※この作品はR-18です。

カーんスト99なら強いよね?   作:チョロォーク

44 / 80
家族を守る

ケイゴと別れた後の受付嬢ちゃん

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、本を抱えてギルドの廊下を歩いていた。

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、胸に抱えている本を見た。

 

「……初めてでした……薬ソウネの選別で怒られなかったの……」

 

冒険者は、今回のケイゴの様に、草を適当に持ってきては、受付嬢ちゃんに選別をさせる人がいるのだが……その時のタプ事情で受付嬢ちゃんに当たる人が後をたたなかった……

 

「……毎回……ルン先輩が助けてくれて……」

 

受付嬢ちゃんの隣にいる……鬼隣さんのことだ。

 

「……ケイゴさんも、私に怒るかと思ってたのに……逆に言われてしまうなんて……」

 

受付嬢ちゃんは、解体室でのケイゴとの会話を思い出していた。

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、受付の自分の机に本を置く。

 

「……ケイゴさんだ……」

 

自分の受付の方を見ると、ちょうどケイゴが受付を始めているところだった。

 

「……私の受付場に来てる……あれのおかげかしら……思い出したら……恥ずかしいよう……」

 

受付嬢ちゃんは、自分が言った言葉を思い出した……ケイゴが選ぶ受付を一つに絞った言葉だ……

 

「……帰ろ」

 

受付嬢ちゃんは、ギルドの裏口から出る。

 

「……みんなが待ってるから……今日はいいよね……明日の朝早めに行くようにすれば……」

 

受付嬢ちゃんは、解体室に置いてある20袋の選別の山を思い出した。

 

「……私が植物の知識あるのは……選別を押し付けられても断れなかった……から……」

 

受付嬢ちゃんは、落ち込む。

 

「……男の人が……怖くて……」

 

受付嬢ちゃんは、今までに薬ソウネでのトラブルの時の男たちが怒るシーンを思い出し……震える

 

「……いつも一人で薬ソウネを選別してた……」

 

受付嬢ちゃんは、受付嬢の始めの頃、本を読みながら、色々な植物を見比べ選別していた日々を思い出していた。

 

「……ルン先輩……全然教えてくれないんだもん……」

 

鬼隣さんは、結構大雑把で、何でも一人でやらせて、出来ないことは見てなさいって感じの指導をしていた……受付嬢ちゃんは、ほとんど教えてもらっていない……優秀だからこその悩みだ……

 

「……薬ソウネの選別は……いつも辛いだけだった……毒ソウネと見分けられるまで、凄く大変だったもん……」

 

受付嬢は、鬼隣さんが言っていた様に、受付だけが仕事では無い……その合間でする事など出来ず、いつも仕事が終わってからか……朝早くに来てやるしか無い……

 

「……今では、私が一番植物の知識を知っていて、選別の早い人は……いないんです」

 

受付嬢ちゃんは、その優秀さもあったが……その男嫌いのせいで選別ばかりしていたので数をこなすしか無かった結果……ギルド内では彼女に勝る人は居ない……

 

「……お陰で沢山稼がせてもらったけど……」

 

受付嬢ちゃんは、嬉しいやら嬉しく無いやらでぎこちない笑顔になる……

 

「……でも……今日の選別は……楽しかったかも……」

 

受付嬢ちゃんは、解体室でケイゴと一緒に選別をした時間を思い出す。

 

「……だって、ケイゴさん……顎に泥ずっとつけっぱなしなんだもん♪ 嘘だってバレバレなのに隠そうとする所が……ふふ♪」

 

受付嬢ちゃんは、微笑む

 

受付嬢ちゃんの横を通った男の人がそれを見て……

 

「……美しい」

 

受付嬢ちゃんの後ろ姿を、しばらく見ていた。

 

「……怖かったはずなのに……ケイゴさん……怒ったりしないし……言った事やってくれるから……あまり怖くなかった……」

 

受付嬢ちゃんは、ボロい教会の扉の前に立つ。

 

「……私は、男嫌いでも……頑張んなきゃ!」

 

受付嬢ちゃんは、ガッツポーズを両手でしてから、扉を開いた。

 

「……みんな〜ただいま〜」

 

教会に入ると……

 

「おねぇちゃん! おかえり〜」

 

「おかえりなさ〜い♪」

 

「……おかえり」

 

「ねぇちゃんだ! おかえり〜」

 

「わ〜♪ おねぇちゃん! 私! 私! いい子にしてたよ〜」

 

「おかえりなさい、お姉さん……晩御飯の準備そろそろ終わるから……今日は速かったね?」

 

6人の子供たちが受付嬢ちゃんの元に集まった。

 

「……いつもありがと……ミンちゃん

 

……今日は、早めに帰って来ちゃった♪」

 

「……皆んな! 晩御飯を準備して! お姉さんは仕事して来たから休ませてあげないと」

 

「「「「「は〜〜〜い♪」」」」」

 

ミンちゃんと呼ばれた一番年上の女の子が言うと、他の子たちが元気よく返事をしてから晩御飯の支度をしに走った。

 

「……私も手伝おうか?」

 

「……お姉さんは、座っててね? 手伝ったら怒るからね?」

 

ミンちゃんは、腰に手を当てて笑顔で言う。

 

「……わかった……お言葉に甘えるね?」

 

「お姉さんはタプ稼いでくれてるんだもん……家事は任せてよ!」

 

ミンちゃんは、胸を張って言うとそのまま料理の支度をしに行った。

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、料理の支度をしている子供達を見ながらいつもの席に座る。

 

「……おねぇちゃん! 座っててよ! 動いちゃメッ! だからね?」

 

一番年下の女の子が言う

 

「……は〜い♪」

 

「ねぇちゃんは、すぐ手伝おうとかしちゃうからな……」

 

下から三番目の男の子が言う。

 

「落ち着かない人みたいに言わないでよ〜」

 

「…………はい……水……」

 

「ありがとう……喉渇いてたんだぁ〜」

 

受付嬢ちゃんは、下から二番目の男の子がくれた水を美味しそうに飲む。

 

「ねぇ〜ねぇ? 後で、教えて欲しいことがあるの〜」

 

下から五番目の女の子が、受付嬢ちゃんを後ろから抱きつくように言う。

 

「……いいわよ? 私でもわかることかな?」

 

「ええ、じゃあ、お願〜い♪」

 

下から五番目の子は、受付嬢ちゃんから離れ、自分の席に座る。

 

他の子たちも、自分の席に座っていく。

 

「……おねぇちゃん! 大丈夫だった? 危険だったら俺が守るよ!」

 

下から四番目の男の子が言う。

 

「……う、うん……大丈夫だったよ?」

 

「……そっか! ならいいんだ!」

 

下から四番目の男の子は、ニシシと笑う。

 

「……あなたがいなくてもギルマスが守ってくれるわよ……ほら! あんたも座ってよ……」

 

ミンちゃんは、下から四番目の男の子に言う。

 

「……おう!」

 

食卓にみんなが座った。

 

「……お姉さんに感謝して食べるのよ? 皆」

 

「「「「「は〜〜〜い♪ いただきまーす!」」」」」

 

「……ミンちゃん……毎回しなきゃダメ? これ……恥ずかしいからやめて欲しいんだけど……」

 

「ダーーメ♪ 私たちがこうして美味しいご飯を食べれるのは、お姉さんのお陰なんだから! ね? 皆んな!」

 

「「「「「うんうん!」」」」」

 

「……皆んな……いただきます……」

 

受付嬢ちゃんは、優しく笑うと食べ始める。

「……ミンちゃん、また腕を上げたね?」

 

「……お姉さんに習ったからね♪ いつかお姉さんよりも美味しく作れるようになるもん!」

 

「……ミンねぇーじゃ無理だね!」

 

「……はぁ? 言うじゃない!」

 

「……喧嘩しないで〜……うぇ〜ん」

 

ミンちゃんと下から三番目の男の子が睨み合っていると一番下の子が泣き出してしまった。

 

「……食事中は、喧嘩しないの」

 

「「は〜い……」」

 

受付嬢ちゃんが言うと、二人は静かになった。

 

「……楽しくみんなで食べようね?」

 

「「「「「「は〜〜い♪」」」」」」

 

 

……私の大切な……家族を……守らなきゃ

 

受付嬢ちゃん達は仲良く晩御飯を食べた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。