神の世界アスガルドへと辿り着いたパーティだったが、シャルロットが新たな神の女王となり、彼らは" 無用“のものとして吹き飛ばされた先はあの『知識の泉』だった。
青みを帯びた綺麗なクリスタルが浮かぶ神秘の泉。ここはオーディンが様々な知識を得た泉だ。
実はただの人間にもこの泉の恩恵を得ることが可能だ。その者が求める知識を得ることが出来る。 かつて砂漠を旅した時に見た『叡智の泉』の水。実はここが水源だった。なのでこの『知識の泉』で今出来ることは、ラーズグリーズのレムを『
だが、どうすればこの『知識の泉』の加護を得られるのだろうか?彼らは何もヒントも無いままこの場所に導かれてしまったのだ。
「ここは……?」
「もしかして、ここ……。『知識の泉』なのでは?」
「運が良かった。と言いたいが、どうすれば「知識」を得られるのかな」
「綺麗な場所だね。でも…」
彼らはこの神秘の泉の風景に虜になった。周りにはクリスタルが浮かび、蛍のような虫が飛んでいるのだろう。淡い青く光る星が宙を漂っている。ここは四六時中、夜なのだろうか?そこは綺麗な蒼で埋め尽された空間だった。
この水を飲めば何かわかるかも知れないと思った翔子は試しにその水を飲んだ。ここの水は美味しい。するとあるメッセージが彼女の頭の中に流れて来た。
(この『知識の泉』で知識を求める者よ。あなたの求めるものをここで差し出しなさい。そうすれば、相手となる者に望む『知識』を捧げましょう)
私が望むものを?
私が望むものは……この人の愛。
愛の証が欲しい。
心が形になったものが欲しい。
ということは、ここでその愛を求めろということ?
こんな場所で?
でも、今はそんなことを拘っている場合じゃない。
その人を求めるなら、今しか無いのね。望む『知識』が得られるなら。
「どうした?翔子?」
「この泉……どうやら1人では望む『知識』は得られないみたい。私が望むものをここで差し出せば、相手となる者に『知識』を授けるらしいわね」
「君が望むもの?」
「でも……あの2人の目の前でするのはちょっと……」
それを悟ったリリアはアドニスに声をかけて別の場所へと離れてくれるそうだ。彼女はアドニスに促して一旦泉から去った。
「どうやら……ここで彼女の欲しいものを手に入れる時が来たようね。アドニス。私達は他の場所にいましょう」
「何でですか?」
「鈍いわね。ここで翔子ちゃんはレムに抱かれるのよ。そんな場面、私達が見ている前で出来る?」
「出来ないですよ。なら……俺達が出る幕は無いですね」
「行こう?」
翔子はこの場所で長らく求めていたものが欲しいと思った。
本当の愛の証を。
「レム。お願いがあるの」
「なんだい?」
「抱いて。ここで」
「ここで?」
「私が欲しいものをください」
「君が欲しいもの?それは何?」
「あなたの愛の証。偽りではない。本物の愛の証をください」
「この聖なる泉でそれをください」
翔子は進んで泉の中に入る。そして纏う衣服を脱いだ。すべてが水に濡れてしまっている。珍しく翔子が…彼女が求めた。彼のすべてを。
「抱いて……お願い。あなたのすべてを私にください」
「……」
「本当にいいんだね……後悔しないね……?」
「こんな男のすべてを君は欲しいんだね。正直…心の準備は整っていないけど……それは不意に訪れるものらしい……」
彼が泉の中に入った。そのまま服がずぶ濡れになる。
そして一言だけ言って、彼らはお互いに求めた。
「君が悲鳴を上げて、止めてと言っても、俺は止めない。君が欲しいというまで俺は抱くよ。君をずっと抱き続ける。最後まで」
甘く囁くと彼は唇を重ねた。
今夜の彼女は、とても情熱的だ。次第に激しくその口を重ね舌を絡ませ始める。彼の繊細な手が彼女のふくらみを触る。そのまま、そっと乳首を触る。指先で転がす。彼女が身体をのけぞらす。そののけぞった身体に舌を這わせるレム。彼も次第に情熱的になって、不思議な銀色の髪を衣服と共に濡らす。衣服が邪魔になると、彼も服を脱いだ。少し冷たく感じる泉の水。だが、慣れれば大丈夫だと思った彼は、彼女を壁の方に押し込むと思い切って泉に潜る。そしてその下の花びらを丁寧に愛し始める。彼女の喜びに満ちた喘ぎ声が水の中まで聴こえてくる。一旦、息継ぎの為に水から出る。軽く息を乱す2人。緑色の目を薄い紫色の目が優しく見つめている。
「この泉……意外に深いよ。溺れてしまわないよう気を付けてくれ」
「でも……あなたには溺れてしまいたいの」
「俺を求めて……切なく求めて……」
「お願い。もっともっと激しく、あなたの舌を全身にください」
「わかった……」
今度は首筋に舌が這ってくる。そのまま耳たぶに来ると、肩の線を舐めて、鎖骨に舌を這わす。両手を性感帯に伸ばして刺激を与える。その独特の紫色の目が狂おしい程、彼女を見つめて笑みを浮かべていた。だがまだ彼は己を花びらへと入れようとはしない。彼女がその口でその言葉を聞くまで彼は愛撫を続けるつもりだった。彼女が望むものを何もかも渡す為にも。彼女は自分の唇が大好きな様子だ。唇を這わす度に彼女は自分を催促している。
まるで自分達2人の間には時間が止まって見える。それほどまでに夢中になれる愛の交換だ。このまま、何時間でも、1日でも2日でもこのまま2人なら溺れていられる。許されるなら永遠に。
彼女が彼の舌だけで絶頂に上がる。その顔がとても淫らででも綺麗な顔だと彼は思う。自分自身に喜んでくれているんだ。
そして彼女の口から遂にそれが要求された。
「お願い。あなたをください。あなたの分身を中に入れて……!」
「待っていたよ。俺も限界……!」
深くえぐるように少しづつ彼女の望む花びらにそれを入れる。彼女の望む花びらはなんてキツくてそして気持ちいいのだろうか?心から求めている女性のそこは泉の水をもろともせず、熱く濡れている…!
彼が動き出した。水しぶきが飛んで、彼女の脚が自分自身の腰に回って固定している。彼もきつく抱き締めた。またそして唇に唇を重ねる。ふと目を開けると彼女が泣いて涙を流している。
「泣いているの」
「何でなのか……わからないけど……涙が勝手に出てくる……」
「嬉しいんだよ……」
「嬉しい……?」
「本気のセックスをしてくれて、君は嬉しいんだ……」
「俺もそうだから」
「俺も初めてかも知れない。こんなセックスは初めてなんだ」
「本当の初夜は今夜たね」
「結婚を考えようか?後でこの騒動が終わったら……」
「私と一緒になってくれるんですか?」
「出来るなら……君と共に行きたい」
「はい……喜んで」
彼らはこの聖なる泉で永遠の愛を誓った、その時。『知識の泉』は彼らに望む知識を授けようとあるアイテムをふたりに授けた。黄金色に輝く、無限大の指輪。
メビウスリング。
身体を重ねる二人は思わず指輪を見つめた。
「この指輪は……?」
「メビウスリングか?」
「メビウスの指輪?」
「無限大の可能性を示す、とても縁起の良い指輪たね」
レムはその指輪を身体を重ねるパートナーの左手の薬指にそれを填めた。厳かに静かに目を閉じて、それを填めた。
「俺の人生の伴侶になってくれるかな。どんな猥雑な出来事からも護り抜いて見せるから」
「……ありがとう!」
また二人は唇に唇を重ねる。
そして、そのメビウスの指輪は彼に今求めている『知識』を授けた。『
まるで永遠が支配するこの聖なる泉は彼らを祝福するように、時間を止めてくれていた。せめて彼らが自分達の愛を存分に確かめ合う瞬間を授けるように。
彼らがこの先、どんな困難が来ても共に乗り越えるだけの絆の時間を授けるように。
青く光るクリスタルの泉の空には今、黄金の満月が優しく輝いている……。