※この作品はR-18です。

月姫NTR短編集   作:七味胡椒

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翡翠ちゃんが志貴さまに手料理を作るほのぼのssです


おまんこオナホメイド翡翠ちゃん

「────志貴さま? どうかなさったのですか、暗い顔をされて」

 

 わたしが話し掛けると、志貴さまは『何でもないよ翡翠』と答えられました。

 

 かちゃり、と食器の擦れる音が食堂に響きます。

 夕飯どき。いつもなら遠野邸の住人全員が集まって囲むはずの食卓には、志貴さまとその後ろに控えるわたししかいませんでした。

 

 いるはずの人がいない空間というのは違和感を覚えるものです。

 部屋はがらんとして寂しげ。志貴さまの対面にいて然るべき秋葉さまは、所用とやらで不在でした。

 

「志貴さま。お茶のお代わりをどうぞ」

 

 ありがとう、という言葉にも力がありません。

 その理由は、近頃の秋葉さまに関してでしょう。

 秋葉さまは最近、家を空けることが増えました。志貴さまとの時間を何より大切にし、ともに朝晩の食事をとるようきつく約束していた当の秋葉さま自身が、ここしばらくそれを忘れたかのように頻繁に外出しておられるのです。

 また、志貴さまへの態度も変わったように思われます。別に冷たくなったとか、刺々しくなったとかいう訳ではありません。

 

 ただ──どこか、醒めたような。

 以前の秋葉さまにあった、志貴さまへのともすれば病的とさえ言える愛情と執着が、霧散したかのように見えるのです。

 

 わたしも姉さんも、早いうちからそれに気付いていました。自分で言うのも何ですが、女の勘とでも言うのでしょうか。秋葉さまも当初は変わらず志貴さまと時間を過ごしたりして取り繕っていたのですが、同じ志貴さまを慕う少女として何となく分かるものです。

 

 その取り繕いも面倒になったのか最近は外出が増え、夜を外で過ごす日も出るようになりました。そこでようやく、鈍い志貴さまも気付き始めたようでした。秋葉さまは元の浅上女学院の友人と遊んでいる──と説明されていましたが、志貴さまがどこまでそれを信じているか。口数も多くなく、感情をあまり表に出さない方ですから、わたしには計りかねます。もしかしたら仕方ない妹だな、と遊び盛りの兄妹に一抹の寂しさを感じているだけかも知れないし、そうでないかも知れません。

 

 

 ……とはいえ。秋葉さまの現状を、正確には把握されていないだろうことは確かですが。

 

 

「ぁ……お食事は終わりですか?」

 

 物思いに耽っていると、いつの間にか志貴さまは夕食を終えたようでした。

 うん、と頷いて食器を置いた志貴さまは、物憂げに黙り込みます。

 

 しん、とした静寂が二人きりの部屋に満ちます。

 それを嫌ったのか、努めて明るく志貴さまが言いました。

 

 ────翡翠、最近料理の練習をしてるみたいだね。

 

「えっ……は、はい。御存知だったのですね」

 

 志貴さまのおっしゃる通りです。

 近頃わたしは、暇を見付けては手料理を練習していました。目的は勿論、志貴さまに振る舞うためです。

 わたしは味覚が他人とズレているらしく、料理が下手です。以前など、梅干しを使ったサンドイッチを志貴さまに振る舞ったところ酷い顔をさせてしまいました。優しい志貴さまは食べてくださったのですがわたしとしては反省しきり。それでも沈んだ面持ちの志貴さまを元気づけるため、美味しい料理を御馳走しようと思い立ち、練習しているのです。

 

 しかし、わたしとしてはあくまでサプライズとして召し上がって頂きたい所。

 恐らくバレバレでしょうが、まだ志貴さまに振る舞うためと明かす訳にはいきません。

 

「その、いつも姉さんに料理をさせてしまっていますから。たまにはわたしが料理当番を担えるよう練習しているのです。それだけ、それだけですよ」

 

 慌てて言うと志貴さまに笑われてしまい、更に赤面してしまいます。

 ……志貴さまと同じくわたしもいつもは感情を表に出すのが不得手なくせに、こういうときだけみっともなく顔に出てしまうのは困ったところです。

 

「そ、そんなに笑わないでください。……志貴さまに笑われてしまうと、翡翠は困ってしまいます」

 

 わたしが困り眉で訴えると、それがまた面白かったのか志貴さまに笑みがこぼれます。

 

 恥ずかしいのですが、正直……志貴さまが笑ってくださって良かったのかも。さっきまで曇っていた志貴さまの雰囲気は、すっかり明るくなっていました。

 

「……くすっ。まったく、困った御方なんですから」

 

 つられていつの間にかわたしの頬も緩んでいました。お互いの顔を見合わせて、くすくすと笑ってしまいます。

 

 二人きりの食卓に、久し振りの笑い声が響いていました。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「はい。それではお休みなさい、志貴さま」

 

 お部屋まで付き添ったあと、わたしは一礼して扉を閉めました。

 まだ夕飯時過ぎ。寝るには早い時間ですが、志貴さまは元から就寝の早い方。居間に居続ける理由もないのですから、食事が終われば部屋に戻られるのも当然と言えば当然でした。

 

「………………」

 

 扉が閉まる間際、志貴さまもわたしに『おやすみ、翡翠』と言ってくださいました。

 悩みの種を抱えているというのに、わたしに対して優しくしてくださる志貴さまに胸が暖かくなります。

 

 けれど────

 

「……いけない。そろそろ時間です」

 

 時計を見ると。もう屋敷を出なければいけない時間でした。

 そろり、と足音を殺して玄関へ向かいます。

 姉さんは……見当たりません。たぶん部屋にいるのでしょう。

 好都合です。そのままわたしは玄関を通り正門を出て、夜道を歩き出しました。

 

 

 

 

 

 

 夜の街を行くメイド服姿の少女というのは目を引くようで、すれ違う人たちが一様に振り返ります。

 一応、安全のためにあえて人気の多い道を選んでいることもあるのでしょう。好奇の目に晒されて恥ずかしい思いです。

 

 しばらくして、到着した建物の前で立ち止まりました。

 20階を超える高いマンション。立地もよく警備員が常駐しかなり高級と言えるでしょう。

 許可証を提示して中へ。ぴかぴかのエレベータに乗り込んで最上階へ昇り、目的地のドアの前へ辿り着きました。

 

「…………ふぅっ」

 

 どきどき──と、それなりの距離を歩いたことだけではない理由から高まる鼓動を抑えるため、深呼吸をひとつ。

 渡されている合鍵、もといカードキーを通し、部屋へと入りました。

 

「…………」

 

 内装は、普通のマンションとそう変わりありません。庶民的な『彼』の要望に合わせたのだとか。

 そろり、と足音を殺しながら廊下を歩き、寝室の前まで歩いていく、と────

 

 

『あっあっ♡ おじさまのちんぽっ♡ そんなにぐりぐりしたら駄目ぇ♡ ひぃぃっ♡♡ そんな体重かけて、思いっきりハメ潰されたら♡♡ もうおまんこもガバガバなのに♡♡ 子宮までお口開いたままになっちゃいます~っ♡♡♡』

 

 

「っ………………」

 

 聞き覚えのある少女の、くぐもった矯声が耳に飛び込みました。

 それだけではありません。その声に被せるように、ベッドが軋む音と肉が肉を打つ音が、部屋から漏れ聴こえます。

 

 廊下をよく見れば、濡れた足で歩いたのだろう水滴がぺたぺたと。

 それは浴室から続いていました。風呂へ入り、身体もろくに拭かぬままベッドへ雪崩れ込んだ光景が目に浮かぶようです。

 

 

『駄目駄目っ、おじさまぁ♡ もう翡翠が来ちゃいます♡♡ 私がおじさまに鳴かされてる声、聴こえちゃう……え? き、聴かせてやれって……っほぉおおお~ッッ♡♡ お゙っお゙っ♡♡ やべっ♡♡ やべでぇっ♡♡ ッ♡♡ そんなっ、面白半分に♡♡ 女の子のおまんこほじくっちゃ駄目ですっっ♡♡♡』

 

 

 いっそう激しく、ばつん、ばつん──と。

 

「はっ、は……秋葉……さま……」

 

 わたしは立ち尽くし。扉の向こうで、秋葉さまが嬲られるのをただ聴いていました。

 

 ────まだほんの一月ほど前、初めて秋葉さまが『彼』を屋敷へ連れてきた時。

 今思えば、あの時から秋葉さまは変わり始めていたのでしょう。

 初対面で、秋葉さまが屋敷に招くには不釣り合いな男性だ、と思ったのを覚えています。それは風貌や年齢からではありません。

 隣に立つ秋葉さまを、生徒ではなく『メス』として扱う雰囲気。そして舐めるような、わたしを品定めする視線。秋葉さま本来の性格からすれば汚物として歯牙にもかけないだろう、どうしようもない男性。

 だというのに、わたしに適当な言い訳をして部屋に連れ込んでいく秋葉さまは頬を赤らめていて。数時間後汗を滲ませて髪をほつれさせ玄関まで彼を見送る時には、まるで心という弱味を握られた、恋する乙女のような顔をしていたのです。

 

 秋葉さまの外出が増え、また志貴さまへの態度が変化したのはそれからでした。勿論、秋葉さまが誰と親密になろうが秋葉さまのご自由であり、わたしが文句を付けられることではないのですが……それでも流石にどうか、と思っていた頃。ある日わたしは、今日と同じように秋葉さまにこのマンションに呼ばれました。

 

 理由は──部屋の掃除と、彼の身の回りの世話。時にはリビングで、時には浴室で、また時には寝室で。場所を選ばぬ秋葉さまと彼の交わりは激しく、散らかったり汚れたりは毎度のこと。その後始末と、ついでに部屋の掃除や、食料品の買い込み、お仕事の手伝い等、その他の雑務を行うよう命じられたのです。

 

 ちなみに、ここに『彼』が住むようになったのはつい最近。

 それも当然。なんせこの部屋は、『彼』との密会のために秋葉さまが遠野家の資産で購入し、彼に差し出した部屋なのですから。

 

「……いけない。こんなことをしてないで、早く仕事をしないと」

 

 秋葉さまの声のせいで内に沈んでいた思考を振り払います。

 

 ぼうっとしていた頭を軽く振ってから仕事に取り掛かります。とりあえずまずは食器の片付け。どのみちわたしが来て始末していくからと、数日分の食器が汚れたまま出しっぱなしになっています。部屋も散らかり放題。こういったものを全てこなさないとわたしは帰れません。

 

 洗い場を整え、お皿を洗います。数日分とはいえ住んでいるのは彼一人。この分なら皿洗いはすぐに終わる、はず──

 

 

『お゙お゙お゙お゙~~ッッ♡♡ はっはひいぃっ♡♡ なります♡♡ 私はっ、遠野秋葉は、おじさまのお嫁さんになりますっ♡♡ 兄さんじゃやだぁっ、好きだって勘違いしてたんです♡♡ おじさまがいいっ♡♡ 兄さんよりおじさまが好き♡♡ おじさまのちんぽも兄さんより好き♡♡♡ 私の初恋は兄さんじゃなくておじさまだったんです~~っ♡♡♡』

 

 

「────、ぅ」

 

 台所までばっちり響く、秋葉さまの淫らな求愛。

 それを聴いて、僅かに、わたしの膝が震えます。

 

 当たり前ですが、秋葉さまのこんな声、これまで聴いたことはありませんでした。初めてこの部屋に来た日は、それはもう驚いたものです。

 

 今では驚きはありません。しかし確実に、わたしに影響を与えていました。

 

「う…………」

 

 内股で太ももを擦り合わせると、くち、という感触。厚いスカートの下で、わたしの股間は湿り気を帯びていました。

 

 これは……仕方ないのです。

 わたしと同じ、いやもしかしたらそれ以上に深く、志貴さまを慕っていた秋葉さま。中々素直にはなれずとも、全てを兄に捧げる所存だっただろう妹。

 そんな秋葉さまが綺麗さっぱり志貴さまへの想いを放り捨て、こんな声を、甘ったるく快楽に濁ったメスの悦びを乗せた声を上げているのを聴かされては。恥も外聞も放り捨てて、メスとしての幸福に満ち満ちたアクメ絶叫を浴びせられては。

 

 どうしても、思ってしまいます。

 どんなに凄いんだろう……って。

 どんな風にそれまでの自分を塗り潰されてしまうんだろう……って。

 

「ぁう……くっ……。お、お皿は……終わり……」

 

 手早く皿洗いを終えました。というか、もう皿洗いなんてやっていられません。

 

 手を拭いてから、よろよろとまた寝室へと近付きます。扉を背にして、とすんと腰を下ろすと。

 

 

『うお゙っ♡ お゙っお゙っ♡ おっおじさまっ♡ 潰れちゃ……♡ ぶふぅぅぅっ♡ っぐぅううう~~っ……♡♡』

 

 

 ……たぶん、彼にのし掛かられているのでしょう。息も絶え絶えといった感じの秋葉さまの呻き声が聴こえます。

 

 容易に想像出来ます。仰向けになって股を広げた秋葉さま。その上に覆い被さって、好き勝手に腰を打ち下ろす彼……。

 

 

『あんっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡』

 

 

「ふ……、ふう……っ」

 

 膝を抱えて、もぞもぞと腰を揺するわたし。

 もう下着はすーすー涼しくなるほどに濡れています。

 

 正直に言って、すぐにでもオナニーしたい。指を突っ込んで思いっきりかき回したい。

 でも出来ません。いつ部屋からお二人が出てくるとも限りません。何よりこのあと顔を合わせると思うと今からオナニーする度胸はわたしにはありません。

 

 それに今までわたしが自慰をするときの想像は、必ず志貴さまが相手でした。わたしにとって、志貴さま以外の男性とはそもそもそういう対象にならなかったのです。

 でも。彼が現れてから、それが変化しているように感じます。

 なんせ──わたしと同じだったはずの、秋葉さまの現状がコレなのですから。

 

 

『お゙っ……お゙おお゙~~っ♡♡ おじさま、中にっ♡♡ おじさまのザーメン欲しいっ♡♡ おじさまの精子で秋葉を孕ませてっ♡ 産みます、ちゃんと産みますから♡♡ おじさまの赤ちゃ…………っっっ♡♡』

 

 

 秋葉さまの声が切羽詰まったものになっていく。

 彼を煽る言葉を発し、射精へと駆り立てていく。

 そこに羞恥も嫌悪もありません。

 ただただ、愛しいオスの遺伝子を受け入れることを望む、発情仕切ったメスの求愛。

 

「んっ……ふ……」

 

 秋葉さまの昂りに釣られて、わたしの興奮も上昇していきます。ぱくぱくと膣口が開いて、咥え込むモノがないか探しています。

 けれど、わたしの膣はからっぽ。彼に犯される秋葉さまとは違って、何も挿入されることはありません。

 

 秋葉さまが快楽に喘ぐなか、扉一枚を隔てて膝を抱えて孤独に腰をヘコヘコと揺するわたし。

 余りにも惨めで、浅ましくて。だというのに、二人の逢瀬の盗み聞きを止めるという選択肢を取る気にはなれません。

 

 

『あっあっ……あぁ~~♡♡ イクイク♡♡ アクメくるっ♡♡ おじさまのザーメンどぷどぷ注がれてっイグっ♡♡ もっとくださいっ、子宮で飲みますから♡♡ おじさま好き好きっ、好────♡♡♡』

 

 

 ぴたりと途絶える、秋葉さまの声。

 きっと、大量の中出しで息が詰まってしまったのでしょう。

 ぎしぎしと細かい痙攣でベッドが揺れる音。秋葉さまが激しいアクメに飛ばされたのは想像に難くありません。

 

 ────きっと、志貴さまに抱かれるより、比べ物にならないくらい気持ちいいんだろうな────

 

 と。

 わたしはひとり、下着を濡らしながらうっすらと思うのでした。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「あら、もう来てたのね翡翠。忙しいところ悪いわね、片付けは終わりそう?」

「はい。お皿洗いと洗濯物は終わって、あとは部屋の掃除です」

「そう、さすが仕事が早いわ。申し訳ないけど後で寝室もお願い出来る?」

「……はい。分かっております」

 

 しばらくして秋葉さまは寝室から出て来られました。

 澄まし顔で仰いますが、髪は幾分か乱れて額には汗が滲み、ちらりと見える首筋には虫刺されのような跡。激しい運動の残滓がそこかしこに見られます。『使った』ばかりの部屋も片付けろというのですから、そもそも隠す気もないのかもしれません。

 

 と、いうわたしも同じようなものですが。

 さっきからびしょ濡れの下着が不快でたまりません。染みがスカートを貫通してしまわないか心配なくらいです。

 

「あの……そういえば、あの人はどうされたのですか。部屋から出て来ませんが」

「翡翠? あの人、ではないでしょう」

 

 部屋から出てきたのは秋葉さまだけ。もう一人のほうはどうしたのか、と思ったのですが、言葉尻を咎められてしまいました。

 

「…………しかし、秋葉さま。わたしの主は秋葉さまと志貴さまで」

「なに、まだそんなことを言ってるの? 翡翠も強情ね。でも、だったら尚更よ。これは貴女の雇い主である私の命令。断ることは許さないわ」

「う…………」

 

 そう言われてしまえば、わたしに拒否権はありません。

 躊躇いながら、

 

「……分かりました。ご主人さま、とお呼びすれば良いのですね」

「うん、宜しい。おじさまったら翡翠みたいな可愛い子にご主人さまって呼ばれるなんて、って喜んでいたわ。たくさん呼んであげて頂戴。

 ……それで、今は寝てるわ。お疲れのようだからしばらく放っておいてあげて」

「…………かしこまりました」

 

 渋々了承したわたしに、秋葉さまは満足げに頷きました。

 

 すっかり彼──ご主人さまに絆されてしまった秋葉さまは、わたしにいくつかの命令を出しました。ご主人さま呼びすること、また専属の世話係になることもその中のひとつです。

 

 そして、もうひとつ。

 

「しっかし……。その服、ホントにえっちね。いつものメイドを見慣れてるからかしら。こう、ギャップがなかなか……」

「あッ……お、お止めくださいっ」

 

 つん、と秋葉さまに胸を指先で突つかれてしまいました。

 秋葉さまの言うとおり、わたしは普段着のメイド服ではありません。

 全裸にブラとショーツ。その上からエプロンを着けた、いわゆる裸エプロンと呼ばれる服装でした。

 

 これも秋葉さま、というかご主人さまの命令。ご主人さまの目に入る時には必ずこの服装になれとのお達しなのです。

 

「あの、秋葉さま……。この格好になるにしても、ブリムは要らないのでは……」

「それが絶対着けろって話なの。よく分からない趣味だけど、まあおじさまは変態だし。それがあるだけでメイドに見えるだのどーだの言ってたわ」

 

 遠回しに頭に被っているブリムを外せないか聞いてみたのですが流されてしまいました。……裸エプロンにブリムだけ着けているって、何だかシュールで嫌なのですが。

 

「それに翡翠だって最近は素直に着ちゃってるじゃない。最初はあんなに泣いて嫌がってたのに。どういう心境の変化? もしかして貴女もおじさまのこと、好きになっちゃった?」

「……おぞましいことを言わないでください。そのようなこと、有り得ません」

「あらそう? でも距離感が近くなってるように見えるけれどね」

 

 ムッと眉間に皺を寄せて言うと、秋葉さまはけらけらと笑いました。

 こんな年頃の少女らしい無邪気な笑いも、ご主人さまと関わる前には見たことがありませんでした。些細な一挙手一投足から、秋葉さまがご主人さまに変えられてしまったことを感じさせます。

 

 不思議なのは、その変わりかた。普通に考えて、秋葉さまのような年若い少女がご主人さまのような中年男性に良いようにされるとなれば、もっと直視に耐えないことになりそうですが。

 秋葉さまはむしろ、志貴さまに恋い焦がれていた頃よりも────

 

「さて、私はそろそろ帰るから。ホントは一晩中おじさまに可愛がって戴きたい所だけど、琥珀が心配するだろうしね」

「……はい」

 

 どくん。と跳ねる心臓。

 何回経験しても、必ずこう。ご主人さまと二人きりになると思うと、なぜだか鼓動が激しくなってしまいます。

 

 髪をなびかせ玄関へと向かう秋葉さま。

 ドアノブを握ると、一度だけこちらを振り向きました。

 

「それじゃ。頑張ってね、翡翠♡」

「……………………」

 

 いや、何をですか。

 

 

 

 

 

 

 仕事はすぐに終わりました。

 しかし掃除やら何やらはいいものの、学校での仕事の処理を部外者であるわたしに任せるというのはどうなのでしょうか。守秘義務とか。生徒の成績見放題なのですが。

 

「……そのようなことに気を使う方ではありませんね」

 

 ふう、とため息を付きます。

 何にせよ、これでわたしの仕事は終わり。秋葉さまは寝室も清掃しろと仰いましたが、どうせ汚れる場所ですし、ご主人さまが寝ているのを邪魔する訳にいきません。なので、これで帰ってしまってもいいのですが──

 

「…………まあ、せっかく来たのですし」

 

 言い訳するように呟いて、わたしは、部屋の冷蔵庫を開けました。

 

 

 

「よし。あとはこれをかけて……出来上がり、と」

 

 30分ほど後。テーブルの上には、わたしが作った食事がありました。

 今日のメニューはかに玉。市販のパックの素材に卵を入れて焼き目をつけ餡をかけるというだけの簡単な調理ですが、今のわたしにはこれが精一杯。まともに形になっただけでも誉めて欲しい所です。味付けは……少し濃い、でしょうか。まぁそれも確かめればいいことです。

 かに玉なんぞに30分もかかるのか……などと言ってはいけません。まともに作れた時点でわたしとしては上出来なのです。

 

 なぜこんなものを作ったかと言うと、一重に志貴さまに作って差し上げる料理の練習の為。

 と言っても、もちろん自分で食べる訳ではありません。絶不評だった梅サンドもわたし的には悪くなかったのです。つまりわたしは根本的に味オンチらしいので、自分で試食しても意味がありません。

 

「ご主人さま、いつまで寝てらっしゃるのでしょう」

 

 この『試食会』はもう恒例になっているのに──と。

 仕方ないから起こしに行こうか、と考えた瞬間。

 

 後ろから、むにゅん、と胸を鷲掴みにされました。

 

「えっ、ひゃぁああっ!? な、ごっご主人さまっ」

 

 考え事をしていて背後に忍び寄った彼に気付きませんでした。

 掬うようにむんず、と持ち上げられた胸。エプロンと下着の上からですが、感触を確かめるようにむにむにと揉まれます。

 

「あぅ、やめっ……! よしてくださいぃっ」

 

 彼はわたしの反応を面白がっています。秋葉ちゃんはまな板だからなぁ、なんて失礼ことを言いながら志貴さまより一回り大きな手のひらでわたしの胸を覆いました。

 

「ご主人さま、お願いですっ。ど、どうかその辺に……」

 

 わたしが涙声でお願いすると、あっさりと手のひらは離されました。

 胸を両腕で押さえながら振り返ると、彼──ご主人さまがにやにやと笑いながら立っていました。

 

 たるんだお腹、鍛えられていない手足。

 典型的なだらしない中年男性の身体です。

 その格好は、股間を隠す下着一枚だけ。

 なんで脱いでいるのか、なんて突っ込んでも仕方ありません。この部屋に居るときご主人さまは大抵この格好なのです。

 

「も、もうっ。お戯れを……。わたしの身体に触れるのはお止めくださいと言ったはずですがっ」

 

 わたしが非難がましく言ってもごめんごめんと流されるだけ。秋葉さまの命令もあり完全にご主人さまの方が立場が上なので、あまり文句を付けても聞き入れて貰えません。

 

「あ──は、はい。今日はかに玉を作ってみました」

 

 それよりいい匂いだね、と言われ、テーブルの上の料理のことを思い出しました。

 ご主人さまがお皿を覗き込む様子に少し緊張してしまいます。

 

「盛り付けにも注意してみました。料理は見た目も大事だとご主人さまに教わりましたので。──美味しそう、ですか? その、良かったです」

 

 ────それじゃあ食べようか。

 

 わたしは頷き、ご主人さまの椅子を引きました。ご主人さまが座られたのを確認して、わたしもご主人さまの隣に座ります。

 

 

 

 この『試食会』が始まったのは、二度目の訪問の時から。

 一度目の時は秋葉さまと一緒だったのですが、先ほど秋葉さまが仰られたようにわたしは激しい拒絶反応を起こしました。薄々勘づいていたとはいえ秋葉さまの浮気を目の当たりにし、しかもその相手がセクハラ紛いの視線を送ってくる中年男性だったのです。嫌悪と恐怖しかなく、秋葉さまに止められなければ志貴さまや姉に全てを打ち明けていたことでしょう。

 二度目の時は一人でした。無理やり襲われるのではないかと思い足を震わせ半泣きになりながら訪れたわたしですが、意外にもご主人さまは柔和に接してくださいました。

 更には、恐らく秋葉さまから情報を仕入れていたのでしょう、手料理に悪戦苦闘しているわたしの試食役を申し出てくださったのです。

 もちろん、ご主人さまが好意的に接することでわたしを懐柔しようとしていることぐらいは分かります。しかし、遠野家以外、しかも出来れば志貴さまと同じ男性の方に試食して戴きたかったわたしとしては渡りに船だったのです。

 

 ……まあ、それだけではなく。秋葉さまを堕としてみせた男性に、興味があったというのも事実ではありますが。

 

「どうぞお召し上がりください、ご主人さま」

 

 うん、と頷くご主人さま。

 しかし箸を持とうとはしません。何故なら、それはわたしの役目だからです。

 

 横から手を伸ばし箸を持ち、かに玉を切り取って掴みます。そのままご主人さまの口許に持っていき、──ちょっと赤面しながら、

 

「で、では。……あーん……」

 

 ぱくり。

 

 わたしの料理が咀嚼されるのをどきどきしながら見詰めます。もぐもぐ、ごくん。ひと摘まみのかに玉はすぐに飲み込まれてしまいました。

 

「どう、でしょうか? ……美味しい? そ、そうですかっ」

 

 ぱあ、と顔が輝くのを抑えられません。

 最初の頃は、ご主人さまにも駄目出しをされるような有り様でした。自分でもどんどん料理の腕が上がっているのを感じますが、それをご主人さまに認めて戴けるというのは第三者に客観的に保証して貰えるということ。

 

 このぶんなら、そろそろ志貴さまに作ってさしあげても──と思っていると、

 

「あんっ♡ ご主人さま、またっ……」

 

 今度はお尻を触られてしまいました。ショーツの上からすりすりと撫で付けられ、椅子との間で潰れた尻肉の弾力を確かめられます。

 

「で、ですからこういうことは……試食の見返り? う、うぅ……♡」

 

 そう言われると強く出れません。お願いして事情に付き合って戴いているのはこちらなのですから。

 

 それに、この二人きりの試食会のせいで、ご主人さまのセクハラに対する抵抗が薄くなっているようにも感じます。お互い下着一丁と裸エプロンなんておかしな格好でいるのも拍車を掛けているのでしょう。そもそも秋葉さまも仰っていた通り着るのを泣いて嫌がっていたこの服装も、今では当然のように着ている始末。

 

「ふうっ、ふ……♡ ご主人さま、イタズラばかりしていないで、わたしの料理に集中なさってください……ほら、あーん」

 

 身体中をまさぐられ、否応にも体温が上昇していきます。それだけご主人さまが上手いのか、軽く手のひらで撫でられるだけでも快楽を得てしまいます。

 

(いけない、またおまんこが濡れて……。ご主人さまに見付かってしまいます)

 

 これまで押し倒されたりしたことはないとはいえ、秋葉さまをああしたご主人さまです。もし気付かれたら襲われてしまうかも知れません。

 それは、防がなくては。わたしの恋人は志貴さまです。

 たとえ秋葉さまが仰る通りに、オスとしての性能が大幅に劣っているのだとしても。

 ご主人さまの方が、メスとして幸せにしてくれる相手でも。

 

「秋葉さまより可愛い……? も、もう。そんなお世辞には誤魔化されません……♡ ご主人さまに試食して戴いているのだって志貴さまの為なんですからっ。そんな風に口説かれたって靡きませんからね……♡」

 

 首もとをくすぐられ、手のひらに頬を擦り付けながら言います。

 料理を完食されるまで、ご主人さまのセクハラは続きました。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「はあ……っ、はぁ……。志貴さま、良かったです……」

 

 その夜。わたしは、志貴さまとベッドを共にしていました。

 お互い汗だくで抱き合って、事後の荒くなった息を整えます。性交のあと、相手の体温を感じて心を充たす、大切な時間でした。

 

「ふふっ。四回もなんて、流石です志貴さま。わたしもうクタクタになってしまいました」

 

 わたしが言うと、志貴さまは恥ずかしそうに笑いました。そんな反応をされるとこっちも照れてしまいます。

 

 近頃、志貴さまはわたしを求めることが多くなったように思います。

 恐らくそれは、秋葉さまの心変わりが関係しているのでしょう。きっと志貴さまも寂しいのではないでしょうか。

 それならアルクェイドさまやシエルさまをお誘いすれば良いのにとも思うのですが、どうやらお二人とは距離を置いている様子。

 その理由は分かりませんが、志貴さまが求めるのならば、わたしに断る理由はありません。

 

「志貴さま。では、そろそろわたしは自分の部屋に…………え? このままいて欲しい、ですか」

 

 なかなかに驚きました。志貴さまが寂しがっている、というのはわたしの勘違いではなさそうです。

 

「ですが……いえ、何でも。ええ、もちろん構いません。今日は志貴さまに添い寝させて戴きます」

 

 ぎゅう、と抱き締めると、志貴さまは安心したように目を瞑られました。胸元に顔を埋められた志貴さまの呼吸が、段々と深く長くなっていきます。

 

 わたしは志貴さまが眠られるまで、その背中を撫で続けていました。

 

 

 

 

 

 

「ん……くっ、は……」

 

 くちゅくちゅ。にちゅにちゅっ。

 

 とろとろに潤い、蜜を垂れ流すおまんこを指先で弄ります。

 自分の細い指では満足に膣を広げることは出来ません。それでも疼いてやまない身体のままでは到底眠りに就けないでしょう。

 

 すぐ隣には寝息を立てる志貴さま。

 わたしはその横で、ひとり自慰に励んでいました。

 

 志貴さまに四回も出して戴いたえっちの直後。自分でも何をやっているのかと思います。

 

 だけど──はっきりと言えば。志貴さまとのえっちでは、もう、まったく、ぜんぜん、満たされないのです。

 

 こうなってしまったのはいつからだろう、と考えると、簡単に答えは出ます。

 それは、あの方と出会ってから。ご主人さまと出会い、秋葉さまの堕ちっぷりを目の当たりにしてからです。

 

「あぅっ、はっ、は……。足り、ないっ……」

 

 恋人が眠る横でする性欲解消オナニーのなんと惨めなことでしょう。

 これはただ普通にする自慰とは違います。秋葉さまの言う、志貴さまのえっちでは真に満たされないということ。それを自分自身の身でもって実感させられているのです。

 脳裏に浮かぶのは、

 

「ごしゅじん、さま……。ご主人さまっ♡」

 

 志貴さまではなくって。

 秋葉さまを手篭めにした、あの酷い人。

 

 耳の奥で響く秋葉さまの艶声を手繰り寄せて。

 自分がそうされる妄想で股を濡らします。

 

「あっ、あぁっ……♡ ご主人さま♡ いけません、そんな……♡」

 

 事あるごとにわたしに悪戯をしてくるご主人さま。おっぱいを揉まれて、お尻を触られて。最初は嫌だったはずのそれらは、今ではオナニーのおかずのひとつ。ご主人さまの手のひらを思い出すと身体が盛んに反応していきます。

 

「ふーっ♡ ふぐぅ……♡ あー……♡」

 

 膝を擦り合わせながら、人差し指と中指でぐちゅぐちゅと。

 抑えていた音は次第に大きくなって、部屋に響くほど。

 

 ご主人さまの部屋で股を濡らしていたせいで、今日はムラムラが溜まっていました。

 そのせいもあり志貴さまに抱いて戴いたのですが、性欲を晴らすことは出来ず、むしろ余計に疼いてしまうばかり。志貴さまとのえっちよりご主人さまを想ってする自慰の方が気持ちいいくらいなのです。

 

「あ……志貴さまの精液、出てきちゃった……」

 

 あまりかき回し過ぎたせいか、とろりと白濁液が中から零れ出てしまいました。

 志貴さまがくださったわたしの胎に種を植え付けるための大切な液体だというのに、こぽこぽと膣口から溢れ、出ていってしまいます。それを勿体ないとも思わず、潤滑油にしてオナニーするわたし。

 以前の自分が見たら卒倒するでしょう。でも、一度変わってしまったらもう戻らないのです。

 

「ご主人さま……、精液、濃いです……♡ もっとください、もっと……♡」

 

 志貴さまの精液を使って見たことのないご主人さまの精液を想像します。

 秋葉さまはきっとたらふくお腹に収めているそれを。

 

 このあと、何度繰り返しても、何度達しても、わたしの疼きが満たされることはありませんでした。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「よいしょ、っと。……買い忘れはありませんね」

 

 3日後、わたしは再びご主人さまの部屋に呼び出されました。

 秋葉さまはほぼ毎日ご主人さまの部屋に入り浸っている様子ですが、毎回わたしを呼びつける訳ではありません。2、3日間が空くことはざらです。

 

 今日はお買い物をしてくるようにとの言い付けだったので、指定された食料品や日用品を量販店で購入して来ました。

 両手に持った買い物袋をテーブルに置きます。数日分の買い物が詰まった袋をここまで持ってくるのはかなり骨でした。

 

『────っ、────♡』

 

「……はあ。本当に飽きませんね、あのお二人」

 

 お決まりの裸エプロンに着替えつつ、いつもの如く寝室から漏れ聞こえる嬌声に呆れた溜め息をつきます。

 と、言いつつも。わたしも早速、あそこが湿っているのですが。

 

 …………この3日間は中々に苦しいものでした。

 ご主人さまでオナニーすることは今までも何度かあったのですが、それで満足出来ていました。

 なのに今回は、何度しても志貴さまに抱かれても満たされず、むしろ逆効果な気さえします。仕事をしている間も股間がむずむずする始末。まるで何か抑えていたモノが閾値を超えてしまったかのようです。

 

 この、本来なら拒むべきはずの呼び出しさえ、今では心待ちにしているくらい。

 ご主人さまにどんなセクハラをされるのだろう、どんな料理を作って差し上げよう──と自然に思ってしまっています。

 

「いけない……仕事、仕事と……。秋葉さまに怒られてしまいます」

 

 切り替えたように言って、いつもの洗濯や掃除に取り掛かります。

 下着にじんわり、染みが広がっているのを感じながら。

 

 

 

 

 

 ────それじゃあ後はよろしくね、翡翠。前回サボってた寝室の掃除もよろしく。

 

「お見通しでしたか…………」

 

 ばたん、と秋葉さまの出ていったドアが閉まりました。

 帰り際、秋葉さまに釘を刺されてしまいました。

 まあ、毎日のように滞在している部屋です。すぐに分かってしまうでしょう。

 

 さて、他の仕事は全て終わりました。

 試食用の食事──今日は肉じゃが──も済んであとは秋葉さまから頼まれた寝室の掃除。なのですが、一向にご主人さまは部屋から出て来られません。

 

 恐らくは、秋葉さまを抱いたあとそのまま寝てしまっているのでしょう。このようなことは初めてではありません。

 出て来ないのならわたしから行くしかありません。仕方なくドアを開けると、やはり暗い部屋の中央のベッドからいびきが聞こえました。

 

「……ご主人さま。掃除をしますので起きてくださいませ」

 

 呼び掛けますが、大の字で寝ているご主人さまに起きる様子はありません。秋葉さまの用意した、人が4、5人寝そべれそうなベッドの上で爆睡してらっしゃいます。

 

 上半身は裸。下半身は掛け布団に隠れて見えませんが、恐らく下着だけでしょう。

 その姿は、失礼ですが豚か魹を彷彿とさせます。世の女性からは毛嫌いされるタイプでしょう。外見で人を判断するつもりはありませんが、道ですれ違ったらわたしも距離を取りそうな見た目です。

 

「……貴方のような方に、何故。秋葉さまは……」

 

 惚れ込んでしまったのでしょう。

 ……なんて、答えは分かっています。それはえっちの時の秋葉さまの様子を聞けば自ずと分かります。

 

「………………」

 

 実際。

 実際、どうなのでしょうか。

 

 秋葉さまとて処女ではありません。志貴さまと愛を交わしていたことはわたしも知っています。そして以前は、志貴さまを絶倫だと言ってえっちに満足されていたことも。

 そんな秋葉さまの認識を根底から覆し、志貴さまとのえっちを物足りないものにさせ、そして狂ったようにアクメを決めさせるまでに堕としたモノ。

 

 そんなご主人さまのおちんちんは──いったい、どんなモノなのでしょうか。

 

「あのう……ご主人さま……? ……眠っていらっしゃいますか……?」

 

 恐る恐る囁いてみますが、反応はありません。軽く揺すっても呻き声すら上げません。

 

 この時。いつの間にかいびきが止まっていることに、緊張していたわたしは気付かなかったのです。

 

「……少し。ほんの少しだけ……、見てみるだけ……」

 

 言い訳のように呟きながら、掛け布団をめくります。

 緩んだお腹、脂肪のついた脚。そしてその間に、トランクスに包まれた股間がありました。

 

「…………ごくっ」

 

 思わず、生唾を飲み込みました。

 あの中に。秋葉さまをやっつけたおちんちんがある。志貴さまとのえっちを上書きしてしまった肉棒がある……。

 ショーツの湿り気がやけに気になります。破廉恥な格好をしているからでしょうか。股間の疼きが止まらず、自分がおかしなことをしているのも二の次に感じてしまいます。

 

 もぞもぞ、と布団の中に顔を突っ込みました。

 秋葉さまとの行為を物語る、布団に籠った生臭いにおい。それに頭を痺れさせて。ご主人さまの下着を下ろそうとする──と。

 

「え──むぐうっ!? ん、んん──っ!!???」

 

 いきなり上から頭を押さえ付けられ、布団から出られなくされてしまいました。

 

 ご主人さまの大きな手が、わたしの頭を押さえたのです。

 顔面は、当然いま目の前にあったご主人さまの股間へ。更にキツくなるにおいと、フランクフルトみたいな感触を直に感じます。

 

(なっ、なにこれなにこれっ……♡)

 

 精液のにおいもおちんちんの感触も、志貴さまで知っているはず。

 なのに、いま鼻っ面に密着しているそれはまるで別のモノのよう。志貴さまなら青臭いだけの精臭は鼻腔に突き刺さり目眩がするほど。そしてかたちと大きさは、もはや小枝と大樹の違いです。

 

(秋葉さま、こんなモノでおまんこを……っ♡ これで貫かれたら、お股が広がって戻らなくなっちゃいます……♡)

 

 圧倒的な存在感、立ち向かっても女として完全に制圧されてしまうのが見え見えの男性器。

 抵抗しなければいけないはずなのに、くたりと力が抜けてしまいます。

 むにゅむにゅと顔にくっつくおちんちん。その感触に浸っていると、今度は、お尻をがっちりと掴まれました。

 

「へっ……ひぁぁああああ!??」

 

 ずらされたショーツの脇から、ぬるりと太い指が滑り込みます。

 わたしのおまんこはあっさりとご主人さまの指を飲み込んでしまいました。とっくにぬるぬるの割れ目を指がくちゅくちゅと掻き乱します。

 

「あっ、ああっ♡ やだ、ご主人さまぁっ♡ そこは駄目ですぅぅ♡♡」

 

 これまで下着の上から胸や尻を触られたのとは訳が違います。

 直接の手マン、しかも顔は布団にくるまれご主人さまの下半身に密着しながら。頭がどうかしてしまいそう。

 

「ひっ……待って、なんで指を曲げて……」

 

 ご主人さまが、おまんこの中の指先をフックのように曲げました。膣の天井へ引っ掻けます。

 ぞわり、と背筋が総毛立って。

 

 ぐちゅぐちゅぐちゅっ♡♡

 こりこりこりこりっ♡♡

 

「──ぁぁあああああああっっ!??♡♡」

 

 指先を尖らせた抉るような手マン。痛みを感じる寸前まで激しい刺激がわたしのおまんこを攻撃します。

 

 ごっちゅごっちゅとおまんこを出入りする指。それにあわせて飛び散る愛液。完全に力が抜けベッドに突っ伏してしまいますが、下半身は魚が釣り針で釣られるように、ご主人さまの指で引っ張り上げられます。

 

「お゙ッお゙ッお゙ッ♡♡ っっ♡♡」

 

 下半身をおまんこに引っ掛けられた指一本で吊られてしまい、がくがくと震える足。膝を落ち着けることも出来ません。指だけで支配された下半身に快楽が襲います。

 

(気持ちいい、気持ちいい気持ちいいっ……♡ 自分でするオナニーよりもずっと♡ 志貴さまに抱かれるよりも♡♡ ご主人さまにおまんこほじられるの、良すぎぃ……っ♡♡)

 

 ここ数日溜まっていた性欲が存分に解消されていきます。痒くて仕方なかった所に手が届くような快楽。

 

 ご主人さまの太く節くれ立った指。それにおまんこを玩具にされるのが志貴さまとのえっちよりも感じるだなんて。

 頭は布団をかぶって、腰だけ突き出して。みっともない格好だというのに、股間の刺激が堪りません。

 

 どうにか快感を逃がそうと尻を振りますが逆効果だったよう。ごっちゅんごっちゅんと容赦のない掘削でおまんこを追い詰められます。

 

「お゙っ♡ あっぎぃ♡ ひぐぅうううっ♡」

 

 ぷしっ、ぷしゃぁああああ……♡♡

 

 股間から勢いよく体液が吹き出しました。

 お漏らし、ではありません。あまりの快感に潮を噴いてしまったのです。志貴さまとのえっちでも経験したことのなかった潮吹きを、ご主人さまには指先だけで教えられてしまいました。

 

「あっイク……♡♡ イキますっ♡♡ ご主人さまっ♡♡ すっ、少し抑えてっ♡♡ イッちゃいますっ、イクイクっ、あっあっ、あ、……っぐぅううう~~ッッ……♡♡♡」

 

 がくがくがくっ♡♡

 ぽた、ぽた……♡♡

 

「はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁぁ…………♡♡」

 

 アクメ、してしまいました。

 おまんこを絶頂が痺れさせ、愛液が滴になって床に落ちていきます。もう太ももはべたべた。ご主人さまから見ればお漏らしと間違えるほどでしょう。

 

(恥ずかしい……、でもご主人さまの指が気持ちよすぎて……♡♡)

 

 余韻に浸っていると布団が剥がされました。

 すっとした涼しさ。ふらふらと目線を上げると面白がっているご主人さまの顔。

 

「ご主人さまぁ……♡ ひどい、ひどいですっ♡ いきなりこんなこと……♡ わたしはお掃除しに来ただけですのに……♡」

 

 ごめんごめん、と適当な謝罪。まったく悪びれた様子はありません。

 

 ────それよりも翡翠ちゃん。どうやらココに興味があるみたいだね。

 

「えぅっ……♡ そ、それは……♡」

 

 ご主人さまが、ご自分の股間──おちんちんを指差して言います。

 とっさに否定出来ません。言葉に詰まったわたしに、ご主人さまが提案されました。

 

「え……交換条件……って♡ な、なんですかそれぇ……♡」

 

 ────チンポに興味があるなら好きにさせてあげる。

 その代わり、今日は翡翠ちゃんの口で食べさせて欲しいなあ。

 

「………………っ♡♡」

 

 まずい、です。

 男性経験の浅いわたしにも分かります。これはもう、セクハラとかいう垣根を越えています。

 何より、今まではご主人さまの一方的ないたずらだったのに、よりによってここで、わたしの了解を得ようというのが──。

 

「あ……っ、は♡ ご主人さま、説得のつもりですか……♡」

 

 くちゅくちゅくちゅ♡♡

 

 ご主人さまが、あえてさする程度に弱くおまんこを擦ります。

 脳に伝わる甘い刺激。それは元から緩んでいたわたしの判断力を完全に溶かしてしまいました。

 

「っ……、今日だけ……♡ ぜったいぜったい、今日だけですからね……♡」

 

 ご主人さまと見詰め合って答えます。

 

 これが不貞であることなど……すっかり頭から飛んでいました。

 

 

 

 

 

 

「は、はい♡ 今日は肉じゃがを作ってみました♡ 男性が喜ぶって見ましたので……♡」

 

 リビングに移動したわたしがお皿を見せると、ご主人さまは喜んでくださったようでした。わたしはその顔を至近距離で眺めます。

 

(ち、近い……なんだか意識してしまう……)

 

 息が混ざるほど距離の近いご主人さま。

 それもそのはず。今わたしは、ご主人さまの膝に座っていました。

 椅子に腰掛けたご主人さま。その膝に跨がる格好です。

 わたしはびしょ濡れになった下着も脱いで、本当の裸エプロン。ご主人さまはパンツ一丁。一応お互いの局部は隠しているものの、素肌の大部分が触れあっています。

 

「んんっ♡ おっぱい本当にお好きですね……わたしだってそんなに大きい訳じゃないのに……♡」

 

 むぎゅ~っ、とエプロンの上からわたしの胸元に顔を埋めるご主人さま。

 更に両手は左右の尻たぶを掴んでもみもみ。わたしの身体をしっかり味わってやる、とでも言わんばかりです。

 

「これは条件に入ってないのでは……♡ もう、仕方ないお方。秋葉さまでは満たされないですものね……♡」

 

 ゾクゾクっと背筋が震えます。それは身体を触れられているからか、秋葉さまが惚れ込むご主人さまの欲望を、秋葉さまではなくわたしが満たして差し上げているからか。

 

「ご、ご主人さま、その辺に……♡ ごはん冷めてしまいます♡」

 

 放っておけばずっとおっぱいとお尻を弄っていそうなご主人さまを止めてお箸に手を伸ばします。

 

 じゃがいもを摘まんで、すこし躊躇しながら──ぱくり、と頬張りました。

 口の中でほろほろとじゃがいもが崩れます。それを舌先に乗せて、

 

「ごひゅじんさま……♡ あ、あーん……♡」

 

 同じ『あーん』でも今までとは訳が違います。

 心臓をばっくんばっくんさせながら、ご主人さまのお口に、わたしの唇を被せました。

 

「んむっ♡♡ はふぅ♡♡」

 

 じゃがいもをご主人さまの口に押し込んで、ぱっと離れます。

 唇が、燃えるように熱い。ご主人さまの唇は少しかさついていて年季を感じさせます。

 

「どうですか……? こ、これだけじゃ分からないっ? ああもう……♡」

 

 しょうがないので今度はお肉を咥えます。

 甘辛の味付けの肉を、口の中でいくつかに噛み切ってからご主人さまへ。ご主人さまは唇をくっ付けたまま、もぐもぐと咀嚼しました。ごくんと飲み込むのを確かめて唇を離します。

 

「では次、人参です……♡」

 

 三度、むちゅうう……っと。

 わたしの半開きの唇をこじ開けて、ご主人さまの舌が潜り込みます。恐らく……いや確実にわざとでしょう、執拗にわたしの口内を舐めながら人参を奪っていきます。

 肉じゃがの汁と、わたしとご主人さまの唾液。混ざりあったそれは、もうどれがどの味なのか分かりません。

 

(そろそろ……、触ってもいいでしょうか……♡)

 

 これだけ食べさせて差し上げれば、股間を触らせて戴いても良いでしょう。

 早く、早く触りたい。ご主人さまのおちんちんがどんなモノなのか、早くこの指で確かめたい……。

 

 お伺いを立てるようにすりすりとご主人さまのお腹を撫でます。すると腕を掴まれたと思った途端、ずっぽりと手をパンツの中に突っ込まされました。

 

(っ────!?)

 

 指先にはぶよぶよした奇妙な感触。

 そっと手のひらで包みます。拳より一回り小さいくらいの膨らみが二つ。

 間違いありません。これは、ご主人さまの睾丸、いわゆる金玉です。

 

 この中で──ご主人さまの精液が。

 しわくちゃで気味の悪い玉袋だというのに、何故か、大切なモノを扱うように手のひらで持ち上げてしまいます。

 ずっしりとした重さ、大きさは、たぶん志貴さまよりもかなり上。ならば、本体は……。

 

 鼓動が早まるのを感じながら手を滑らせます。

 陰嚢の上に聳えるおちんちん。その幹に、ぎゅっと指を回しました。

 

(っっ……太……!?)

 

 棍棒と間違えそうな、その太さ。

 赤ちゃんの腕くらいあるのではないでしょうか。回した指先をくっ付けることが出来ません。志貴さまとの違いは明らかです。志貴さまのモノは、わたしの親指と人差し指で一周できたのですから。

 

(えっえっ……こ、これがおちんちん……? じゃあ今までのわたしが知ってたのは……??)

 

 分かってはいましたが。

 これほどに、差があるとは。

 

 ぐらぁ────と。

 何か、致命的な部分が揺らいでいます。

 

(ま、まだまだ、まだですっ。まだ志貴さまは負けてません……!)

 

 なぜだか焦りながら手を上へ滑らせます。

 根本を離れて、伸びる裏筋。するすると上へ、上へ……

 

(あ、あれ……。おかしいっ……)

 

 終わらない。おちんちんが終わりません。

 

 わたしが唯一知るおちんちん──志貴さまのそれなら、もうとっくにカリ首を通り越して先端へ差し掛かっているはず。

 なのに、ご主人さまのおちんちんは、志貴さまの長さを経てもまだまだ伸びて、伸びて、伸びて……

 

 そうして、志貴さまの5割増しの所で、ようやく膨れ上がった亀頭に到達しました。

 

(嘘♡♡)

 

 これ、本当に志貴さまと同じ器官なのでしょうか。

 精子を作る金玉も。膣を割広げる太さも。

 易々と子宮を突き上げるだろう長さも。

 

 志貴さまとはまるで別格……。重ねたら志貴さまのおちんちんが隠れて見えなくなってしまうくらい。

 

「あむぅ……!? んちゅ、んんっ♡♡ むちゅちゅっ♡♡」

 

 ご主人さまからのキス。もうごはんを口移しするなんて大義名分を捨てた、ただわたしの口を吸うだけのキス……。

 

「じゅるるるっ♡♡ じゅず~~っ♡♡」

 

 舌を思いっきり吸い上げられて頭が痺れる……。唾液を啜られてる……。もう遠慮しないとばかりにおっぱいはもみくちゃです。

 

 すりすり♡ しゅっしゅっしゅっ♡

 

 思わずこっちも両手を動かしてしまいます。

 ご主人さまのパンツに突っ込んだ手のひらでおちんちんを包んで、しこ、しこ、しこ。攻撃的に膨れ上がったおちんちんは、志貴さまと違ってごつごつしてて、血管が浮いてて。少し怖いくらいのフォルム。

 

 すると、わたしの手コキに反応したのか。

 ──むくむくっと、ご主人さまのおちんちんが更に勃起。さっきまでのはまだ半勃ちだったらしく、もう志貴さまの倍近い格違いのおちんちんに進化してしまいました。

 

「す……凄ぃ……♡♡」

 

 こうなると比べていたこと自体が間違いだったってよく分かります。確実にわたしの顎先からつむじより長いでしょう。

 こんな硬くて大きいモノ、女には……わたしには身体中どこを探してもありません。自分にはないモノを持っているご主人さまに、恐怖と、怯えと、オスとしての……崇敬が……

 

「っぐ、お゙ッ……お、お、お……♡♡♡」

 

 ぶるぶるっとお尻が震えて、快感の波が膣から上って、子宮へ伝って。

 おまんこに触れてもいないのにおちんちんを握っただけで……ご主人さまの強さと大きさを実感しただけで甘イキ……。

 怖い、怖いです。何が怖いって、これだけで、志貴さまに抱かれるより気持ちいいのが──

 

「はふ、むぢゅるるるっ♡♡ れろれろぉ♡♡」

 

 舌を絡めながらの手コキ。わたしはおちんちんを、ご主人さまはおっぱいとお尻を。キスしながら相手の身体を確め合います。

 

「ご主人さま……♡ おちんちん、外に出しちゃいますね……♡」

 

 勃起おちんちんのせいで中から突っ張ったパンツを下ろします……が、長過ぎるおちんちん、その先っぽが引っ掛かってパンツが下ろせません。

 

 パンツの端に指をかけて、苦心しながら下ろすと……

 びたん! と、跳ね上がったおちんちんがご主人さまの下腹部を打ちました。

 

「ひえぇぇ♡♡♡」

 

 あんまりにも凄すぎて間抜けな声が出てしまいました。

 初めて目にした、ご主人さまのおちんちんは……

 大きさも太さもも想像以上。挿れたらヘソの裏っかわを優に通り越すだろう長さ、限界までおまんこを広げるだろう太さ。手で握っていただけでは分からない細部の形。恐ろしい赤黒い色。

 

 お腹がひくひく痙攣しています。目の当たりにしたオスの威圧感に、わたしの子宮がおののいてる……。

 それなのにどぷどぷと愛液を吐き出して、子宮口を半開きにして。受け入れ体制を整え始めています。

 

 裸エプロンの裏はもうぐっちょぐちょ。ぬるついた粘液が股間から垂れ流し。

 ほんのちょっと、エプロンをめくって腰を浮かせて、下ろせば。ご主人さまのおちんちんがわたしのおまんこをみっちり満たしてしまう……

 

 ────いけないいけない。これじゃ浮気になっちゃうね。

 

「へあ??」

 

 ご主人さまがよく分からないことを言いました。

 呆けていた思考がゆっくりと回復します。

 

「たっ……確かに、浮気になってしまいますけどっ……♡」

 

 おまんこは疼きまくってご主人さまを求めています。

 でも確かに。このままでは志貴さまを裏切ることになります。ただでさえ、秋葉さまを失って傷付いている志貴さまを。

 

 そんなわたしに、ご主人さまが再び提案しました。

 傍の戸棚から、避妊具──コンドームを取り出して、

 

「お、お互いを……オナニーに使う……?」

 

 ご主人さまが提案されたのは、相手の性器を使って性欲を解消すること。

 コンドームを装着し、妊娠は避けた状態でならセックスには──少なくとも子作りにはならないから。

 ご主人さまはわたしのおまんこオナホで、わたしはご主人さまのおちんちんバイブで。

 あくまで股間を擦り合わせるだけの……ちょっとセックスに似ているだけの、相互オナニー……。

 

「そ……そっか、そうですね……♡

 ご主人さま、名案です♡ それなら浮気にはなりませんよね♡♡」

 

 あからさまな建前、誤魔化しですが……

 正直……もう我慢出来ません。ぽっかり空いた穴が、ご主人さまをお待ちしています。

 

 震える腰を上げ、おちんちんに入口をあてがい……

 

 ずぷぷぷぷ……っ♡♡

 

「お、おっき……すぎぃ……っ」

 

 おまんこが今までにないくらい拡張されます。

 一気に腰を下ろすことは出来ません。少しずつ、慣らさないと……

 

「ぐ、うう、う、う……♡」

 

 ぐぱっ♡むちゅむちゅむちゅ♡

 

 肉の壁が無理やり開かれる音がします。ご主人さまのゴム付きおちんちんに、開拓されていく……。

 

 やがて、わたしが知る最奥……志貴さまの長さまで到達しました。

 けれど、恐る恐る股間を見てみれば……

 

「ま、まだそんなに♡♡ お腹抉れちゃいます♡♡」

 

 ご主人さまのおちんちんは、まだ半分近く残っています。

 こんなの絶対無理。根本まで挿入したらわたしのおまんこが壊れてしまいます。逞しいおちんちんに、内臓を潰されてしまう。

 ひくつくお尻を上げて、おちんちんを抜こうとします。ずるずると膣を擦っていく感触、それだけで性感が高まります。

 

「ご、ごめんなさい、ご主人さま♡ 一旦抜いて……」

 

 ──ごちゅっ!! 

 

「オ゙ッ゙!??♡♡」

 

 ご主人さまは、そんな甘えを許してくださいませんでした。

 腰を掴まれ、引きずり下ろされたわたしのおまんこと、突き上げられたご主人さまのおちんちん。

 思いっきりぶつかった二つの性器の勝負は……当然ご主人さまの勝ち。子宮口にぶち当たった亀頭が子宮をひしゃげさせました。

 

「ッッッ♡♡ お゙ご゙ッ♡♡ 子宮……持ち上げられ……ッ♡♡♡」

 

 ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ! 

 

「オ゙ッ♡ オ゙ッ♡ オ゙ッ♡」

 

 お互いに相手を使う、なんて、何を勘違いしていたのでしょうか。

 これは……一方的な蹂躙です。わたしがご主人さまを使う余地なんてありません。

 わたしという肉オナホを、ご主人さまがおちんちんを扱くために使う。わたしはまんまとその状況に追い込まれてしまったのでした。

 

「ぐッおおおッ♡♡ ごっ♡ ご主人さまっ♡ お許しをっ♡ オ゙オ゙ッ♡♡」

 

 自分とは思えない野太い声が迸りました。

 ご主人さまに一突きされるごとに、耐え難いアクメが襲います。子宮口を殴られるのも、子宮を持ち上げられられるのも、生まれて初めての感覚。

 

 ただ膣を前後するだけだった志貴さまのえっちとは訳が違う、肉のぶつかり合う交尾──

 

「ぶちゅちゅっ♡ ずるる~っ♡ じゅるるる♡」

 

 ご主人さまに抱きついて必死の口づけ。

 上下するおちんちんに合わせて、いつの間にかわたしも腰を振っていました。ぱん、ぱん、ぱん♡ とわたしのお尻とご主人さまの太ももがぶつかります。

 

 殴られ続けた子宮が根を上げたかのように口を開いていきます。こんなに強いオスなら、もう志貴さまじゃなくてもいいじゃないか……って。このオスの子を孕んでしまおう……って。

 でも、孕めません。ゴムを着けてるから、わたしのお腹に精液は入って来ません。

 安心するべきことのはずなのに、何故かそれが……

 

「あっあっ♡ 来るっ♡ いちばん大きいアクメ来ちゃいますっ……♡♡」

 

 子宮が孕ませ待ち状態になり、一層大きな波が来てしまいました。

 そこに、ご主人さまが力一杯ぐりぐりと……形を覚えさせるかのようにおちんちんを押し付けます。

 

 射精寸前のおちんちんとキスした子宮が、精子を貰えると早とちりして……

 

 

 びゅるるるるっ♡♡ びゅる~~っっ♡♡

 びゅくっ♡ びゅるるる♡♡

 

 

「────、────♡♡」

 

 意識が、真っ白に。

 おまんこで脈動するおちんちんを始点に、背筋へ、脳天へ……アクメの電流が走りました。

 

「あ──っ♡ あぁ──……♡♡」

 

 気持ちいい。とんでもなく気持ちいいのですが……子宮は物足りないと叫んでいます。

 

 びゅくん、びゅくんと子宮口の目の前での射精。

 それに応じて口を開いているのに、一滴も中には入って来ません。

 薄皮一枚向こうに極上のオスのエキスがあるというのに、それを飲み干せない。

 そんな生殺しに、子宮が泣いているのです。

 

「お゙……ほ……♡」

 

 ずるり、と引き抜かれたおちんちん。

 刀身を包んでいたコンドームが外されます。たっぷり中身を閉じ込めて膨らんだ、その先っぽ。

 

(おしっこみたいにたくさん……♡ 志貴さまの……何回ぶんでしょう……♡)

 

 わたしとご主人さまの性交の証であるそれを、ブリムにくくりつけられました。ぶらぁん、とわたしの額で揺れています。

 

「ご主人さま♡ とても素敵なえっち……あ、いえ、オナニーでした♡ わたしもう腰が抜けて……えっ? ま、まだ……♡ あと十回は出せるって……あ♡ あぁっ……♡♡」

 

 もう一度、新たな避妊具が取り付けられたおちんちんがわたしの中に潜り込みます。

 

 結局──この日はゴムを使いきり、ブリムがコンドームまみれになるまで、おまんこをオナニーに使われてしまいました。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「あら翡翠、こんな時間まで料理の練習? 精が出るわね」

「秋葉さま」

 

 夜遅く。遠野邸の厨房で料理をしていると、秋葉さまに見つかってしまいました。

 夜分のため静かにしていたつもりなのですが、起こしてしまったでしょうか。

 

「申し訳ありません。騒がしくしてしまいまして」

「ううん、そんなことないわ。水を飲みに来ただけだから」

 

 水をくみコップをあおる秋葉さま。

 ふとわたしの料理を見て、

 

「……あら? なに、グラタンを作ってるの? 一口貰ってもいい? 

「ええ、勿論です」

 

 言うと、ひとさじぱくりとわたしのグラタンを口に含みました。

 

「あら美味しい。貴女の料理の腕もずいぶん上がったじゃない。

 ……あれ。でも兄さん、グラタンは嫌いだって言ってなかったっけ」

「ええと……そうでしたか?」

 

 今日の夕食でのこと。久々に秋葉さまが夕食に顔を出し、志貴さまと会話が弾まれていました。

 その時に、ふと好きな料理の話題になったのですが……

 

「貴女も聞いてたでしょう? 兄さん、グラタンが苦手だって。なのに何で…………あ」

 

 なにかに気付いたように秋葉さまが眉を上げます。

 そして、悪戯っぽい猫みたいな顔でわたしを覗き込みました。

「そっかそっかぁ。成る程ねえ。へー、ふーん」

「……な、何でしょうか秋葉さま」

「べっつにー? 何でもないわ。まあ頑張って、応援してるから」

 

 ひらひらと手を振って秋葉さまは出ていきます。

 と思いきや、くるりと振り返って、

 

「そうそう。ひとつアドバイスしてあげるけど。

 もうちょっとね、バターを入れた方がいいと思うわ。あの人、濃い味が好みだから」

「………………ありがとうございます」

 

 そう言って、今度こそ秋葉さまは自室に戻られました。

 

 

 

 

 

 

「あうっ♡ あっあっ♡ これ深い……っ♡」

 

 ぱん、ぱぁんとご主人さまの腰が叩きつけられます。

 テーブルに手をついたわたしは後ろから挿入されていました。

 いつもの通りにゴムをまとったおちんちんがおまんこを擦ります。もう下着を着ける習慣はなくなり、ご主人さまと二人のときは裸エプロンが普通になってしまいました。

 

 ブリムにはもう3つの精液入りコンドーム。カラフルなそれが、ご主人さまのピストンに合わせてぺたぺたと揺れます。

 ご主人さまの精力は底無しで、今日も秋葉さまを抱き潰したあとだというのに全く萎える気配がありません。おちんちんの硬さも、精液の量と濃さも変わらず……。

 

 以前は志貴さまを絶倫だ、などと言っていましたが、認識を改めざるを得ません。

 本当の絶倫とは、ご主人さまのような男性を指すのでしょう。ご主人さまと比べれば、志貴さまはこう言うと悪いですが早漏で回数が多いだけ。薄い精液を数回に分けて射精しているだけです。

 なんせ志貴さまの数回ぶんが、このコンドームひとつぶんなのですから。

 

「あ、んんっ……♡ またいっぱい……♡」

 

 秋葉さまも含めればもう本日何発目か分からない射精がわたしの膣内で弾けます。

 ご主人さまの形にぴったり合うようになってしまった子宮口でぷっくりゴムの先が膨れていくのを感じます。そして、その中身を求めるかのようにくぱくぱと吸い付くのも。

 

(切、ない…………。お腹が……)

 

 アクメに達した身体。おまんこで跳ねるおちんちん。

 そこで得られるはずのオスの遺伝子が流れて来ないことにわたしのメスの部分が違和感を覚えています。

 ご主人さまに何度イカされても空っぽの子宮は不満を訴えるばかり。オナニーしても志貴さまに抱かれても満たされません。呼び出しが三日間空き、身体の疼きが止まらなかった時よりも更に辛い。

 

 それを晴らす方法は分かっています。分かりきって、います。

 

 けれども。秋葉さまを失い、志貴さまの為に──と意気込んでいたわたしが。

 秋葉さまと同じになるというのは、とても……

 

 ────翡翠ちゃん。今日も美味しかったよ。

 

「えっ……あ、あ♡ そうですか♡ 今日のはかなり時間をかけたんですよ♡」

 

 エプロンでおちんちんを拭うご主人さまが料理を誉めてくださいました。

 テーブルの上には完食済みのお皿。──今日はご主人さまの好物であるグラタン。バターをたっぷり入れた、濃い目の味付けでした。

 

 ────それじゃ、たまにはお返ししないとね。

 

 そう言うと、ご主人さまはたった今おちんちんから外したコンドームをわたしの眼前に掲げました。

 

 ────ほら、舌出して。

 

「ぁ…………♡」

 

 恐る恐る舌を伸ばします。

 限界まで突き出した唾液の絡む肉舌。その上に……、とろり、とご主人さまの精液が落ちました。

 

「────っっ」

 

 途端。

 びりり、と、脳髄に電流が──

 

「ぶ……え゙、え゙えッ……♡♡」

 

 ぎりっ……♡

 

 子宮が、絞られた雑巾のよう。まるでご主人さまに掴まれたみたいな錯覚。

 いえ、あながち錯覚ではないのかも。舌先に一滴落ちた瞬間、身体が、子宮が。

 これがお目当てのオスの精液だって、確信してしまいました。

 

 味蕾を伝って脳を刺す、強すぎる刺激。

 舌を伝ってだらだらと精液がお口に入って来ます。黄ばんで、ダマの出来た、どろっどろの濃厚精液。一つめが終わったら、ブリムからゴムを外して間髪入れず二つめ。それを搾り終えたら三つめ、四つめ……。結局、すべてのゴムの中身を注がれてしまいました。

 

「え゙え゙~ッ……♡ ごぼぉ゙ぉ゙ッ♡♡」

 

 上を向いて精液を溜め込み大口を開けたわたしの姿は、さながら精液便所。

 舌まで精液の海に浸かり、鼻で息をするしかありません。口の端から精液が溢れてしまっています。

 

 ご主人さまの、にやついた顔。今日も翡翠ちゃんでたくさん出したなぁ──なんて、満足感たっぷりの下卑た笑み。

 

 いいよ、と言われて、わたしは口内の精液を飲み込みました。

 

「んごっ……ごきゅッ♡ ごくっ♡ んぐっ♡ ごくん♡」

 

 精液は喉にへばりつき、中々飲み干せません。コールタールのような粘性で流れ落ちることを拒みます。

 何度も嚥下し、唾液を混ぜて薄め、苦心して胃に送っていく。今まで摂取したことのない液体に内臓は大慌て。初めてアルコールを飲んだときよりも強い反応を示します。

 それは、気持ち悪いとか、吐き出したいとかではなくて。

 

「ぶ、はっ──はぁっ、はあ……♡ あ、熱っ……♡」

 

 かぁぁ──と身体が熱くなり、頭は熱病にかかったように陶然としていきます。

 あまりに刺激が強すぎたのか。代謝が上がり、体温が上がって汗が止まりません。

 

 流石に疎いわたしでも分かります。身体はもう、すっかりご主人さまに参っている。ご主人さまの子を孕みたくて孕みたくて仕方ないのです。

 

 ────よしよし。全部飲めたね、偉いよ翡翠ちゃん。

 

「ぁ…………♡♡」

 

 優しく頭を撫でて下さるご主人さま。

 それだけで、おまんこはぷしぷしと潮を噴いていました。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「────ちゃん。翡翠ちゃん?」

「…………ん……姉さん」

「あ。翡翠ちゃん、やっと気がついた」

 

 屋敷の窓拭きをしていると後ろから話しかけられました。

 振り返ると、声の通り姉さんの顔。今はお庭の掃除中だったはずですが、休憩でしょうか。

 

「どうかした、姉さん?」

「どうかしたじゃないってば。翡翠ちゃんこそ大丈夫? 最近しょっちゅうぼーっとしてるよ。体調悪いの?」

 

 どうやら窓の前で呆けていたところを庭にいた姉さんに見られてしまったようです。姉さんはわたしの額にぴた、と手を当てて、

 

「熱は……ないみたい。疲れてるとか?」

「ううん、大丈夫。むしろ調子は良いくらいだから」

「本当? そうは見えないけどなあ……」

 

 姉さんは心配そうな様子。わたしの言葉もあまり信じていなさそうです。

 でも、体調に関しては本当のこと。別にどこも悪いわけではありません。

 

「大丈夫だってば。心配しないで姉さん。それより、姉さんこそちゃんとお掃除していないと秋葉さまに怒られてしまうわ」

「う……そ、そうだけど。しょうがないなぁ……何かあったらすぐに呼んでね?」

 

 わたしが冗談めかして言うと姉さんは庭へ戻っていきました。

 

「………………」

 

 わたしも窓拭きを再開しますが、しばらくしてまた手が止まってしまいます。

 

 ──ご主人さまと最後に会ってから、早一ヶ月が経ちました。

 ご主人さま、もとい秋葉さまからの呼び出しはぱったりと途絶えました。秋葉さまが迎えに来いとも部屋を片付けに来いとも言わないのであればわたしとご主人さまの接点はありません。まさかわたしから行きたいと申し出ることも呼ばなくなった理由を聞くことも出来ません。

 

「……はあ……」

 

 ────どうして呼んでくれないのだろう。

 

 自然に頭に浮かんだ言葉をかき消します。

 

 以前は三日で、たった三日間で疼きを抑えられなくなったのです。

 この一ヶ月はまさに地獄とでも言うべき状態でした。何度オナニーし、志貴さまに抱かれたことか。そうやって毎日粘膜がすり切れそうなほどにしても、本当に欲しいのはご主人さまの精。

 

 姉さんと話していても。

 秋葉さまと一緒にいても。

 志貴さまに抱かれている最中だって。

 

 わたしの頭のなかは、もうご主人さまで一杯なのです。

 

「ふーっ♡ ふ……♡」

 

 ご主人さまのあの逞しいおちんちんを思うだけで吐息が湿ってしまいます。

 堪らず指をおまんこに差し入れますが、とうてい足りません。こんな細く短いモノ、ご主人さまには程遠い。

 ご主人さまの股間にぶら下がったあのぶっといおちんちんでなければ、満足できないおまんこにされてしまいました。

 

「ご主人さまぁ……♡」

 

 熱く囁きます。

 満足できないのは、おまんこだけではありません。

 心の方だって、ご主人さまに可愛がって欲しくて、また料理を食べて頭を撫でて欲しくて、わたしを締め付けるのです。

 

 

 

 

 

 

「ぁ……す、すいません志貴さま。なにか仰いましたか」

 

 志貴さまとの貴重な時間であった夕食時も、もはや時間の浪費にしか感じません。

 志貴さま、早く食べ終わらないかな、秋葉さまからの呼び出しが来ないかな──と心ここにあらず。来ないなら来ないでさっさと部屋に戻りオナニーしたくて堪りません。

 

 志貴さまに抱いて戴く、という選択肢ももう選ぶことはないでしょう。この一ヶ月何度か抱かれて改めて分かりましたが、ご主人さまと志貴さまではオスとしての性能が違い過ぎます。志貴さまの性交はただ疲れるだけ。ご主人さまに与えられる快楽を知ってしまった今では抱かれる気など起きようがありません。

 

 そんなこと考えている間に志貴さまは食事を終えていたようです。

 食器を置く志貴さまにやっと部屋へ戻れると思ったのも束の間、『翡翠、聞きたいことがあるんだけど』と話し掛けられてしまいました。

 

「はい。どうかされましたか、志貴さま」

 

 努めていつも通りに返します。志貴さまは鈍いですから、後ろに控えるわたしの内心にも気付いてはいなさそうです。

 

 ────そのさ、秋葉のことなんだけど。

 

 そう前置きして志貴さまは話し始められました。

 秋葉さまが家を空ける日が増えたこと。どこか距離を感じるようになったこと。

 ……そして、学園の教師と密会しているのではないかと『悪い噂』が立っていること。

 

「…………」

 

 さも深刻そうに言う志貴さま。秋葉さまがいけないことをしていると、矯正せねばならないと当然に思っているかのような口振り。

 

 でも、

 

(それの何がいけないのでしょうか)

 

 確かに、わたしも最初はご主人さまに入れ込む秋葉さまを心配していました。秋葉さまに近づけるべきでない人であると。

 

 しかし、実際は違います。

 ご主人さまは是非ともお近づきになるべき素晴らしい御方。まあだらしない所や性に奔放な所はありますが、それを許されて然るべき程に男性として優れた方なのです。

 ご主人さまに見初められた秋葉さまがぞっこんになってしまうのも当然でしょう。あのおちんちんに貫かれ子宮をぶたれて参らない女子などいません。秋葉さまはわたしと違い生おちんちんに膣内射精を食らわされるのが日課なのですからなおさらです。

 ご主人さまに抱いて戴くことが最優先となる訳ですから屋敷を空けるようになるのも当然の成り行きです。ご主人さまと会うことを悪く言うのは、あの快楽を知らないが為。むしろその方が哀れと言えるでしょう。

 

 そんなことを、つらつらと考えていると、

 

 ────けどよかった。翡翠がいてくれるなら、どうにかなるさ。

 

「…………え?」

 

 突然の志貴さまの言葉。

 その真っ直ぐさに、どきりとしました。

 

 ────翡翠には本当に感謝してる。いつも翡翠が変わらず一緒にいてくれるから、安心出来るんだ。

 

「志貴……さま」

 

 優しく純粋な言葉に、居心地が悪くなります。

 志貴さまは──大切な妹と上手くいっていないのに、気丈に振る舞い、わたしのことも気にかけてくださっている。

 それだけでなく、こんなわたしに感謝さえしてくださるというのに、わたしは一体なにをしているのでしょう。

 

 この時間。わたしが控え、志貴さまが食事を召し上がる時間も、以前は貴重なものだと大切にしていたことを思い出しました。

 

 料理だって最初は志貴さまの為に始めたはずなのに、いつの間にかそれを忘れて、ご主人さまと淫蕩な時間に耽っている。

 まるで本末転倒。秋葉さまよりよほど酷い裏切りと言えるのではないでしょうか。

 

 ひとしきり悩みを吐き出した志貴さまは吹っ切れたように、

 

 ────おかしな話を聞いてくれてありがとう。楽になったよ。今日はおやすみ、翡翠。

 

 そう言って、食堂を後にしました。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「………………」

 

 志貴さまが自室に戻られてから数時間後。

 わたしは厨房にいました。

 

 理由はひとつ、志貴さまに手料理をお作りしていたのです。

 いつしか目的を見失っていた料理の練習。ですが何度も繰り返したおかげで、確かにわたしの料理の腕は上がっています。

 本来の目的だった、志貴さまに手料理を召し上がって戴くこと。今こそそれを実行すべき時だと思ったのです。

 

「志貴さま……申し訳ありません。少し、おかしくなっていたようです」

 

 相も変わらず下っ腹は物寂しく疼きます。ですが頭に霧がかかるほどではありません。

 酔っていたような心持ちは消え、志貴さまへの……初恋の少年に向ける想いが湧き出すのを感じます。

 

 ────翡翠には本当に感謝してる。

 

「……それは、わたしの台詞ですよ、志貴さま」

 

 かつて幼い頃、共に森を駆け回った記憶。

 住み込みとはいえ姉さん以外に身寄りのないわたしにとって、それはとても大切なわたしを支えるモノだったのです。

 志貴さまの好物をお作りして、志貴さまのお部屋でわたしが食べさせて差し上げよう。

 決心し取り掛かったわたしの前には、ようやく料理が出来上がっていました。

 味付けの控えめな和食。志貴さま好みの落ち着いた食事です。夕食の後ですが、量も少なめで夜食代わりになるのではないでしょうか。

 

「良し…………あとは」

 

 志貴さまのもとへ持っていくだけ。

 

 お盆を持って足早に廊下を進みます。厨房を抜けて廊下へ。長い廊下を進み、志貴さまの部屋がある東館の階段を上ろうとした時、

 

 

 ────ジリリリリリリ!! と。耳を衝く音が響き渡りました。

 

 

「…………っ!?」

 

 驚きに肩が跳ね上がってから、鼓動が激しくなります。

 それは単純に驚いたからではなく、この音が、一月前までよく聞いていた音だから。

 そう。これは、いつも秋葉さまが使っていた、わたしをご主人さまの部屋に呼び出す時の電話のベルです。

 

「は……、っ……」

 

 心臓がやけにうるさい。額に汗がにじむ。

 お盆を置き、震える手で受話器を取って、

 

「……もしもし。遠野ですが、どちら様──」

『あ♡♡ 翡翠、いま……、いま大丈夫っ?♡♡ おっ、おじさまのっ♡♡ 部屋に、来て♡♡ 欲しいんだけ、ど、ぉおおッ♡♡ っぐ、んぅ~~っ♡♡』

 

 がぁーん、と頭に衝撃。

 鼓膜を震わせた声は、それほどにわたしを揺さぶりました。

 

『翡翠っ♡♡ 一月も我慢させて御免ね♡♡ おじさまが、たっぷり焦らした方が翡翠もっ♡♡ き、気持ちいいだろうって♡♡ 喜ぶだろうってぇえええっ♡♡』

 

 悲鳴にも近い言葉。後ろでは濡れた音。

 

 それは、完全にセックスの最中である秋葉さまからの電話でした。一月前まではしょっちゅうドア越しに聞いていた音声が、電話を通して耳に直接飛び込んだのです。

 

「あ……秋葉、さま……。ご主人さまと……」

『うっうんっ♡ おじさまに、ぉっ♡ だ、抱いて貰ってるのっ♡♡』

「な、何故電話など……」

『なんでって、決まってるでしょう♡♡ おじさまがね、翡翠を抱きたいって♡♡ 生ハメえっちしたいって言うからよぉ♡♡』

「──────」

 

 ぎりぎりぎり♡♡ ……と。

 

 いつか、ご主人さまの精液を口に含んだ時と同じ……いやそれ以上に激しく子宮が反応しました。

 

 欲しがっている。禁欲して渇ききった子宮が。何度突かれても精液を呑めなかったわたしの子宮が。

 今度こそ子種を貰えって、喚き散らしている……♡♡♡

 

「は……っ、は、あ……♡♡」

『あっ♡ ああん♡ ひ、翡翠もえっちしたいんでしょっ♡ おじさまから聞いちゃったんだから♡ 私が帰ったあと毎回えっちなことしてたんだって♡』

「ぁ……そ、それは……」

『だけど一度も生で抱いて貰えなかったって♡ それ聞いてね、かわいそう……って思っちゃった♡ ゴム越しにしかおじさまのちんぽを感じられなかったなんて……♡ でもね、もう我慢することないのよ♡』

 

 秋葉さまが。聞いたこともないような、優しい声で、

 

『翡翠♡ もし兄さんのことを気にしてるなら、大丈夫♡ 初恋なんて思い出にしておけばいいの♡ 大事なのはいま誰を好きなのかよ♡

 よーく考えて? 翡翠はいま誰に会いたい? 誰に抱いて欲しい? 

 誰に──孕ませて欲しいの♡♡』

 

 瞳が揺れて、焦点がブレていく。

 濁り、澱んだ脳裏に映るのは。わたしの初恋の、幼馴染みでありずっと想いを抱いていて数年ぶりに会ったら更に深い愛情を抱いた少年ではなく、

 

 ご主人さま。

 おっきなおちんちんでわたしを幸せにしてくれる、素敵な素敵なわたしのご主人さま……♡

 

『おッ♡ いくいぐっ♡ おじさま、中でっ♡ 中に出し、て、イっ、お、おお~~っ……♡♡』

 

 メスの悦びにたっぷり満ち溢れた秋葉さまのアクメ声。中出し射精による絶頂の証し。

 

 なんでわたしじゃないんだろう。なんで、いま中出しされたのはわたしのおまんこじゃないんだろう。

 なんでわたしは、こんな所でどうでもいい料理なんか持って突っ立ってるんだろう──

 

『あぁぁぁっ♡♡ おじさま出し過ぎぃっ……♡

 翡翠♡ 早く来なさいよぉ♡ 私も我慢する気なんてないから♡♡ もたもたしてると、おじさまの精液私がぜんぶ貰っちゃうわよ~っ♡♡』

 

 もう聞いていられません。

 受話器を叩きつけ、玄関へと走り出しました。

 

 志貴さまの為に作った料理を、その場に放り出して。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「あ、翡翠だ~。早かったね、ここまで走って来たの~?」

「翡翠さんったらそんなに汗をかいて。ほら、拭いてあげますよ」

 

 ご主人さまの部屋に着いたわたしを出迎えたのは、意外な相手でした。

 

「はあっ、はあっ……。あ、アルクェイドさま、シエルさま……?」

 

 わたしが名を呼ぶと、二人は朗らかに笑いました。

 

 金髪赤目のアルクェイドさま。黒髪に眼鏡のシエルさま。

 両方ともが類稀な美女であり、両方ともが、志貴さまの恋人であるはず。

 

 それが堂々とここにいるということは、

 

「そう、ですか……。お二人も……」

「そういうこと~。あは、翡翠で四人目だね~」

「先生ったら、ついに翡翠さんにまで手を出して……。節操がないんですから」

 

 けろりと言ってのけるアルクェイドさまとシエルさま。

 その格好は、恐らくシャワーで汗を流したばかりなのでしょう、バスタオル一枚。シエルさまは下着も着られていますが、アルクェイドさまはほぼ全裸です。

 

「聞いてたよ、さっき妹が電話してたね~。もしかして翡翠もおじさんとえっちしに来たの?」

「っ………………」

 

 とっさに答えられません。

 が──、答えらないということが、ほぼ答えのようなものでした。

 

 わたしの反応にお二人が目を輝かせて、

 

「え、うわー、ほんとにそうなんだ♥️ 翡翠も仲間入りかぁ♥️」

「遠野くんったら、翡翠さんまで取られちゃったんですか♥️ ちょっと同情しちゃいますねぇ……♥️」

「でもまあ良かったんじゃない? はっきり言って、志貴よりもずっと気持ちよ~くしてくれるよ、おじさんは♥️」

「いまさら言う必要もなさそうですけれどね♥️ 翡翠さん、ここに来た時から発情しっぱなしのメス顔になっちゃってますよ♥️」

「う、うぅ……♡」

 

 そんなの。そんなの、仕方ありません。

 

 ええ、仰る通りです。抱かれに来たのです。ご主人さまを、番の相手として据えさせて戴きに来たのです。

 だから、浅ましい孕みたがりのメス顔になっていても、わたしは悪くないのです。

 

「翡翠ってば、涙まで浮かべちゃって♥️ ねえねえ、おじさんのドコが好き? 教えて教えて?」

「え……えっと」

 

 どこがって、それは。

 そりゃあ、色々あると思うのですが。

 ひっくるめて一言で言うなら、

 

「その。志貴さまより、おちんちんがおっきいところ……♡♡」

「だよね~♥️」

「翡翠さん、正直過ぎですよ♥️」

 

 けらけらけら。

 ほんの数ヶ月前まで志貴さまの恋人だった面子で、志貴さまではない男性を持ち上げます。

 

 それはまるで、群れを乗っ取られたライオンのよう。

 以前までのボスだった雄はあっさりと放逐され、群れのメス全員が、新たに勝利した主を崇めるのです。

 

 ──ガチャリ。

 

 寝室のドアが開いて、秋葉さまが出てきました。

 衣服は今とりあえず身につけたという風に乱れ、髪はぐしゃぐしゃ。行為の激しさを物語っています。

 

「秋葉、さま……──?」

「………………♡」

 

 何も言わずこちらに歩み寄る秋葉さま。閉じられた口元は、笑みを浮かべています。

 

「どうし──んんッ!?」

「むちゅ、ンむぅ……っ♡」

 

 至近距離で合う目と目。

 いきなり口付けされた、と気付くと同時、唇からねっとりした液体が送り込まれて来ました。

 

 舌を刺激するこの味わい。秋葉さまの唾液で薄まっていますが間違えようがありません。これは、ご主人さまの精液です。

 

「んふ♡ じゅるるっ♡」

「むぐ……♡ んく、こくっ……♡」

「あら翡翠さん、美味しそうに飲んじゃって♥️」

「おじさんの精液、濃いもんね~。志貴の水っぽいのとは違ってどろどろしてて粘液みたい♥️」

 

 唇を重ねるだけでなく、舌まで捩じ込んでくる秋葉さま。精液の絡んだ舌で口内を舐め回され、わたしの歯茎の隅々までご主人さまの味が刷り込まれてしまいます。

 

「れるっ……ぷは♡ ふふ、翡翠いらっしゃい♡」

「はふ…………♡ 秋葉さま……いきなり……♡」

「ごめんごめん、驚かせて♡ でも来てくれて良かったわ♡」

「あ……ま、待っ♡ だめ、です、そんなっ♡」

 

 くちゅくちゅくちゅ♡♡

 秋葉さまにスカートへ手を突っ込まれかき回されてしまいます。

 腰に伝わる優しい快感。ご主人さまのえっちとはまた違う、表面だけをなぞるような刺激。

 

「ほらほら、もっと濡らしておきましょう♡ すぐちんぽを挿れられるようにほぐしておいてあげるわ♡」

「あっ、あ♡ っ♡♡」

 

 指の腹でこしこしと膣の天井を擦られます。

 仕上げにクリトリスをぴぃんと弾かれ、子宮が甘イキしてしまいました。

 

「あ……っ、は……♡ はぁっ……♡」

「翡翠、可愛い~♡ とろ~んって蕩けちゃってる~♡」

「翡翠さん、下着脱いじゃいましょう♡ ほら、足上げて~」

「それじゃ、準備も十分みたいだし」

 

 するり、とシエルさまにショーツを引き抜かれ。

 アルクェイドさまに手を引かれ、よたよたと寝室に連れられます。

 

 秋葉さま、アルクェイドさま、シエルさま。ご主人さまのメス3人に見送られながら。

 

「──たっぷり楽しんでくるのよ♡」

 

 とん、と秋葉さまに背中を押されました。

 

 

 

 

 

 

「はーっ……はあぁ……♡」

 

 背後でドアが閉まる音。

 寝室はカーテンが閉められベッドランプの淡い光だけが室内を照らしていました。

 

 薄暗い部屋で、恐る恐る俯いた視線を上げると、

 ──正面、ベッドの上で。ニヤニヤとこちらを見るご主人さまと目が合いました。

 

「ぁ────♡」

 

 その目。それは、とても一回りも二回りも年下の少女に向けていい視線ではありません。自分の教え子でもある男子生徒の彼女を見ていい目ではありません。

 

 あれは──メスを見る目です。

 もう身も心もばっちり陥落済みで、自分からほいほい喰われに来た、ご主人さまの種付け了承孕み袋だって確信してる目です。

 

 ────久し振り翡翠ちゃん。今日は何しに来たんだ? 

 

「ご主人さまぁぁ♡ 何って……酷い、酷いぃ♡」

 

 胡座をかくご主人さま、その股間にある精液まみれのおちんちんに視線を吸い寄せられながら、

 

「ご主人さまのせいなんです……♡ 翡翠は、翡翠は♡ もうご主人さまのおちんちんのことしか考えられない、はしたない女の子になってしまいました……♡」

 

 するりとスカートをたくしあげておまんこをお見せします。

 びっちゃびちゃのおまんこはもうおちんちんが欲しくて欲しくてひくひくと震えています。仕方ありません。だってこの一ヶ月待ち望んだモノが、いま目の前にあるのですから。

 

「わたし……やっと一番欲しいモノが分かったのです」

 

 きゅんきゅんきゅん。

 疼きは頂点に。生殖欲求を満たしたくって堪らない子宮に急かされながら、

 

「──精液、です♡ ご主人さまの精液♡ 志貴さまじゃ駄目……♡ もう志貴さまの子供なんて孕みたくありません♡ ご主人さまの強い精子で孕ませて欲しいのです♡♡」

 

 あ────。

 志貴さまとの記憶が、想いが、薄くなっていきます。

 

 初めてはっきりと欲望を口にしたからでしょうか。

 あ、そうなんだって。やっぱりそうだったんだって。

 わたしの言葉で、わたし自身が、自分の気持ちを再確認しているかのよう。

 

「だって、だって♡ ご主人さま強すぎるんですもの♡ 前まで志貴さまのえっちで満足してたのが信じられないです♡ ご主人さまを知っちゃったらこうなるに決まってます♡ だからしょうがないんです♡」

 

 うんうん。そうだよね。

 だから。

 

「だから、お願い致します」

 

 遠野の屋敷で数年ぶりに会った志貴さまにそうしたように。

 メイド服で深々と頭を下げて。

 

「わたしを────翡翠をご主人さま専用のメイドにしてください……♡♡」

 

 主の乗り換えを、ご主人さまに請願しました。

 

 ────。

 

 ご主人さまは何も言いません。

 でも、そのおちんちんは、口より雄弁に答えを物語っていました。

 

「っ……♡ そ、それ、お返事と思って宜しいのですよね……♡♡」

 

 びきびきびきっ♡

 

 半萎えだったおちんちんがみるみる勃起していきます。幹がふくらみ、エラが張って、青筋を立てて。

 ようやく寝取った目の前のメスのおまんこを思う存分耕してやるぞと言わんばかりのフル勃起。

 

 それを見て、安堵します。

 だって、やっぱり格違いなんですもの。

 志貴さまじゃなく、ご主人さまを選んで正解だって、そのおちんちんが確信させてくれるのですから。

 

「すご、ぃい……♡ おちんちん♡ ご主人さまのおちんちん……ちゅっ、ちゅぅ~っ♡ ちゅっちゅっ♡」

 

 思わずベッドに登り亀頭へ口付けてしまいました。

 熱くごつごつした感触が唇に伝わります。

 

「ちうっ……ねろねろっ♡ れろぉ~♡ はぁーっ、精液でこんなにベトベトになって……♡ しっかりお掃除致します……れろれろ♡」

 

 精液とついでに秋葉さまの愛液まみれのおちんちんをお口でお掃除。キスの雨を降らせると、おちんちんはますます腫れ上がってしまいました。

 

「じゅるるるっ……ぐっぽ♡ ぐぼっ♡ ぶぽッ♡ ぶぷッ♡ ずろろろろぉ~~ッ♡♡」

 

 お口をポンプのように使って扱き上げるうちに熱が入ってしまいます。

 志貴さまには見せられない、もう見せることもない下品な顔でおちんちんを吸い上げます。カリに残った吸い残しまでしっかりお掃除。口を離すとおちんちんはすっかりぴかぴかのグロちんぽになっていました。

 

「ぷはっ……あぁぁ……♡ 好き♡ 好きですぅ♡ んん~~♡」

 

 すりすりと頬擦り。おちんちんの凹凸、くびれまで愛おしい。わたしのほっぺで硬いおちんちんをよしよししてあげます。ぴゅるっと飛び出た先走りが額を濡らし糸を引きました。眉間から鼻筋まで、べっとりと広がります。

 

「あ、ご主人さま……きゃっ!?」

 

 突然、視界が反転しました。

 ご主人さまに足首を掴まれ持ち上げられたのです。

 股間を上に突き出したまんぐり返しの格好にされてしまいました。わたしに自分で膝裏を抱えるように言ったご主人さまは、反対向きにわたしの身体に跨がりました。

 

 上からおちんちんを杭のように打ち下ろす、砧の体勢。

 自分から差し出すようなおまんこに、むちゅりと亀頭が沈みます。初めて感じる生のご主人さまおちんちん。膣口を浚うその感覚だけでイッてしまいそうなほどに気持ち良い。

 

 来る。遂に、来てしまいます。

 ご主人さまの生おちんちん。完全にわたしを志貴さまから奪って堕とすおちんちん。

 

「ご、ご主人さま……♡ 発情し過ぎて敏感になってるんですっ……だから最初はゆっくり────ッッほぉぉおおお~~~っ!!???♡♡♡」

 

 ずぱぁあんっ!! 

 

 ──股間で酷い打擲音。

 ご主人さまが、思いっきりおちんちんを打ち付けたのです。

 

 脳みそがパチパチとショートしそうな快感が走ります。

 初めてゴムなしで咥え込むご主人さまのおちんちん。志貴さまのモノと比べ物にならないことはとっくに知っていました。

 

 それでも、薄い膜に邪魔されずハメられるおちんちんは別次元の気持ちよさ……♡

 

 ぶちゅっ! ぶぢっ! ぼちゅん! 

 

「ごお゙っ♡♡ お゙っお゙お゙♡♡ 強っ♡ 過ぎぃ♡」

 

 ご主人さまの杭打ちピストン。愛液の溜まりきっていたおまんこは、おちんちんが打ち込まれるたびに蜜を溢れさせました。

 

 ぺろんとめくられたメイド服のスカートが頼り無げに揺れます。

 これまでご主人さまに抱かれる時は必ず裸エプロンでした。それがある意味、いつもの自分と切り離したように感じていたのですが──今は普段着のメイド服。

 毎日志貴さまの前で着ていた服で抱かれるというのが、後戻り出来なさを感じさせて、より感じてしまいます。

 

「そんな風にっ、ぐりぐり~ってぇ♡♡ おまんこ拡がって戻らなくなってしまいます♡♡」

 

 最奥まで挿入しながら円を描くようにおちんちんを回されます。

 

 わたしのおまんこの隅から隅までおちんちんで味わおうという腰使い。何度も犯された上にこんな挿入をされて、きっとわたしの膣内は弛くなってしまっているでしょう。それこそ、志貴さまのおちんちんではすっぽ抜けてしまうくらいに。

 

 ご主人さまが挿入し、マン肉を掻き分け、子宮を押し潰す。返す刀で糸を引きながらカリ首で襞を擦り上げつつ亀頭が抜ける寸前まで引き抜いていく。

 

 敏感になったおまんこのせいでその全部が直接脳まで届きます。一度の往復だけでも間違いなく人生で最大の快楽を味わっているのに、それが延々と続く。

 

「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙~~♡♡ イグイグイグッ♡♡ またイギますぅ~~っ♡♡」

 

 もうメスとしては完全敗北。セックスはお互いの愛情を確かめ合って一緒に気持ちよくなるもの、なんて御託は言っていられません。

 

 ご主人さまが自分のおちんちんをすっきりさせるのと彼氏持ちメイドをハメ潰すという征服欲を満たす為におまんこを使われていながら、ついでのようにアクメ地獄に叩き落とされる雑魚メス。ずっと好きだった男の子から中年男性に鞍替えしてお股を開いている性的弱者。

 

 眉を顰めていた秋葉さまと全く同じ、ご主人さまの都合のいいハメ穴にされてしまったのが、今のわたしでした。

 

「何回めって、そんなの分からな、んほぉおおおおおお♡♡ 子宮ひしゃげるっっ♡♡ さきっぽ中まで入っちゃいますっ♡♡ おまんこ壊さないでええええ♡♡ ご主人さまの赤ちゃん孕むんですからぁあああああ♡♡♡」

 

 火が付きそうな高速ピストンの一回毎にアクメしていて回数なんて分かるはずないのに、なんで数えてないんだこの駄メイド、なんて酷い叱責とともに子宮口をノックされます。

 

 ぞくぞくぞくッ──と感じたことのない悪寒。精子待ち状態の卵子が控えているお部屋に生のおちんちんが密着し、わたしの生殖本能が反応します。

 もっと近くに、もっと『命中』し易くと下りる子宮。それは志貴さまのおちんちんだったら良い判断ですがご主人さま相手では判断ミスとしか言い様が有りません。ただでさえご主人さまの長大おちんちんの前では無防備に殴打されるばかりだった子宮が、もはやおちんちんが挿りきる前に突き上げられている状態に。

 

 ぬぽ、ぬぽ♡ と子宮口が亀頭を咥えます。少しでも怒りを和らげるように。

 

 でも────

 

「ひィっ……♡♡ ご主人さま、てっ、手加減を♡♡ お分かりですよね……♡♡ わたし、弱いんです♡♡ ぶっ壊れちゃいますから♡♡ お願いします、手加減、手加減んんんんんんぶうッッ♡♡♡ おぎょッ♡♡ ぶえぇえええッッ♡♡♡」

 

 瞳がくりん、と裏返るのが分かりました。

 

 無防備に晒された孕み待ち子袋をご主人さまが見過ごす訳は有りませんでした。全体重を掛けたハメ潰しおちんちんが子宮口をこじ開け、遂に中まで到達してしまいました。

 

 往復ピストンするのではなくベッドに押し付けるように、ぎしっ! ぎしっ! と繰り返し体重を掛けられます。

 中年太りで常人よりよほど重いご主人さまの体重が子宮に直接響くのです。もはやアクメを通り越した激感。車に轢かれたカエルみたいな声を漏らして呻くわたしをご主人さまは何ら気にかけません。わたしを孕ませるという欲望を満たすことだけを考えているのでしょう。おちんちんは限界まで張り詰めてもはや志貴さまの倍はあります。

 

「あ゙ーっ♡♡♡ あ゙♡♡♡ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙~~~♡♡♡」

 

 絶頂が途切れません。ひたすら快楽物質が垂れ流され続けて頭が溶けそう。おかしな体勢で頭に血が上っているからでしょうか。立ち眩みみたいに意識に靄がかかって、他のことがよく分からなくなります。

 

 分かるのはご主人さまだけ。

 わたしを孕ませる、強い強いおちんちんのことだけ……♡

 

 ぺちぃん、とお尻を叩かれます。

 それが、射精するから締めろ、という合図だと気付く前に──子宮で快感が爆発しました。

 

 ──びゅるるるるる~~っ♡♡ どぷどぷっ♡♡ ぼびゅぅううう~~~っ♡♡♡

 

「お゙ん゙ッ♡♡ お゙ゔッ♡♡ あ゙ん゙ッ♡♡ あ゙♡ あ゙オ゙お゙お゙お゙ッッ♡♡♡」

 

 文字通り『撃ち込まれる』、ご主人さまのつよつよ精液。

 おちんちんが一回跳ねて、志貴さまの数回ぶんの精液。もう一度跳ねたらその倍。その全てに志貴さまとは比にならないほど強くて多い精子が詰まっています。

 

 それを子宮に直接、中出し。

 もう孕むに決まっています。こんなもの、初潮前の幼女だって孕みかねません。

 

「お゙お゙お゙~~~っ♡♡ まっ、まだ出るっ……♡♡ もうお腹パンパンですご主人さまぁっ♡♡」

 

 溜まったおしっこのようにじょぼじょぼと止まらないご主人さまの精液。

 

 和式便所で用を足す格好での射精は、名実ともに正に排泄です。すっきりするついでに孕ませてしまえ、というわたしというご主人さまの精液便所への排泄。

 子宮を満杯にした精液は、膣にも収まらず溢れ出てきてしまいました。黄ばんでどろっどろの精液が流れ出します。

 

 びゅるっ……ぶぷゅぷゅ♡♡ どぷっ♡♡ びゅるる……♡♡

 

「おおおお……♡♡」

 

 ぴくぴくと瞼が不自然に痙攣します。

 わたしはご主人さまがぶちゅりとおちんちんを引き抜いてもまだ、足を抱えたままアクメの余韻で震えていました。

 

 

 

 

「…………♡♡ ぉ♡♡ ぉぁ……♡♡♡」

 

 砧で一回。駅弁で三回。正常位で五回。騎乗位で四回。対面座位で三回。

 

 ご主人さまの底無しおちんちんは何度吐き出しても衰えず、ビン勃ちしてわたしのおまんこを抉ります。それでも存分に吐き出してようやく底が見えてきたのか、激しいピストンではなくねちっこく責めるえっちになっていました。

 

 最初の一回で音を上げたわたしがまっとうに付き合える訳がありません。ご主人さまの三発目辺りからは全面降伏し開きっぱなしになったおまんこと子宮をひたすら掘り返されるだけのオナホメイドと化していました。

 

 今は、寝バックの体勢でおまんこをほじられています。ご主人さまの身体に潰されるうえに、後頭部を掴まれ上半身の体重を掛けられながら顔面を枕に押し付けられています。ブリムはどこかへ吹っ飛び、ぐちゃぐちゃの髪は上から垂れたご主人さまの涎まみれです。

 だらしないガニ股の中心をおちんちんが上から下へ貫きます。もうメイド服はぐちゃぐちゃ。わたしとご主人さまの汗やら体液やらで酷い有り様でした。

 

「ぶぅっ……♡ ぶふーーっ……♡♡」

 

 完全に肉人形となったわたしの意識は朦朧としています。

 それでも意識を失う訳にはいきません。

 だって、気持ち良いのです。ご主人さまに身も心も征服されるのが気持ち良くて堪らないのです。

 だったら気を遣る暇なんてありません。どうにか意識を保ったまま、ご主人さまに与えられるアクメ地獄を堪能するのです。

 

 泥沼のような交尾の中でわたしの頭から余計なことがさっぱり消えていました。

 秋葉さまのことも、姉さんのことも、志貴さまのことも。そのどれもが最早どうでもいいことです。

 

 わたしの頭にあるのは──、孕むこと。

 今わたしに乗っかっている、巨きなオスと遺伝子を混ぜ合わせることだけです。

 

 ────孕め、孕め、孕め、孕めっ。

 

 それは、ご主人さまも同じだったよう。

 頭上から、仰ぐオスの声が聞こえます。

 

(──はい)

 

 そんな熱烈に求愛されては、メスの本能が疼くというもの。

 わたしは反射的に答えを返します。

 

(孕みます♡♡ 孕みます♡♡ 孕みます孕みます孕みます♡♡♡)

 

 顔を押し付けられているせいで、実際にはあー、とかうー、という呻き声にしかなりません。

 それでも孕ませ了承済みの想いを必死に伝えます。

 少しでも気持ち良く。少しでも確実に。

 ご主人さまに、わたしを孕ませて戴けるように。

 

 ────びゅくっ……♡ ぴゅるっ、とぷとぷとぷ♡ ちょろろろ……♡

 

(………………♡♡♡)

 

 トイレの終わり、残ったおしっこを吐き捨てるような射精。

 多幸感で一杯な、相手を孕ませた、相手に孕ませられたとお互いが確信しながらの絶頂。

 

 それが最後。わたしとご主人さまの、孕ませえっちの最後のダメ押し射精でした。

 

 

 

 

 

 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「如何でしょうか、志貴さま。かなり手間をかけたのですが」

 

 心配そうに見守る翡翠においしいよ、と答えると、彼女は安堵したように笑った。

 

 食堂で、俺はテーブルに並んだ料理を食べていた。

 翡翠と二人きり。静かだが気の休まる時間だ。

 

 料理は翡翠が作ってくれたものだ。

 少し前から気付いてはいたけれど、翡翠は最近料理の練習をしていた。それもかなりの力の入れようで、一日に数時間かけて、だ。

 その甲斐あって翡翠の料理の腕は相当上がっていた。味覚が若干おかしいとはいえ元から器用な女の子である。案配を掴んで一気に上手くなったようだ。

 

「あ、はい。どうぞ志貴さま。お水です」

 

 翡翠に喉が乾いたというとすぐに水を汲んで来てくれた。

 一口飲むが、まだ足りずにコップ一杯を飲み干してしまう。

 

 これが玉に瑕で、翡翠の料理はどれも総じて味付けが濃いのが特徴だった。俺は薄味が好みなのだが、別に翡翠は俺のために練習している訳ではないので文句も言えない所だ。

 

 そう──最初は翡翠は俺に作る為に練習しているのだと思っていたが、どうやらそれは恥ずかしい勘違いだったらしい。本人にくすりと笑いながらもきっぱり否定されてしまった。

 こうやって翡翠の料理を食べているのはその相手に作る料理を練習するための試食係という訳である。行動範囲の狭い翡翠のことだから、相手は秋葉か琥珀さんか。たぶん、というかほぼ間違いなく琥珀さんだろう。

 

 とはいえ例え俺の為でなくとも良かった。最近、アルクェイドやシエル先輩との間に問題を抱えている俺にとっては、こうして翡翠と和やかな時間を過ごせるだけで救いになっていたから。

 

 ────相手さん、喜んでくれるといいね。応援してる。結果が分かったら教えてよ。

 

 たとえ美味しくなくても、琥珀さんは翡翠の作った料理なら喜んで食べてくれると思うけど。

 

 そう思いながら言うと、翡翠はぽかんと俺を見た。

 そして、じんわりと頬を緩めていく。

 

「はい。志貴さま」

 

 どこかうっとりと目を細めて、

 

「応援、ありがとうございます。ええ──きっと近く、結果が分かると思いますので。その時は、一番に志貴さまにお伝えしますね」

 

 何故か、手のひらでお腹を撫でながら。

 嬉しそうに笑った。

 

 






翡翠でした。
何故かアルクシエル秋葉の合計より長くなりました。不思議!
琥珀さん編はもうちょっと短くまとめたい。一応、このシリーズの目標は腹ボテヒロインズのNTRハーレムエッチです。そこまで辿り着くかは不明。

誰の話が一番エロかったですか(ハーレム編に反映します)

  • アルクェイド
  • シエル
  • 秋葉
  • 翡翠
  • 琥珀
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