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廃れた教会の地下にて、ベルは暇を持て余していた。と、言うのも――
『わりぃ、ベル。明日はちょっとな…納期がヤバイんだ…』
『ベル様すみません、明日リリは用事がありまして…』
昨日、3人で中層攻略に行った帰りの会話である。ヴェルフもリリもどうやら忙しいらしくダンジョン攻略は行けないとの事だった。
(二人には二人の事情があるし…仕方ないよね)
特に用事などなかったベルは連日ダンジョン攻略に赴いていたのもあって、あまり一緒の時間を過ごせていなかったヘスティアと
(――って思ったんだけどなぁ…)
『す、すまないベル君!!今日はバイトのヘルプなんだ…!』
しかし肝心の神様は今日も今日とてジャガ丸くんの売り子として一生懸命頑張っており、生活感溢れる教会の地下室はベル以外誰も居らずとても静かだった。
(神様もバイトでいないし…暇になっちゃったな…)
最初は部屋の掃除をしたり、本でも読もうとヘスティアの書棚から何冊か本を取り出して手に取ったりしてパラパラと頁を捲っていたベルだが、10分もしないうちにパタンと本を閉じると立ち上がり、軽鎧に手を伸ばした。
「……よしっ、ダンジョンに行こう!」
一刻も早く英雄を目指す少年は休日を独りで手持ち無沙汰に過ごすよりもダンジョン攻略を選ぶのに時間はあまりかからなかった。
〜ダンジョン上層〜
薄暗い坑道のようなダンジョン上層から中層に向かう正規ルートの途中でその二人は偶然パタリと出くわした。
「わっ……!」
「あっ……!」
ベルがモンスターの魔石を回収して顔を上げた瞬間、ちょうどその場を通る少女とガッツリ目が合って両者短く声を漏らした。
「アルゴノゥトくんじゃん!」
ベルの事を『アルゴノゥト』と呼ぶ、人の背程ありそうな超硬金属製の巨剣を軽々と背負った快活な褐色の少女が嬉しそうに歩み寄った。
以前18階層でお世話になったロキ・ファミリアの双子のアマゾネスの人。
「ど、どうも……!えと……」
「ティオナ!ティオナだよ!双子だから間違えやすいよねー!これで覚えた?」
アイズさんに並ぶロキファミリアの第一級冒険者だ、アマゾネスのヒュリテ姉妹と言えばその二つ名はオラリオ中に轟いており、迷宮都市の超有名人の一人だ。
「はい…【
「うん、そうそう!」
ベルが確かめるように言ったのだが、ちゃんと覚えててくれて嬉しいと言わんばかりにニコニコとしていた。
「あはは…」
嬉しそうなティオナを他所にベルは緊張した笑いが零れる。理由は簡単、単純に距離が近いのである。
(距離が…近い…。これがアマゾネスの距離感…ッ)
手を伸ばせば触れてしまうような距離で話を振ってくるティオナ。血腥いダンジョンだというのに、ティオナが動く度に花のような香りがベルの鼻腔を通り抜ける。
「何してたのー?ダンジョン探索ー?」
「は、はい…!とは言っても、今日は一人なので上層に限定してますけど…」
と、ベルは自身の状況を述べ、改めてティオナの方を見ると、装備も軽装で他の団員を連れていないように見えた。
「ティオナさんこそ、どうしたんです?
「そだよ!ちょっと水浴びにでもいこうかなと思ってね」
「水浴び…?」
「前一緒にしたじゃん。覚えてない?」
「え…!?ア、
18階層、通称『
水晶と大自然に満たされた幻想的な地下世界。以前、僕達が中層で死にかけて命からがら飛び込み、ロキ・ファミリアに保護してもらったので記憶に深く刻まれている。
今の僕達が行くのはかなり厳しいであろう階層だ。
「うん!気持ちよかったよねー。だから今度もあそこに行こうかなって」
そして、そこでの水浴びといえば思い出すのはヘルメス様に惑わされて覗きを行ってしまった罪を思い出す。
あの時は色々と混乱していて記憶は朧気だが、肌色や褐色と言った抽象的な記憶は残っている。
それを思い出してしまってベルは勢いよく直角に腰を曲げて頭を下げた。
「あっ、あの時はほんとにすみませんでしたぁぁっ!!!
――って、18階層で水浴び!?」
「うんっ!あたし、あそこ気に入っちゃってさー。水も綺麗だし、キラキラしてて明るいし」
「す、凄いです…。18階層までお出かけ感覚なんて…」
「へへーん、あたしのこと見直したー?」
誇らしげに胸を張るティオナ。しかし、その胸のラインは控えめであった。
「み、見直すも何も…ティオナさんはもともとすごい人ですし…」
「もともと凄くなんてなかったよー。まぁ、色々あったけどさー」
それまで笑顔だったティオナさんの顔が一瞬苦笑いをしたかのように見えた。
きっと、ティオナさんの言う通り第一級冒険者になるまでに苦い思い出や色々な過去があるだろう。
そこまでティオナという少女と触れ合ったことのないベルでも今の表情を見たらそんな気がした。
「…やっぱり僕ももっと努力しないとですね」
「ん。でも前に見せてもらったアルゴノゥトくんの冒険、あたしは好きだったなぁ。あの感じならもっともっと強くなるよ」
にひひ、と笑うティオナさん。僕の冒険が第一級冒険者に認められていると思うと心の底から嬉しい気持ちが湧き上がる。
「は、はい…!がんばります!」
僕はティオナさんの期待に応えられるよう、より一層努力することを誓い、大きな声で返事をした。
「あ、そだ!どうせなら一緒に水浴びに行かない?」
「いっ!?そ、それって――」
蘇る覗きの記憶…健康的な小麦色の肌…目の前の少女の裸…アバババババババババッ!?
「ね、そこまでの道中訓練にもなるし!一緒に行こうよ!」
「え゛っ!?…ぁと…その…」
ベルは非常に迷った。正直に言えば今すぐ此処から逃げ出したい気持ちがある。この前のような事態になったらと考えると脳が沸騰しそうになる。
(ーーいや、でも…これはチャンスなのでは…!?)
即座に撤退を選択しようとして、ベルの脳裏に新たな発想が過ぎる。
それは、18階層までの道のりで第一級冒険者の力の一端を見れるかもしれないという考え。
第一級冒険者のダンジョンの進み方、戦い方を間近で見学出来ると思えば、そこから得られるものも大きいかもしれない。
さらに、中層での戦闘は現状よりも良質な経験値を得られるのも間違いなかった。
それに、流石に水浴びする時は一緒に入ったりしないだろうという希望的観測もある。
しかし、アマゾネスの貞操観念の緩さは並ではない。服装はほぼ下着同然だし、前回のアンダーリゾートの覗きの時も裸見られても気にしてなさそうだっだし、今だって距離感が近過ぎることから明らかだった。
(…くっ、神様…僕は……!)
脱走か、同行か、ベルの葛藤によって激しく揺れる天秤。
しかし、一刻も早く英雄になりたいベルは、次第に第一級冒険者の戦いを見て学びたいという気持ちが天秤を傾け始め――
「……ど、同行…させてください…!」
「やったー!やっぱ誰かと一緒の方が楽しいからね!ほら、そうと決まれば早く行こうよ、アルゴノゥトくん!」
絞り出すかのような僕の返答に、ティオナさんは花のような笑顔で僕の手を引いて走り出した。
「ーーぐえっ…!?ちょっ…!?」
一見細く靱やかなティオナの腕だが、そこに秘められたる力は第一級冒険者のソレ。
僕は途轍もない力で振り回されて18階層に続く道へと引きずられていった。
次回スケベ回。作者はダンまちの中ではティオナが結構好きです。
アンケートの期間は作者の気分です。
ベルの君の童貞(偽)を奪うのは…
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ロリ巨乳
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小さなサポーター
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剣姫
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貧しいアマゾネス
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ハーフエルフのアドバイザー