もし千葉くんがエロゲの主人公だったら 作:miyakokat
──赤羽業、自宅。
ギシッ…ギシッ…、ギシッ…ギシッ…
「あ、あん…、ん、ん…、はん…、あ、あん…」
いま俺は自分の部屋で彼女、矢田桃花とセックスをしている。
…窓の外は激しい雨。
単なる雨宿りのつもりだったのに、濡れて素肌に貼り付いた彼女のブラウスを見ているうちに……気づけばベッドに押し倒していた。
ジュプ…、ズプッ…、ズプッ、ヌプッ!
M字に開いた桃花の両脚の付け根にゆっくりと、そして確実に肉棒を突き入れる。
「ああ…カルマくん、すごい…」
薄紫の透き通る瞳で、優しく見つめてくる彼女。
く、あ…ヤバい…!
今にも達しそうになりながら、呼吸を落ち着けて冷静を装う俺…。
「桃花…」
「…なあに?」
「愛してる…」
「…うん、わたしもだよ…あ、あん…(き、気持ちいい…)」
これまで俺は、自分の力を試したくて、常になにかをねじ伏せて生きてきた。その俺が、彼女とあのボロ校舎で出会い、初めて自分の命以上に大事なもの、守りたいものがあるということに気付かされた。
「ん、んん…、あむ…、んむ…(あ、頭の中が真っ白になっちゃう…)」
唇と舌を絡ませて、肉体の内側までたっぷりと味わう。鼻腔を抜ける、上品なお菓子のような彼女の甘い香り。
──この子のためならたとえ死んでもかまわない。
「んん…、ね、ねえ…カルマくん…」
「なあに?」
「もっと激しく動いて…お願い」
「オッケー」
ズチュッ、ヌプッ、グチュッ、チュブッ、ズプッ…!
「や、やん、あ、あ、あん、き、気持ち、いい…」
「ほんとに?」
「う、うん…、ひゃあんっ…!」
俺は桃花の左脚を抱えあげ、ジュプッとより深く挿入し直した。溢れ出る愛液と俺の先走りでたっぷりと濡れた彼女の腟。その甘い感触を、肉棒全体を使って存分に味わう。
グプッ、ジュプ、ヌプッ、ズッ!ズッ!ズッ!
「あん…、ひゃん、…はあ!…やああ!」
彼女の目尻が涙で光り、喘ぐ声に余裕が消えた。俺は追い討ちのようにスピードを上げる。
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ…!
「だめ…!だめぇ、激し…すぎ、あッ♥ あッ♥」
リズムよく突くたびに、オレンジ色のブラに包まれた彼女の豊かな胸が大きく弾む。その扇情的な光景をもっと見たくて、夢中になって腰を打ち付ける。
ジュプ!ブプッ!グプッ!チュボッ!ジュププッ!
「わ、わたし、い、イクッ…!!」
頭を載せた枕を両手で握りしめ、目を瞑って快感に耐えていた彼女の上半身がビクンと大きくのけ反った。
好きだ…!大好きだ桃花…!!
ドビュッッ…!ブビュブビュッ…!ビュルビュルッ!
「うぐッ…!」
ブビュッ!ビュルビュル!ドプドプッ…!
「ああッ…!」
ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ…!
「はあッ…!はあッ…!」
欲情を出しきるだけ出しきると、彼女は目を瞑ったまま身体をくねらせて、まだ痙攣が続いていた。
ピクッ…!ピクッ…!ピクンッ!
「はあッ…!あん…!はあ、はあ、はあ…」
1分くらいしただろうか、呼吸がようやく収まってからキスをすると、彼女が深いため息を吐いた。
「はああー…♥️」
「どうだった?」
「気持ちよすぎて…死んじゃうー…」
「そりゃ困る」
「カルマくん…ほんとすごすぎるよ…」
「そう、よかった…」
俺は桃花の横に寝そべり、裸のまましっかりと抱き合った。まだ季節は少し肌寒く、お互いの肌が触れるととても気持ちいい。
しばらくキスを交わしていると、ふいに桃花の瞳が大きく開いた。
「…ねえ、あれから危ない目に遭ったりとかしてない?」
俺の顔を覗き込む彼女がかわいい。そうだった、あの屈強な外国人に襲われてからまだ一週間しか経っていない。
「大丈夫。何も起きてないよ」
「じゃあ、あれはたまたまだったのかな…」
「まだ断定するのは早いでしょ」
「うん…みんなのことも心配だしね」
まだ誰からも襲われたとか、そんなの聞いてないけど、用心というのはし過ぎて無駄じゃないということ、みんなもあのボロ校舎で学んでるはずだ。
「だれも油断してないと思うよ」
「だといいけど…」
くっ…
さっきから桃花の手が俺の睾丸を包みこみ、やさしく愛撫してくる。
「ねえ、ほんとはもう少し射精(だ)したいでしょ?」
指先が肉棒に伸び、裏筋から亀頭にかけてやさしく撫でられる。…ビクンッ。
「ほらガッチガチ。我慢しなくていいんだから…」
いたずらっぽい目で俺を覗き込む彼女の手のひらが、俺の肉棒をゆっくりと扱き始めた。
ズッ…ズッ…ズッ…
「く、う…、で、できればさ、胸で扱いてみたいけど、…だめ?」
「ふふ…。いいよ、たっぷり出して…」
俺はもう一度桃花に覆い被さると、彼女の背中に手を回してオレンジのブラのホックを外す。とたんに見事な双丘が俺の眼前に飛び出す。
しばらくその柔らかな感触を手のひら全体で味わうと、俺は桃花の上半身に跨がった。
クチュ…、ピチュ…
ギンギンに屹立した肉棒の先で、焦らすようにバストトップを弄ると、とたんに桃花が切ない表情になった。
「ん…、んん…」
硬く尖った彼女の乳首を亀頭でツンツンと突き、グッと乳輪ごと押し潰す。その繰り返しで生じる甘くてジーンとした刺激がすごく気持ちいい。
「はん…、ああ…だ、だめ…♥️」
俺はまだ桃花の胸で果てたことはない。
それは彼女自身が胸の大きいことを少し気にしているからとか、俺自身が彼女の胸を意識してることを悟られたくないとか…そんな理由。
でも今日はオッケーが出た。寝そべってもしっかりと形を保つ胸の深い谷間に肉棒を収めると、それだけで俺はイキそうになる。
白いシュシュを着けたポニーテール、薄紫の大きな瞳、整った顔立ちと大人顔負けの見事なスタイル。
…彼女を自由に出来るのは、この世でただひとり、この俺だけなんだ。
俺は彼女の豊かな乳房で肉棒を挟み、誰にはばかることなく腰を動かした。
ズッ、ズッ、ズッ…
「く、う…」
彼女の乳房で肉棒を扱くと、またジーンとした快感がこみ上げてきて、のけ反るほど気持ちいい。
肉棒の先を桃花の唇にあてがうと、チロチロと鈴口を舐めてくれて、それだけでイキそうになる…。
だ、だめだ…カッコ悪いけど、もう限界だ…。
もう一度彼女の胸の谷間に肉棒を挿し込み、俺は夢中になって腰を振った。
ジュプッ!ヌチュッ!グチュッ!ジュプッ!
「はあ!あう…!ん、ぐ…!あああッ…!」
射精の瞬間、俺は素早く腰を浮かすと、彼女の大きな乳房に向かって盛大に白濁液を吐き出した。
ブビュッ…!ビュルビュルッ…!
ドクドクッ…、ブビュブビュ…、ビクンビクン…
その光景はまるで、山盛りの新鮮なフルーツにたっぷりとかけた練乳ミルクのようだった。
☆☆ ☆☆ ☆☆
──同時刻、川立駅の喫茶店。
「ねえー、千葉くんもそう思わない?」
「そ、そう、かな…」
「ヒロキ、千葉くんもやっぱりそう思うって」
「お、おう…」
…なんでこうなった。
いつものバンド練習のあと、速水と待ち合わせのため駅の改札前でボーッと突っ立っていると、橘ヒロキとその彼女(名前忘れた)に捕まってしまった。
速水は部活が長引いて遅れるらしい。さっきからヒロキの彼女が一人でしゃべっている。その内容は教師とクラスメートの悪口ばかり。
ヒロキの彼女は見た目がいかにもギャルっぽくて、腰まで伸びた明るいストレートヘアに大きく開いたブラウスの胸元、そして短いスカート。…雰囲気だけは中村莉桜に似ている。
雰囲気だけ、というのは、中村は身近な人の悪口を言わないし、頭がいいから物言いは鋭いけど他人が傷つくことは決して言わない。
ダサい、キモい、つまんない。ヒロキの彼女(名前なんだっけ…スルメイカ子、ちがう剣先イカ子だ)の話はそればっかりだ。
おまけに、時々テーブルの下でわざと俺の膝に脚をくっつけてくる…。あー!早く速水に会いてえ!
「レイカ、それより今度映画観に行こうぜ。4DXで面白いのあるんだよ」
「えー?わたし銀座に買い物行きたい」
「お、おう、そうか…」
あー、そうだ思い出した、剣崎レイカだったな。
プルプル…あ、速水からL○NEだ。
『着いた。遅くなってごめん』
ふー、助かった。
「すまん、速水来たからお先」
「おう、また明日な」
「ちぇー、残念…今度いっしょに遊ぼうね!」
なんなんだなんなんだこの女…。俺は聞こえないふりをして店を出た。
…こんな不愉快な気持ちになるのは久しぶりだな。でも、椚ヶ丘の1、2年までは毎日そうだった。
クラスメートに弱みを見せるとおしまい。虚勢を張って、悪口を言われる前に先に誰かの悪口を言いふらす。それが普通の光景だった。
E組はそうじゃなかった。誰もがお互いを尊重し、誰かが困っていたらすぐに別の誰かが手を差し延べる。
…そんな当たり前のことが、当たり前じゃなかった。
もちろんヒロキに佐倉ミオ、ドラムの山科ダイスケはいいやつだ。…あーあ、ヒロキのやつ、佐倉を彼女に選べばよかったのに、なんであんなギャルにしたんかな。
佐倉はすっかり口数が減り、バンド練習が済むと逃げるように帰ってしまう。あれだけヒロキと仲良かったにもかかわらず。
こんなことで、今度のバンドコンテストはどうなっちまうんだろう…。
「千葉!」
「おう!」
ううう…速水、お前の顔を見ただけでめちゃくちゃホッとするぜ。
「どうかしたの?」
「…ああ」
改札を抜け、ホームへ向かう階段を上がりながら、一通り思っていることを話す。
「そっか…あいだに挟まれて千葉も大変だね」
「速水はクラスメートとうまくいってんのか?」
「私もいろいろあるけど、まあまあかな」
「そうか」
速水は俺と似て、対人関係はそんなに得意なほうじゃないけど、この様子なら心配はなさそうだ。
「あ、そうだ、私ね、いよいよチアデビューすることになっちゃった」
「え…!?いつ?」
「来週の土曜日。うちのバスケ部の交流戦があるんだけど、その応援」
ぬおおおおおおッ…!!!速水のチアガール姿が拝めるだとおおおッッ…!?!?
「もうレギュラーメンバーなのか、すごいな!」
「なんだか部長に見込まれちゃって。恥ずかしいけど、千葉も観に来てくれる…?」
うんうんうん!俺はバカみたいに頷いた。しばらくその話題で盛り上がりながら、ホームに着いた電車にそのまま乗り込む。
「そういや例のバーチャルアイドルだっけ?まだ聴いてんのか?」
「うん、はまってる」
「へえ、そんなにいいなら俺も聴いてみようかな」
「あ、それがね…」
速水はスマホを取り出すと動画のアプリを押した。
「やっぱり…」
「どした?」
「ここんとこ更新がアップされてないんだよね。ツ○ッターも止まってるし。なんでだろ…」
「同い年だっけ、そいつも学校で何か嫌なことあったんじゃね?」
「そうなのかな…」
「いやわかんねーけど…」
ちらりと速水のスマホ画面を覗き込むと、かわいらしい二次元キャラの横に「MIO」というアカウント名が書いてあった。
** ** **
〈杉野友人視点〉
──同時刻、都立麹町病院。
「大丈夫、軽い練習ぐらいだったら明日からしても大丈夫ですよ」
「…あ、ありがとうございます!」
「よかったな、杉野」
「はい!」
椚ヶ丘を卒業した俺はこの春から野球の名門、私立三杉学舎高等学校に入学した。
バレンタインデーのあと、思いの丈を神崎さんにぶつけた俺は、念願かなって交際を始めることができた。…とはいえ、まだ手すら握ってないんだけど。
俺は入学した翌日から野球部に入り、毎日練習の日々。神崎さんはときどき帰りに俺を迎えに寄ってくれる。
…今日もそうだった。
「監督、心配かけてすいませんでした」
「いやなに、とにかく無事でよかった」
「先輩も本当にすいません」
「いいからいいから。それより彼女があっちでずっと待ってるぞ。はやく行ってやれよ」
か、神崎さんをずっと待たせてる…!?それは畏れ多い。俺はバタバタとロビーに向かった。
…事件は今からちょうど1時間前、野球の練習を終えて神崎さんに会うために校門を出たところで起きた。
待っていたのは神崎さんではなく、ニット帽にマスクをした見覚えのない大男だった。
『オマエ、スギノカ?』
『…あんた、だれだ?』
ブンンッッ…!!
突然殴りかかってきた男を反射的にかわした俺は、遅れてやってきた神崎さんをかばいながら男に向き直った。
『す、杉野くん…!』
『はやく逃げて!俺が時間を稼ぐから!』
『で、でも…』
『いいから速く!』
何発かパンチを浴びているあいだに、神崎さんは急いで野球部のメンバーを呼びに行ってくれた。
戻ってきたときはまさに間一髪、俺は男に胸ぐらを掴まれて止めを刺されるところだった。
『こらあッ…!なにやってんだあッ!!』
走ってきたたくさんの部員たちに驚いた男は、パッと手を離すと、フリーランニングのように壁を乗り越えて、建物によじ登り、すぐに姿が見えなくなった。
『なんなんだ、あいつ…』
『ゴリラかよ…』
ちょうど先週、E組の誰かが襲われたことはもちろん頭にあったし、油断してたわけではなかった。
部員のみんなにも、俺がE組の元生徒で、もしかしたら誰かに襲われるかもしれないことは話していた。
それでもまさか次にこの俺が襲われるとまでは思ってもなかったけど…。
真っ暗になったロビーの長椅子に、神崎さんが一人で待っていた。
「杉野くん…」
「神崎さん、待たせてほんとごめん。それに、みんなを呼びに行ってくれてありがとうな。ケンカ弱くて申し訳なかったけど…」
俺は恥ずかしくて頭を掻いた。
「…ケガは、大丈夫?」
「え?…ああ、こんなの大したことないって。明日から練習してもいいって先生が」
あ、あれ…?
神崎さん、うつむいてギュッと拳を握っている。
パンッ…!!
へっ…?
「嫌いよ…杉野くん」
ど、どどど、どういうこと…!?
気がつくと俺は、神崎さんに頬を軽くビンタされていた。
しかも神崎さん、泣いてる…。
「…どうしてわたしに謝るの…?杉野くん、甲子園行きたいんじゃなかったの…?」
「え…?」
「杉野くんの身体に、な、何かあったらと思っただけで、わたし…わたし…」
「あ…、ご、ごめん…」
「だから、どうして謝るの!」
「か、神崎さん…!?」
どうしちゃったんだ、神崎さん…?
「お願いだから…、わ、わたしのこと、普通の女として見て…」
「え、え…?」
それって、どういう…う、うわあッ!?!?
突然俺は神崎さんに抱きつかれ、思い切り、き、キス…、キスッ!?
う、うそだろおおッ!?☆★○◇◎…!?!?
……
…
彼女がゆっくりと唇を離すまで、いったいどれだけの時が経ったのか、俺にはわからなかった。
「か、神崎さん…?」
「…有希子」
「え…?」
「有希子って呼んで欲しいの…」
「……ゆ、ゆき、こ?」
「友人くん」
「…は、はい」
神崎さんの真面目な顔に圧されて、俺も真剣になった。
「わたしは友人くんの思っているような、クラスのマドンナなんかじゃない……」
「え……」
「ほんとはずるくて、卑怯で、臆病で……嫌な女」
「……。」
「いつまでこんなわたしをほったらかしにしておくつもりなの?いつになったらわたしに触れてくれるのかな…?わたしは淋しくて…淋しくてたまらないのに…」
「え…?」
「お願いだからまっすぐ、本当のわたしを見て…!」
「う、うん…」
「…わかってくれた?」
「い、いやだ…」
「え…?」
「…ゆ、有希子はずるくて卑怯なんかじゃない。やさしくて思いやりがあって、俺の、俺だけのマドンナなんだ…」
「友人くん…」
「…で、でも、ゆ、有希子がそう願うなら、俺は……」
今度は俺が、神崎さんの唇を塞いだ。
「ん、んん…」
唇と唇、舌と舌が濃厚に絡み合っているというのに、神崎さんは嫌がる素振りもない。
これは、ゆ、夢なんだろうか…?いや、そうじゃない。
頭はやけにはっきりしている。俺は憧れの彼女を、あの神崎有希子を抱き締めているのだ。細くて華奢で柔らかくて温かい、その身体を…。
崖に一輪だけ咲いた可憐な白い百合のように、彼女の胸元から鮮烈な甘い香りが立ち上る。
俺は膝がガクガクと震え…、いや、今の俺はみっともないほど全身が震えていた。
「友人くん…」
「だ、大好きだ…有希子…」
「そう、うれしい…」
しばらくそのまま震えながら抱き合っていると、廊下の先からハンドライトの光が近づいてくるのが見えた。
「か、帰ろうか…」
「うん」
「お疲れさん、気をつけて帰んなさい」
警備員のおっちゃんに見送られ、俺たちは夜間通用口を出た。雨はようやく止んだようだ。
初めて手をつなぎながら歩く夜道。
たとえ、どこかの誰だか知らない奴に殺されたとしても、つないだこの手だけは絶対に離さない。そう心に誓ったのだった。
〈続く〉