もし千葉くんがエロゲの主人公だったら 作:miyakokat
は、速水…、そ、その髪型!
ビッチ先生との放課後情事の翌日、登校した俺を待っていたのは、ふわふわしたいつもの髪を、キュッとまとめてふたつ括りにした速水だった。
「お…おはよう、千葉」
「お、おお…」
うぐぐ…なんてかわいいんだ!俺は心のなかでガッツポーズを決める。
「…き、昨日は突然練習をサボっちゃってごめんね。急に莉桜と買い物に行くことになって…」
「ああ…、そんなこと気にしなくていい」
俺自身はめちゃくちゃ気にしていたのだが、そんなことよりどうやら俺は速水に嫌われてないみたいだ。ふー…よかったよかった。
「その髪」
「あ、これ?最近暑くなってきたから…」
「よく似合ってる」
「そ、そう…?(うれしい…)」
「きゃああ…千葉くんて、ほんと紳士だね!」
「あんなこと言われたらキュンキュンだよ…」
…なにか聞こえたけど気にしないことにする。殺せんせーがニコニコしながら教室に入ってきた。さーて、今日も一日がんばろ。
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〈矢田桃花視点〉
晴天の昼休み。
男子が野球部との対決を前に練習に励むなか、女子はほとんどが教室に残って、ビッチ先生の特別授業(要するに男子禁制の女子トーク)を受けている。
「…というわけで、ミラノの彼とはそれでおしまい」
「へえー!先生かっこいい!」
ワイワイと先生の話す恋愛話で盛り上がっているなか、パッと中村さんが手を挙げて質問をした。
「ねえ先生、今までで一番興奮した相手ってどんな人?話してよ!」
「…き、聴きたい?」
「うん聴きたい」
「そ、そうね…。そ、その…」
なぜかビッチ先生は言い淀んで顔を赤らめた。
「せんせー、どうしたの?」
「な、なんでもない…」
「そこまで言ったらちゃんと話してよ先生!」
詰めるなあ中村さん。ビッチ先生は何故か、はー…とため息をついて話し始めた。
「あ、あれは…に、日本に来てからのことだけど」
「え?最近のことじゃん、すご!」
「…ええ、まあね。それまではおとなしい子だなって印象だったのよ。それが実はイケメンだとわかって…」
「ほー?」
「普段はよく銃を扱うんだけど、それがわたしでも舌を巻くほど上手いのよね…」
「それでそれで?」
みんなもノリノリで相槌を打つ。
「ある日わたしからキスしたら、今度は自分からわたしの身体を求めてきて…」
「ヒュー!ヒュー!」
「やるなあ!エロ教師!」
「ちょっとだれよ、今エロ教師って言ったの!」
「続き続き!」
「それでね、そいつの目ぢからがとにかく凄いのよ…」
「へえー!ゴ○ゴ13みたい」
不破さん、例えが古いよ…。
「長い前髪の下からこうキリッと睨まれてね…、ああん!思い出しただけでゾクゾクしちゃう!」
ん…?前髪?イケメン?銃の名人?ま、まさか…?みんなが微妙にザワつき始めた。
中村さんがキョロキョロと辺りを見て、隣のメグに「凛香は?」と訊いている。凛香はたしかさっき殺せんせーに呼ばれて、次の授業の準備を手伝いに行ってるはずだけど…。
「そいつのキスがまた最高でね…。こう、舌を伸ばしてわたしの口のなかに入ってきて…」
「おっぱい触らせてあげたら、アソコがギンギンに勃ってて…それがまた見たことないほど立派なの…」
ゴクリ…。みんなが唾を飲む音が聞こえた。
「舌の先で亀頭を舐めてあげたらビクッて反応してね…」
ビッチ先生…手つきで形を表現してる…。奥田さんが首まで真っ赤になって顔を伏せた。
「そいつ、彼女いないくせに、ブラを外すの慣れてるのよね…」
((((((ち、千葉くん、彼女いない…!?ブラ外すの慣れてるの…!?))))))
「あんな立派なの、ほんとに入るか心配だったけど、それが気持ちいいとこにズンズン当たって、とにかく凄いのよ…!(うっとり)」
…みんな顔が真っ赤になってる。
中には内緒でスカートのなかに手を入れて、モゾモゾしてる子までいる。
「最後は後ろからガンガン突かれちゃって、さすがのわたしも昇天させられちゃったのよね…」
「「「「「「・・・ゴクリ」」」」」」
一同が妄想で頭がグルグルするなか、ガラッと前側の扉が開いた。
「…あ、あれ?み、みんなどうかしたの?」
り、凛香が教室に帰ってきた!
「い、いや?なんでもないよ?ねえ、メグ」
「そ、そうね、…あ、そろそろ授業はじまるんじゃない?」
「ほんとだ、はやく実習室に行かないと!」
「…あ、千葉くんたちが帰ってきた」
誰かの声でみんながサッと一斉に窓の外を見る。千葉くんは、磯貝くん前原くんと三人で肩を組んで嬉しそうに歩いてくる。
「はーあ…イケメントリオ…」
凛香がほんの少し顔をしかめたのを、わたしは見逃さなかった。
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〈千葉龍之介視点〉
放課後になった。
残念ながら今日は、明日の球技大会に備えてみんなが早く帰ることになって、必然的に射撃練習もなくなってしまった。
帰り支度を整えた速水と目が合う。
「お先、千葉」
「ああ…」
ううう…残念無念。
「千葉くん。プリント、烏間先生に持っていっといたよ」
「おう、ありがとな」
今日の日直は俺と矢田さん。男子に人気でいつも明るい元気な女子だ。二人で手分けをして、俺は黒板、彼女は床掃除をすることになった。
殺せんせーはギリシャにタコ料理を食べに行ったし(共食い?)、烏間先生とビッチ先生は、先ほど浅野理事長に呼ばれて本校舎に向かった。
…というわけでこのボロ校舎にいるのは矢田さんと俺だけ。
「ふー…、これくらいでいいかな」
「お疲れさま、千葉くん」
「ああ、矢田さんも」
「ねえ千葉くん。お願いがあるんだけどいいかな?」
「ああ、なんでも言ってくれ」
「わたしね、数学で苦手なところがあって…少しだけ教えてほしいんだけど」
「なんだ、そんなことお安い御用だ」
「ありがとう!」
矢田さんがパッと笑顔になった。矢田さんは活発でスタイルもいいし、男子の人気が高いのも頷ける。
さっそく彼女は俺の左の席(奥田さんの席)に座ると、机同士をくっつけて、問題集のわからないところを訊いてきた。
「こことか…このあたり」
「ああ、それはね」
「うんうん」
う…ち、近い。俺の目の前に矢田さんの顔がきて、二の腕同士が密着している。おまけに鼻をくすぐるような、甘い匂いがしてくる。
「ここはどうすればいいの?」
「ああ、それはこの公式を使って…」
「なるほど…」
ち、ちょっと、さっきから矢田さんが俺の手を握っているんだけど…!
「どうかしたの?」
「ちょ、ちょっとだけ近くないですか?」
「え?」
矢田さんが上目遣いに大きな瞳で俺を見る。うッ…か、かわいいなあ…。おっと…いかんいかん。
「あ!ごめんね。すっかり夢中になっちゃって…」
矢田さんはスッと身体を離すと、長い脚を組んで、続きを質問してきた。
「次はこれ」
「ああ、これもさっきと同じで…」
ホッとした俺がなにげなく矢田さんに視線を走らせると、制服のスカートが捲れ上がって、白い太ももが丸見えになっている…。
ごくり…。え、エロいな…。
ハッ!い、いかん、いかん!
「ねえ、千葉くん…」
「は、はい…」
「もうひとつ、お願いがあるんだけど…いい?」
「な、なんですか」
「それはね…」
矢田さんは組んでいた脚を戻して椅子にもたれかかった。同級生のなかでも一際目立つ、豊かなバストにどうしても目が釘付けになる。
「…わたし、実はこのあいだから彼氏ができたんだよね」
「そ、そうなんだ…」
なんだそれ。興奮して損した。
「その彼氏に喜んでもらうために、先に千葉くんに実験台になってもらいたいことがあって…」
「へ?」
思わず、すっとんきょうな声が出た。
「千葉くん、今もし付き合っている人がいないんだったら…、わたしのわがままを叶えてもらえないかな…。あ、もちろんあくまでわたしの彼氏のためだから、ね…?」
「は、はあ…」
「だーかーら、これは二人の秘密ということで…お願い!」
う…かわいい…。
「ひ、秘密って、なにを…、あ…!」
や、矢田さん、パンツ見えてます。
ていうか、見せてますよね?それも思いきりぼくに。
今日はピンクか…。小さなリボンがかわいいな。てか、そんなはっきり俺に見せていいんですか…って、おい!
「ちょ、ちょっと、矢田さん?」
「ねえ千葉くん…、じゃあまずキスから練習ね?」
え…?
んぐ…んむ…。
気がつくと俺はポニーテールの同級生とキスをしていた。
俺は目の前で俺の唇をついばむ矢田さんの姿が、まるで時が止まったかのように現実感がなかった。
それでも彼女の柔らかな唇がツンツンと触れるたびに、なんだかくすぐったくて、背中の辺りがモゾモゾしてくる。
「んん…。千葉くん、気持ちいい?」
「…や、矢田さん…だ、だめだよ、こんなこと」
「何度も言うけど、これはただの練習だからね…?」
「し、しかし…」
「わたしに恥をかかせないで…龍之介くん…」
矢田さんが俺の背中にしっかりと腕を回して、もう一度キスをしてきた。も、もちろん胸が当たっている、というか、むにゅっと当たりまくってる!
ぬおわああああッッ!!!俺の理性が、や、ヤバいいいッッッ…!!!
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〈三村航輝視点〉
「よう、三村」
旧校舎からの帰り道、速水と不破の三人で山道を降りると、バス停にかつての同級生、本校舎C組の槍本コウスケが立っていた。
「あ…久しぶりだね」
俺はなるべく顔色を変えずに返事をした。
「どうだ?あこがれのE組生活は?」
ち…嫌みなヤツだよな…。こういう手合いには無難なことを言うに限る。
「やっぱ、いろいろ大変だよ」
「だろうな。それよりちょっと…」
槍本は俺に肩を組むと、小声で囁いた。
「なあおまえ、速水と仲いいのか?」
「え…?」
「どうなんだ?」
「今日はたまたま一緒に帰っただけだよ」
「まあそうだろうな。…あいつ意外と胸あるし、ちょっとツンケンしてるけど、結構かわいいよな…」
何が言いたいんだ…?
…あ!俺は突然こいつのアダ名を思い出した。
「おっと、じゃあな三村。俺、速水と同じ方向だから」
バスが来た。
不破にバイバイして速水が乗り込むそのあとを、槍本(コードネーム:ヤリ捨てコースケ)がニヤニヤしながらついていく。
ヤバいな速水…。
「ねえ、さっきの男子、テニス部の?」
「ああ、槍本だよ…」
「どうかしたの?」
「いや…なんでもない」
不安げにバスを見送る俺に、例のアダ名を知らないのか、不破は少し不思議そうな顔をした。