※この作品はR-18です。

カーんスト99なら強いよね?   作:チョロォーク

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貴族の屋敷に

「…………」

 

……ぬふふ♪ スリちゃん食べてくれたぜ♪

 

ケイゴは、フードの中でニタニタと笑う。

 

「……流石だぜ……おっさんの串焼き……まさか食べてもらえるとはな……」

 

……美味しいけど……なんの肉か今だに知らない……

 

「……聞きづらいよな……最初に聞いとけばよかったぜ……」

 

……最初は、怖かったもんな……聞けねーよ……

 

「…………」

 

……タプが貯まったら……いや……タプじゃなくて……あそこに住む環境をどうにかしてやらないとな……出来るとは思えんけど……

 

「……スリちゃんと一緒に住む男を……」

 

……俺が言った所で、ああいうのはやめないだろう……どうすればいいんだぁ……

 

ケイゴは、バックを掴む手を強く握る。

 

「……誰か彼女を救ってやってくれないかなぁ……俺じゃ……何もしてやれない……」

 

ケイゴは、歩速が自然とゆっくりになる。

 

「…………」

 

……タプをまともに稼げないし……こういう時にどう行動すればいいのか分からない……警察に言えばいいの? ……でも警察は無さそうだ……スリちゃんを守れるほどの力が……知識がない……

 

「……だから……初のクエストは稼ぎまくる……スリちゃんにスらせるタプの額が上がれば……きっと大丈夫……」

 

俺は、そう思う事で自分に言い聞かせる。

 

「門番ちゃんの恩返しタプも貯まる……イケる!」

 

……出来る限り頑張るか!

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

……ここが貴族の屋敷?

 

「……随分と古そうな屋敷……」

 

クエストの場所に着いたと思ったが……こりゃ〜誰も住んでないだろ……

 

ケイゴが見ている建物は、建ててから何十年かわからないくらいの大きな屋敷だった。

 

「こんにちは……あなたがクエストを受けた冒険者さん?」

 

「……えっ? ……あ、はい……」

 

屋敷を門の前で見ていたら、後ろから声がしたので振り返ると……美女がいた、歳は……40?……いや……30くらいかなぁ? 髪はブロンドヘアーで綺麗なドレスを着ていた。

 

「……今日はよろしくお願いします。私は、ローゼと言います。クエストの紙にも書いていたようにもう住んで居ないのですが……綺麗にして頂きたいのです」

 

「……あ、はい……」

 

……おう……読めないから知らなかったぜ……住んでない屋敷掃除するとは思ってなかったよ……花の嫁さんそんな事言ってなかったし……

 

「……では……気をつけて掃除してください……あと……庭は掃除しなくて良いので……」

 

「……庭? ……ですか?」

 

庭を見てみると……住んでないとは思えないほど綺麗に手入れされていた。

 

「……はい……その……冒険者の皆さんが……屋敷の中を掃除しないで、庭ばかり綺麗にして行くので……」

 

ローゼさんは、困ったような笑顔でそう言う。

 

「……そうなんですかぁ……」

 

……庭ばかり掃除するって……どう言う事だよ……屋敷を掃除するのがクエストの内容じゃないのか?

 

「……これを……」

 

「……えっ? こ、これって……」

 

ローゼさんは、俺に袋を渡した。

 

「……8純銅タプです……先に払っておきます……もし……掃除をするのが困難だった場合は、私に言わないで……そのまま帰って頂いて構いません。」

 

ローゼさんは、俺の目を見て言った……その目は……俺はよく向けられる目だ……よくわかんないけど……なんとなくだがローゼさんの目は……

 

……諦めたような……そんな目をしていた……

 

「……分かりました……」

 

……理由は、わかんないけど……8純銅タプ分は掃除してみせる……今までの冒険者が何故庭ばかり掃除してたのか……ローゼさんの言う、掃除が困難な場合とは何なのか気になるけど……ローゼさんの目を見たら……

 

「……よろしくお願いします」

 

「……はい」

 

俺は、ローゼさんに背中を向け屋敷の方に歩き出す……この初クエストは……成功させてやる!

 

ガチャ……ガチャガチャ……

 

「…………ローゼさん……」

 

「……あ、すいません……今開けますね?」

 

門に鍵がかかっていた……ローゼさんに笑われた……恥ずいんですけど……

 

「……じゃ、行きます」

 

「……よ、よろしくお願いします」

 

ケイゴは、今度こそ屋敷の方に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

「……今度の冒険者は、あまり期待できそうにないですね……庭がまた綺麗になってしまうわ……はぁ……」

 

ローゼさんは、何度目かもわからない、ため息をケイゴの後ろ姿を見ながら吐くのだった。

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