木曜日、まだ東の空が明るくなる前の早朝。ベッドでまだ夢の中にいる猛海。しかし、強制的に身体を揺さぶられ、現実に引き戻される。
「…何…だぁ」
揺さぶられたまま目蓋を開けると、目の前には伊勢の顔。しかも、満面の笑み。
「…どうした?」
「おう、指揮官。ちょっとあたしに付き合え!」
「はぁ!?」
猛海の返事も聞かず、半ば強引に身体を引っ張り、外へ向かう伊勢。急な事に声を上げる猛海。
「……どうされました?っあ」
その声に他の女性達も部屋から出て来はじめていたが、すでに猛海と伊勢の姿は見えなかった。
校舎の裏手に、猛海と伊勢の姿。二人は少しだけ離れ見合う。二人の手には、何故か木刀と薙刀が握られていた。
「…伊勢、ちょっと聞いて良いか?」
「おう」
「どうして、俺とお前は向かい合ってるんだ?」
猛海の問いに、一瞬呆ける伊勢。その後、吹き出すように笑い。
「何でって、今から稽古するんだろ?」
「…いやいや、そんな約束してねぇよ!」
さも当然の様に答えた伊勢に、鋭く突っ込む猛海。しかし、伊勢はそれすら楽しんでいるようで。
「まぁ何でも良いじゃん!ほら、早く構えろよ」
「……はぁ、何でこんな事に付き合わされないと」
猛海の言葉を遮るように、伊勢が鋭く突きを繰り出す。猛海は驚きながらも木刀の背で受け流す。
「…あ、ぶねぇ」
「へぇ、やるじゃん」
「感心するな!ってか、伊勢お前」
また猛海の言葉を遮り、伊勢が薙刀を横に払う。木刀でしっかりと受ける猛海。二人は無言で打ち合う。数十分後、息を切らして見合う二人。伊勢は感情が抑えられない。白い歯を見せて、笑う。一方、猛海はうんざりとした表情。
「よし、指揮官。海辺まで走ろうぜ」
またしても猛海の返事も聞かず、猛海の手を取り、強引に引っ張る伊勢。もう抵抗する気も失せた猛海は、自らの意思で走る。伊勢は繋いでいた手を放す。約1キロ近くある距離を全力で走った猛海は、海辺に辿り着くと浜辺に寝転んだ。寝転んだ猛海の横に立つ伊勢。視線は真っ直ぐ水平線の空を見ていた。空が徐々に明るくなり、海と山、街を照らし出す。猛海は寝転んだまま伊勢を見た。太陽の光に照らされ、伊勢の綺麗な顔がより美しく見える。息を呑む猛海。
「…っしゃ!指揮官、戻るぞ!」
寝転んだ猛海を置いて、伊勢が全速力で走り出す。取り残された猛海。呆然と小さくなる伊勢の後ろ姿を見つめた。
「……何なんだよ、あいつは」
ポツリと溢しながら、ゆっくりと伊勢の後を追った。
日中、猛海の集中力はがた落ちだった。理由は、勿論伊勢。講義中に、猛海に声を掛ける伊勢。何度、注意しても治らず、廊下に追い出す。それでも伊勢は平然と教室に入ってくる。それを繰り返した。昼は昼で、稽古に付き合わされ、昼食も取れず午後の講義を受け。当然、伊勢が邪魔をした為、教員に大目玉を食らう。
「……散々な一日だった」
ベッドに倒れ込み愚痴る猛海。どっと疲れが出て、そのまま猛海の意識は途切れた。
金曜日、昨日の疲れが取れないのか、猛海はまだ寝ていた。時刻は6時半。静かに猛海の部屋の扉が開く。部屋に入って来たのは、キュラソー。寝ている猛海に近付き、頬にキスをする。
「猛海様、朝です」
キュラソーの優しい声に猛海の目蓋が開く。目の前には、優しく微笑むキュラソーの姿。猛海は小さく安堵の溜め息を溢した。
「…あぁ、お早う」
「大丈夫ですか?お疲れの様ですが」
「……まぁちょっとな」
昨日の出来事を思い出し、グッタリとした表情を見せる。キュラソーも分かっているのかそれ以上は聞いてこない。猛海を無言で見つめるキュラソー。
「キュラソー、どうした?」
「……いいえ、何でもありません」
何処か冴えない表情のキュラソー。猛海はキュラソーの手を取り、引き寄せ抱き締める。
「猛海様」
「ん、甘えて良いぞ」
キュラソーの頬を指でなぞる。堪らずキュラソーが猛海の唇を自らの唇で塞ぐ。二人は長い時間、唇を重ねる。啄む様なキス。舌を絡め合う濃厚なキス。様々なキスを時間の許す限り貪った。
「…ちょっとヤバそう」
猛海がポツリ溢した。少しだけ硬くなった肉棒をキュラソーに触れさせる。頬を染めるキュラソー。
「猛海様ぁ」
「キュラソー、時間無いから後で」
そう言って、もう一度キスをする猛海。キュラソーの頭を撫でると部屋を出た。日中、昨日伊勢のせいでまともに講義を受けられなかった分、猛海は集中して講義を受ける。その間、頬を染めたキュラソーが猛海の後ろ姿を、熱い眼差しで見つめていた。他の指揮官候補生達は、キュラソーの醸し出す色気に、みな生唾を飲み込む。
「…水瀬のパートナーって、ほとんどが巨乳だよな」
「昨日のパートナーは、じゃじゃ馬だったけどな」
そんな事を口々に言う。
「止めとけよ、手を出したら死ぬぞ」
誰かがそう言った。その言葉で他の指揮官候補生達が口を閉じる。そして、猛海を横目で見ると、黙って講義を受けたのだった。
夕方、誰も使っていない空き教室に猛海とキュラソーの姿。二人は舌を絡め、互いの唇を貪る。すでに猛海の肉棒は準備万端。朝から我慢していた分、その肉棒は血管が浮き出るほど硬く、ギンギンに反り上がっていた。キュラソーの手が、肉棒を撫で上げる。脈打つ肉棒。
「…キュラソー、咥えて」
「はい、猛海様」
キュラソーはしゃがみ、猛海の肉棒を優しく握ると、舌を出し、下から上へと一気に舐め上げ、すかさず尖端を口に含む。キュラソーの舌が肉棒を這う度、猛海の腰が浮く。それを確認して、キュラソーの手が上下に扱き始めた。
「…はぁ、ヤバい」
そう言うと、猛海は腰を引き、キュラソーのショーツを脱がす。キュラソーはメイド服を着たまま、スカートを捲し上げられ、壁に手をついた。そして、ショーツを脱がされたお尻を突き出す。猛海は、ズボンとボクサーパンツを脱ぎ捨て、ギンギンに反り上がった肉棒をキュラソーの割れ目に宛がった。肉棒が割れ目を往復する度、グチュグチュと卑猥な音が耳を犯す。
「猛海様」
肩越しに視線送るキュラソー。その瞳は熱を帯びていた。キュラソーの反応をみながら、ゆっくりとキュラソーの中に肉棒を突き入れる。小刻みに震えるキュラソー。
「…あぁ…やぁあ」
しっかりとキュラソーの奥まで突き入れ、キュラソーの中が肉棒に馴染むのを待つ。キュッキュッと肉棒を締め付けるキュラソーの中。猛海の我慢は限界だった。キュラソーの艶かしい括れを両手で掴み、ムッチリとした臀部に腰を打ち付ける。乾いた音が教室に響き渡った。
「…あ……猛…猛海様ぁ…気持ち…い」
喘ぎ声を上げながら、キュラソーが言う。潤んだ瞳でキュラソーが見つめる。猛海はキュラソーの片足を持ち上げ、下から突き上げた。
「やぁあ…」
甲高い喘ぎがキュラソーの口から出る。猛海はキュラソーの唇を塞ぐ。そのまま、激しく腰を打ち付けた。
「…ん……んん、んぁ」
キュラソーの中が蠢き、肉棒を絞り上げる。猛海は何度も腰を突き入れ、キュラソーの一番奥に、大量の精子を流し込んだ。その勢いにキュラソーも何度も小さく絶頂。
「…はぁ…はぁ、こんなに沢山、赤ちゃん出来ちゃいそうです」
うっとりとした表情でキュラソーが言う。
「その時はどうする?」
「…勿論、産みます」
「そうか」
猛海の問いに、笑顔で答えるキュラソー。その返事を聞いて、猛海も笑顔だった。
土曜日、学校は休日。しかし、ここ数日の生活環境が変化した為、猛海はいつもの時間。6時には起床していた。ベッドに腰掛け、小さく溜め息をつくと、扉をノックする音。
「ご主人様、カーリューです」
「…あぁ、どうぞ」
猛海の返事に、ゆっくりと扉を開き、部屋の中に入ってくるカーリュー。
(キュラソーに比べて、カーリューは固いな)
黙ってカーリューを見ながら、猛海は思った。カーリューは、扉の前でカーリューは歩みを止め、その場から動かない。
「ご主人様、朝食の準備が出来ております」
「…あのさ、ご主人様って呼び方、やめてくれるか?」
「申し訳ございません。それは致しかねます。私はご主人様のメイドですので」
カーリューの返答に、猛海は一瞬呆ける。
「…やっぱり、キュラソーと違うな」
「姉妹艦ですが、キュラソーとは考え方が違いますので」
何処か二人の間に距離感があるのを猛海は感じた。掛ける言葉を探す猛海。
「それではご主人様」
カーリューが部屋の外で待機する。猛海は思案しながら部屋を出た。
猛海の休日の過ごし方は、一つしかない。1階の整備場で小野と武具作りが、猛海の休日の過ごし方だ。今、二人が没頭しているのは、拳銃と刀を合体させた武具と、後ろに背負う砲台だ。
「…猛海、あれ放っておいて大丈夫か?」
小野が指差す場所にいるのは、カーリュー。猛海は小さく溜め息を一つ。
「…あぁ、俺の事は気にするなって言っても、ご主人様の護衛は我々の責務なので。って言って、聞かないんで。無視して下さい」
「…そうか、それにしても、猛海も大変だよな」
小野の言葉に、猛海は項垂れる。
「新しいメンバーが、あまりにも固すぎて息が詰まりそうな時がありますね」
「まぁ、来たばかりだから仕方ないな。少しずつ仲良くなれば良いだろ」
「……現時点でその可能性は感じないな」
ポツリと溢した猛海の言葉に、カーリューが反応した事は、猛海は知らない。
夜、猛海は驚いた。風呂から上がって、部屋に戻ったらベッドに腰掛けているカーリューがいたからだ。
「…っえ、と」
「…………」
猛海が掛ける言葉を探していると、いきなりカーリューが立ち上がった。
「……ご主人、様」
潤んだ瞳で猛海を見つめるカーリュー。猛海は生唾を飲み込んだ。
「……私、私はご主人様と」
言葉の続きは聞けなかった。何故なら、顔を真っ赤に染め、カーリューが部屋を出ていったから。
日曜日、カーリューの事で悶々とした猛海は、朝方にようやく眠りにつこうとしていた。飛び掛けた意識の中で、扉がノックされる。朦朧とした意識で部屋に入ってきた人物を見た。優しい笑みで猛海を見つめる天城。
「毎日天城の姿を見るのに、なんか久しぶりな感じがするな」
「…猛海様、眠たいのですか?」
「ああ、夜寝付けなくてさ。ごめんちょっと寝る」
「分かりました。ゆっくりとお休み下さい」
そう言って、部屋を出ていこうとする天城。猛海は咄嗟に腕を掴んだ。
「…一緒に寝て、天城」
天城の返事を聞かずに、猛海は天城をベッドに引っ張り込んだ。横になったまま、天城を抱き締める猛海。天城の髪に顔を埋め、思い切り吸い込む。天城の甘い香りが猛海の鼻孔を擽る。天城の腕が猛海の身体を抱き締めた。
「…俺が起きるまでここにいろよ」
「はい」
天城の返事を聞いて、猛海は意識を手放した。
どのくらい時間が経ったのだろう。猛海はゆっくりと意識を覚醒させる。目の前に、天城の綺麗な顔があった。目蓋が閉じられ、すやすやと寝息を立てる天城。どうやら、猛海の眠気に当てられ、寝ていた。柔らかく温かい天城の身体。甘い香りに、猛海の肉棒が反応する。布越しから、天城の乳房を撫で始める猛海。首筋に舌を這わせ、着物を脱がしていく。まだ眠いっている天城。天城の綺麗な裸体が、猛海の肉棒を刺激した。大きく柔らかな乳房を揉みしだく。先端の摘まみ、片方にしゃぶりついた。寝ていても、少しずつ息が荒くなる天城。猛海は天城の割れ目に指を這わせる。クチュクチュと濡れた音。猛海の指が天城の中に入っていく。二本の指が天城の中をかき混ぜた。
「…我慢出来ねぇ」
猛海は服を脱ぎ捨て、天城と同じように全裸になると、ギンギンに反り上がった肉棒を天城の中に突き入れた。
「…あぁああ」
入れた瞬間、喘ぎ声と共に覚醒する天城。何が起こったのか分からず、猛海を見た。
「…猛海様?」
天城が覚醒した事で、天城の中がキツく肉棒を締める。堪らず猛海は腰を打ち付けた。グチュグチュと卑猥な音が部屋に響く。
「…あぁ…待っ……猛海…様ぁ」
急に与えられた快楽に、天城の身体が反応する。天城は必死に喘ぎ声を圧し殺す。猛海は天城の腕を掴み、ベッドに押し付けた。ギシギシと激しく軋むベッド。
「…やぁ……猛…んん、みな……聞かれ…んん」
「…なんだ。みんないるのか?」
腰を激しく打ち付けながら、天城に問う猛海。天城は必死に頷いた。
「そうか」
涙を流す天城に、猛海は一旦動きを止めた。
「ごめんな、意地悪するつもりじゃなかったんだ」
「……猛海様」
「もう少しだけ我慢して」
天城の唇を塞ぐ猛海。同時に腰の動きが再開。ギシギシと軋むベッド。天城も猛海を抱き締めた。唇を重ねたまま、天城の一番奥に精子を流し込む猛海。その勢いに天城も絶頂した。荒い息でキスする二人。すると、勢い良く部屋の扉が開かれる。猛海と天城は扉の方を見た。部屋の向こう側で仁王立ちするエンタープライズ達。
「……指揮官、話がある」
猛海は静かに生唾を飲み込んだのだった。
思いの外、長い話になりました。