もし千葉くんがエロゲの主人公だったら 作:miyakokat
キーンコーン、カーンコーン…
「おい、いつまで寝てるんだ、起きろ千葉」
「起きて千葉くん、予鈴が鳴ったよ?」
ん、んあ…?
顔を上げると目の前にクラスメートの橘ヒロキと佐倉ミオ。
ふー…いつの間に寝てたんだ?そうか、三人で図書室に来てたんだった。
「お前が本を借りに行くって言うからついてきたのに昼寝しやがって、最近なんか変だぞ?毎日眠そうだし、家でなにやってんだ?」
「えっ…?い、いや、別に」
「音楽でも聴いてるの?」
「そ、そうそう」
まさか律が作った例のエロゲにハマってるとか、口が裂けてもこの場で言えるはずもなく。
もちろん岡島の趣味は俺の指示ですべて排除、とことんギャルゲー度を高めてみた。律もこだわり全開で応えてくれるので、やりこみ要素がマジで半端ない。その分、俺の睡眠時間はゴリゴリ削られているわけだが…。
あ~あ、はやく帰って続きやりてぇな~…
「ね~え、音楽とか聴いてないでぇ、たまにはわたしといいことしよ♥️」
突然横から話しかけてきたのは久しぶりの登場、茜川サトミ。
まあ…読者のみなさんが覚えてなくても無理はない。5話も前に出てきたキャラだし、正直俺ももう出てこないと思ってた。
「ひっど~い!うえーん!」
「茜川、お前のクラスは昼から課外活動だろ?はやく戻れよ」
「はいはい、うるさいなぁ橘くんは!」
あ、そうだ。これ借りとかないと。
速水おすすめの小説。俺の国語力をアップするためにぜひ読め、と言われているのだ。
立ち上がって貸出カウンターに行くと、眼鏡をかけた真面目そうな図書委員が俺に対応した。
「新刊なので返却期限は一週間ですが、大丈夫ですか?」
「はい」
「ふふ、千葉くんってこういう小説に興味あるんですね」
「え…?」
「ちょっと意外だなって。あ、ごめんなさい」
「ど、どうも」
なんだ、よく見たらクラスメートの、えーと、だれだっけ、そう、雨宮さんだ。
「千葉くん、よかったら今度また本の話をしようね」
「え…?あ、う、うん」
大人しくていつも教室で本を読んでいる目立たない彼女。そんな雨宮さんにニッコリとほほ笑まれて、俺は柄にもなくドギマギしてしまった。
「おい千葉ぁ、急がねえと遅れっぞ」
「お、おう」
追い立てられるように図書室をあとにした俺は、まさか彼女から後日あんな形で迫られることになるなんて想像すらしなかった。
───1か月後。
「ねえ千葉くん、どうだった?あの本」
「ああ、面白すぎて昨日でもう読んじまった」
「え!すごいね、で、どうだった?感想聞かせて」
「主人公とヒロインの関係ももちろん良かったけど、サブキャラ同士のカップル、あれがすごくいいと思ったな」
「そうでしょ?ふふ、わたしもそう思ったんだ~。ところで今度これ、読んでみない?」
「…え?雨宮さん、これ俺に貸してくれんの?」
「うん!すっごく面白いんだよ~?」
「あ、ありがと、じゃあ借りとく」
溢れんばかりの笑顔に圧倒されて、俺は彼女の本を受け取ってしまった。
「おい千葉、お前最近よく雨宮と話してるよな」
「おう、なんだかな」
「お前がそんなに本好きだったとは知らなかったぞ」
「だよなぁ、自分でも不思議だわ」
ヒロキが不思議がるのも無理はない。もちろんきっかけは速水に勧められた本がすごく面白かったからだけど、図書室に行くたびに雨宮さんからも本を勧められて、ここんとこ毎晩読みふけっている。
あ、あれ?
「どした、千葉」
「い、いや、なんでもない。それよりトイレ行ってくる」
雨宮さんから借りた本に手紙が挟んであった。さりげなくポケットに忍ばせて個室にこもる。便箋を開くと『授業が済んだらすぐに体育館に来て』と書いてあった。
放課後、言われた通りに体育館に向かうと彼女は体操服姿に着替えて待っていた。そうだ、雨宮さんは卓球部だと言ってたな。
俺が近づくと彼女は頬を真っ赤に染めて、予想通りというか少し意外だったというか、この俺に告白をしてきた。
「す、好きです、千葉くん…わたしと、お、お付き合い、してください」
…はーあ、やっぱりか。
彼女の性急に関係を詰めてこようとする姿に、そういう気持ちがあるのは俺も薄々気づいていた。
うぶで純粋な文学少女を泣かせたりしたくはないのだが、俺には将来を約束した大事な彼女がいる。
いつものように「ごめん」と言いかけたそのときだった。
「断られることはもちろん覚悟しています。千葉くんに彼女がいることも。でもわたしも本気なんです!」
雨宮さんは、青のブルマから伸びた白い太ももをもじもじと小刻みに動かしながら、真剣な上目遣いで俺に近づいてきた。
「千葉くん、あなたはわたしが勇気を振り絞って初めて愛を告白した相手なんです!だから…だから…すぐに断ったりしないで、よーくよーく考えて、それからゆっくり返事をしてください。お、お願いします!」
ガヤガヤ…
だれかが体育館の入り口に近づいてくるのがわかる。
「ま、待ってます、お返事…!」
「あ、ちょ、ちょっと…」
ドヤドヤと卓球部の連中が入ってきた。雨宮さんは逃げるように体育倉庫に走っていった。
むむむ…
ま、まあ、来週になったら少しは彼女も冷静になるだろう。そのときまた丁重に断ればいい、俺はそう思った。
それから数日後。
俺は連日のゲームと読書でいよいよ疲れが溜まり、朝から机に伏せていた。
「おい千葉、さすがに今日のお前、顔色悪いぞ」
「無理しないで休んだほうがいいんじゃない?」
「午後から保健室に行けよ、担任には俺から話しとくから」
「…す、すまん、そうする」
ヒロキと佐倉に心配されて、さすがにマズいと思った俺は素直に休ませてもらうことにした。一階の保健室に降りると、保健の先生は出張で留守だった。
「ふー…」
清潔なシーツに包まれてベッドに横になっていると、あっという間に睡魔が襲ってきた。外はいい天気、窓から草木の匂いが運ばれてくる。
グー…グー…
深い眠りに落ちた俺は、いつの間にか時間が経ち、放課後になっていたことに気づかなかった。
『うう~…速水ぃ…』
ここんとこチア部が忙しくてなかなか土日に会えない恋人の代わりに律のゲームで代用していた俺は、知らず知らず欲求不満を溜めていたようだ。
学校のロッカー室で愛しの彼女に奉仕をしてもらうという、ただひたすら欲望丸出しの夢を見た。
『…こ、これでいい?痛くない?』
『ああ、すごく気持ちいいぜ。できれば舌で舐めたり口でしごいたりして欲しいけどな』
『…う、うん、わかった』
彼女は前髪を耳に掛けると口を近づけた。
『こ、こう…?』
あーっ!!さ、最高ですッッ!速水さぁん!!(バカ)
『んん…、んん…、ねえ、ひもひいい?』
『ああ、すっげー気持ちいい』
『らあ、このままいふ?』
『まてまて、せっかくだから胸でしごいてくれないか』
『ぷは…、わかった』
速水は口の端を拭うと、ブレザーのボタンを外し、ブラウスの前をはだけた。とたんに白地に薄いピンクのラインの入ったブラがプルンと飛びだす。
おおお…エロい。
すかさず俺は起き上がると、ブラに包まれた彼女の美乳にギンギンに滾る肉棒を押し当てた。
『さあ、こいつを頼む』
速水は言われるままに肉棒を双丘で挟み、ズッ、ズッとぎこちなくしごき始めた。
くッ…うああ、き、気持ちいい…!
手コキに舌舐め、フェラ、そしてパイズリ…
温かくて柔らかな彼女の胸が、まるでそれだけで意思を持っているかのようにねっとりと俺の肉棒を攻めてくる。
あっ…!す、すごい、あっ、あっ、も、もうだめだ、い、イク、イきそうだッ…!!
『うあああああああッッッ…!!!』
ドピュュッッッ!!ドプドプッ!ビュクンビュクン!!ビュルビュルビュルッッ!!
溜めに溜めていた俺の精液が、堰を切ったように先端から噴き出して、愛しの彼女の胸元を白く染め上げていく。
ビクン、ビクン、ビクン
はあ…、はあ…、め、めちゃくちゃ気持ちよかった。
って、あれ?
俺たしか保健室で寝てたはずだよな。あっ!やべっ、夢精しちまったか!?!?
あわてて目を開け、股間を確かめるとそこには俺の予想をはるかに越えた光景が広がっていた…
「お、おい、な、なにやってんだ…!?!?」
「んんっ…ごくんっ」
そこにいたのは、例の図書委員でクラスメートの雨宮さんだった。
彼女は俺の肉棒から名残惜しそうに口を離すと、ゴクリと大きな音をたてて精液を飲み込んだ。
「ぷは…、ふふふ、すっごい量でびっくりしちゃった」
「な、なんで、こ、こんなところに…」
「千葉くんが保健室で休んでいるって聞いたから、心配して見に来てたの」
「あ、ちょ、ちょっと…」
彼女は突然ブレザーを脱ぎ捨て、スカートを下ろし始めた。
「そしたらね、ベッドで寝てる千葉くんのアソコがすっごく固くなってたからイタズラしちゃった。ウフフ」
「ちょ、だ、だめだよ!なに脱いでんのぉ!?お、降りて!」
「静かにして。千葉くん、わたしがここで大きな声を出してもいいの?」
「な、なに…」
「わたしがこの格好で廊下に飛び出して、襲われたって叫べば困るのは千葉くんだからね?」
「…れ、冷静になれよ、こんなことしたって…」
「こんなこと?わたしのような地味な女の子の気持ち、千葉くんは理解できないみたいね」
な、なんだって…?俺はさりげなくポケットのスマホを探った。
「さあ、このまま続きしよ?ほんとはまだシたいんでしょ?ほら、ガチガチじゃない」
ウソだ。さっきの余韻が残っているだけで、目の前の彼女の裸を見ても俺の分身はまるで反応しようとしていない。
「なあ、雨宮さん。こうして保健室で寝てた俺を無理やり脅して交際を迫るだなんて、本当にそれで君はいいのか?」
「仕方ないじゃない、他に方法があるというの?」
「ぼくは君の事が好きではないし、交際も求めてない」
「はっきり言うわね。なら大きな声を出すけどいいの?」
「おかしいよ、こんなの間違っている」
「間違ってなんかないわ!そうでもしないと千葉くんは…千葉くんはわたしなんかに振り向いてくれないじゃない!」
ふう、俺はため息をついた。
「もう一度言う、今すぐこんなバカなことはやめるんだ」
「だめよ!」
「そうか、それなら大きな声を出してだれかを呼んだらいい」
「え…?」
「今のやりとり、録音させてもらったから」
俺は起き上がり、スマホの音声録音画面を彼女に見せつけた。
───数日後、土曜日。
「へえ、そんなことがあったの」
「ああ、危なかった」
部活帰りの自宅デート。俺はこの前の出来事を速水に話した。
もちろんフェラされたことまでは言ってない(すごい怒られる)。保健室で寝てたら下着姿の雨宮さんに迫られて大きな声を出すと脅された、ということだけ話した。
「大変だったね」
「ああ、災難だった」
「それからどうなったの?」
「実は佐倉が以前から彼女の恋愛相談に乗ってたらしくて、ヒロキと二人で彼女を慰めてくれたそうなんだ」
「そっか…、それは良かったね」
「ああ、またお礼しないとな」
「四人でまたデートしましょ?」
「おう、そうしよう」
「でも今回のこと、千葉が普段からそういうおとなしい子を狂わせるような言動をしてるからじゃないかしら?彼女もそういう意味では被害者よね」
「ちょっとまて。誤解があるぞ、その言い方」
「ふうん、どうだか」
「俺自身は凛香に狂わせてもらえたらそれでいいんだけどな」
「そうね、それで満足してもらえたら私も助かるわ」
「「んん…(チュッ)」」
こうして俺たちは久しぶりに二人きりの週末を心行くまで楽しむことができたのだった。
続く