※この作品はR-18です。

ハーレム妄想短編集   作:雨ざらしの鷲

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三國無双の続編です。
バッドエンド展開が続きます。


真・三國無双②(甄姫、鮑三娘)

 

「あぁ……♥ いいですわ……、我が君……、あぁん…♪ もっと求めてくださいまし…、あぁっ……♪」

 

我が君の手がわたくしの乳房を揉みしだき、首元に舌を這わせて求めてくださいます。

 

「ぁ……、ふふ……んっ♪ 大きくなって……素敵ですわ……♥ ひぅっ……」

 

わたくしの膣穴に入っている我が君の雄々しい男性器が脈を打って膣中で膨らんで腰が揺すられます。わたくしを膝の上に乗せて腰を揺すり突き上げると、膣液がぬちゅぬちゅと音を立てて性器が擦れ合い、脳をしびれさせる甘い快感がわたくしを支配します。

乳房が、子宮が、わたくしの美しい体が我が君への貢物となり、貪られていきます。

 

「あんっ♥ ふふ、我が君のがわたくしの子宮に触れて屈服させようと…、あぁっ♪」

 

「うふふ、甄姫様の女性器はいかがですか、我が君?名器?それはよかったです……ん…♥」

 

「あぁぁ……っ♪ 我が君ぃ……っ、わたくし、もう……!お情けを……っ、我が君の子種をくださいましぃ……っ、あんっ♥」

 

「まあ、甄姫様の股間、愛液が泡だって、凄くいやらしい……♪」

 

「あぁ……!文姫様っ、見ないでくださいましっ……!」

 

「ふふ、あの高貴な甄姫様が雌になる姿、お見せください……」

 

「あ、あぁぁ……っ!!」

 

胸をまさぐっていた我が君の手がわたくしの腰を掴み、本気になって膣奥を突き上げてくださいます。

 

ぱちゅんっ、ぱちゅんっ

 

「くぅぅぅっ、あぁぁんっ!!我が君ぃ……っ!!あっ、あぁ……!膨らんで……っ、あっ、あぁぁんっ♥」

 

……びゅるっ……!びゅっ、びゅるっ、びゅっ、びゅるる!!

 

「あひぃぃぃぃぃっ!!!来たぁっ、きましたわぁ!!我が君のっ、んっ、熱い迸りがぁっ、わたくしを満たしてますわぁ!!」

 

「あぁ……♪ 美しいです、甄姫様……っ」

 

我が君の肉竿がわたくしの中を満たし、子宮を突いて堰を切るように精を放ち続けます。他の男では決して味わうことのできない、女として至上の幸福と快感に胸が満たされ、我が君の性処理に使っていただいている誉れで涙が溢れます。

 

「ぁ………、あぁん……♥」

 

「失礼する。我が君、準備は整った」

 

「まあ玲綺殿、我が君も今ちょうど、甄姫様の膣を満たしてくださっていたところです」

 

……ぬぷんっ

 

「あぁ……ん…」

 

「ふふ、では参りましょう、我が君。成都の皆様の怒りに歪んだ顔を見に行きましょう……ん…♥」

 

「我が君……ん……ちゅ……♥」

 

我が君は精を受け止めたわたくしから男根を抜くと、一糸まとわぬ姿のまま文姫様と玲綺殿を両腕に抱き、口を交互に吸いながら天幕を出ていかれました。

 

 

 

――――――

―――

 

 

 

「………陛下、防衛準備整いました」

 

「……うむ。………孔明、策は、あるのか?」

 

「………敵の妖術は複雑なもの。必ず近くに術師か妖具の類があるはず。正面から当たらずに時間を稼ぎ、幻影の兵を断ちます」

 

「そうか……。星彩や、皆は、無事だろうか………」

 

「………申し訳ありません。私のせいで…」

 

「……よい、孔明。そなたが帰ってきてくれた、そのおかげでこうして戦える。きっと皆も生きている。必ず助け出さねば」

 

「………はっ」

 

成都の城壁の上で悲痛な面持ちで二人の男が話している。

一人は諸葛孔明、この蜀国の丞相であり、軍事最高責任者でもある。そしてもう一人は劉禅。蜀の皇帝として国を治めている男だ。

渭水へと軍を率いて魏の迎撃に向かった孔明は、わずかな兵のみを従えて成都まで逃げ延び、蜀軍が敗北したこと、主だった将たちも殿を務め、戦場にとどまったことを伝えた。

孔明自ら率いた軍が完敗し、精鋭兵と主だった将を失ったことで蜀国内に激震が走った。そしてその魏軍がさらにこの成都に攻め込んでくると知り、国家存亡をかけた戦が始まった。

孔明は生き延びて掴んだ敵軍の情報をもとに迎撃態勢を整え、関興や張苞、馬岱ら主だった将らに策を伝えて魏軍を迎えうった。

国を支える貴重な将を失い、国が滅びようとしている恐怖はもちろん、大切なものを失った悲しみで全員表情は暗く、怒りを抱えていた。

劉禅は幼馴染でもある星彩を失った怒りを、孔明は妻を捨てざるを得なかった無力感を、関興と張苞は兄弟姉妹を失った絶望を内に秘め、それをぶつけるべく魏軍を今か今かと待ちわびた。

 

「報告っ!!魏軍、まもなく成都に到達!!」

 

「………来ましたか。……陛下、敗北の責は必ずやこの戦で償います」

 

「孔明、そちの責は戦が終わってから考えるとしよう。必ずこの戦、勝って生き延びてくれ」

 

「御意」

 

そして成都の外門へと至る道に遂に魏の軍勢が現れる。軍と呼ぶにはあまりに少ない数百の魏の兵が隊列乱さず前進し、城壁を見上げる。

そして、攻め入る魏軍を戦が始まる前にこの目で見ようと、劉禅と孔明も関興、張苞らとともに城壁の上で迎え撃つ。

 

「………ほんとに寡兵なんだな魏の奴ら」

 

「張苞、甘く見てはいけない。丞相の言うには妖しげな術を使うらしい」

 

「ええ。その術を打ち破らねば、我々に勝ち目はありません……。ですが、術を破れば彼らは寡兵。勝利はこちらの手中に収まるでしょう」

 

魏の兵は隊列を組み整列したまま動きを見せず、城壁を見上げたままで、蜀の将兵はその姿に無機質な不気味さを感じる。

 

「ん?なんか出てくるぞ」

 

「あれは……、っ!!」

 

「なっ!?」

 

「………っ!!!!ふっざけんなよ!!!魏の糞共が!!!」

 

魏の隊列が割れ、その奥から魏の兵が何かを伴って前へ出てくる。警戒をしながら目を凝らす蜀将たちは現れたものを見て怒りに目を見開く。張苞に至っては城壁を飛び降り、今にも敵陣に殴り込みそうなほどに激高する。

 

「ぅ……」

 

「星彩ぃ!!!」

「星彩……っ!!」

 

「ぁ……ちぃ……ぁ…に…ぅぇ…」

 

「銀屏……!!」

 

「孔明……様……っ……」

「ぅ……、関索ぅ、ごめん……ね……、あは、は……」

 

「月英……っ、三娘殿も……」

 

蜀軍に見せつけるように現れたのは、頭の上で両腕に枷をつけられ、さらし台に立たせられた女武将たちだった。

4人とも服を着せられておらず、体には性的な暴行を受けたと思われる痕がついている。

その非人道的な姿に張苞や関興は妹の名を叫び、温和な劉禅さえも痛いほどに自分の手を握り、魏軍を睨む。

さらに、磔にされた女性たちの後に続き、服をまとわず裸になった、戦場の人間とは思えない男が両脇に美女を伴って現れる。

男は城壁の上を一瞥すると、抵抗できないのをいいことに星彩に背後から抱き着き、その乳房を両の掌で包み、揉みしだきながら男性器を星彩の臀部へと擦り付けた。

 

「ぁ……っ!!」

 

「っ!!!!何しやがるっ!!!!このゴミ野郎がっ!!!!」

 

「張苞!!」

 

「止めんなっ!!関興!!!」

 

「落ち着け……、ここで飛び出たらそれこそ思う壺だ。………奴を殺したいのは私も同じだ…!」

 

「………っ!!」

 

妹の体を弄ぶ男の姿に張苞は激高して城壁を飛び降りようとするが関興に止められる。張苞は自分を止めた義兄弟に食って掛かるが、関興の目も血走り、今にも怒りが爆発しそうなのを見て何とか冷静になる。

 

「う、あぁ……!!や、やめて……っ!」

 

「っ!!」

 

男は蜀軍の反応が楽しいのか、さらに興奮して腰を振り、性器を星彩の体へ擦りつける。胸を捏ねていた手の一方が下半身へと降り、星彩の女性器に指を這わせる。

星彩の表情が苦悶で歪み、蜀軍は必死に怒りを噛み殺す。必ず戦に勝って、あの男に死より惨い報いを受けさせると心に決める。

 

「……陛下、戦が始まります。お戻りを……」

 

「ああ……!丞相、必ず星彩や皆を、あの下郎の手から救い出し、必ず報いを……!!」

 

「もちろんです」

 

劉禅も君主として、怒りを必死に抑え、孔明に戦を任せて下がる。他の将たちも与えられた役目を果たすべく、各自率いる軍のもとへと向かう。

星彩を辱めていた男は、蜀軍が動き出したのを見て、少し不満げに思いつつも自分も4人の捕虜とともに後方へと下がる。

 

こうして、成都防衛戦は幕を開けた。

 

 

――――――

―――

 

 

「いいかぁ!!奴らは幻影の兵を使う!!真正面からかち合わずに、門を閉じて奴らを場内に入れさせるな!!守り抜けば必ず勝機が来る!!」

 

「「「「「応ッ!!!」」」」」

 

西の城門を任された張苞は門を固く閉ざし、先ほどの敵の蛮行で湧き上がる怒りを眼下に群がる幻影の兵へと向けていた。張苞は孔明の言う通り将としてはあくまで冷静に、城壁に梯子をかけて突入しようとする幻影兵を真正面からは相手にせず、梯子を外し、岩を落として破壊して防衛に徹する。岩も矢も通じず、また城壁の途中から地まで落下しても死なずに立ち上がる幻影の兵に恐怖を覚えつつもその攻めをはじき返す。とにかく場内に敵を入れずに正気を待つことこそが自分の役目だと言い聞かせる。

 

 

 

 

遠くに見える東の門では関興が孔明から与えられた守城兵器を駆使して同じように幻影兵を追い払っていた。

 

「敵兵にはキリがないかもしれないが、梯子や衝車には限りがあるはず……。敵の兵器に狙いを定めて、城内に入れないよう…」

 

「「「「はっ」」」」

 

関興は張苞以上に冷静に怒りを抑え込み、鉄塊を括り付けた鉄紐を滑車に通した兵器で梯子を降り、敵を落としていた。

 

「……あとは馬岱殿を信じるのみだ…」

 

城門を打ち破ろうとする敵の衝車に大岩を落とし車輪を砕いて関興は小さく呟いた。

 

 

 

 

「さあ、一気に駆け抜けるよ~!」

 

人しれず城外へと出て木々の合間に紛れた馬岱と騎馬隊は魏軍の本陣めがけて猛進する。

西涼の騎馬隊は森をも物ともせずに最短経路で敵本陣を目指す。時折、物見の魏兵と遭遇するが合図を出す間も与えずに首をはねる。

 

「幻影の兵は城攻めに向かってこっちは生身の兵ばかりで手薄だねぇ!きっと敵本陣に術の源があるから見つけ出すよぉ!」

 

馬岱の軍は森を抜け、魏軍の幕舎を視界に収める。おそらくあれが敵の本陣だと当たりをつける。

 

「ん?今度は君たちか、邪魔しないでねぇ!」

 

幕舎を目前に騎馬の前に幻影の兵が立ちふさがり、道をふさぐ。実体のない幻影兵は突進する騎馬をも恐れずに立ちふさがりその勢いを削ごうとする。生身の兵なら跳ね飛ばされて終わりだが、幻影の兵は厄介だ。

 

「じゃあ、こうしようかな!」

 

馬岱は手に持つ巨大な妖筆を振るい、墨の虎を生み出して幻影兵の動きを阻む。

幻影兵を躱して敵陣中央に到達した馬岱は部下を散らして術源を探しに向かわせる。そして自身は部下に馬を任せて下馬し、数人の直属兵と幕舎の中へと入る。

 

「さあ、俺の勘だとこの中が怪しいんだよねっ」

 

幕舎の中は何重にも幕が下りていて視界が悪い。馬岱は周囲に最大限の警戒をしながら中へと入り込んでいく。

 

「うん?何か聞こえるね~」

 

「……ぁ、……あぁっ………っ、……ちゃう……っ、ぁ、あぁぁっ!!」

 

「っ!!この声……!!」

 

馬岱は幕舎の中央から聞こえる声に、聞き覚えを感じ、天幕を切り裂いて中へと一気に踏み入る。

 

「やだっ、嫌なのにぃっ…あぁっ!!声っ、とまらないのぉ……!あんっ!あぁ……っ」

 

「三娘殿っ!!」

 

天幕の向こうには寝台が置かれ、その上では鮑三娘がうつぶせに組み敷かれ、男に犯され喘いでいた。腕を縛られた三娘は尻を男に向けるように突き上げさせられ、腰を掴まれて背後から男性器を挿入されて腰を振られている。パンパンと乾いた音が尻たぶから響き、頭を振って足掻くも容赦なく膣内を男根が往復して感じた声を隠せないでいる。

寝台の周りには三娘以外の女も気を失って転がっていて、全員が目に涙の痕をつけ、股間から白く濁った液を垂らしている。

馬岱は激高とともに妖筆を振るい、嬉しそうに彼女を犯す男を討とうとする。墨でできた刃がようやくこちらに気づいた男の頭めがけて襲い掛かる。

 

(取った……!!)

 

パァンッ!!

 

「なっ!?」

 

「討ち取った」と確信をした馬岱だったが、墨の刃は男に届く前に爆ぜ飛びかき消される。

男は見下した笑みを浮かべると、再び三娘を犯す作業へと戻った。

 

「まったく……、無粋ですわね。我が君のお楽しみの時間に水を差すなんて」

 

「っ!?」

 

警戒をしていたはずなのに突如として鉄笛を手に持った全裸の美女が馬岱の前に立ちはだかる。現れた美女はこの状況でも思わず息を飲むほどの美貌と色香だが、その眼は侮蔑の色で満ちていた。馬岱たちに体を晒しているというのに、そこに戸惑いの色は感じられない。

 

「……我が君ってことは、そこの人が大将なのかな~?そんじゃあ、そこの男の人を討てば魏軍は止まるってこと?」

 

「下郎が、あなたごときが、我が君を討つなど、恥を知りなさいっ!!」

 

美女は怒りをあらわに鉄笛を構え、口をつける。馬岱もまずは美女を倒そうと妖筆を踊らせて迎え撃つ。

 

「いっくよ~!」

 

「……はぁ」

 

…ピィ~♪

 

馬岱が生み出した墨の玉が美女を襲い炸裂しようとする。それを美女は冷たく見下し、笛を鳴らす。青い力の塊が音とともに美女の前に現れて破裂し、墨の玉を破壊する。

 

「……なるほど、その音の弾で俺の攻撃を防いだわけね~」

 

「……もういいかしら?あなたもどうやら大したことないみたいですし、我が君の視界から消えてくださるかしら?」

 

……パチンッ

 

「ぎゃあっ!!」

「ば、馬岱様っ!!ぐぁっ!!」

 

「!?みんな!!」

 

美女を指を鳴らすと、部下たちが断末魔を上げて倒れる音がする。思わず振り返る馬岱の目に映ったのは数十もの幻影兵が無慈悲に部下を殺戮した光景だった。

 

「城を攻めているのが全兵力だと、誰か申しましたか?死した魂があれば幻影兵は生み出せますわ。例えば………渭水で殺された蜀の兵士でも」

 

「しまっ!?」

 

バキンッ

 

「がっ!!」

 

背後に気をとられた一瞬のうちに美女の声が間近から聞こえ、慌てて振り返った時には間合いの中への侵入を許していて、振るわれた鉄笛が馬岱の頭を割り血が噴き出る。

女性の細腕の一撃にもかかわらず、馬岱は意識を朦朧とさせて倒れ伏す。

 

「我が君に力を与えられたわたくしたちと、あなた方のような下等生物との間には決して埋まらない差があると、わかったでしょう?……聞こえていればですが」

 

「ぅ……、ぁ……」

 

「やぁぁぁぁ……!だめぇ……っ、奥擦らないでぇ……!あっ♥ あんっ、も、だめぇ……、堕ちちゃう……っ、やっ♪ ごめんね関索ぅ……、アタシもう、耐えらんないぃ……、あぁんっ♥」

 

「ふふ、他の男の名を呼ぶなんて無粋な子ですわ。そんな蕩けた顔して泣いても説得力がございませんわよ?」

 

「あっ、やだぁ、また膨らんでる……、あん♪ また中で出されちゃうぅ……だめぇ♪ ダメだってぇ♥ あぁん……♪」

 

パンっ、パンっ、パンっ、パチュンッ……!

 

「ぁ……、あぁ……、出てるぅ……♪ また、中にだされちゃってる……、あはぁ……♪ きもちいぃ……っ♥ これぇ、すごぉい……っ」

 

目の前の敵を気にもかけずに性交を再開した男の精が鮑三娘の膣奥で注ぎ込まれ、初めは抵抗していた三娘も心が折れ、涙を流しながら笑みを浮かべて感じた声を上げる。

男は鮑三娘の態度に興奮して膣奥へさらに精を注ぎ込んで満たしていく。鮑三娘の口から獣の雌のような浅ましいが幸せそうなうめき声が漏れる。

 

「ぁ……ん……♪ ふぁぁ……♥」

 

「あらあら、すっかり蕩け顔……♪ ふふ、我が君、無粋な賊はすべて片づけましたわ。あとは蜀の国を落とすだけですわ、あんっ♪」

 

三娘から肉棒を抜いた男は甄姫を抱いて幕舎の外へと歩きだした。男の手が歩きながら甄姫の胸と尻を掴み、女肉が柔らかく形を変えて手に吸い付く。甄姫も先ほどまで三娘の膣内に入ってまだぬくもりの残る肉竿に手を伸ばして握り、優しく擦る。愛液で濡れた竿と掌が卑猥な水音を鳴らし、男を感じさせる。

二人は幻影兵に武器を奪われて押さえつけられた馬岱に一瞥もくれず通り過ぎ、外へと出る。

幕舎の入り口では馬岱の愛馬が主を待っており、その横では馬岱の部下が幻影兵に切り捨てられ、こと切れていた。

 

「誰かいらっしゃる?」

 

「………はっ」

 

甄姫が声を上げると、虚ろな目をした魏の兵士が現れて跪く。

 

「今の状況を教えなさい」

 

「はっ、蜀軍は門を固く閉ざし、幻影兵を場内に入れぬよう守りを固めています」

 

「ふ、予想通りですわね。孔明といえど、しょせんは下郎。我が君の術の前にはその程度のことしかできませんわ」

 

甄姫の見下すような言葉に男は気をよくして邪悪な笑みを浮かべ、小さく何かをささやく。

 

「さあ、蜀のお猿さんたち、お遊びは終わりですわよ」

 

男の囁きが終わると地鳴りが響き、空気が変わる。甄姫は主に抱き着いて体を押し付け、勝利を確信した。

 

 

 

 

 

「報告!!敵の攻城兵器尽きた模様!!城壁の下で幻影兵が右往左往するのみで動きは見られません!」

 

「おっしゃあ!!守り抜いたぜ!!あとは妖術が解ければ俺らの勝ちだ!!」

 

「「「「「おおおおおおおっ!!!!」」」」」

 

城壁の上で張苞は敵の攻め手を詰ませ、鬨を上げた。配下の兵たちも手を天に掲げて指揮を挙げる。どうやら東の門も同様に敵の攻撃を凌いだようだ。

 

「うっし!!星彩や皆を辱めやがった罪、償ってもらわねえとなぁ!」

 

ゴ……ゴゴゴ……

 

「あ、なんだぁ?」

 

湧き上がる城壁の上で、張苞は何か不気味な音を聞き分ける。怪訝に思い城外を見て張苞は目を疑った。

 

「なんじゃ、ありゃあ……!?」

 

「な……、ちょ、張苞様!!い、岩が!!大岩が転がって……!!」

 

「見ればわかるっての!!」

 

張苞とその配下が目にしたのは空から突如として大岩が降り注ぎ、城門めがけて転がってくる悪夢のような光景だった。

 

―――ゴォン

 

大岩は幻影兵の群れごと押しつぶして転がり、鈍い音を立てて鋼鉄の門へと直撃した。

 

「なっ!?」

 

「張苞様!!門がひしゃげて……!」

「ああっ!!また来たぞ!!」

 

巨岩が直撃した門はひしゃげて歪み、さらに追い打ちをかけるように大岩が現れて転がってくる。

 

「なんだよ……これ……!!」

 

ドォンッ!!

 

「ひぃっ!!」

「ああっ!!まただ!!」

「張苞様!!東の門の方にも異常が!!」

 

「なっ!?」

 

部下の悲鳴の中から情報を拾い上げ、関興の守る東の門の方を見る。東門上空には先ほどまで影も形もなかった分厚い雷雲がかかり、竜巻と雷をまき散らしていた。

 

ドォンッ!!

 

「張苞様ぁ!!門がもうっ、持ちません!!」

 

「くっ!!迎え撃つぞ!!絶対に陛下のもとに行かせんな!!馬岱殿が術を止めるまで食い止めろ!!」

 

張苞は武器を手に取り、城壁を降りて次善の策であった防衛陣を組む。

大楯を手にした重歩兵が列をなして徹底的に守りを固め、一人たりとも通さない鉄壁を作る。

 

「来るぞ!!」

 

ドォンッ!!

 

ひしゃげた鋼鉄の門が吹き飛び、土煙の向こうから幻影の兵が現れる。実体のない兵士は岩に潰されても死なず、門が開くとすぐさま攻め込んできた。

 

「親父……!!先帝……!!見守ってくれよ……!!」

 

幻影兵が鉄の楯でできた壁に突っ込み動きを止められる。本来ならそのまま槍で突き殺すのだが、実体のない敵にやっても意味がないので防御に徹させる。

 

「くっ!!死なないとは厄介な……!」

 

「ひるむな!守り抜けさえすればいいんだ!!」

 

「「「応っ!!!」」」

 

重歩兵たちは気を引き締め幻影兵を防ぎきる。

 

(うっし!!これで敵の脚は止まった!!やっぱこいつら、知能はないみたいだ!無策で楯に突っ込んでくるだけだ!あとは―――)

 

「ぎゃあっ!!」

「がぁっ!?」

 

「なっ!?」

 

「………進軍の足が止まったと思えば、何に手こずっている、馬鹿どもめ」

 

「っ!!幻影じゃねえ……!」

 

張苞の横の重歩兵が突如として楯ごと吹き飛び、防衛陣が割れる。味方を吹き飛ばしたと思われる十字に交差した戟が回転しながら敵の手元へと戻る。十字戟を手にしたのは黒い甲冑を身に纏った銀の髪をした眼光鋭い女騎士だった。

女でありながら重歩兵を楯ごと吹き飛ばす膂力を持つ将の出現に張苞は歯噛みする。女騎士は張苞へと眼光を飛ばし、武器を構える。

 

「蜀の将よ!!我が名は呂玲綺!!腕に覚えあらば、刃を交えよう!!」

 

「……一騎打ちだとぉ……!?」

 

呂玲綺は張苞へと武器を掲げ、一騎打ちを申し出る。張苞からすれば渡りに船だけに、罠かと疑う。

 

(確かに俺があいつを止めれば、防衛陣はこれ以上崩されねえ。しかも相手は生身だ、幻影じゃねえから勝ち目はある……。だが、なんでわざわざ相手から……)

 

「どうした、怖いのか?安心しろ、何の罠もない。ただ、貴様に思い知らせてやろうと思ってな。我が君が下さった至高の力と、鬼神の血を引くものの武の結晶をな」

 

「鬼神の血だと……!?やってやろうじゃねえか!!燕人張飛の子、張苞の力、見せてやるよ!!」

 

張苞は防衛陣を守るため、一騎打ちに乗り、呂玲綺の前に立ちふさがる。呂玲綺は対峙する張苞に獰猛な笑みを浮かべ、気迫をぶつける。

 

「行くぞっ、蜀の将よ!簡単に壊れてくれるな!!」

 

(速っ……!?)

 

ガキンッ!!

 

「ぐぅっ!!」

 

「どうした、蜀将!!その程度か!?」

 

ガキンッ!!

 

「がっ……!!」

 

呂玲綺の重い一撃に連刃刺で防いだにもかかわらず腕が痺れ、後ろへと脚が下がる。

張苞の隙を突き、呂玲碕は十字戟を車輪のように縦回転させて前方へ投げる。

回避は不可ととっさに判断した張苞は受け止めようと武器を構える。

 

ガキンッ!!

 

「がっ……!?んな……ばか…な……」

 

「…この程度か」

 

十字戟を止めたはずの張苞の体に激痛が走り、血が吹き出して倒れる。

 

「我が君に与えられた旋風の力、その程度で防げるものではない」

 

「……ぁ……っ」

 

倒れ伏す張苞に幻影兵が群がり、捕らえる。

 

「張苞様が……」

「そんな……」

 

「さて……、蜀の兵どもよ、貴様らは我が君が支配する天下の礎となるのだ。光栄に思うがいい」

 

「ひっ!!」

 

張苞を失った蜀の兵たちに呂玲綺と幻影兵が襲い掛かり、断末魔が響く。

 

 

 

 

「あら、これは素晴らしいですね」

 

同じころ、東門では城門を破り、城内に突入しようとする幻影兵を関興と防護柵が防いでいた。

そしてその光景を蔡文姫は感心して見つめ、優雅に笑みを浮かべた。

 

「………敵の将か?生身なあたり、術師の可能性も……?」

 

「これは、幻影兵だけでは骨が折れるでしょう。では、新たな旋律を加えましょう」

 

「なに……!?」

 

蔡文姫が合図をすると、背後から大きな影が現れる。関興はその姿に見覚えがあった。

 

「虎戦車……月英殿の……」

 

「さあ、行ってください。我が君の奏でる旋律のために……」

 

「っ!!任せた」

 

「か、関興様!!?」

 

関興は虎戦車を止めるため、防護柵から前に出て斬りかかる。双翼刀が虎戦車を刻み、装甲不可能にしていく。

 

「あら、なかなかのお手前でございますね」

 

「………この地……踏みにじらせはしない」

 

虎戦車を破壊した関興は蔡文姫へと刃を向ける。

 

「わたくしに挑むおつもりですか?命を粗末にしてはいけません」

 

「………何?」

 

「わたくしはあなたより強いですが、仕方ありません、お相手しましょう……。ただ、我が君のためにあまり足踏みもできませんので…」

 

……ポロロン♪

 

「う……わぁぁぁっ!!」

「お、おいっ!?ぎゃあっ!!」

「ひぃ!!?」

 

「何!?」

 

蔡文姫は優雅に箜篌を奏でる。そのとたんに兵たちが突如として仲間割れを起こし斬り合う。

 

「これも、我が君が与えてくださったお力です。では、参ります……」

 

「っ!!」

 

箜篌が音を奏でながら波紋を生み、炸裂する。関興は距離をとり、音の塊から逃れる。

 

(近づけない……っ、だが、早く彼女を倒さねば兵の被害が……)

 

「ああ、もう終わりですか……」

 

「何……っ?」

 

蔡文姫が呟くと、関興の周りに音の塊がいくつも生まれて囲み破裂する。

 

ドォン……!

 

「がっ……!」

 

「か、関興様……!!ぎゃっ……」

「あ、あぁぁぁ……」

 

「怯えているのですね……。悲しいですが……これも定めなのです……」

 

「ひ……!」

 

蔡文姫が箜篌を奏でると同士討ちで倒れた兵の死体から幻影兵が湧き出る。

東の防衛線は阿鼻叫喚となり、多くの血が流れた。

 




蜀滅亡後は他の勢力も……?
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