※この作品はR-18です。

淫欲は今宵も盟主に抱かれる   作:翔田美琴

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第4 章 デザートエンプレス
4-1  デッドデューン


「ここが砂漠の国……デザートエンプレス」

「一面、砂の海ですね」

 

 そこは黄金色の砂の海が広がる、不毛の大地だった。

 非常に粒が細かいサラサラした砂の上をまるでトビウオのように泳ぐ、魔物が生息している様子が見える。

 厳しい日差しが容赦無く彼らを照らす。じっとしているだけでも、身体の水分がどんどん無くなっていく……。

 余りの砂漠の暑さにめまいを覚える翔子。少し身体がふらついて、慌ててレムが支えた。

 

「大丈夫か?」

「すごい暑さですね。元の世界でもそれなりに暑さには慣れていたと思っていたけど別格です……」

「ここがデザートエンプレス……」

「話には聞いていましたけど、本当に独自の生態系を維持している場所なんですね」

「あのトビウオみたいな魔物は?」

「ガレウスという砂竜の一種だよ。ここはいうなれば、砂の海だからね。ここでしかお目にかかれない貴重な生物だよ」

「早いところ街を目指しませんか?こんなところにいると俺達も倒れてしまいますよ」

「ここから近い街って何処なの?デザートエンプレスは秩序が乱れていて街らしい街はあまり無いという話よ」

「ここは無法者の街へ向かうのが妥当かな」

「無法者の街?」

「デザートエンプレスは無法地帯と言えるんだ。だから、街で有名なのが無法者の街という場所なんだな。名前はローシャナという街だ」

「ブルーセインツの女王いわく、そこの街に盗賊団と偽った調査隊が潜伏しているという。今回はその調査隊に合流するのが当面の目的だな」

「何の調査をしているのですか?」

「混沌の女神に関する調査や、この砂漠の国にある四宝を探しているという」

「まずはこの砂の海を抜けよう」

 

 砂の海には砂丘と呼ばれる砂の丘も点在している。まるでそれを滑り台のように降りる感覚は翔子としては面白い。

 粒が細かい砂の海には砂竜と呼ばれるトビウオが何体も何体もまるで群れを成すように飛んでいる光景が見えた。

 全くの無風だった天気だが、砂漠を進むうちに風が吹いて来た。このままではもしかしたら、砂嵐が発生するかも知れない……。

 レムは敏感な五感で天気を読み始める。

 その時だった。

 突如として、漆黒の市松模様の空間が発生し、彼らはそれに呑み込まれてしまう。

 中は漆黒の風が吹いて、そして混沌の力によって凶暴化してしまった魔物が襲って来る!

 突如として発生した漆黒の空間にレムはそこがこう呼ばれる場所であることを思い出す。

 ここは死界(しかい)と呼ばれる、混沌の力が暴走した異空間。突破するには中の魔物を倒さなければならない。

 突如として起こったことにパーティの皆は動揺を抑えることが出来ずに混乱してしまっている。

 

「何なの!?この真っ黒な空間は!?」

「翔子ちゃん!気を付けて!凶暴そうな魔物が出てきたわ!」

「リリア!翔子さんを守って!ここは死界(しかい)です!倒れてしまったら混沌に呑み込まれてしまいますよ!」

「死界って何?この真っ黒な空間のこと?」

「そのとおり。この世界は滅びに向かってしまっている。だから、よくこの空間が自然発生して市民の皆を困らせているんだ」

「この空間では正義は1つしか無い。より”力"を持つ者が正義なんだな。力が無い者達はすべて混沌に還ってしまう。さあ、突破するぞ!」

 

 彼らの前に立ち塞がるのは一つ目の巨人。サイクロプスだった。それも混沌に触発されて更に力を増した凶暴極まりない巨人である。サイクロプスが手にした棍棒で彼らを叩き潰そうと容赦無く振り下ろす!

 翔子は手にした魔装銃で攻撃を加えていく。あまり効果が無いのか、胃に返さす棍棒を振り下ろすサイクロプス。

 リリアは弓矢で攻撃を加えていく。彼女の攻撃はすべて聖なる属性が付与されているので効果てきめんの様子だ。

 アドニスはそこで魔法剣を作り出した。剣に魔法の力を付与させて属性剣を作り出し、その攻撃力を底上げしたのだ。彼は聖なる属性を剣に付与させてホーリーブレイドを作り出した。それで一気に攻勢に出る。

 レムは聖なる属性の魔法である『ホーリー』という魔法で攻撃を加えている。白い閃光がサイクロプスに直撃している。狼狽えるサイクロプス。

 そこで翔子も新たに教えて貰った属性弾を使用する。弱点の聖なる属性の弾を装填して撃ち込む。

 白い閃光の弾が的確に直撃している。サイクロプスは更に混沌に呑み込まれて暴走を始めた。

 

「キリが無い!こうなったら完全に消滅させるしか無いな!アドニス!必殺技を出すぞ!」

「はい!まずは俺からだ!名誉ある最期をくれてやる!ヴィーリングリッパー!」

 

 アドニスが繰り出したのは真空の風の刃を使用した剣技の必殺技だった。

 最上段から刃を振り下ろすと、サマーソルトキックをしながら刃を下から斬り、その後真空の風の刃で滅多斬りにして深い外傷を負わせる必殺技である。

 その立て続けにレムの必殺技が炸裂する!

 

「その身に刻め!ニーベルンヴァレスティ!」

 

 一回、二回と手にした刃で刻んだ後、目にも止まらね速さで敵を滅多斬りにして、最後は大きな槍を手にして、トドメの一撃を加えるのだ。

 確かな手応えを感じたのか、彼は自信ありげに呟いた。

 

「必殺の一撃だ!耐えられる奴などいない!」

 

 そうしてサイクロプスを倒したパーティは死界から脱出に成功して、元の世界に生還を果たした。

 

「嫌な予感がしていたが、死界が発生するとは、な」 

「どうにかなりましたね。でも」

「翔子。大丈夫か?」

「結構キツかったです」

「もう少し歩けば、無法者の街に到着するから頑張ってくれ」

「はい」

 

 しばらく砂漠を歩くと、オアシスが見えて来た。どうやら蜃気楼でも無さそうだ。

 その砂漠のオアシスの麓にその無法者の街があった。

 無法者の街ローシャナ。

 その街に程なく到着した彼らは、しばらくの間、その街を拠点にして砂漠の何処かにある四宝の1つを探すことにした。

 

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