりは己の身なりがひどく心許なく思えてならなかった。

 

「―――あら、ようやくお目覚めですか?」

 

 不意に聞こえた少女の声に視線を正面に戻す。

 いつの間にそこに現れていたのか。まるで初めからその場所に居たと言わんばかりに、そこには忽然と現れた人影が静かに佇んでいた。

 コツコツと床を鳴らしながら、ゆったりとした足取りでこちらに近づいてくる人影の輪郭が、薄明かりに照らされ徐々にハッキリしたものになってくる。

 ……が、カミラにとってそんなことは些末な問題でしかなかった。

 何しろ彼女にとってその声はとても聞き慣れ親しんだものであり、こちらへ声を掛けられたその時点で、相手の正体が分かってしまっていたのだから。

 

「カムイ……」

 

 カミラの前に現れたのは、彼女が最も愛する妹の一人。

 しかし悲しいかな。全身から禍々しい闇の気配を立ち昇ら、人の身には本来ありえない太く歪な尾を生やした妹は、この塔の住人にして敵たる英雄なのであった。

 目の前までやってきたカムイにどうしようもなく複雑な感情を抱きつつも、カミラは直前の記憶を思い起こしていく。

 

 

 カミラを中心とした小隊による塔内の探索は、統制のとれた連携もあってかなり順調に進めているように思われていた。

 実際、何度か遭遇した魔物の襲撃は彼女たちの一方的な蹂躙に終わり、卑猥な罠の数々も互いが迅速に補い合ってそれほど大事にも至っていない。

 そう、カミラ小隊は間違いなく順調に進めていたのである。

 

 そんな彼女たちがあっさりと崩壊することとなったのは、今カミラの目の前にいるカムイが鎖に繋がれた一室を発見してから程なくしてのことであった。

 

 本来であれば、ここに居るはずのないカムイが捕らわれていることを含めた諸々の事柄に疑問を抱き、まずは慎重に動かなければならないところであろう。

 しかしながら、些か重度ともいえるブラザーコンプレックスまたはシスターコンプレックスの気質が強いカミラにとっては、愛する妹が酷い目に遭わされているという光景が、とにかく我慢ならなかったのだ。

 ゆえに彼女たちは罠の可能性を考えもせずに部屋に飛び込んでしまい、すぐにカムイの下へと駆けつけてしまったのである。

 

 ―――案の定そこには罠が待ち構えていた。

 

 まずは部屋の入り口が前触れもなく閉ざされ、彼女たちは密室に閉じ込められることとなった。驚く間もなく次なる仕掛けが即座に作動し、今度は部屋の中心から室内を覆い尽くす勢いで睡眠作用のあるガスが噴き出し始めたのである。

 最優先は、カムイの救出と扉を破壊しての退路の確保。

 彼女たちは互いに目配せを行うと素早く意思決定を下す。たとえシスコンであろうとも、彼女たちが歴戦の猛者であることに変わりはしないのだ。

 

 しかし――、すぐに動き出そうとしたところに思いもよらぬ横やりが入ったのだった。

 

 蛇のようにうねりながら突如として伸びてきたのは、カムイを縛り付けていたはずの無骨な鎖。

 予期せぬ不意打ちに反応できなかった彼女たちは、まるで意思のあるような鎖にたちまち絡め取られてしまい、そのまま身動きが取れなくなってしまった。しかしカミラたちが何よりも衝撃を受けたのは、彼女たちを貶めた者が予想もしない相手であったということ。

 ―――こちらを縛る鎖を手にしながら冷笑を向けるカムイであることであった。 

 

 

 カミラの意識はそこで途切れてしまっている。

 その後の経緯はわからないが、こうして拘束されて捕らわれとなってしまっている事実が、全ての結果を物語っている事だけは確かであった。

 

「正直あまり趣味ではなかったのですが、あんな罠にあそこまであっさりと掛かられてしまうと、何と言いますか……少しばかり申し訳ない気持ちになりました」

 

 口ではそう言いながら、その実カムイには悪びれた様子が微塵もない。

 それどころか口元に浮かんだ笑みはどこか邪気を孕んだ歪なものとなっており、カミラに向ける深紅の瞳には意識を失う直前に見たものと同質の冷たい輝きが放たれている。

 顔も声もカミラがよく知る妹と同じものであったが、その雰囲気は最早別人という他ない。

 

「残念だわ……。まさか貴女が、この塔の住人だったなんて……」

「ええ。そうですね、私はこの塔の住人になります。ですので、侵入者でなおかつ虜囚となったカミラ姉さんは、これから私にたっぷりと弄ばれてしまう運命にあります」

「……っ。やめて……と言っても、聞いてはくれないのかしら?」

「ええ、これはもう決定事項ですので!」

 

 陽気に答えながら、カムイは傍らのサイドテーブルに置かれた木箱の中を漁りはじめる。

 こちらの位置からではその中に収納された物を伺いようがないが、間違いなくカミラにとって望ましくない物が出てくるに違いないだろう。

 尻尾を揺らしながら上機嫌に怪しげな物を用意するカムイの姿に、不安な感情を抱く以上に何ともやるせない気持ちが込み上げてくる。

 

「ねえ、カムイ……」

 

 黙っていると本格的に気が滅入りそうで、一先ずカミラは会話で気を紛らわせようと試みた。

 

「これから私にも、この塔でいじめられてきた他の女の子たちのように、やっぱりイヤらしいことをするわけよね?」

「はい。それはもうイヤと言うほどに致します。ですが痛いのは最初のほんの少しだけで、それ以上傷つける意図はありませんので、そこは安心してください」

「……どうして、そんなことを?」

「そうですねえ……女の悦ぶ顔が見たいから、とでもお答えしておきましょうか。特に気高い女性の恥じらう姿や、性に疎い女の子たちが官能に乱れていく姿って、間近で眺めているととても興奮するんですよね」

 

 自分の手で直接弄ぶとなると殊更愉しさが増しますし。と締めくくり、律儀に会話に応じるカムイに、しかし増々カミラの気分は重たくなるばかりであった。

 頭で解ってはいる。

 彼女は確かに“カミラの妹”ではあるが、決して“自分(カミラ)の妹”というわけではない。異なる歴史を歩んできた複数人存在するカミラ同様、目の前のカムイもまた、彼女とは異なる次元の世界を生きた存在に違いないのだ。

 ひどく歪んだ思考に、敵対する者に対する容赦のない加虐性、醜悪とも言える笑みで彩られた表情など。いずれにおいても、カミラの本来の妹とは大きくかけ離れたものばかりである。

 そう。カミラも頭では理解している。

 それでも、カムイという本来なら愛すべき存在がこちら対してここまで明確な害意を向けてくるというその現実は、カミラにとってとてつもなく重たく圧し掛かってくるものがあった。

 

「……さて、と。お待たせしました」

 

 そうこうしている間にも、どうやらカムイの準備が整ってしまったらしい。

 見るとその手には無色透明の液体が注がれた注射器が握られており、傍らのテーブルの上にも同じものがもう一本準備されている。

 それらがまともな道具であるはずがないことは明白で、僅かな光源を反射させて鈍い光を放つ細長い針先を見たカミラは思わず喉をひきつらせた。

 

「それでは、せっかくですのでカミラ姉さん風に宣言してからはじめましょうか。――カミラ姉さん。“お仕置き”してあげます」

 

 言い終えると同時、カムイの手がカミラの胸へと伸びる。

 胸元が大胆に開いた衣服の襟元を掴まれたかと思えば、いきなり下着もろとも力任せに引き下ろされ、彼女の豊かな胸が零れ落ちるように外気に晒された。

 突然のことに目を見開いていると、流れるようにカムイの手がカミラの左胸を鷲掴んでくる。そのまま桃色の先端部に狙いをつけるや否や、躊躇なくそこへ注射器の針先があてがわれようとしたものだから、カミラは大いに慌てふためくこととなった。

 

「い、イヤっ! ダメよ、カムイ! やめて……っ!」

「もう~。ダメですよ、カミラ姉さん? 危ないですから大人しくしていてください」

「な、何をする気なの!? やめて、やめなさい!」

 

 どうにかして針を遠ざけたかったが、下手に動けばかえって肌を傷つけかねないのも確かだ。

 結果、カミラは動くに動けないまま、己の乳首に針の先端が突き立てる光景をただただ見下ろす事しかできずにいた。

 

「―――ッ、んんっ!」

 

 そのまま注射器の中の液体が体内に流し込まれてくる。敏感な箇所を貫かれた痛みと、はじめて味わう奇妙な異物感に苛まれ、カミラは堪らず呻き声を漏らす。

 

「はい、よく我慢できました。それでは引き続きもう一本。今度は反対側にもいきますよ!」

 

 怪しげな液体を余すことなくカミラの胸に注入し終えると、カムイはすぐさまテーブルに置かれた二本目の注射器に持ち替えた。

 左胸の時と同様、抵抗らしい抵抗もできないまま、宣言通りに今度は右胸の乳首に針を突き立てられ、同じ液体があっという間に胸の中へと注ぎ込まれていく。

 

「んッ、くぅっ……!」

「ふふ……、全部入りましたよ。お疲れ様でした、お注射はこれでおしまいです。さてと、傷を治したら次はお薬をお胸に馴染ませていきましょうねえ」

 

 針を刺されたことで僅かに出血が起こるが、こちらを傷つける意図がないことは本当なのだろう。すぐに魔法による止血が施され、傷も痛みもたちまち薄れ和らいでいった。

 しかしだからと言って、それで安心することなど出来るはずもない。“お仕置き”と宣告された以上、注射を刺されてそれで終わりなどといった事があるはずもないのだから。

 

 程なくして役割を終えた注射器を手早く片付け終えたカムイが、カミラが拘束された椅子の背後へと回り込んでくる。

 彼女の思惑を即座に察知したカミラは、今すぐにでも両腕を下ろして胸元を覆い隠したかったが、固い枷による拘束は耳障りな音を鳴らすだけでやはり外れそうにもなかった。

 案の定と言うべきか。彼女の予想した通りに、丁寧に処理された己の両腋の下からカムイの両手が伸びてくる。見せつけるように蠢かせる色白の両手が狙う先は、言うまでもなくむき出しとなったカミラの胸であり、包み込むようにその掌が押し付けられた。

 

「ん、ふっ……」

 

 最初にやや乱暴気味に鷲掴みをしてきた時とは打って変わってひどく優しげな手つきに、思わず息が漏れてしまう。

 注射を打たれた影響なのか、平時よりも胸の張りがやけに強く感じ、ビリビリと甘い痺れにも似た感覚が先程からカミラの両胸を刺激し続けている。

 そこにカムイの手が触れると途端にその刺激が一層強いものとなり、ゆっくりとした手つきで揉まれていくとまるで火でも付けられたかのように胸が灼熱を伴った。

 

「んんっ、ん……くぅぅぅぅぅっ!」

「うふふ、妹に弄られて感じているんですか? カミラ姉さんは本当に暗夜王国随一のハレンチ王女ですね」

 

 背後からカムイの嘲るような声が聞こえてくる。

 こちらからではその表情の伺いようがないが、間違いなくあの邪悪な笑みを浮かべているのだろう。温厚なカミラといえども、流石にそろそろ腹が立ってくるというものだった。

 

「っ……、いけない子ね、カムイ? さっき打ったものだって、んっ、……ど、どうせ媚薬なのでしょう? いい加減、ありきたり過ぎて芸がない、わね……っ」

 

 胸に奔る刺激に時々息を詰まらせながらも挑発に応じる。

 事実この塔には、女の性感を強引に引き上げることを目的とした卑猥薬がそこかしこに仕掛けられている。煙や液体が飛び出すような罠、体内に内蔵した媚毒を吐き出す魔物など。その種類は非常に多岐にわたり、それらの餌食となった少女たちもまた決して少なくはない。

 先ほどカミラが打たれた注射も、おそらくはそういった類の物だったのであろう。

 胸に感じる異変だけに止まらず、体温も額から薄らと汗が滲むほどまで上昇してきている。

 自身が女として比較的感じやすい体質に部類されると自覚するカミラであるが、流石に事の開始から僅か数分程度胸を弄られただけでここまで反応してしまうほど敏感な身体ではないと考えてのことだったのだが、

 

「媚薬ではありませんよ?」

「……え?」

 

 意外にもカムイから返ってきたのは否定の言葉であった。

 

「まあ、魔法のお薬には違いありませんけどね。けれど先程カミラ姉さんに服用した物は、姦淫を誘発させる目的のものとは別物です。その証拠に、もうそろそろ効果が出てくるころかと」

「証拠……っ!?」

 

 瞬間、問答を繰り返す間もひたすら無遠慮に揉み回され続けていた胸が異様な熱を放ち始め、張り裂けるような鈍い痛みを訴えてきた。

 

「あぐっ! うぁ……ああっ! あ、熱い……っ」

 

 元より豊かであった双丘は、限界まで膨れ上がったかのように張りつめており、内に溜まった熱をどうにかして外へ放出したがっているかのようだった。

 痛みそのものは、それほど大したものではない。その引き換えに、なんとも言えない身を焦がすようなもどかしさが渦巻いている。

 今問題なのは、この辛い熱を解消するにはどうするのが最適なのか分からないという事と、たとえその術が分かったとして拘束されたこの身では実行できない恐れがあるという事であった。

 

「んっ、く……んんぅ」

「辛そうですね、カミラ姉さん。大丈夫、すぐに楽にしてあげます」

 

 身を蝕む未知の異常に歯を食いしばって堪えていると、甘く囁くようなカムイの声が不意にカミラの耳朶を打った。

 途端にカムイの手の動きが活発となり、ゾクゾクとした快感がせり上がってくる。

 

「く、ぅぁ……っ!」

 

 それまでは軽くマッサージするだけであった手つきが、明確に性感を刺激する意図をもった動き方へと変わる。単調だった乳房への刺激は強弱をつけた絶妙な加減で刺激を与えてくるものとなり、それまで触れられることのなかった乳首にも手を伸ばされ指先で丹念に転がり回されていく。

 その動きに反応してのことか、胸の内側から込み上げてくる熱は増々その強さを増してきているようだった。おまけにカムイの指使いは驚くほどに巧みという他ないもので、敏感な下半身を弄られてさえいないというのに、気づけばカミラの身体はすっかり昂り切ったものにまで出来上がってしまっていた。

 

「ぁん……っ、ぅ……んはっ、ぁああっ」

 

 拘束されて身動きもとれず、得体の知れない薬まで打たれているというこんな状態で辱められていながら、官能的な気持ちよさを感じてしまっている己が身のはしたなさに、どうしようもなく情けない気持ちが込み上げてくる。

 ひどい自己嫌悪が絶え間なくカミラを苛んでくるが、それでも甘い毒にも似た快感は如何ともしがたいものがあり、どうしても身体の方はもじもじと身悶えしてしまう。

 

「ぅああっ! あふっ、んぁっ……っ! いやっ、な……何か、来る……っ!」

 

 そうこうしている間にも、胸を蝕む発熱はいよいよ無視できないほどに膨れ上がってきていた。

 カミラの性に対する知識は比較的明るい方であるが、今の自分の状態ばかりは全くの未知のものである。己が知識にない感覚をどう抑えればいいかわからず、快感も合わさって気が変になりそうな心地であった。

 ……が、辛いその時間は、唐突に終焉を迎えることとなる。

 

 ―――性感の最高潮。絶頂という、凡そカミラの望まぬ形となって。

 

「だめ……もうっ……―――イっ、くぅん゛ん゛っ!!」

 

 呻くようなくぐもった声が漏れ出し、達したことによる生理現象とも言える痙攣が引き起こる。

 ビクビクと腰が震えて下腹部で伸縮運動が起こり、股の間から流れ出した愛液が薄らと恥ずかしいシミを広げていく。身体から急速に力が抜け落ちていき、思わず脱力してしまいそうだった。

 自分が女の絶頂に誘われたのだと知覚し激しい羞恥が込み上げてくる。

 ……が、ふと胸に奔った違和感に気づくとそれ以上に驚愕が上回ることとなり、そこにあった光景に恥じらいも忘れて目を見開くこととなった。

 

「そ、そんな……どうして……」

 

 両の乳首の先端から流れ落ちるのは僅かに粘度のある乳白色の液体。微かに鼻をつく独特な香りを漂わせるそれは、紛れもなく母乳であった。

 本来であれば、女性の身体からそれが生産されるのは赤子を出産した後というのが一般的であり、驚愕するカミラには当然のことながらそんな経験などないし、無出産でも元より出るというような特異な体質なども持ち合わせてもいない。

 あり得るはずのないものを吹き出したからか胸にあった苦痛は随分と和らいだが、そんなものがあったことも忘れるほどの衝撃である。

 その原因にはすぐに思い当った。―――つい先刻打たれた怪しい注射。寧ろそれ以外に考えられる要因などあるはずもなかった。

 

「~~~~~っ。カムイ、あなた……っ!」

「んふふふ。どうやらしっかりと馴染んだみたいですね」

 

 椅子の後ろからカミラの正面まで戻ってきたカムイを、親の仇でも見るかのような鋭い目で睨み付ける。よもや愛する妹に対してこんな視線を向ける日が来ようとはと、カミラ自身思いもよらない事であった。

 一方、視線を向けられるカムイはといえば姉の怒りに対して全く意に介した様子もなく、それどころか火に油を注ぐことを喜ぶかのように正面からカミラの胸に触れてくる始末である。同性であるにしてもあまりにも遠慮がない。

 いやらしいものへと改造したカミラの身体をまるで玩具を扱うように触り回し、感度や張り具合でも確かめるかのようにペチペチと乳房を軽く叩いてくる。

 いい加減、カミラも我慢の限界であった。

 

「―――ところでカミラ姉さん。唐突な上に今更こんな話をするのもなんですが、他のカミラ姉さんたちが今どうしているか気になりませんか?」

 

 怒りと羞恥からいよいよ本気で怒鳴り散らそうかというまさにその寸前。

 まるでこちらの意図などお見通しだと言わんばかりの絶妙なタイミングで被せられたことに、カミラの気勢がわずかに削がれた。思わず声を押しとどめてしまう。

 思うところは非常に多いが、唐突に告げられたその内容に関してはカミラにとってずっと気掛かりとなっていたものでもあるため、一先ずは矛を収める他なかった。

 

「……そうね、気になるわ。彼女たちは、今どうしているのかしら?」

「そうでしょうとも、気になりますよね! ―――それでは、会わせて差し上げましょう!」

 

 カミラの反応に満足げに頷いたカムイが高らかに宣言し指を鳴らす。それを合図に、彼女たちの両隣を覆っていた漆黒の暗幕が流れるように開いていった。

 薄暗かった空間がたちまち明るさを強め、思わず目を細めてしまう。

 が、次の瞬間には、むせ返るほどに濃密な情事特有のにおいが彼女の鼻を突き、どこか苦悶の色を孕んだ悩ましげな呻き声が聞こえてきたことに、すぐにその目を開きなおすこととなった。

 そこにあった光景に彼女は息を飲んで絶句する。

 

「感動の再会です。うれしいですか~?」

 

 小馬鹿にするようなカムイの声に返す余裕さえ今のカミラにはなかった。

 己の位置から見て右側には晴れ着衣装のカミラが、さらに左側にはバニー衣装のカミラと大胆な水着衣装のカミラが、それぞれ自分と同じように衣服の一部を剥ぎ取られた半裸の状態で椅子に拘束され並べられていたのである。

 

 カミラと彼女たちとの最も大きな違いと言えるのは、その身を辱める幾つもの装飾が取り付けられているか否かという点であろう。

 

 自分と同じく整った横顔は視界を遮るためのアイマスクを被されていることで半ばまで隠れ、口には開閉の自由を阻害するボールギャグ状の口枷が噛まされている。その部分だけでも、流れる汗と涙と涎にまみれて見るに堪えない酷い有様だった。

 またM字に開脚する股間の中心には、何かしら振動する類の異物が取り付けられているようである。あえて残している下履きの布は、異音を立てながら蠢くそれを固定する一役とするためなのだろう。女の性器を無理やり弄ばれ、望まぬ快楽から流れ出した愛液や潮などによって、椅子の周辺は水浸し同然となっていた。

 さらに両の胸には、椅子の背面から伸びる細長い管の付いた小振りのお椀を彷彿させる形状のフラスコが、それぞれ吸い付く様に取り付けられた状態となっている。フラスコ内に満たされていく乳白色の液体が音を立てて管の奥に飲み込まれていく様子に、彼女たちの乳から強制的な搾乳を行っているのだとすぐに理解することができた。

 

 性を弄ぶ凌辱という表現でさえ生ぬるい。女の尊厳を粉々に踏みにじる悪魔のような所業。今彼女たちが受けているものは、まさにそういうものであった。

 

「み、みんな……、こんなの酷すぎるわ……」

 

 まさか自分のすぐ真横でここまで非道な拷問が行われていようとは。

 つい先ほどまで周囲を覆い尽くしていた暗幕、おそらくは光だけではなく音と臭いまでもを遮断するような効力があったのだろう。そうでもなければ、この距離で彼女らの存在に気づかないことへの説明がつかないというものである。

 

「彼女たちの心配をしている場合ではありませんよ? 何しろカミラ姉さんには、これからこの三方と同じ目に遭って頂くのですから」

 

 何気なく言うカムイに、カミラはギョッとして目を見開く。

 一体いつの間に用意していたのか、その手に抱えていたのは他のカミラ達に取り付けられたものと同様の搾乳フラスコであった。

 にじり寄るカムイのその姿は紛れもなく悪竜そのものであり、どうしようもなく恐怖心が掻き立てられる。捕縛されて動けないカミラには、拒絶から首を振り乱すしかなかった。

 

「ああっ、やめて! カムイ、お願い……いやあっ!」

「倒れられたとき煙の噴射口に一番近い位置にいたからでしょうね。他のカミラ姉さんが目覚めてからも貴女だけは長らく眠ったままだったので仕方なく後回しにしていたのですが……、ふふ、お陰でもうしばらく楽しめそうです」

「いやっ、本当にいやよ! だめ……やめっ、ぅああああっ!!」

 

 抵抗も虚しく怪しげなフラスコがカミラの胸に取り付けられてしまう。

 途端に内側で肌が吸い取られるように引っ張られる感覚が奔り、フラスコ内で己の乳首が見る見るうちに盛り上がっていく気配を察知した。

 堪らず悲鳴を上げるカミラは、そこでさらに追い込まれていく。

 フラスコの奥から、今度は複数にわたるミミズのような細長い触手が伸びだしてきたかと思えば、たちまち乳房へと絡みついてきたのである。

 

「あんっ! ふぁっ、ん! ふくぅぅぅぅぅぅぅっ!」

 

 人の手ですらない異形の存在から弄ばれることに嫌悪感を抱いていたのは最初だけだった。

 それらはカミラからより多くの搾乳を促そうと乳首を忙しなく転がし回し、指圧して刺激を与えようと適度に胸を圧迫してくる。

 一見、乳を搾るための単なる作業を行っているだけのようだが、その実つい先程まで触れていたカムイの指使いと比べてもまるで遜色がない。女の性感を的確に刺激するだけの機能もしっかりと備わっているようで、カミラの声に艶気が混じるようになるまで然程時間は掛からなかった。

 

「んくぅっ! ま、また出ちゃう……! はぅっ、ぁ……んうっ、だめ……くっんはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 ブシュッ! と再び白濁が噴き出し、フラスコ内がカミラの母乳で満たされていく。

 搾り取られたそれが管の奥に吸い込まれていく頃には、カミラの身体から体力や気力といったものがごっそりと抜け落ちてしまっていた。

 当然といえば当然であろう。

 ただの搾乳と言えばそれまでだが、本来であれば出るはずのない母乳を怪しい薬によって出るような肉体へと変貌させられ、無理やりという手法でそれを奪われているのだ。見方を変えれば、カミラの生命(いのち)を奪い取る行為も同然の所業と言っても過言ではない。

 

「んぅ……はっ……あ、あぁん……」

 

 そして何よりも問題なのは、この非道な行いに対して全くと言っていいほど不快感を抱かないということだった。

 それどころか母乳が体外に放出される瞬間には強烈な快感が全身を駆け巡り、乳を搾られる度に強い絶頂感を伴うのである。

 おかげでカミラは、先ほどから胸だけで果てるということを何度も繰り返し続けていた。

 

「いい具合に搾れるようになってきましたね。……さて、それではそろそろ下の方も気持ちよくさせてあげましょうか」

 

 荒い息をつきながらぐったりと椅子に沈み込むカミラに、再びカムイの手が伸びてくる。

 少し前までであれば、形だけの抵抗になろうとも身じろぎするくらいの動きはしたであろうが、今のカミラには最早抵抗に暴れるだけの力も残ってはいなかった。

 彼女に流れる竜の血が成せる業なのだろう。指先のみを人の物ならざる異形へと変え、刃のように鋭く尖らせたカムイの爪が、タイツのような素材に近い肌のラインに沿ったカミラの下履きを少しずつ引き裂いていく。

 焦らしているつもりなのか、あるいは肌を傷つけないよう気をつけているのか。やけに緩慢な動作で進めるその様子を、カミラは気怠げにぼんやりと眺めていることしかできない。

 

「……あら、黒じゃない。意外ですね」

 

 程なくして下着まで露出させたところで、僅かに意外そうな様子でカムイは所感を漏らした。

 顕わとなったのは、カミラ自慢の菫色の長髪と比較的近しい色合いのお洒落なショーツ。両側から中心に掛けて控えめながらも見栄えのあるレースがあしらわれており、一目で上等なものだとわかる代物であった。

 

「随分とお洒落な御召し物を付けられているんですね。もしかして、実はこういう目に遭うことを期待していたのですか?」

「ん……くっ……」

 

 肌着を晒す羞恥からか、それとも侮辱混じりの言葉を投げかけられることへの憤りからか。顔を背けるカミラの頬に差す朱色は自然と赤らみを強めた。

 その様子にカムイは増々嗜虐心を募らせていく。

 体力は落ちてきているが、意識はまだまだハッキリとしているのだろう。カムイが新たに懐から取り出した淫具の存在に気づき、目を見開いているのがいい証拠だ。

 姉の反応を楽しみたいカムイとしては、寧ろそうでなくては面白くないというもので、見せつけるように手にした道具をカミラへと突きつけていく。

 

「コレ、ご存知ですか? バイブといって、魔力を通して動かすと物凄く気持ちよくなれる玩具なんですよ」

 

 先端から持ち手の柄の部分までが男性の性器を模った卑猥な形状の棒がカミラの頬を撫でる。

 色こそ実物とは程遠いピンク色であるが、実際の男性器を出来るだけ忠実に再現しているようで、大きさや形だけでなく硬さまで程よい肉質感のある精巧な作りで出来たものであった。

 

「うふふ、良いお顔になりましね。そういう表情をもっと見せてください」

 

 ひとしきりカミラの恐怖に歪んだ表情を堪能したカムイは、いよいよその淫具を使うべく姉の股間の正面へと膝を下ろす。

 流石のカミラもこればかりは許容できないと力を振り絞ってもがき始めるが、どれほど足掻いたとしてもやはり椅子の拘束は外れてくれはしなかった。

 しっとりとシミの広がったショーツがずらされ、ついに外気に晒されることとなった女性器の入り口とも言える箇所に、無情にもバイブの先端が押し当てられる。

 

「ひっ……、や……やめっ―――」

「では、カミラ姉さん。思う存分に味わってくださいね」

「いや、やめ―――――……~~~~~ん˝ん˝う˝ッッッ!!」

 

 ズブズブと男根がカミラの膣内へと挿入されていく。

 すでに十二分といえるまでに濡れていた女陰は非常に滑らかなものとなっており、悍ましい異物でさえ簡単に受け入れてしまうようになっていた。

 あっという間に根元まで挿入を果たされると、凄まじい官能の奔流がカミラを襲い、堪らず彼女はその身を激しく身悶えさせる。

 

「ふううううっ!! うくっ、んぅぅぅぅぅっ!!」

 

 いきなりの絶頂。

 長い時間胸ばかりを責められ続けられ、この瞬間まで一切触られることもなかった反動からか、彼女の秘所は自分でも驚くほど熟れたものとなってしまっていた。言ってしまえば、拒絶する意思とは対照に、身体の方はずっとこの快感が訪れることを待ち望んでいたというような状態に近いだろうか。

 ……否。もしかすると、その意思さえも実のところ表面上だけのもので、心の奥底ではこうやって犯される事への期待感が少なからずあったのかもしれない。

 なぜなら今この瞬間。カミラを文字通りに貫く凶悪な刺激を、彼女は快感として享受し、あまつさえ「気持ちいい」と確かに感じてしまっているのだから。

 

「まだまだ本番はこれからですよ」

「―――――っ!? くああっ、な、膣内で動いて……んああああっ!!」

 

 カムイの宣告と同時にやってきた新たな刺激に思わず悲鳴が上がる。

 突如、膣内を貫く淫棒が「ヴィ―ン」と低く無機質な音を立ててうねり始めたのだ。

 

「あんっ、ああああっ! あっ、ぐ! ひ、いぅぅぅぅぅ! これ……ダメ、んんっ! と、めてっ……止めてぇっ!」

 

 快感に蕩けた今のカミラには強烈に過ぎる刺激。

 己の内側で蠢く淫具に犯され、力の入らない身体が何度も何度も小刻みに跳ね上がる。男の性器を模った形状ということもあってか、まるで本物の男の手によって犯されているみたいだった。

 嫌で嫌で堪らないはずなのに、それでも身体は感じてしまう。

 情けなさや恥ずかしさなどといった様々な感情が沸き上がっては、そのことごとく快楽一色に塗りつぶされていくような感覚。このままでは本当に気が狂ってしまいそうだった。

 しかし涙ながらに許しを訴える声は、ずらしたショーツを膣内に挿入したバイブの柄に被せて固定するという無慈悲な行動で返される。

 

「ぅあああああああああっ!?」

「はい、これでもう玩具を取り出すことはできません。気持ちよくなりたい放題ですね。ただ、あんまり暴れると、バイブがどんどん奥に入ってしまいますよ? それとも、そのつもりがあって悶えているんですか?」

「いやぁぁぁぁぁぁっ!! うぁっ、はあぁんっ! あ、んあぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 

 最早カムイに応じるだけの余裕もなかった。

 下着に固定されたバイブはカミラの膣内を好き勝手に弄りまわし、両の胸に取り付けられたフラスコは略奪するための愛撫と吸引を続け延々と搾乳に働きかけてくる。

 凄まじい快楽の奔流に飲まれ、果てるほどにカミラは何度もイキ続けた。

 

「あああぁぁぁっ! イクっ、またイクっ! もう無理ぃ! っ、う˝あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 

 かっと目を見開くカミラの身体が一際大きく跳ね上がると、拘束されて不自由な身体が限界まで弓なりに反り上がった。

 一拍後。フラスコの中に白濁が吐き出され、異物が挿し込まれたままの下の口からもジュブジュブと大量の潮が吹き零れると、ついには尋常ではない痙攣が全身に渡って引き起こり始める。

 ―――限界であった。

 イキ狂う官能の地獄、それによって立て続けに起こる絶頂の負荷に、とうとう脳が耐えられなくなってしまったのだろう。真っ赤となった首から力が抜け落ち、かくりと垂れ下がると、カミラの意識は急速に薄らいでいった。

 

「―――……あらま、落ちてしまいましたか」

 

 次第に閉ざされていく意識の中、ぼんやりとカムイの声が聞こえてくる。

 

「仕方ありませんね。こうなってしまった以上、精々調教を施してたくさんお乳を搾ることとしましょう。いずれカミラ姉さんたちが自身の拠点に帰還するまでの間、たっぷりとね……」

 

 辛うじて残る意識の残滓が妹の邪悪な言葉を拾い取るが、カミラにはもうどうすることもできなかった。最早カムイの悪行を止めることはおろか、現在も両隣で自身と同じように悶え苦しむ他のカミラ達を救うことさえも叶わない。

 なんて無力なのだろう。

 一国の女王として君臨することになろうとも、英雄として異界の地に招かれようとも。結局のところ、どこまでいったところでカミラは所詮ただの“女”に過ぎないのである。此度の敗北は、その現実をいやという程に思い知らされるものとなってしまった。

 弱り切った心が、ほとんど無意識に求めてのことだったのだろう。己の無力さを抱きながら本格的に薄らいでいく意識の中、不意にカミラの脳裏を過ったのは、彼女が密かに心の拠り所とする己が召喚士の姿だった。

 

(エクラ……。ごめん、なさい……)

 

 それを最後に、今度こそカミラの意識は真っ暗な闇に沈んでいったのであった。

 

 

 

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