女神復活の儀式が、忘れられた墓所で開かれるという情報を得たパーティは、フューネラル教皇との謁見を終えた後、早速情報収集を始める。
ウィンバリアシオンの街の民もこの異端の宗教集団『闇の戦乙女』にいい感情を持っていない。なので彼らをどうにかして倒してやりたいと思う彼らには協力的だった。
次から次へ情報が入ってくる。
「あの『闇の戦乙女』は明日の真夜中の25時に儀式をするらしいですね。でも彼らの使徒ではない人間には参加させないどころか生贄にされてしまうでしょう」
「どうにかしてその儀式に乱入することは出来ないかな?」
「そう言えば、忘れられた墓所の近くにある公衆電話。あれって確か『闇の戦乙女』が連絡に使っているって噂だよな」
「ある電話番号を入力すると、忘れられた墓所の奥の儀式の間に入ることが出来るという噂です」
「その電話番号は判るか?」
「いいえ………。電話番号は儀式の度に違う電話番号になっているらしいのです。それがこの街の4ヶ所の壁に記されるという事くらいしかわかりません」
「その4ヶ所の場所は判りますか?」
「警察官の方が知っていると思います」
公衆電話で連絡とはなかなか今では聞かない手段だが、確かにそれは有効な手段だ。
その電話番号が記される4ヶ所さえわかれば儀式に乱入することが出来る。
彼らは警察官に協力を頼んだ。
警察の方もフューネラル教皇から彼らに協力するようにと言われているので、その4ヶ所の場所を地名で詳しく教えてくれた。
しかし地名に疎い彼らからすればこれはなかなか理解するまで難しい。
「例の女神復活の儀式の電話番号ですね。今から挙げる4ヶ所に一文字ずつ浮かび上がるという話です。北の駅前広場の公園のトイレの壁。南の駅前の噴水広場の装具屋「パッションルージュ」の壁。東側にある時計塔の近くの酒場「ライトニング」の壁。西側は暗黒街の近く、忘れられた墓所の近くにある公園のブランコの近く。この4ヶ所です」
「覚えられたか?」
「……私にはちんぷんかんぷんです」
「アドニスは?」
「なんとなくイメージは出来ますが、実際に足を運んだ方が早いですね」
「アドニス。案内を頼めるか?」
「わかりました。俺に着いて来てください」
ちなみに彼らは今、北側の駅前広場にいるので、まずは一番近いその公園に向かってみた。
「おそらくは北側の駅前広場の公園というのは心当たりあるのはここですね。そのトイレの壁に浮かび上がるのでしょう」
「何時に?」
「そうか!儀式の時間はわかるけど集合する時間が25時とは限らないぞ」
「それ以前の時間のはずだよね」
「儀式に参加するなら遅刻厳禁のはず。ならその以前の時間だ。もう一度、あの警察官にきこう」
「後、内側の壁か外側の壁かも聞いておくと楽ですね」
「外とは限らないものな」
彼らはもう一度、その警察官に聞いてみた。浮かび上がる時間と内側か外側かどちらの壁かを。
「数字が浮かび上がる時間と壁の外側か内側か?ですか」
「時間は4ヶ所同時に浮かび上がるらしいですね。23時と聞きました。壁は共通して外側の壁です」
「23時に4ヶ所同時にだな」
「はい」
「外側の壁ならわかり易いですね」
「それをどういう順番で組み合わせはいいのですか?」
「その数字を北から時計回りに組み合わせてください。それが番号です」
「つまりは最後の番号が西側の忘れられた墓所の公衆電話で入力されるようになっているんだな」
「なら番号順でこの街を回りましょう。その方がわかり易いです」
「次は東側の「ライトニング」ですね。時計塔の近くの酒場ですからわかり易いはずです」
彼らはアドニスの案内でウィンバリアシオンの街を歩く。
この街はかなりの広さを誇る。
特に最後の番号の西側からは正反対の場所に位置するここから行くのは相当速く走れる人間でないと間にあわないだろう。
そこで翔子が素朴な質問をした。
「4ヶ所同時にって話だけど、どうやって伝えるの?携帯電話なんかあるわけないよね?」
「それに関しては心配無用だよ。これを君にもリリアにもアドニスにも渡しておく」
「これは?」
「いわゆる通信器。COMM(コム)という名前だ。世界に流れる魔力を源にして動く端末装置さ」
「これで離れた仲間とも自由にやり取りが出来るよ」
「いつの間にこんな物を作っていたのですか?」
「レムレースにいた時に作っておいた。多分必要になると思ってさ」
そうして酒場「ライトニング」の近くに来た。歩きでざっと30分かかった。かなりこの光の都も広い。
「この壁に浮かび上がると思っています。俺は。ここしか外側の壁に面していないので」
「地味な場所だが当然と言えば当然だな」
「誰かこの壁を担当しますか?」
「忘れられた墓所まで少なくとも歩きでは1時間はかかる。走って30分で辿り着く人間でないとキツイな」
「なら俺がここを担当します」
「アドニスなら大丈夫よ。騎士の実力は伊達ではないわ」
「次は南側の「パッションルージュ」ですね。高級ブティックですからわかり易いはずです」
「行こう」
街の南側の区画に来た。
南側の駅前の噴水広場の近くにある高級ブティック「パッションルージュ」。ここはいわゆる防具を売る店で、「装具屋」とも呼ばれている。この世界の冒険者達は大概この装具屋にお世話になると考えていいだろう。
高級ブティックなので、どことなくオシャレでセンスも抜群な衣服が飾られている。
しかも防具として機能するというのだから驚きだ。
「ここが『パッションルージュ』です。外の壁が見える場所はここですね。この壁だと思います」
「割とここは人が通る安全な場所ね」
「忘れられた墓所まで歩いて15分くらいで行けると思います」
「翔子ちゃんはどうする?こことさっきの北側の駅前広場とどちらがいい?」
「北側の駅前広場は公園のトイレだよね。なら私は北側のトイレでもいいよ」
「リリアが担当かな。ここは」
「わかりました。ここは割とわかり易いので迷うことはないと思います」
「では最後に皆さんが最終的に集合する『忘れられた墓所』へ案内します。割と陰気な雰囲気だからわかり易いと思います」
パーティは最後に集合することになる『忘れられた墓所』へ向かう。だんだん陰気な空気が流れてきた。何処からか血の匂いもする。それに人の魂を地獄へと誘うような怨嗟の声も聴こえる。
暗黒街にほど近い所に『忘れられた墓所』があった。いくつものの墓が置かれている霊が漂う呪われた地区。忘れられたように建つ一つの街灯の下にぽつんと例の公衆電話があった。
公園の中にある公衆電話で近くには確かにブランコが風も無いのに不気味に揺れていた……。
「最後の電話番号が浮かび上がるブランコがこれでしょうね。それをあの公衆電話で今まで聞いた数字を当てはめてダイヤルするんですよ」
「懐かしいわ。ダイヤル式の電話よ。これ」
翔子は元々いた現実世界ではすっかり見ることが無くなってしまったダイヤル式の電話を見て思わず昔を思い出す。
昔は黒電話とかあったし、公衆電話もそこら中に存在していたのだけど、それもすっかり消えてしまった。あればあれで便利だったのに何で無くなってしまったのか疑問に思うが、それもここでは関係ないことだから、今は目の前のことに集中する。
「最後にここで電話番号をまとめる人物が必要ですね」
「なら、ここは私が担当だな。私はここで順番からすると、翔子、アドニス、リリアの順で数字聞いてその数字とブランコに浮かび上がる数字を公衆電話にダイヤルすればいいのだな?」
「その通りです」
「みんなは数字がわかったら後はここまで急いで来てくれよ」
「はい!」
「私が一番目ね。上手く出来るかな」
「大丈夫。後でアドニスに頼んで抜け道を教えて貰うといい」
「今の時刻は、午後15時か。それまでは私達は自由時間にしよう。午後20時までには戻ってくるように」
「ねえ?アドニス?さっきの『パッションルージュ』に行かない?私、興味があるのよ」
「それじゃ一緒に行きましょう」
「翔子、君はどうしたい?好きな場所でデートしようか?」
「じゃあ…あなたに任せるわ」
「これは俺のセンスが試されるね。行こう?」
すると彼が左手を差し出してきた。頷いている。唇を笑みにして。
翔子は遠慮がちに左手を右手で握った。彼も優しく握り締めてくれた。そして向かった先は、ウィンバリアシオンに存在しているとは思って無かった場所……ラブホテルだった。
「どう?意外だろう?」
「宗教都市なのにラブホテルがあるとは思って無かったです」
「でもいいホテルだよ。格式高い一流ラブホテルなんだ」
「たっぷりと2人で溺れよう……。快楽の中に」
「私も我慢出来ない。早く入ろう?」
「ああ…」
レムは素早くチェックインの手続きをすると、部屋に行く道すがらキスを交わし出す。
部屋に入るなり彼らは、ベッドに倒れ込む。
彼らが薄暗い照明の下で、お互いの唇を貪りあった。
そのうち、彼らがお互いの纏う服を脱がしていく。
彼らの衣服が無造作にベッドの下に落ちていく。
彼らが上半身裸になる。
翔子はじっくりとレムの胸板を味わった……。艶のある細身でそれでいて筋肉がある身体。なんて素敵なんだろう……?この身体から香る汗の匂いもいい匂い…。ふと左手を見るとあの漆黒の手袋を今日は外してくれている。
肩の線を触る。だいぶまだ肩こりが残っている。
彼女はそこでアロマバームを取り出し、肩にそれを塗布してあげた。レムはその間にも彼女の性感帯を刺激してその淫欲を掻き立てる。
アロマバームの薔薇の香りとクラリセージの強壮作用が合わさってだんだん彼らは、お互いの身体を絡め始める。
薄紅色の乳首を見ると彼は舌先で遊び手でもいじりだす。
まるで獣のように淫らな音を立てて転がして、噛んて、吸って…舐める。
翔子が激しく喘ぐ。
その声は歓びに満ちていた。
下半身からは歓びの蜜が滴るように流れて、彼を受け入れようと自ら痙攣させていく。
素肌の左手の指がその秘めた場所を触りだす。
滑らかに指の腹を使って、繊細な指遣いでそこを愛撫した。
「レムのキス……今日は激しい…!」
「それが堪らないのだろう……?」
「お願い……。シックスナインをさせて?」
「ああ……。私も君の花びらを舐めたい。いいよ」
彼が上に翔子が下になってお互いの性器を愛し合った。
彼も興奮してしまっている。
今にも破裂しそうな程に大きくなり、その愛を解き放つ用意がされている。
彼も目で彼女の花びらを見つめながらその間の聖域に激しいオーラルセックスを施して下半身から襲う強烈な快感に喘ぐ。
「翔子……!なんだか今日はいつもより感じる……!下半身が溶けてしまいそうだよ……!」
「きっと、クラリセージの効果です……。これには性欲を上げる作用がありますから…。もっと…感じてみせて……レム」
「うあっ……!君のこれも強烈過ぎる…!あっ…!」
「俺も感じさせてあげないとな…!」
「レム…!あなたのこれ、最高に素敵……!」
「今日は……これだけでも良さそうだね…!あうっ……!舌が絡みついてスゴい…」
「もっと感じて……!」
「君の花びらから美味しい蜜が、溢れて来ているよ。全部舐めていいかな…?」
「ありがとう…!私もあなたが果てるまで咥えていいですか…?」
「限界まで頼むね」
そうして2人はお互いに素敵な快楽という名の”混沌”に身を、心を溺れさせていく……!
彼女から溢れる歓びの蜜を舐めるレム。その歓びに応えるように激しく分身を全身を使って愛する翔子。
その行為が1時間以上続き、最後に彼らは、お互いに切なく喘いて、2人一緒にその淫欲を満たしていったのであった……。
後に残ったのは、甘く融ける快楽と、息を乱してベッドに身を預ける両者の甘い香りが残っていたのであった……。