その考えは中学校でクラスが離れた時に揺らぎ
たった数日だけであっても、彼らと共に過ごしたことで
―――当たり前が、とてもかけがえのないものだと気づかされた
Prologue
「…なんだ、これ…ッ」
俺の目の前に広がる、俺の髪の色よりも濃く鉄錆の匂いを漂わせるそれは。元々は生命を廻る筈のそれであると本能的に悟り、苦々しく目を伏せる。
誰がこんな、汚い光景を好き好んでみるというのか。俺の周りに居る、同級生の5人も。その中でも感情が見えず、気味の悪いと思っていた
「…これは、酷いね…なんて惨い事を」
「惨いどころじゃねぇよ。これを作った奴はよっぽど趣味が悪いんだろうさ」
物腰のひょろっこい
どっちもお人好しであり(遊里においては揶揄いが表面に出ているせいで分かりにくい、ひねくれた奴だが)、此処まで人を蔑ろにした元凶を赦せないのだろう。…俺としては、さっさとアイツを連れて出ていきたいところだが。
こんなところに長居でもしたら、しばらく肉が喰えなくなりそうだ。
「…くっそ、レッドデットとかいうチームの奴らは人を何だと思ってやがる!」
「見せかけクールの仮面が剥がれてるよ、安土」
「…ぷっ、ははは!見せかけクール、言い得て妙だなッ!」
橘のツッコミ…ツッコミ?に思わず、
事実、この中では比較動揺の小さい天然のアイツは灰人の言葉を遮るように声をかけた。
「その割には握りしめられた手は解かれている様子はないが?」
「う、うるせぇ!
その言葉に「ふむ?…これが剣呑というのか」と的外れな言葉を吐いている
…目を伏せている俺が馬鹿みたいだ。眼を上げて先を見据えようと細める。…この先の何処かに、アイツ―――俺の姉ちゃんである
「そう急ぐでない、
爺言葉ののっぽ、
「うるせぇ、天羽!お前に何が―――」
「分かるとも。焦りは余裕を損ない、損なった余裕が主に牙を向く事も。聖を失うよりも先に、主が―――主の同級生が失われるぞ?」
…その言葉に冷水を打たれるような心地となる。掴んでいた手を下ろし「…悪い」と小さく呟く。…ばつが悪すぎて顔を背ける中、俺の前に小柄な橘が天羽の俺に向けられている視線を遮るように立ち憚る。
「大丈夫。私は―――いや、私たちは居なくならない」
同じように、遊里が橘の左隣に。灰人が左隣に立つ。
「そうだな。俺たちがお互いに助け合えば問題ねぇよ」
「仲間なんだ、助け合うことに理由はいらねぇよな!」
…それを見てか、天羽は「そうか」と呟いた。その後俺に向けていた視線は逸らされ―――
「構えろ、儂は先に向かっているぞ」
「ッ、待て!」
空肆がそう声をかけるも、天羽は振り向かずにそのまま先へと向かう。それを追おうと俺と栄光が咄嗟に足を踏み出し―――その足元に赤い軌跡が飛んでくるのが見え、それぞれ飛び越すように躱した。
「誰だ―――」
栄光が声を上げ、俺と一緒に其方に目を向ける。そして、その弓を飛ばしてきたそれの白目と目があった。
人の形を保っているが、その四肢はまるでつぎはぎにつなぎ合わせたように肌の色が微かに違うのが伺える。局部は削ぎ落されたように血で塗りつぶされており、剥き出しとなった心臓は不自然に脈を打つ。
それが、徐々にこの部屋の隅から生えてくる―――その光景は吐き気を催す程に、気色が悪く。そしてそうされた人々の最後に浮かべていた表情であろう、恐怖が俺らに向けられていた。
―――込み上げる吐き気を、呑み込む。此処で立ち止まっていたら姉ちゃんを救えない―――俺を腫物のように見る父上/母上と違い。慈愛を、向けてくれた優しいその笑顔を。
逆手に曲刀を持ち絶え間なく斬撃を繰り出す事で、襲い掛かってくる肉人形を薙ぎ払っていく。切れ味を重視した曲刀ではないが、それを斬り捨てるには十分な殺傷力を持っているので、それに任せて突き進む。
左腕の機械義手には、彼女―――
彼女曰く「危険な気がするから、載せておくよ?…これを使ってまで無理は、しないで欲しいなぁ」とは言っていた。…俺も出来ればこれを使う事はあってほしくない。
その考えを振り切るよう、小さく首を横に振って正面を睨む。
その先には通路と―――立ちふさがる様にわらわらと集まっている
噎せ返るような鉄さびの匂いを嫌々ながらも肺に詰め込み、俺はそこへ向かって叫んだ―――
「跳べェッ!」
その直後、肉人形の群れの中から銀髪の青年が跳びあがる。その際に手持ちの機械剣で3回空中で回転しながら斬り上げ、肉人形の一つを地面に叩きつける様は流麗ともいえるかもしれない。
とはいえ、言葉に従って跳んだのなら、気兼ねなくやれる―――曲刀を持つ右手を腰後ろに構え一瞬力をため込み。微かに風を纏ったそれを確認した後、
「……Shaft Charge」
素早くその場で2回横に回転し、鎌鼬を無作為に二度の波として吹き飛ばす。―――ほぼ、殲滅できた。
「―――ガァッ!」
「な、ッく!」
その屍の中から偶然にも躱しきれた個体が現れ、此方に殴りかかる。それを躱そうにも、先程の攻撃を偶然とはいえ躱された動揺でうまく動かない。
向かってくる攻撃に耐える為に、曲刀を前に構え受け止めようとし―――自身の足元が暗い事に気付く。
その直後自身の正面に居た筈の肉人形は青い巨大な手に捕まれて消え、
「Catch this(喰らいやがれ)ッ!」
―――俺の正面に再度肉人形が現れた―――顔面から地面に叩きつけられ、首から上が潰れたそれは、確実に息絶えているだろう。動揺も収まり、周りの肉人形が補充されないうちに先へと進む。
その隣を追走するよう、背中から青い巨人を出現させた青年も続く。…先ほど囲まれていたにもかかわらず、一切の傷を負っている様子はない。
なら、彼にも力を借りた方がいい。一人で突き進むにはあまりにも危ないこの環境だ、彼ほどの力を借りられるのであれば先に進むことも容易になるだろう。
「…先ほどは助かった」
「いや、気にすんな。それよりも、おっさんは此処に何の用で来たんだ?パーティーの招待状を受け取った、というわけではなさそうだ」
…お、おっさん…?
「―――俺は、未だ、24だッ!」
「…はぁ?いやいや鯖読み過ぎてるぞ、流石に…」
説明するのも惜しいので警察手帳を投げ渡す。
それを受け取り、中を確認した後。こいつは軽く「…すまん」とだけ答え、手帳が帰ってきた。…分かったならそれでいい。
「取り敢えず、あんたはワタリ=カラスマでいいか?俺はネロ。趣味の悪ぃパーティー会場の招待状が届いたから、ぶっ潰しに来た」
「改めて、
その言葉を聞いて、ネロは何処か納得したように頷き。何処か訝し気に俺の方に目を向ける。それに「どうかしたか?」と声を掛けようとし
―――血肉の、練り込まれる音が耳に入った。それはネロも同じらしく背中の機械剣のギアを入れ始め、俺はそれを手で止める。幸運にも、このスプラッターハウスはちょっとやそっとでは壊れないらしい。
「ワタリ?」
「一発撃ち込んで、さっさと突破する―――Cannon Blade」
左腕を突き出し、機械義手内の仕掛けを起動させると―――掌のシャッターが開き、小型砲弾が放たれる。それは推力を伴って奴らが現れた場所へ突き進み―――轟音と共に奴らが散っていく。
それを見てネロは口笛を吹き―――その取りこぼしである爆風で煽られても生きていた、奴らに銃口を向ける。そして撃鉄が引き起こされた時に
そしてそれは全て脳天に吸い込まれるように入り、柘榴のように脳漿を弾き飛ばす。
「随分と派手だな、おい」
「ネロのそのリボルバーの魔改造程派手ではないと思うがな、さっさと走り抜けるぞ!」
「あぁ」
俺の言葉に頷き、砲撃跡を走り抜ける。
しばらく進んでいくと、此方に引き返してくる人影が2つ見え―――その後ろには、大量の奴らが追随していた。
「た、助けて…ッ!」
息も絶え絶えな黒髪に赤のメッシュを入れた少女の声。
それに応えるよう、俺とネロはさらに歩幅を広げ一気に奴らへ切迫し―――
「刹を、助けてッ!奥に、―――まだ、残されてて―――けほ、けほッ!」
「落ち着いて下さい、美竹さん…ネロさんッ!?何故―――」
「白蓮、話は後だ。まずは、そいつを安全なところに―――」
安全なところ、と言われても俺には思いつかない。むしろ、俺らの傍にいたほうが安全迄ある。
ネロもその考えに至ったのか「いや、今のは聞かなかったことにしてくれ」と口をつぐむ。
…今までは俺らだけで、しかも突破を主としていた。しかしここからは一般人の安全を考慮しつつ、進まなければいけない。
―――ここからが、本番だ。先ほどまでのあれは児戯だと。奴らの姿が、洗練されているのを見て悟った。
現在キャスト
性別:男性 種族:不明 職業:高校生 年齢:17
容姿はテイルズのルーク。
性別:女性 種族:不明 職業:高校生 年齢:16
容姿はテイルズのソフィ。
性別:男性 種族:不明 職業:高校生 年齢:16
容姿はテイルズのクレス。
性別:男性 種族:不明 職業:高校生 年齢:17
容姿はテイルズのユーリ。
性別:男性 種族:不明 職業:高校生 年齢:16
容姿はテイルズのロイド。
性別:女性 種族:不明 職業:高校生 年齢:18
容姿はテイルズのミラ。
性別:男性 種族:不明 職業:武人 年齢:13
法師の袈裟、黒の着物を着込んだ男性。
年齢の割には声が低く、背がとても高い。
性別:女性 種族:不明 職業:大学生(飛び級) 年齢:18
容姿はテイルズのパスカル。
性別:男性 種族:不明 職業:警部補兼武偵強襲科(B) 年齢:24
容姿はエルソードのレイヴン。
ネロ
性別:男性 種族:魔人/半魔(停留の魔) 職業:便利屋[デビルメイクライ] 年齢:19
容姿はデビルメイクライ4のネロ。
性別:女性 種族:不明 職業:尼僧 年齢:21
容姿は東方projectの聖白蓮。