続きをどうぞ
侵略者と一戦交えた次の日。猛海はいつもの様に、自室で寝ている。訳もなく、別の部屋にいた。猛海の上に覆い被さるように、長い銀髪が広がっている。
「……んむ?朝かぁ」
目蓋を軽く擦り、銀髪を手櫛で整え、綺麗になった頭を優しく撫でた。猛海の左右に濃い青紫の髪と金髪が見えている。
「……んぅ」
猛海に覆い被さっていた人物が、もぞもぞと動き、猛海と同じように目蓋を擦りながら、目を覚ます。
「…お早う、エンタープライズ」
「……お…お早う、猛海」
起き抜けに猛海の顔が目の前にあり、驚くエンタープライズだったが、すぐに状況を理解して、頬を染めた。猛海が身体を起こす。身体に掛かっていた布団が落ち、ボクサーパンツ姿の猛海と全裸のエンタープライズが抱き合う形になった。エンタープライズの身体に、数ヵ所包帯が巻かれていて、痛々しい。
「身体、痛くないか?」
「傷の事か?」
「…いゃ、ココ」
そう言って、エンタープライズの下腹を軽く撫でる猛海。猛海のその言葉に、エンタープライズの顔が真っ赤に染まった。猛海はじっとエンタープライズを見ている。
「……ぃや、痛みはないと言えば嘘になるな」
「そうか」
「だが、痛みより『猛海に愛してもらえた』その気持ちの方が大きい。天城達の言っていた意味が分かったよ」
嬉しそうに微笑むエンタープライズ。はにかんだ表情に、猛海は鼓動を高鳴らせ、ゆっくりと唇を近付ける。猛海の意図を感じ取り、エンタープライズも目蓋を閉じた。触れ合う唇。ただ重ねるだけのキスは、次第に深くなり、互いを求め合う。猛海の手がエンタープライズの乳房に触れた。
「……ん…」
いつも凛としたエンタープライズの声が、少し可愛らしくなる。
「…エンタープライズ、ズルいぞ」
「そうですね、私達を忘れるなんて」
猛海の左右から聞こえる声。ビスマルクとカーリューだった。二人もエンタープライズ同様、全裸である。カーリューの髪は下ろされ、長い髪が肩から背中にかけて流れていた。
(髪を下ろすと、キュラソーそっくりだな)
そんな事を思う猛海。ビスマルクとカーリューの頭を撫でる。
「…お前達も身体は大丈夫か?」
「ぅむ、傷の」
「いや、ココの事」
ビスマルクの言葉を遮り、エンタープライズ同様、カーリューとビスマルクの下腹を撫でる猛海。二人は顔を真っ赤に染めた。
「大丈夫そうだな」
猛海は微笑む。そして、二人にもキスをした。嬉しそうにはにかむ二人。
「今日から、傷が治るまで大人しくしとけよ?」
「ぅむ、了解した」
猛海の言葉に、頷く3人。猛海は、3人を部屋に残し、登校の準備を始めた。
猛海が学校に行っている間、天城達7人は特に何をする訳でもなく、居間で寛いでいた。
「エンタープライズさん、ビスマルクさん、カーリューさん、おめでとうございます」
「あ、ありがとう」
「これで、私達の仲間入りですね」
天城達は喜んでいる。エンタープライズ達も恥ずかしさで頬を染めているが、微笑む。
「それで?どうでしたか?」
キュラソーが笑顔で問う。言葉を飲み込む3人。しかし、天城達4人の視線は3人に注がれたまま。
「……痛みはあった。しかし、天城達が言った通り、嬉しさの方が大きくて」
「ですよね。分かります」
「ずっと願っていた事です」
「だって私達は、産まれる前から猛海様の事を愛しているのだから」
キュラソーの言葉に、天城とベルファストが続けた。そして、その想いはエンタープライズ達も同じ。
「伊勢や高雄もそうなんだろ?」
ビスマルクが高雄に問う。ビスマルクの問いに、二人は少し頬を染めながら。
「…いゃ、あたしはどちらかってぇと、猛海と遊びたい」
「…ぅむ、好きではあるが、猛海殿と手合わせしたい気持ちが大きい」
二人のそれぞれの気持ちに、天城達が苦笑する。
「……ラフィー、猛海お兄ちゃん好きぃ…」
「綾波も猛海兄さん好きです」
背後に立つラフィーと綾波。エンタープライズ達が一瞬、思考停止。
「……ちょっと…待て、今誰が猛海の護衛を?」
「あら?話していませんでしたか?」
「いゃ、何も聞いてないぞ」
「…私達も知りませんけど」
愛宕の発言に、天城達が動揺する。
「私達と同じタイミングで、エセックスさん、ダンケルクさん、ヨークタウンさん、他に夕立ちゃんとジャン・バールさん、プリンツ・オイゲンさん達が来てますよ?」
その名前の多さに、驚愕の表情の6人。
「……オイゲン、あの子は…」
ビスマルクが溜め息をつきながら、眉間にシワを寄せる。
「愛宕、その話聞いてないぞ」
「あら?それはごめんなさい。でも大丈夫。猛海様を護衛しているのは、ダンケルクさんとオイゲンさんのお二人ですし」
「…ヨークタウン姉さんも来ていたのか」
「ええ、ただ今は、先日の侵略者の件で、近海の海域に偵察中よ。エセックスさんとジャン・バールさん、夕立ちゃんと一緒に」
愛宕の報告に、一同が溜め息をつく。ビスマルクはもう一度溜め息をつくと。
「猛海、オイゲンを上手く扱えれば良いのだが」
その心配は、予想通りになりつつある。
講義中の猛海。教室の後ろには見知らぬ女性が二人。1人は銀髪、色白のどこかあどけなさが残る女性。もう一人は、銀髪を左右に束ね、ショーツが見えそうな程、際どい服を着た女性。そのデザイン、生地はビスマルクに似ている。
「あの二人、誰のパートナーだ?」
誰が話す。その言葉に、みな後ろをチラチラと見ていた。2つに束ねた女性がゆっくりと歩む。それを止めようとするもう1人の女性。
「ちょっと、オイゲンさん、講義中に勝手な行動は」
「あら、良いじゃない」
オイゲンと呼ばれた女性は、制止を振り切り、猛海の前に立つ。
「初めまして、指揮官。私はプリンツ・オイゲンよ。あっちにいるのは、ダンケルク。宜しくね」
言いながらウィンクを一つ。唖然とする猛海。
「…はっ!?……いゃ、それより今講義中だから」
しかし、オイゲンは猛海の机に座り、猛海を見下ろす。
「近くで見ると、やっぱり素敵ね。ねぇ、指揮官。お話しましょ?」
「…オイゲンさん!」
ダンケルクが慌ててオイゲンの腕を掴む。オイゲンの表情が曇った。
「邪魔しないで、私は指揮官とお話したいの」
「駄目です。今は講義中なんですよ」
二人は言い合いを始めた。猛海に注がれる非難の視線。猛海は溜め息をつくと、二人の腕を掴んだ。
「……他の人の迷惑だから、こっちに来い」
腕を引き、二人を連れて、猛海は居住している整備場に向かう。その間、二人は無言。階段を上がり、居間の扉を開く。
「あら、猛海様」
居間で寛いでいた面々。いきなり入ってきた猛海に驚きつつも、後ろにいた二人を見て、何故か納得している。
「…オイゲン」
「あら、ビスマルク」
オイゲンを見て、眉間のシワを濃くするビスマルク。オイゲンの方は、飄々としている。
「いつも言っているだろ。召喚後は速やかに私の所に来いと」
「仕方ないでしょ?海見たかったし、散策したくなっちゃったから」
「……っく、ああ言えばこう言う」
珍しく、ビスマルクが遊ばれている。そんなビスマルクを後目に、オイゲンが猛海に抱き付く。
「…なっ!?」
「服の上からでも、指揮官の身体付きが分かるわ。付き過ぎずバランスの取れた筋肉。抱かれてみたい」
恍惚とした表情で、猛海の身体を撫でた。猛海は困惑の表情。
「オイゲンさん、無闇に指揮官に触っては駄目です」
ダンケルクが懸命に引き剥がそうとする。
「ビスマルク、彼女。オイゲンっていつもこんな感じか?」
「……いつもと言うか、今回は見た事がないくらい酷い方だ。それだけ、猛海に惚れているのだろう」
呆れたままビスマルクがそう言う。しばらく考えた猛海は、オイゲンの顎を軽く掴むとくいっと上に上げ、視線を合わせ、有無を言わさず唇を重ねた。いきなりの事に、オイゲンの手が猛海の身体を強く押した。バタバタと暴れるオイゲン。その状況に、その場にいる面々が息を飲む。
「……んぅ…」
ようやく長いキスから解放されたオイゲン。その場に座り込み、顔を真っ赤に染め、涙目で猛海を見た。
「…俺の勝ちだな。オイゲン」
不適に笑う猛海だった。
次回は濡れ場ありです。乞うご期待?