もし千葉くんがエロゲの主人公だったら 作:miyakokat
「おはよう千葉」
「おう、おはよう」
いつも俺は旧校舎に登る山道の手前で、明るい色の髪を二つ括りにした自慢の彼女、速水凛香と待ち合わせるようにしている。
おー、今日はまた一段とかわいいなあ!などと内心のろけつつ、並んで歩きだそうとしたその時だった。
「あ!おーい千葉!」
「ハア、ハア、ゼーゼー…」
「よかった間に合った」
「なんだなんだ、どうしたお前ら、久しぶりだな」
目の前に慌てて駆け寄ってきたのは、本校舎D組の男子三人。軽音部の元バンド仲間だった。
「すまん千葉!この通りだ」
「黙って俺たちの言うことを聞いてくれ!」
…?
突然両手を合わせて拝み始める三人。
何のことだかさっぱりわからない。
俺は速水と目を合わせて首を傾げ、とにかく三人の話を聞くことにした。
「去年俺たちは学園祭にバンド出演したよな?」
「ああ」
「頼む千葉!今年もお前に出て欲しいんだ!」
「はあ…!?」
おいおい…そりゃマズいだろ。
「知っての通り俺はE組なんだけど…」
「もちろんそれはわかっている」
バンドのリーダーで、ギターのタクミが真面目な顔で俺の両肩をつかんだ。
「年が明けたらみんな卒業、今度の学園祭が四人でバンドを組む最後のチャンスなんだよ!」
たしかに俺も卒業したら建築系に強い別の学校に進むつもりだ。お互いがそれぞれの道に進めば、おのずと会う機会も減ってしまうだろう。
「ボーカルはやっぱ千葉、お前でないとダメなんだ」
そう言われてもな…。俺が戸惑っていると三人の中で一番おしゃべりなキーボードのユウトがガバッと頭を下げた。
「他のヤツだとしっくりこないんだ、わかってくれ!」
普段から寡黙なドラムのコウヘイまでがボソボソと呟く。
「…お前がダメなら出演をあきらめる。俺らそれくらい本気なんだ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ…」
顎に手を当てて少し考えた俺はもう一度三人を見た。
「…わかった。と、とにかく一晩だけ考えさせてくれ」
「オッケー!じゃあこれ楽譜、明日の朝また来るからよろしくな!」
タクミが俺に楽譜の束を手渡すと、三人はバタバタと本校舎に走って行った。
◇ ◇ ◇
キーンコーン、カーンコーン
放課後、いつものように二人で射撃練習を始めると、ふいに速水が今朝の出来事を訊いてきた。
「どうしてすぐに返事をしてあげなかったの?」
「あ、ああ…」
「もしかして私に遠慮して?そんなこと考えなくていいのに。千葉のボーカル、私も聴いてみたいし」
「うむむ…」
俺が返事をしなかったのにはもちろん理由がある。ひとつは俺がE組だから、俺が出るとあいつらに迷惑がかかる。それと…。
「それとなあに?」
速水がコテンと首を傾げ、睫毛の長いきれいな瞳で優しく俺を見つめてくる。
くうう~…かわいいなあ。
見てるだけで自然と頬が緩んでくるぜ(ニヤニヤ)
( ゚д゚)ハッ!
いかんいかん。これではただの変態じゃないか。ゴホンと咳払いをひとつして、俺は真面目な顔に戻す。
「今度の学園祭、去年と違って軽音部の出し物がプログラムに上がってなかったんだよな」
「どういうこと?」
今年はA組が学園祭のあいだイベントホールを占領するせいで、発表の機会がなくなったようなのだ。
「あいつらどこで演奏するつもりなんだろう」
「うーん…」
「もしかしたらなんか企んでるんじゃないかと」
「どうしてそう思うの?」
「体制への反抗。それこそパンクバンドの宿命だから」
「ふーん…」
速水はあいまいに頷くと、突然パッと明るい顔をした。
「こんなのはどう?顔がわかんなきゃいいわけだから、千葉はメイクして舞台に出るの」
「俺も今ちょうどそう思ってた」
「でしょ?」
速水が気持ちのいい表情で微笑んだ。
「クラスの模擬店は人手あるし、少しくらい抜けても大丈夫だよ」
「それもそうだな…」
学園祭と言っても俺たちE組は、この山の上の旧校舎しか出番がない。本校舎であいつらとパンクロックでひと暴れするのも面白そうだ。
「よーし速水、そうと決まれば今からカラオケ行くぞ!」
「えっ!?気が早くない!?」
「善は急げ、だろ?」
「もー、千葉って案外お調子者だよね」
「へへへ、言うな速水くん」
俺たちはいつになく早めに射撃練習を切り上げると、ライフルを返しに校舎に向かった。烏間先生とビッチ先生に、校舎の戸締まりを頼まれていたからでもある。
「殺せんせーは?」
「スペインにラリーを見に行ってる。パエリア食ってから戻るって」
「ふーん」
「…あれ?」
校舎の玄関に着いたところで、速水が何か異変に気がついた。速水の指差すほうを見ると、磯貝・片岡のクラス委員コンビの靴がまだ残っている。たしかにおかしいな。あいつら先に帰るって言ってたような…。
振り向くと、もう速水はソロソロと足音を忍ばせて廊下を進んでいた。
な、なんだか、まずい予感がするぞ。
速水を止めようとしたその瞬間、普段使われていない空き教室から艶(なまめ)かしい声が聴こえてきた。
『う…く…』
『ん…ん…、ぷは…、磯貝くん…これ気持ちいい?』
『あ、ああ、メグ…』
や、やっぱり……。
俺と速水は恐る恐る空き教室を覗いてみた。
教室にはイスに腰かけた磯貝と向かい合う格好で、磯貝の両足のあいだに顔を埋めている片岡が見えた。
磯貝のアソコを、まるでアイスキャンディでも楽しむかのように舌を這わせ、頬張っている片岡の凛々しい横顔…。
ゴ、ゴクリ…。
めちゃくちゃエロいな…。
おいおい…どうしたんだいったい。あのクソがつくほど真面目なコンビがこんな大胆なことをして…。
『そ、そろそろ千葉と速水さんが帰ってくるぞ…』
『んん…(チュポ)、大丈夫あの二人はまだ練習してる時間だから…、ねえ、ここはどう?(レロッ)』
『うくッ…最高だ、メグ…。めちゃくちゃ気持ちいいぞ…』
うわー。わわわ。
片岡の口で扱くペースが徐々に速くなり、たまらず磯貝が天を仰いだ。よく見ると磯貝の特徴的な髪(通称アホ毛)が逆立って揺れている。
さすがにこれ以上見るのはプライバシー的にマズいよな。俺は速水の腕を引っ張って、隣の家庭科室に身を潜めた。
「(小声で)やるなー、あの二人」
「……。」
「しかし、あいつらが帰らないと俺らも帰れんし、困ったな…」
「……。」
なぜか返事がないのでふと見ると、速水は見たことがないほど真っ赤になってうつむいていた。
『あ、…ああ!うくッ…!…はあ!はあ!』
磯貝の大胆に喘ぐ声(イケメンボイス)がモロに聴こえてくる。ううう…聴いてるこっちまで恥ずかしくなってきた!
「……。」
もう一度速水を見ると、磯貝のあの声に当てられたのか、なんとも言えない表情で俺を見上げている。
ううう…かわいいなあ。
速水も片岡くらい大胆だったらいいのに…。
…おっと、いかんいかん。ちょっと想像してしまった。そんなの速水のキャラじゃないよな。
『うあッ…や、ヤバい…!メグ!で、出る…!!』
『んむ…!んん…!ぷはッ…いいよ磯貝くん、わたしの口の中で出してえ…!んむッ!んんっ…!』
す、すげええええ…!
ガタガタッとイスが軋む音がして、急に静かになった。
…どうやら事が済んだようだ。
「…ねえ」
「ん?どした速水?」
「千葉もやっぱり男の子だから、ああいうこと、してほしい?」
ブフォッ…!!!
「(小声で)はああああいいいいいいいいいい…!?!?!?」
『…ん?いまなんか物音がしなかったか?』
や、ヤバい…!!
磯貝が気がついた!?!?
俺は速水と急いで部屋の隅の掃除道具入れに飛び込み、恐る恐る扉を閉めた。
…せ、狭い。
かろうじて二人で立っているのがやっとだ。
『気のせいか…』
危なかった…。
わずかの差で磯貝が部屋を覗きに来た。
『磯貝くん、戸締りして帰ろ?』
『ああ、そうしよう』
磯貝が家庭科室の窓を締めているあいだ、俺たちはドキドキしながら息を潜めて待っていた。不可抗力だが、俺はいま速水の背中に思い切り身体をくっつけている。
ううう…二つ括りの髪のあいだから覗く速水の白いうなじがめちゃくそ色っぽいな…。おまけにいい匂いがこの狭い掃除道具入れ全体に漂ってる。あー…マジ幸せ。
や、やべっ!俺の分身が元気になってきた。ま、まずい、速水のお尻に当たってる…。
「…あ…ち、千葉…?」
す、すまん速水、これは不可抗力だ。
こ、こら、動くなって、動くと刺激で余計に元気になっちまう…!
ギンギンに屹立した俺の分身が、スカートに包まれた速水のお尻にグイグイと押し付けられている。あああ…気持ちいい…。
速水が切なそうな顔で俺を振り返り、目をつむってそっとキスをしてきた…。小さな蕾のような速水の唇に俺の唇を重ねて、互いの感触を確かめあう。
さ、最高…!!
はー…。恋人同士ってほんといいもんだな…。
調子に乗った俺は、さらに速水のお尻にリズムよくグイグイと分身を押し付ける。すると速水のほうからも反撃とばかりに舌で俺の唇をゆっくりとこじ開けて、口腔内に侵入してきた。
くくく…かわいいやつめ。俺は小さな舌を逆に絡めとると、返り討ちで速水の歯茎や前歯の裏側を舐め回した。
「うッ…ふ、ん…はん……」
たまらず速水の鼻腔から甘い息が漏れる。一度理性の飛んじまった俺だ。もう何の歯止めも効きやしない。
速水の両脇に手を差し込んで、制服の上から魅惑のCカップを揉みしだく。
あああ…柔らかい、この感触…。
まさに最高オブ最高…!!
「ん…、ふ、あ、あむ…うんん…」
お尻に分身を押し付け、口にはディープキス、そして胸の感触まで味わい尽くす…。くー…このままぶっ放したら、どんなに気持ちいいだろう…。
『さ、帰ろうかメグ』
『うん』
廊下の先でクラス委員コンビが靴を履く音が聞こえる。ふー…やっとあいつら帰ったか。だったらもうこんなとこに閉じ籠ってなくてもいいよな。
辺りを伺いながらゆっくりと扉を開け、速水を目の前の調理台に両手を付かせると、ブレザーを脱がして、ブラウスの上から上半身をくまなく愛撫した。
「ひあ…、はあ…んんッ!」
思わず漏れる喘ぎ声を抑えようと、あわてて速水が右手で口を押さえる。だめだだめだ、もっと聴きたい。俺はその手をつかんで邪魔をする。
そして空いた左手で速水の太ももを撫でながらプリーツの効いたスカートを捲り上げると、小さな赤い花が水玉模様になったかわいいショーツが丸見えになった。
うはあ…、す、すんげーエロい…。
速水って、普段はこんなパンツはいてんのか…。
岡島じゃないけど、速水のお尻ってほんといい形してるよな…。おまけに黒のハイソックスのふくらはぎ、白くてすべすべした魅惑の太もも…。ううう、素晴らしい。
「こ、こら、恥ずかしいからそんなにジロジロ見ないでよ…」
「いや、マジで速水、国宝級だわ…」
「ば、ばか…!」
うーむ。これしかないと断言したくなる完璧な造形。男の考える下半身の理想そのもの…。
もちろん眺めるだけじゃつまらない。俺は果実の表面にゆっくりと指先を這わせ、その柔らかな感触を味わっていく。
「く、はあ…!んん…!」
お尻の割れ目に沿って指を滑らせると、ショーツのクロッチ部分で指先が沈み込み、中からジュッと果汁が染み出した…。そこを集中的に攻めると、ねっとりとした甘い果汁が指に絡みつく。
「見ろよ、こんなに濡れてるぜ」
「…だ、だめ…」
指先を見せられて、真っ赤になって目を反らす速水がかわいい。俺は今にも暴発しそうな分身をファスナーから引きずり出すと、速水の水玉のパンツの腰に手をかけた。
ゆっくりと膝までパンツをずり下ろす。愛液が銀の糸になって垂れ、おもむろにプツンと途切れる。
ふわー…エロすぎ。
速水のナマのお尻、ほんとヤベえくらい魅力的だ…。
よーし…そろそろいくぞ。
俺は速水の両脚を肩幅に開かせると、ガチガチに尖った剛直の先を押し当てて、速水の腟(なか)にゆっくりと沈み込ませた。
チュプリ…。
うッ…!すげえ温かい…。
亀頭を包み込む、柔肉の甘い感触が、ま、マジでたまんねえ…!
「んんッ…!」
手早くボタンを外してブラウスを脱がすと、パンツとセパレートになった水玉のブラが露になった。よく見ると薄手の生地に背中の肌色が透けてて、エロいことこの上なし…。
後背位(バック)だから、おっぱいがあまり見えないのが残念だけど、ジャズダンスで鍛えた速水の見事な背中を堪能できて、それだけでも言うことなし。
ミチ、ミチミチ…。
く…結構きついな…。
いきり立つ分身を速水の腟奥に挿れようとするも、バックは初めてだからキツくてなかなか挿入らない。考えてみれば速水とのエッチはまだ二回目だもんな。
「く…(は、挿入らん)」
ふー…落ち着け俺。
分身を小刻みに出し入れして棹に愛液を馴染ませると、満を持してもう一度ゆっくりと腟奥に挿し込んだ。
ジュプププ…。
よーし、挿入った…!
根本までしっかり挿入したことを確認してから、試しにトンッと勢いよく子宮の入り口を突いてみる。
「ひゃあッ!んはあ…」
速水が小さく悲鳴をあげ、グッと背中をのけ反らせた。フハハハハ。これからさんざん喘がせてやるから覚悟しな!(悪人顔)
「…ね、ねえ、千葉、ゴムしてる…?」
へ…?さ、さあ?
いったいなんのことでしょう?(トボケ顔)
「…こ、こら、なに黙ってんの!」
ち、バレたか…。でも俺はメゲんぞ。
「すまんけど、もう我慢できんわ。今日はゴムなしでいこう」
「…え、ち、ちょっと!」
速水を黙らすため、俺は無慈悲にもピストン運動を開始した。
ジュプッ…!ズププッ…!グプッ!ヌプッ!ジュプッ!
「ち、千葉!ひゃあん!…あ、あん、あ、あ、あ、だ、だめ、はあんッ…!…いや、や、やああ、き、気持ちいいッ…!」
速水は調理台に両肘をついて、必死に俺の恥突に耐えている。なんだ、もう白旗かよ。チョロいやつめ。
うっ…!くっ…。や、ヤバい…!
あー…危なかった…。気持ち良すぎて、ちょっとでも気を抜くと射精しそうになる…。
しかし、いつもの校舎で大好きな速水とエッチだなんて、マジで妄想の世界のことだと思ってたのに、ほんとに実現するなんて、神様ほんとにいいんですか?
何か大きなバチが当たっても仕方がないこの俺だけど、とにかく今は見た事もないどこかの神様に向かって、心の中で合掌感謝しつつ、無心になって速水のお尻に腰を打ち付けた。
ジュププ!ヌプッ!グプッ!ズププッ!ズッ!ズッ!
「うんッ…はああッ!や、やん、あんんッ…!あ、あ、あ、あ、やああッ…!だ、だめえッ…」
うはー…抜き挿しするたびにまとわりつくようなこの感触。頭がおかしくなるくらい気持ちいい…!
目の前には、上半身をブラだけ、下半身は捲り上がったスカート姿で、俺に好きなだけエッチされている速水がいる。まさに俺史上、最高のシチュエーション…!
「ち、千葉…!はあんッ!…わ、わたし、げ、限界だからああッ…そ、そろそろ…お願いッ…!」
とめどない快感から少しでも逃れようと、速水が腰を浮かして涙目で俺を振り返る。そんな目で見られると、余計に俺のドSに火が付くってもんだぜ?
俺は逃さぬとばかりに速水の左肩と右の二の腕をつかむと、容赦なく子宮口を突き上げた。
「ひゃああッ!!やああッ…!アンンッ!アンンッ!や、あ、あ、あ、あん、だめだってええッ…!」
速水の乱れっぷりがヤバいな…。さすがにこれ以上はまずいかな…。嫌われても困るし、俺もこれ以上粘ると本気で速水に中出ししちまいそうだ…(ヤバすぎ)。
えーい仕方ない、フィニッシュといくか!
パンッ…!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
うあ、あ、あ、あ…。
速水のお尻に高速で腰を打ち付けると、頭がおかしくなるほど快感が脳髄に込み上げてくる…!
「あんッ!あんッ!あんッ!あんッ!ち、千葉あ…!!も、もうだめえ…!」
「い、イクぞ!速水いいいいッッ!!!」
さすがにもう限界だ…!!!
い、イクうううううッッッッ…!!!
「ぐはああッ…!!」
ギリギリまで粘りに粘って、勢いよく分身を引き抜くと、溜まりに溜まっていた俺の欲望が噴水のごとく噴き出した。
ブビュッブビュッブビュッ…!!ドクドクッ…!!ブビュッ!ブビュッ!
「うはあッ!!!く、くううううッッッ!!!」
速水のスカートに大量の白濁液が飛沫となって飛び散っていく…。
ドプドプッ…!!ブビュッ…!!
「はああッ!…ま、まだ出る!!」
…き、気持ち良すぎて射精が止まらない!!
ブピュッ…!ブビュッ…!ブビュッッッ!
「はあッ…!はあッ…!はあッ!はあッ!」
ふー…やっと止まった…。
呼吸を落ち着かせてから眺めると、スカートだけでなく速水の太ももからふくらはぎにかけて、幾筋も白濁液が垂れている…。
その垂れた精液が黒のハイソックスに染み込む様子がまたいかにも俺が速水を穢したようで、たまらなくエロい…。
それだけじゃない。速水の身体から出た愛液が、俺の激しい恥突で白い泡になり、ドロリと両脚のあいだを架橋している。くうー…たまんねえ…。
「はあ…!はあ…!はあ…!」
速水も呼吸をなんとか落ち着かせようと、調理台に覆い被さるようにして伏せている。その背中がたまらなく愛しくて、俺は速水の首筋にキスをした。
「好きだ…速水…愛してる」
「はあ…はあ…、私もよ…龍之介…」
あああ!速水サイコー!!
ううう…神様ありがとう。
こんなに気持ちのいいエッチはもちろん初めてだ…。俺と速水の相性、マジでめちゃくちゃ最高じゃねーか。
それから俺は、呼吸の落ち着いた速水を抱き起こすと、互いに気が済むまで何度となくキスを交わした。
そうやって二人で幸せな余韻に浸っていたとき、E組の教室に置かれた黒い筐体、自律思考固定砲台こと律の画面に、一瞬だけ『情報収集完了』の文字が浮かんでいたなんて、もちろん俺には知る由もなかった。
◇ ◇ ◇
二週間後、学園祭の当日がやってきた。
E組の模擬店は朝からてんてこ舞いで、俺は食材探しで裏山を駆けずり回り、昼にはヘトヘト。疲れきって家庭科室にへたりこんでいると、ふいに通りかかった速水と目が合った。
「え!?千葉!?まだいたの!?」
「…へ!?あ!やべっ!もうこんな時間だあああ!!!」
せっかく菅谷にメイクを頼んでいたのに、すっかり忘れてた!
「仕方ねえ、これを被って舞台に出ろ」
「…わ、わかった」
預かったのは菅谷特製、この学園のゆるキャラ『くぬどん』のプロレスマスク。ぐぐぐ…カッコ悪。
あわててエレキベースを抱えて本校舎にたどり着くと、廊下でタクミ、ユウト、コウヘイの三人組が待っていた。
「遅いぞー千葉」
「す、すまん!」
突然ガバッと扉が開いて、中から大歓声が聞こえてきた。生徒会長の浅野を先頭に五英傑が意気揚々とイベントホールから引き上げてくる。
俺たちはサッと楽器を隠して五英傑をやり過ごすと、奴らが角を曲がって見えなくなったのを確認してから、素早く舞台に向かった。教室に帰ろうとしていた生徒たちが俺たちに気づいて「おや?」と振り返る。
「よし、いくぞ!!」
タクミの掛け声でコウヘイのドラムがリズムを刻み、派手な一曲目が始まった。この曲はテレビドラマにも使われていて、誰もが知るナンバーだ。俺はマイクをつかんで熱く歌い上げる。
狙い通り、生徒たちの熱い歓声で一気にホールが盛り上がった。よく見ると観客の後ろで速水が手拍子をしている。ふおお…!最高だぜ!!
一曲目が終わるとリーダーのタクミがマイクを取り、俺のことを「事情があって顔は出せないけど、大事な大事な仲間なんだ。今日は一緒に舞台に立ててうれしい!」と紹介してくれた。それを聞いた俺は涙が止まらなかった。
二曲目は俺の大好きな伝説のパンクバンド、「ラーメンズ」のナンバー。これも最高に盛り上がった。
最後の曲に入る前に、俺もマイクで三人のバンドメンバーに感謝を伝え、次のバラードを「大好きな彼女に捧げる!」と宣言すると、いつの間にか前列に陣取っていた見覚えのある本校舎の女子たちが「ぎゃああああ!!」と悲鳴のような声を挙げた。
その恐ろしい勢いにビビりつつも歌い出した途端、舞台の袖から生徒会長の浅野が飛び出してきた。
「おい!君たち勝手に何してんだ!」
自分たちの演奏よりホールが盛り上がっていることに腹が立ったのだろう。浅野はボーカルの俺につかみかかってきた。
「だいたい君は変なマスクなんかして実に怪しいぞ!それを取れ!」
ガバッ!
うわ!や、やめろおおお!
「ああ!?君は誰だ?見たことない顔だな!ほんとにうちの生徒なのか!?」
無理やりマスクを外された俺は、観客に素顔をバッチリ晒してしまった。
「「「「キャアアアアアアアアッッ!!!」」」」
前列の女子たちが凄まじい大歓声を挙げて舞台に駆け上がり、生徒会長の浅野を引きずり下ろした。
「き、君たち何をする!無礼だぞ!…お、おいやめろって!む、ムグウッ!!」
浅野はくぬどんマスクをつかんだまま、女子たちに口を押さえられ、強制的にホールの外に叩き出された。ひ、ひええ…マジこええ…。
すさまじい光景に呆然としていると、タクミのギターがイントロを弾き始め、我に帰った俺はゆっくりと歌い出した。
しっとりとしたバラード。俺はホールの後ろに立っている速水のために歌っているつもりなのだが、本校舎の女子たちの陶酔しきって俺を見上げる視線がヤバい…。
一番の歌詞が終わったところで、地鳴りのような歓声がホールに沸き起こった。
「「「「キャアアアア千葉くん大好きいいいいいいッッ!!!」」」」
そのうち、一人また一人と前列の女子がバタバタと失神して倒れていく。…お、おい、この雰囲気ヤバくないか!?!?
…や、やっちまった。
歌い終えて舞台の下を見ると、20人くらいの女子が床に倒れている。俺たちは急いで舞台袖に隠れ、逃げるようにホールを飛び出した…。
あとでタクミから電話で「浅野からしつこくお前のことを訊かれたけどトボけておいた。女子たちのことは心配ない。あいつらみんな演技だから」と聞いて、心からホッとした。
──放課後。
「お疲れ、千葉」
「ああ。どうだった?今日の俺の舞台」
「ほんとカッコよかったよ」
「惚れ直したか?」
「うん…。また聴かせてね」
夕焼け空の下、山道を下りながらめずらしく速水が自分から手を繋いできた。くうう…かわいいやつめ。
顔にかかるひんやりとした風に、冬の気配を少しだけ感じながらも、俺はこの上なく温かい最高の気分で満ち足りていた。
次回はなんと律スペシャル!
大胆すぎる律ちゃんの攻勢に、どうする千葉くん!?ぜひともお楽しみに!!!