※この作品はR-18です。

ドールズ∵フロントライン   作:RPGA1069

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ハールメン初投稿となります。
中東に存在する小さな国で起きた戦争に世界中の戦術人形が集まって戦うお話、その序盤です。

民兵・M4A1率いる部隊、その他二つの部隊の視点で描かれるグロありレイプあり拷問ありのシリアス作品を目指し鋭意執筆中です。

よろしければ感想、評価をよろしくお願いします。


─少女鋼鉄起動戦線─

プロローグ

 2053年──第三次世界大戦の終結後。世界の争いが"次世代"へと向かう"起動"の時代……

 

 中東のとある独立分裂国で戦争が勃発……泥沼の戦争を繰り広げていた──

 

 ──生き残った両国政府機関は一握りのコイン(闇資金)を手に、各国の傭兵会社に派遣を依頼した……

 

 

  ドールズ∵フロントライン

  少女鋼鐵機動戰線

 

 

 "戦争は変わった──"ある男がそう言っていた。

 その男はこの世界には存在しないが、その言葉は確かにこの世界の有り様を理解していた。

 国家間の戦争はその面影を亡くし、思想も愛国も必要としない、ただ金で雇われた傭兵が戦場を跋扈する"代理戦争"──それこそが、この時代最大の"ビジネス"に変わりつつあった。

 遥か上空をAIによる完全自動操縦システムを備えた無人機が飛び回り、空の戦車が地上を蹂躙する。死体だけとなった戦場にはその兵器を扱う傭兵企業の宣伝広告アナウンスが鳴り響き、また次の戦場に向かい事務的に人を殺す。

 時代の変化は、有人から無人へ、思想や国家からの抑止からAIによる戦場の制御へと姿を変えた。そしてその変化はやがて最大の戦争革命の火をつけたのだった。銃を扱い、その足で歩く"者"は"物"へと進化を遂げたのだ──

 

【第一章∵一節 Go to death(死へと向かう)】

 

【1】

 私はすし詰めとなった軽トラックの荷台に古びたAK-47を肩に抱いたまま腰を掛け、頻繁に起こる振動と衝撃を体で受け止めていた。

 渇いた風に乗せられた砂はは激しく顔に打ち付け、軽トラックの脇からは砂の衝撃音が小さな雨音のように絶えず鳴り響いていた。

 黄色く皹割れた地面には幾つもの轍が残り、その上に幾つも横たわる死体が内臓と腐臭を撒き散らしていた。 

 銃弾で頭の右半分を抉られ死んだ男。集団でレイプされその後衰弱死した少女。公開処刑として胎児ごと腹にドリルを打たれた後、燃やされた妊婦。捕虜となり、拷問の末に道端にゴミの様に棄てられた兵士。

 ここに来て、様々な死に様を住民に聞かされてきた。僅か1週間前のことだ。

 この国の教会を尋ねた時、祈りを捧げていた少年とその母親と話した。信者である少年の胸には骨の欠片を結びつけられたネックレスが掛けられていた。

 少年は姉の歯だと言った。姉はある日、行方不明になり、その後何日も帰って来なかったという。

 母親と少年は探したが見つからず、事故に遭っか、誘拐されたと周囲から言われたが、諦めず探し続けていた。

 三週間が過ぎた頃だったという。数ヵ月に一度、道端に大量の死体が置かれる場所があり、そこで姉の死体を見たと言う者が現れた。

 見ると、服は全て剥ぎ取られ、顔は本来の形を留めぬほどに膨れ上がり、体の至るところに痣や切り傷が付けられ、髪は半分無理矢理抜き取られ、陰部の周りには血の痕があったという。

 残された半分の髪の色と、肌の色、体格、そしていつも付けていたという弟の乳歯が結ばれたネックレスを見て、二人は確信した。

 姉は二人に埋葬され、数本残っていた歯の一本を紐に結びつけたという。

 このようなことはこの国では日常的に行われており、国民は餓えに苦しみ、敵国からの侵略行為に怯えながら生活をしている。

 狭い歩道を容赦なく進み続ける軽トラックを住民達が睨み付ける。殺意や憎しみに満ちた眼を私に向けている。

 戦争は変わった。

 この戦争を止める方法は最早存在しない。泥沼の戦場と化したこの国で私に出来ることは、この地獄と相違ない光景を一枚でも撮し取り、世界に現状を伝えなくてはならない。

 それが、この国で唯一、救済という手を伸ばす事だということを、私は理解していた。

 戦いからは逃れられない。

 

 先頭のトラックを見る。私の乗る軽トラックには

立錐の余地もない程の兵士が乗り込んでいるが、その軽トラックには四人だけの兵士が腰を掛けていた。

 四人は海外から派遣された人間用に現地の兵士から受け取ったであろう黒のビニルフードを纏っており、顔や表情は分からなかった。

 後続の軽トラックにも傭兵らしき人間も乗っており、皆フードを被っている。そして我々現地の民兵が持つ装備より更に充実した装備を持っているのだろう。

 私の側に座る民兵が腰から煙草を取り出し火を着けた。数秒口に咥えた後、そのまま息を絞るように、静かにゆっくりと吐き出した。煙は私の顔にも掛かり、小さく噎せ込んだ。男は悪びれも、一瞥もせず、再び煙草を口に咥えた。

 煙草の味は死に向かう一瞬の極楽。死が鼻先に迫るこの状況で唯一として彼は心の友である。

 その一瞬を掴む為の時間を他の人間に使いたくはないだろうし、私もそれは理解していた。

 胸のポケットから小さな紙切れを取り出す。愛する娘と妻が写っている。紙の端は所々小さく擦り切れ、色褪せ、古びているが、何よりも大切なものだ。この国よりも。

 突然、一際大きな振動が起こり、軽トラックが道路を乱雑に切りつける。私はトラックにしがみ付き耐えたが、数人は落ちて行った。そして連続した銃声、爆発音が耳を襲う。

 戦場が近づいてきた。軽トラックは速度を増し、傭兵、民兵が関係なく振り落とされてゆく。

 もう周辺に住民は居なかった。あるのは銃を持つ人間の死体と破壊された建物のみであった。

 軽トラックが急停止する。揺れが止まる前より私達は立ち上がり、地面に飛び降りた。

 瞬間、隣に立つ男の肩が破裂した。悲鳴と同時に鮮血が私の肩や顔にべっとりと塗れる。

 私は急いで建物の陰に隠れ、AK-47を構えた。

 撃たれた男はのたうち回り、その後直ぐに絶命した。そうとは知らず、一人の男が近づき両脇を抱え逃げようとする。瞬間、その男の右腕が吹き飛んだ。

 私は胸に手を当て、荒ぐ呼吸を整えようとする。しかし無駄だった。

 写真を見る。娘と妻の笑顔。私は守らねばならない。この国を、この家族を。

 悲鳴と怒号。嗚咽と恐怖。全ての感情を取り巻くこの地獄の渦に、私は飛び込んでいった。

 

【2】

 運よく生き延びた傭兵や民兵達が怒号を上げながら突き進んでゆく。それらを建物の上から狙撃兵が頭や肩、足を正確に、実に機械的に撃ち抜いてゆく。

 私ははその光景を建物の路地裏で腰を低くし眺めていた。

 トラックが止まった瞬間──それは狙撃兵にとっては格好の的であり、負傷した兵士を助けようとするなどもっての他だ。

 私は黒のビニルフードを深く被り直した。

「私達、戦わなくていいの?」この戦場では場違いな程に幼い少女の声が小さく届いた。

「良いんだ、SOPⅡ。私達はまだ戦う必要はない」M16A1は冷静な口調で答えた。「隠密でやれとは言われていないが……無用な戦闘は御免だな。それに……この戦いは負ける」そうぼやくと、M16は煙草に火を着けた。

「姉さん……煙草はよして」

私はライターの音に気づき一瞥もせず諌めた。M16は短い溜息を吐き出し、煙草を市街地の方へ降り幅小さく投げた。瞬間、煙草は狙撃主の銃弾に撃ち抜かれ、破裂した。

「ご苦労さん、手間が省けた」

 良く訓練された狙撃兵だ。民兵ではない。狙撃を専門とする傭兵だろう。それも恐らく……

 「しかしM4、此処に居ちゃ埒が明かないぞ……AR-15はまだなのか」

 新たなトラックが停止した音が聞こえた。と同時に、男達の怒号と悲鳴、銃声と足音が近づいてくる。

 目の前を通りすぎようとしていた民兵が右肩を抉られた。悲鳴と嗚咽の混じる声が涙と共に溢れ出ている。

「皆、遅くなった」

後ろで新たに少女の声が届く。AR-15が偵察から戻ってきた。

「AR-15!怪我はしてない?」

「大丈夫、平気よ」

「遅いぞ、AR-15」

「悪かったわね──M16、また煙草吸ったでしょ?……」

「いや、吸おうと思ったんだが、妹にどやされた」

「当たり前よ」

「M4。遅くなってすまない。さあ行きましょう。目標との合流地点に案内するわ」AR-15が私を促す。

 私は、私に気づき、眼を凝視する瀕死の男を見ていた。

「M4、その男はもう死ぬわ。構ってる暇はない」AR-15は男を一瞥する。

「さあ」

「解っているわ……行きましょう、案内して」

私達はAR-15を先頭に移動を開始した。私は移動しながら男の顔を一瞥した。男は既に死んでいた。

 

【3】

 銃声が遠ざかって行く。私達は先程の裏路地を抜け、幾つかの建物の間を通り過ぎ、市場に出た。木箱や布が散乱し、足の踏み場がない。そして至るところに死体が転がり、空気は腐臭に満ちている。唯一違うのは、死体の殆どは兵士ではなく女や老人、子供という住民だというところだ。

「虐殺か……用心しろ。罠が仕掛けられているかもしれない」M16の冷静な言葉に鋭い空気が答えた。

 私達は五メートル間隔に散開し、一歩一歩、針で糸を縫うように、光一つ無い暗闇を手探りで歩くように、静寂が染み付いた市街地を進んだ。

 

 『敵が見えずとも油断はするな。"静寂"こそが我々の真の敵である』

 

 半世紀以上前、ベトナムで勃発した戦争を経験したアメリカ軍兵士が戦時中に放った言葉だ。彼はジャングルを進行中、戦場で全身の皮が剥がされた状態で宙吊りにされた味方を発見し、下ろそうとした瞬間、味方に取り付けられていた手榴弾が爆発し、右手は味方諸とも爆発し、飛び散った。

 彼はその後帰国はできたが、六年間昏睡状態に陥り、その後死亡が確認された。

私はそのアメリカ史上最大の教訓を見習い、必要以上とも思える警戒心を抱きながら行動する。

 瞬間、上空から羽音のような電子音を全員が察知した。それぞれが瞬く間に物陰に姿を隠す。

「武装ドローンだ。気を付けろ……」M16は頭上にテントが張られた店の影に隠れている。

「こんなところにドローン?何故……」AR-15は小道の影に腰を低くし隠れている。

 私とSOPⅡはテントが張られた店に何重と積まれた木箱の裏に隠れ、電子音の行方を耳で追っていた。

 電子音は緩い糸のように漂い、時折何かを探すように電子音を唸らせる。

 獲物を狙う肉食動物のように息を殺し、自らを背景や物と一体化するよう感覚を集中させた。見つかるという不安や焦燥を全て放棄し、ただ石のように動かず、時が過ぎるのを待つ……

 やがて、電子音は消え、意識を正常に戻した。

「ふぅ、行ったな……皆、大丈夫だったか?」M16が店から姿を見せた。そしてそれぞれが先程の場所を離れ、集合した。

「それで?何故所にドローンが?」

「わからないわ……偵察に来たときには居なかったのに」AR-15は顔を顰める。

「私達の場所がバレてるのかも?」

「可能性はあるわね。私達がこの戦争に介入しているという情報は既に漏れている可能性が高いわ。もしかしたらこの場所も……」

「M4、隊長だからって、余り考えすぎるな。もしある程度の場所がバレてるとしても、正確な位置まではわかっていない筈だ。それはさっきの間抜けで解っただろ?」

「そうね……今は進みましょう。もう時間がないわ」

私達は市場を抜け、チェックポイントとして指定していた場所に到着した。

「これは……マンホール?」

「そうよSOPⅡ。ここから目標地点に行けるわ。」そういうとAR-15は周囲を見渡し、マンホールを開けた。

「さあ、進みましょう。状況が悪化しない内に」

 私達は下水道に続く梯子を降り、最後尾のSOPⅡがマンホールを閉じた。

 中に光は一切ない為、それぞれが目の網膜に取り付けられた極薄の暗視鏡装置を起動せざるを得なかった。これが無ければそれぞれの居場所さえ把握することはできない。

 視界が一瞬ホワイトアウトを起こし、その後直ぐにエメラルドグリーンに染まった。私は前方右側にAR-15、左側にSOPⅡ、私の真後にM16が居る。

 私は銃のレーザーポインタを起動し、銃を構える。エメラルドグリーンの更に先の暗闇を白く照射した。私達はひたすらに歩を進めた。

 後ろから足元を数匹のネズミが通り過ぎるのに気付いた。瞬間、再び電子音が、それも急速に増大していることに気付いた。

 ドローンが迫っていた。

「気付かれたか……来るぞ!」M16が叫ぶと同時に引き金を引いた。

 吐き出されるマズルラッシュが周囲とM16を照らす。イヤー・マフ──こういった準閉鎖環境の中で瞬発的に一定以上の音量が出力されると同時に瞬時に鼓膜を覆い、耳を保護する初期機能──が耳を保護しているため思った以上に耳へのダメージが少ないが、周囲には爆音と残響が周囲に嵐を引き起こしている。

 ドローンは大きく右旋回、高速でM16の背後に回る。

 高速で接近する電子音とは別の機械音をM16の耳が探知した。ドローンに装備された小型機銃がスピンアップする回転音。M16がドローンに銃口を向けると同時に射撃が開始された。

 足元を数発の銃弾が貫く。M16は微動だにせず、まるで射撃訓練で的に当てるかのように基本姿勢をスローモーションで行い、一発の銃弾を吐き出した。銃弾は小型機銃に着弾し、小さな火花を生んだ。

 銃口をへり折られ、銃弾が四方八方に飛んでゆく。ドローンの銃弾はSOPⅡの顔面間近の壁を貫き、AR-15の左足付近に着弾した。

 M16は姿勢を変えず、もう一度再び射撃する。

ドローンの本体に着弾し、態勢を大きく崩し落下し、そして爆発した。

「ふぅ……皆、大丈夫か」

「大丈夫なわけないじゃない……もう少しで私の頭、吹っ飛んでたんだけど」SOPⅡがM16に噛みつく勢いで声を張り上げる。

「まぁまぁ、悪かったって……」

「流石ね、姉さん。……!姉さん、傷が」見ると、M16の右頬に横長の切り傷から細く血が流れていた。

「ん?……ああ、これくらいは平気だ。あの間抜けの機銃が回転式でよかったぜ……」

 その時であった。

 M16はドローンの来た方向を見やった。すると暫くして羽音のような電子音が聞こえ始める。

「!!……またなの!?」AR-15が銃を構える。

「待て、AR-15!これは……不味いことになった」

「え?」AR-15はM16を見やる。

「姉さん……これって、まさか……」

 私にはこの蝙蝠ようなざわめきを持ち始めている電子音の正体がわかっていた。

「ドローンの大群だな。およそ三十って所か……」

「不味いよ!このままじゃ私達蜂の巣だ!!」

SOPⅡが恐怖の混じった声を上げる。

「全員走れ!奴の視界に私達を捉えさせるな!」

 私達は駆け始めた。ドローンの射撃範囲に入る前にこのマンホールから出なければならない。

 私は走りながら銃をM4A1からベレッタに持ち変え、ドローに向かって射撃した。烙印システムが直接繋がっていないが、それでも墜落させる自信は十分にあった。そしてその自信は私を裏切ることなく、ものの数発で一機のドローンを落とした。

「やるな、M4!」

「ありがとう!だけど全滅させるのは無理ね……AR-15、地上に出るまであとどれくらいかかるの!?」

「あと百五十メートル程よ!!」

「もう少しだ、走り続けろ!」

 ドローンの飛行速度の方が私達の走る速度より数段上である。射撃範囲に入るのは時間の問題だ。

 一機のドローンが射撃を開始した。

「クソ、撃ってきた!」AR-15がドローンに向かって射撃を開始する。一機のドローンを墜落させるが、全体の勢いが衰えることはなかった。

「私に任せて!」SOPⅡは後ろを向くと、ドローンの大群に向かってグレネードランチャーを撃ち込んだ。

 爆風で髪が靡く。視界全体がホワイトアウト寸前になり、地震のように地面が揺れる。

「良くやったSOPⅡ!派手にやったな!」

M16は走りながら射撃を開始した。数回に分けて射撃を終えるとリロードを行った。

「!……M4、見えたわ!!」地下道の出口の梯子が見えた。

「全員、前を見てろよ!」M16は腰からフラッシュバンを手に取り、ドローン向かって落とした。数秒後閃光が放たれ、大きな破裂音と共に周囲は眩い光に包まれた。

 ドローンは混乱状態に陥り、停止した。その間に私達は梯子に到着し、登り始めた。

「M4、さあ、早く!」AR-15がM4に呼び掛け、M4は梯子に手を掛ける。マンホールに手を掛け、開いた。

 地上の光が差し、私の視界はホワイトアウトした。私は地上を出ると暗視鏡装置を停止させ、クリアリングを警戒する。

 次々と隊員が地上に上がってくる。最後にM16が上がり、マンホールを閉じた。

「ふぅ……助かった……」SOPⅡは安堵の溜息を吐いた。

「間一髪だったな」M16は閉じたマンホールを見ながら言う。

「急ぎましょう、目標地点まで近いわ」AR-15は私に向かって言った。

「そうね……進みましょう」

 私達は相変わらず敵に見つからないよう狭い道を進み続けた。

 暫くして街道に出た。ここは今までの道とは打って変わり、ある程度舗装された道路と、銃痕や破壊後はあれど、それなりに形を保った建物群が現れた。人は無人だが。

「見えたわ。あそこよ」AR-15が顔を私達に向け、指を指した。

「あれは……教会?」SOPⅡがAR-15の指を指す方向を見る。

「"立て籠ってる"とは聞いたが……まさか教会とは」

 私達は石造りの古びた教会に接近した。小さな教会だ。所々に穴が開き、崩れている。

「M4、見ろ」

「どうかしたの?」

近くにいたM16が教会の壁を顎で指した。その方向に近付く。

「これは……民兵かしら」

 胸を撃ち抜かれた民兵の死体が壁に寄りかかっていた。見ると、手や足が破裂している。何発も連続した銃撃が行われたようだ。

 私は血液に触れる。まだ固まっていない。殺されて余り時間がたっていない証拠だ。他に死体は無いが、私は一層の警戒を呼び掛けた

「全員警戒して。もしかしたら、既に敵に攻撃された後かもしれない」

 私達は教会の入り口を囲み、教会へ侵入する準備をした。私がドアの側に寄りかかった。M16はドアを開ける準備を整え、SOPⅡはドアの前方をAR-15は周囲を警戒する。

 数秒のカウントダウンを行い、M16はドアを勢い良く開ける。私は即座に室内に突入、それに他の隊員も続いた。

「誰もいないな……」M16は構えたまま周囲を見渡す。「本当に此処であってるのか?」

「間違いないわ……もしかしたら、敵との遭遇で他の場所に移ったのかも」

 私は周囲を見やる。壁には穴が開き、外からの光が差し、その光に埃の粒が輝いている。床は木何重もの箱が積み上げられ、横に数列に並んだ長椅子は所々腐り、脚が折れている。

 最奥には机が一つあり、そこには短くなった蝋燭が二本立てられ、壁には白い花が描かれた看板が立てられていた。

 私は暫く周囲を観察した。もしAR-15の言うように敵からの襲撃を受けていたとしても、何かしらの手がかりを残していると考えたからだ。

 そして、それらしきものを私は見つけた。

「これは……マイクロチップ?」光に反射する、黒く四角形のマイクロチップに触れた。

「何故このような場所に……」私はマイクロチップを手に取り、解析を始めた。

 瞬間、前頭部、旋毛の手前に固いものが当たる。私はそれが銃口であることを瞬時に理解した。

「動くな」銃口の先から声が届いた。低い女性の声だ。

 M16達も二階や積まれた木箱から銃口を向けられ、隊員もそれぞれの銃口に向かって構えている。

「お前は誰だ」

「V:リベロ小隊、M4A1」

「お前達が?」

「そうよ。貴女達を助けに来た。信用してほしい」

私は女性の顔を見る。女性も私の顔を注視している。

「……分かった。信用しよう。全員銃を下ろせ、丁重にもてなすべき客人だ」

 それぞれが銃を下ろした。緊張が一定まで低下する。

 女性は銃を完全に下ろし、握手を求めた。

「東ドルシアへようこそ。M4A1、そして隊員の皆。先ほどはすまなかった」

「良いのよ。緊張状態だもの、仕方ないわ」

「貴女は?」

「VALLER隊隊長、M2HBよ。よろしくね」

 

 




いかがでしたか?
こういった露骨な残虐・暴力的な描写は初めてなので、うまい表現ができていなかったりすると思いますが、これからどんどん書いていきますのでよろしくお願いします。
よろしければ、感想や評価をよろしくお願いします。
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