もし千葉くんがエロゲの主人公だったら 作:miyakokat
◎赤羽業、○中村莉桜、岡島大河、奥田愛美、茅野カエデ、木村正義、潮田渚、杉野友人、不破優月、三村航輝、矢田桃花、速水凛香、千葉龍之介
【青チーム】
◎磯貝悠馬、○片岡メグ、岡野ひなた、神崎有希子、倉橋陽菜乃、菅谷創介、竹林孝太郎、寺坂竜馬、狭間綺羅々、原寿美鈴、前原陽斗、村松拓哉、吉田大成、浮羽真緒(イトナ転入前)
〈青チーム 浮羽真緒視点〉
「見ての通りこの建物は、東西約100メートル、南北約30メートルの雑居ビルだ。通路に沿って、店やオフィスが並んでいる。いくらでも隠れる場所があるから、気を抜くとすぐに殺られるぞ」
「2階に上がる階段は東側、3階に上がる階段は西側にしかないってことは、つまり各階を必ず横切らないと敵の陣地までたどり着けないってわけね」
見取り図を見ながら説明する磯貝くんと片岡さんを囲んで、青チームのメンバーが熱心に聞いている。
「わたしらの陣地は1階か。3階の赤チームに比べたらいきなり不利だね」
狭間さんの愚痴に、竹林くんがメガネをクイッと上げた。
「その代わり2階の3/5は最初からこっちの陣地になってる。それを活かして少しでも速く3階に突入できるかどうか、そこが勝負の分かれ目だね」
「責任重大だとよ」
「まあ、任せとけって」
おどける村松くんに寺坂くんが応える。
突入の第一陣は寺坂、村松、吉田、前原の4人。第二陣は片岡、岡野、神崎、わたしの4人に決まった。
わたしは正直、赤だろうが青だろうがどっちが勝とうとどうでもいい。そんなことよりもっと気になることがある。
それは先週から急に態度が素っ気なくなった千葉龍之介のことだ。
昼間はずっと眠たそうにしているし、射撃の練習をしてもどこか上の空で、デートに誘っても用事があるとかなんとか言って誤魔化される。
…おかしい、何か裏がある。
ずっとそんな気がしていた。
その第六感が、さっきの様子で確信に変わった。千葉くんは速水と何か企んでいる…。
クラスメートの様子もなんだかおかしい。
先週ぐらいから妙にわたしによそよそしくなった。
…もしかしてあのことがクラスにバレた?
もしバレたとしたら、あの超生物の仕業に違いない。あのタコ、いつもわたしに何か引っかかる言い方をしてくる。裏で何か企んでてもおかしくはない。
そうか、クラスメートや教師まで巻き込んで、この機会にわたしを追い詰めようというわけか。あの速水凛香という女、あいつだけは絶対に許せない…!
千葉くんもこのわたしを裏切るだなんていい度胸してるわね…。その浅はかな判断を必ず後悔させてやる!
わたしには必殺技がある。たとえ速水が千葉くんを丸め込んだとしても、いざとなればあれで勝てる。千葉くんの目の前でわたしに負けて絶望した速水の顔が見てみたい…!!
「さ、そろそろ時間よ。急ぎましょ」
片岡さんに促されて、青チーム全員が立ち上がった。わたしは磯貝くんや片岡さんの指示を聞くつもりなどさらさらない。自分の好きなようにさせてもらう…!
〈赤チーム 潮田渚視点〉
パーンッ!ババババッ…!!
2階の通路で両チームの激突が始まった。ぼく、杉野、それに木村くんの三人で、開始と同時に前線を突破。激しい弾幕のなか、それぞれがすぐ手近な店に飛び込んだ。
ぼくが潜り込んだのはカバン屋だった。
大きな棚に身を隠しながら、近寄ってくるターゲットをゴムナイフで狙う。
「えっと…渚が逃げ込んだのはここだよな?」
敵チームの菅谷くんが短機関銃を構えながら辺りを伺っている。
スッ…
シュパッ…!!
「うえッ…!?」
『青チーム菅谷さん、渚さんのナイフで死亡です』
「うそだろ?もう終わりかよ…」
背後から首を刈られて呆然としている菅谷くんを尻目に、ぼくは悠々と次の店に飛び込んでいく。
〈青チーム 浮羽真緒視点〉
『青チーム村松さん、岡島さんの銃撃で死亡です』
「くっ…やるわね、岡島くん」
「前原うまくやってくれるかな…」
目の前でやり取りをしている片岡さんと岡野さんのあいだをすり抜けて、わたしは通路に躍り出た。
「…えっ!ち、ちょっと、浮羽さんどこ行くの!?」
銃弾の激しく飛び交うなか、わたしは敵陣の洗濯屋に飛び込んで、カウンターに隠れていた三村くんと不破さんを容赦なくマシンガンで薙ぎ倒した。
ズバババババッ…!!
『赤チームの三村さん不破さん、浮羽さんの銃撃で死亡です』
「…な、なんなんだ、いまの……」
「う、浮羽さんの設定って、ち、チート過ぎない?…あーそうか、道理で夢主っぽいキャラだと思ったよ…」
「…待て不破、それ問題発言だ」
…何か聞こえたような気がしたけど、気にしないことにする。通路を駆け抜けると、突然左右から敵の気配を感じた。
カチッ…カチッ…カチッ…!
くそッ…!
わたしのマシンガン、どうやら弾が噛んだようだ。
『銃の手入れだけは怠るな』
以前、一度だけ千葉くんに言われた言葉が頭をよぎる。そのあと「速水なら…」と言いかけたのを、わたしは聞き逃さなかった。
「くっそぉッ…!」
急いで詰まりを直そうと焦っていると、杉野くんと木村くんが左右からわたしに銃を向けてきた。
「おっと浮羽さん、運がなかったね~」
「その銃、床に置いてもらおうか」
「ちぇっ。はーあ、ざーんねん!」
わたしは屈んでマシンガンを床に置き、観念したふりをしながらゆっくりと立ち上がった。
パンッ!パンッ!
「…え、ま、マジか…」
「…う、ウソだろ…」
二人は呆然と自分の胸についた青い塗料を見下ろした。
立ち上がるとき、わたしは素早くショートパンツのお尻のポケットに入っている二丁のハンドガン(デリンジャー)を使って、後ろ手のまま左右の杉野・木村を射殺したのだ。
わたしはそのまま通路の先に目を光らせる。
「ねえ、渚」
「……」
「そこにいるんでしょ?」
「……」
「取引しようよ」
「……」
「わたし、この試合の勝ち負けなんかどうでもいいの。千葉くんの目の前で速水を殺れたらそれでいい。あんたもこの試合に勝てたら、それでいいんでしょ?」
「……」
「だからここを通して、…あっ……」
言い終わるまでに渚の気配は消えていた。
…渚とわたしの利害関係はどうやら「一致」したようだ。
〈赤チーム 千葉龍之介視点〉
『赤チーム奥田さん、前原さんのナイフで死亡です』
『青チーム竹林さんと狭間さん、渚さんのナイフで死亡です』
「ナイフが得意なメンバーが意外とやるな。たしかにこのゴチャゴチャした建物だ、あっちのほうが有利な場面も多いだろうな」
「そうね。あ…そろそろ敵が上がってくる…」
階段から聞こえてくる銃声が大きくなってきた。俺と速水は通路を挟んでアサルトライフル(M4カービン)を構えている。
「やっと来たか、こうして待ってるのも暇だしな」
「ロヴロさんが、狙撃手は待つのも仕事だって」
「そうだったな」
狙撃手は泥の中だろうと、蛇や虫が這い回る密林の中だろうと、ターゲットが来るまで何日でも待つ、それがプロの仕事だと言っていた。
ダダダッ…!
((きた…!))
複数の足音が階段を駆け上がってくる。
寺坂と吉田が3階の通路の手前で防火扉に隠れて、闇雲に銃撃してくる。
ババババッ…!ババババッッッ!
おいおい、的が見えてないと当たらないだろうに。
パンッ…!ピシャッ!
俺の撃った弾が寺坂の胸を撃ち抜いた。
「うわッ…ちくしょう!」
『青チーム寺坂さん、千葉さんの銃撃で死亡です』
「くそっ…!」
仇とばかりに今度は吉田が発砲してきた。
ババババッ…!パンッパンッパンッ…!
射撃成績のいい吉田はあなどれない。俺も速水も激しい反撃を受けながら、二人がかりで何とか倒した。
『青チーム吉田さん、速水さんの銃撃で死亡です』
「ちっ…!」
タタタッ…!吉田の敗退を受けて、誰かが慌てて階段を駆け降りる音がした。
「今のだれかな…?」
「わかんね。たぶん前原?」
〈赤チーム 岡島大河視点〉
ガバッ…!パンッパンッ…!
「ふえっ?…ざ、ざんねん…くやしいーっ…!」
『青チーム倉橋さん、矢田さんの銃撃で死亡です』
「えへへ、陽菜ちゃんごめんねー!」
スッ…。ババババッッッ…!
「うはあッッ…!か、神崎さん…!?」
『赤チーム矢田さん、神崎さんの銃撃で死亡です』
「ちぇー…油断した…」
シュパッ…!
「ぶふっ、や、殺られたぁ…」
『青チーム原さん、茅野さんのナイフで死亡です』
立て続けに入ってくる律の戦況アナウンス。
「ねえ岡島!うちはあと何人残ってるわけ!?」
残っているのは3階のカルマ、千葉、速水を除けば、一人で敵陣に潜入してる渚、その渚を追いかけて突入した茅野、あとは俺に質問した中村。つまりもう7人しかいねえ…。
相手チームは今俺たちと戦っている岡野と神崎。そういえば片岡がいないけど、たぶん渚・茅野と交戦中だろう。寺坂チームに階段を突破されたときは焦ったけど、さすがは鉄壁の仕事人コンビ。あとは前原か。それと陣地にいる指揮官の磯貝。
これで5人。
お!数だけなら俺らが勝ってるじゃん。
…あれ?
そういえば浮羽はどこ行った…!?
〈青チーム 片岡メグ視点〉
「はあ…、はあ…、はあ…!」
私は1階の通路で茅野さんと対峙していた。
なかなかどうして、とても手強い…。
ここを突破されたら磯貝くんまでもう後がない。なんとかして勝たないと…。
シュバッ…!
茅野さんの繰り出すナイフを素早く避けると、腕のリーチ差を活かして、逆に茅野さんの腹にめがけてナイフを突き出す。
シュッ…!
くっ…、惜しい…!でもこれでどう!?
グイッ…!!
私は茅野さんの右腕を引っ張ってその体勢を崩す。
「ひゃああッ…!」
仰向けにひっくり返った茅野さんの首元に、ゴムナイフを押し当てる。
『赤チーム茅野さん、片岡さんのナイフで死亡です』
「はあッ…はあッ…!茅野さん、なかなかやるじゃない…。こんなに手こずるとは思ってなかったわ」
「悔しいけど…はあ…はあ…、目的は達成したからまあいいか…」
「…え?そ、それはどういうこと…?」
「私たちが戦ってるあいだに渚が横を通ったの、気づかなかった?」
や、やられた…!!
私は急いで振り返り、磯貝君のいる陣地へ向けて走り出した。
その時の私は、渚がまだ近くにいるなんて思いもしなかった。
突然背後に気配を感じたときには……もう遅かった。
ザシュッッ…!
『青チーム片岡さん、渚さんのナイフで死亡です』
〈青チーム 前原陽斗視点〉
「はーい、こんにちは前原くん!」
「う、浮羽…、来たのはお前だけか?」
浮羽はたしか第二陣メンバーだったはず…?
「岡野や神崎さんはどうした?」
「さあねー、知らないわ」
ナイフがメインの俺が、スナイパーコンビと2対1で対決するのは分が悪すぎる。だれか銃の得意な奴が援軍に来るのを待っていたが、よりによってこいつかよ…。
浮羽ってすげえかわいい顔してるけど、性格キツくて苦手なんだよな…。
「ねえ、あんたのマシンガン、わたしに貸してくれない?」
「あ?…ああ」
たしかにコイツが持ってたほうが役に立つ。悔しいけど俺は素直に手渡した。
それから二人で慎重に階段を上がると、突然浮羽がダッシュで通路に飛び出して、向かい側のトイレに滑り込んだ。すかさずマシンガンで千葉と速水に猛攻を加える。
ババババッッッ…!!!
撃ったら移動、撃ったら移動を繰り返し、あっという間にあの二人との距離を詰めていく。浮羽、あいつマジでヤベえ奴だな…。
そのままどうするのか見ていると、浮羽は突然通路と一体になっている100円ショップの中にスッと隠れた。
〈赤チーム 中村莉桜視点〉
ひゃー凛香ごめん!!
浮羽が階段を上がっていくのは見えたけど、目の前の二人が強敵過ぎてそこまで手が回らなかった。なんとかこの二人を食い止めるから許してねーーーー!
ダダダッ…!ガチンッッ!
「ちいッッ…!」
わたしは飛び込んできた岡野さんのナイフを何とかライフルの柄で防ぐと、背後の本屋に飛び退った。
「なかなかやるじゃん、岡野っち~」
ババババッッッ…!
あ、あれ…どこ行った…?
「おーい…」
ヤバい…岡野っちの気配が感じられなくなった。一瞬でも気を抜くと狩られる…。ジャングルで肉食獣にロックオンされた気分って、こんな感じなのかね…。
『赤チーム岡島さん、神崎さんの銃撃で死亡です』
ちっ…、厄介な敵がさらに増えた。
食い止めるどころか、時間稼ぎも無理か…。
さーて、あとは渚の活躍次第だね。
どっちが先に旗を取るか、それとも全滅するか…。時間との戦いだ。
〈赤チーム 速水凛香視点〉
ついに浮羽が目の前に現れた。
よほど私が憎いのか、恐ろしい形相でにらみながらそれでも的確に銃弾を撃ち込んでくる。ギリギリまで間合いを詰めたその時、突然100円ショップに浮羽が飛び込んだ。
棚の向こうから、浮羽の手が「こっちに来い」と合図をしてくる。
私は千葉に頷くと、慎重に棚のあいだをすり抜けて浮羽に近づくことにした。
『赤チーム中村さん、岡野さんのナイフで死亡です』
莉桜が敗れた…!
まずい…急がないと下から敵の援軍が上がってくる!
「ねーえ速水、わたしから千葉くんを取り戻したつもりで、いい気になってんじゃないわよ?あんた、またカラダでクラスメートをたらし込んだのかな~?つくづく卑怯な女だよね~」
「やめろ…浮羽!」
前原を警戒していた千葉が振り返って、浮羽を一喝した。
「千葉くん、なんでそんなに怒るの?バッカみたい。速水がこのわたしに勝てるとでも本気で思ってんのかな~?」
「ああ、そう思ってる。浮羽、お前はたしかに長距離射撃は上手い。でも、実戦ではお前よりも速水のほうがはるかに強いぞ?」
浮羽がグッと息を呑んだのが伝わってきた。
「速水、俺と練習したことを思い出せ。お前なら必ず勝てる…!」
「ずいぶんと過大評価されてるじゃない?速水」
「聞いたでしょ?あんたも隠れてないでかかってきたらどうなの?もしかして今のでビビッたかな?」
「はあ!?なんですってえッ…!!」
ババババッッッ…!!
私だって、言おうと思えばこんな嫌味ぐらい言えるのだ。浮羽は無駄にプライドが高いぶん、煽り耐性は低い。カッときてすぐにマシンガンをぶっ放してきた。
ガシャンガシャン!と棚に置かれたガラス食器がペイント弾で吹き飛ばされて粉々に散らばった。
私はライフルを置くと、お尻のポケットから小型のハンドガン(ワルサーPPK)を取り出した。
普段学校で使う銃(コルトガバメント)のほうが飛距離もあって命中精度も高いけど、こういう動きのある場面では大きすぎて私の手に余る。相手は一人。弾数はそんなになくていい。私は次々と棚のあいだを移動して、浮羽を追いつめることにした。
ババババッッッ!パンッパンッパンッ!
焦ってるのか、無駄に弾幕を張ってくる浮羽の様子を棚の間から伺いながら、弾倉を切り替えるタイミングで一気に前に出た。
パンッ…!
惜しい…私の放った弾が浮羽の頬をかすめて、後ろの棚に当たった。
「…く、くっそお…速水!!」
ババババッッッ…!!
浮羽が反撃してきたときにはすでに私は別の棚に移動している。
「ど、どこ行った…!?」
慌てて左右に目を走らせる浮羽を目掛けて、棚の間から慎重に照準を合わせる。
「ひいっ…!」
とっさに目が合った浮羽は、見た事のないほど悲壮な表情をしていた。その顔に驚いて、思わずほんの一瞬トリガーを引くのが遅れてしまった。
…そのときだった。
『試合終了です!赤チーム勝利!渚さんが青チームの旗を取りました~!』
え…?お、終わった…!?
あと3秒…、あと3秒あればとどめを刺していたのに…。仕方なく私は構えていた銃をおろした。
「…ま、まだ負けてない!負けてないんだから!!!」
せっかく九死に一生を得たというのに、浮羽はまだ取り乱している。
前原、神崎、岡野、そしてその三人の相手をしていた千葉が近づいてきた。クラスのみんなもなぜか次々と階段を上がってくる。
私がハンドガンをお尻のポケットに戻すと、浮羽のドス黒い声が聞こえてきた。
「…速水!勝負はまだ済んでないでしょ!?早撃ちでわたしと勝負しなさいよ!」
「…いいよ、わかった」
「ちょっと凛香!そんな挑発に乗らなくてもいいって…!」
莉桜が心配して叫んだけど、前髪に隠れた千葉の目が私に「戦え」と促している。
浮羽もデリンジャーの残弾を確認すると、ショートパンツの後ろポケットにしまった。互いの距離は10メートルもない。
「律、10数えて」
『了解しました!10……9……8……7……」
〈浮羽真緒視点〉
…かかったね、速水!
早撃ちは私の得意技!
これであんたも終わりだよ…!
『5……4……』
『3……2……1…』
『…ゼロ!』
パンッ…!!
もらった!!!わたしは目にも止まらぬ早業でデリンジャーを引き抜くと、腰の位置でそのままトリガーを引き、速水の腹を撃ち抜いた。
……はずだった。
ピシャッ…!!
「…え…?…な、…なに…?」
私の額に何かが当たってドロリとした液体が顔に垂れる。触るとそれは血のように真っ赤な塗料だった。
『浮羽さん、速水さんの銃撃で死亡です』
〈千葉龍之介視点〉
は、速水が勝った…!!!
はー…よかった…。焦った焦った…。
もし浮羽が速水に一対一を挑んでくる場面があるとしたら、必ず得意の早撃ちを提案してくるに違いないと俺は予想していた。
ゼロの瞬間、速水は俺との打合せ通り、素早く床に屈みこむと、先に浮羽に撃たせてからその隙に反撃した。
「…は、はは、ま、負けた…?このわたしが負けだって…?こ、このおぉぉぉおおおおッッ!!!」
浮羽が突然ガバッと速水の胸倉をつかんだ。
「こんなぁあああっっ卑怯な手でッ…わたしに勝ったと思うなアアアアッッッ!!!」
慌てて止めに入ろうとしたとき、突然横から中村が浮羽につかみかかった。
「あんたなに言ってんの!?だれがどう見たってあんたの負けでしょうが!!」
「…う、うるさいいいいッッ!黙れッッ!!」
「浮羽さん、もういいでしょ…充分戦ったじゃない」
「…か、片岡…さん…?」
「速水さんを離してあげて…」
「…か、神崎…さ…ん……」
振り返るとクラス全員が浮羽を見つめていた。
「…あ、あんたたち……!」
「ん…?どうした、何事だ…?」
烏間先生が階段を上がってきた。
「…あああッッ!!も、もういいッッ…!!!わたしッ、わたし帰る!!!」
浮羽は速水をドンッと俺に突き飛ばすと、クラスのみんなを押しのけて階段を降りていった。
「み、みんな、浮羽さんになにかあったのか…?」
「なんでもありませーん!」
倉橋さんの妙に明るい声に押されて、一人だけ何も知らない烏間先生は、頭に「?」をいっぱい付けて不思議そうにみんなを見た。
こういうバトル物って、書くの楽しいですねー(自己満足)
できれば生徒それぞれに見せ場を作りたかったのですが、長くなるとダレるし、バランスが難しかったです…。
暗殺教室はE組全員大好きなので、今回あまり目立たなかったメンバーも、これから活躍してもらいたいと思ってます!ぜひご期待ください!
あ!今回エロ要素がなかった…。
千葉くんの真面目路線も今回で終了して、次回から「エロゲの主人公」に戻ります。お楽しみに!
余談ですけど、wikipediaでM4カービンを調べると、登場作品で暗殺教室、そして千葉くんと速水さんの名前が出てきて驚きました。