※この作品はR-18です。

カーんスト99なら強いよね?   作:チョロォーク

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ギルド…ぎるど

「……何でこんな額になるだよ! もっとタプになるはずだぞ!」

 

おっさんの冒険者が怒鳴る。

 

「……すい……ません……このタプ額で間違いありません……」

 

「あっ? なら何なんだよ! 差し引かれる額多すぎだろうが……たかがソウネ選別しただけで300とはよ!」

 

「……き、規則なので……」

 

「……規則ならぼったくりしてもいいってか? 舐めてんじゃねーぞ!」

 

おっさんは、怒鳴っている相手の胸元をチラチラと見ながら言う。

 

すると……

 

「……ハゲ! おいハゲ! 後輩になんか文句があるなら私が聞くわ」

 

鬼隣さんが、怒鳴るおっさんの見える位置まで来て大きな声で言う。

 

「……ルン先輩……」

 

「……何だと! ハゲって俺のことか! 冒険者様にそんなこと言っていいと思っているのか!?」

 

おっさんは、更に怒り出す。

 

「……そうよ、あんた以外に話しかけてないじゃない……そんなこともすぐわからないの? ボケてんじゃないかしら? ……ね?」

 

ルン先輩は、おっさんに言った後に、優秀だが、男嫌いの後輩の肩を優しく叩く。

 

「……あ、いや……その……」

 

その後輩は、どう返答しようか迷った感じだ。

 

「……ちょっと代わりに私の受付しといてくれる?」

 

(多少は、落ち着いたみたいね)

 

「……す、すみません……」

 

男嫌いの後輩は、ルン先輩にお辞儀をして、おっさん冒険者にもお辞儀すると隣の受付に行った。

 

「……てめぇ……誰が代わっていいと言ったんだ? 俺はアイツと話し合いをしていたんだが?」

 

「……あれのどこが話し合いなのかしら? ハ……あなたが一方的に怒鳴ってただけじゃない……あの子が換タプした額は正規の額よ? ……いや……あの子の選別の腕だともっと減らしてもいいくらいなんだから」

 

ルン先輩は、誇らしげに言う。

 

「……俺は、モンスターを倒してヘトヘトの中、取って来たんだぞ?」

 

「……それがどうしたって言うのよ……あなたがどう頑張っていようが無かろうが、タプが多くもらえるなんて無いわよ……それがルール! それにケチをつけて、可愛い後輩を傷つけるあなたは、来なくて結構! 帰りなさいハゲ!」

 

「……もう……許さねー……女が調子に乗るんじゃねー」

 

おっさん冒険者は、腕を振り上げ殴りかかろうとした。

 

「……あ〜あ……アンタ終わったね……」

 

ルン先輩は、逃げもせずただ笑う。

 

 

 

「……ふむ……ギルド内で暴力行為は、禁止なのは分かっているね?」

 

おっさん冒険者の背後にいつのまにか女性が立っていた。

 

「……なっ! 身体が動かねー」

 

「……それに君は、受付嬢に手を挙げた。その意味がわかるかい?」

 

「……クソッ! 舐めんじゃねー俺はB級冒険者だぞ!」

 

「……ふむ……それは……残念だね……

 

……貴重な戦力が減ってしまうとはね……」

 

ポニーテールの女性は、ため息を吐くように言う。

 

「……あっ?! 女が何言ってやがる……」

 

「…………女が……だと?」

 

「……そ、それは言っちゃダメなのに……皆んな! 解体室までの道を開けな! 今、ギルマスに近づいたら……死ぬわよ!」

 

ルン先輩は、ギルド内全体に響く声で言うと。

 

「……おいおい、アイツまじか……」

 

「……アイツ終わったな……もう男として終わったわ」

 

「……いいからとっとと道開けないと、私たちまで巻き添え食らうわよ!」

 

冒険者たちは、解体室までの道を綺麗に開ける。

 

「……ふふむ……受付嬢達にちゃんと謝れば、軽く手合わせ程度にしてやろうと思っていたが……気が変わった」

 

「……てめぇ……早くこれを解け……なっ!?」

 

ギルマスがおっさん冒険者を軽々と持ち上げる。

 

「……女だからなんだ? 弱い? 仕方ない? 私はね……なぜギルマスになっているか知っているかい? MTL級になっているのかを……

 

……私を女だと言って下に見た奴らを倒して来たからだ」

 

ギルマスは、おっさん冒険者を解体室に投げ込む。

 

「……ぐうぁーー!!」

 

「……ルン、解体室を借りるよ……」

 

ギルマスは、ニタァと笑いながらルン先輩に言う。

 

「……どうぞ、どうぞ♪ 好きにやっちゃってください」

 

ルン先輩も、いい笑顔で言う。

 

ギルマスは、解体室に入って行き、扉がゆっくりとゆっくりと閉まった。

 

「……ギルマスの笑顔最初は怖かったけど、慣れるとこんなに安心できる笑顔はないわ。

 

……あのハゲ……生きてればいいけど……まぁ、男としての本能は潰されちゃうかもね♪」

 

「……ルン先輩……さっきはありがとうございました……」

 

男嫌いの後輩……いや……受付嬢ちゃんが、ルン先輩に頭を下げる。

 

「……当たり前のことをしたまでよ……アイツにイラっと来たし、受付嬢を舐めたもの……それより大丈夫?」

 

「……はい、大丈夫です……」

 

そう言う受付嬢ちゃんは、少し震えていた。

 

「……そう……もんちゃんは、強く言えないから相手がいい気になってしまうものね……」

 

「……もんちゃんじゃ、無いですもん!」

 

受付嬢ちゃんは、怒る。

 

「……分かったわよ……ちょっとからかっただけじゃない……じゃあ仕事の続きをするわよ♪」

 

( もう大丈夫そうね……全く世話の焼ける後輩だわ♪)

 

「……はい!」

 

受付嬢ちゃんは、自分の受付に戻る。

 

「……私も再開しますか……ん? ……あっ!

 

……ブレイクが来た……もんちゃん……大変ね」

 

ルン先輩は、やれやれと仕事に戻った。

 

 

 

 

 

「……これで僕は、B級冒険者だ……」

 

ドサッ!

 

ブレイクは、受付嬢ちゃんの受付に行き一体のモンスターの死体を置いた。

 

「……ソロッタの死骸……」

 

受付嬢ちゃんは、置かれた死体を見て呟く。

 

「……B級に昇格する討伐対処のソロッタだ……余裕で倒したよ……新しく買ったこの剣がようやく腕に馴染んでね……」

 

ブレイクは、イケメンスマイルを受付嬢ちゃんに向けながら言う。

 

「……おめでとうございます……」

 

「……ありがとう♪ 最初は君に言ってもらいたかったんだ」

 

ブレイクは、嬉しそうに言う。

 

「……では、ステータスカードを……」

 

受付嬢ちゃんは、机の下から書類などを出しながら言う。

 

「……スタスオン……今日は素晴らしい日だ……

 

……僕と結んだ約束の返事を聞かせてもらおうか……」

 

ブレイクは、笑顔から真剣な表情に変わる。

 

「……そ、それは……」

 

受付嬢ちゃんは、書類を置く動作のまま固まる。

 

「……僕は、この約束の為にと言っていい……自分を鍛え上げた……B級……それは大変だったよ……C級までは、楽だったがB級は違う……今日まで1年くらいかかった……君と約束してから1年だ」

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、静かに話を聞く。

 

「……僕は貴族だ……今は冒険者だとしても貴族だ……タプは沢山ある……君と孤児達も養っていける……教会だって綺麗にしてやれる力が僕にはある……」

 

「…………」

 

「……僕の妻になってさえくれれば……」

 

ブレイクは、真剣な表情で受付嬢ちゃんの手を握り、言った。

 

「………ッ!?」

 

受付嬢ちゃんは、咄嗟に手を引っ込めようとするがブレイクは、離さなかった。

 

「……返事を聞かせてくれないかな? 妻になってくれれば不自由な生活はさせない! 君が今まで孤児達の為に費やして来た時間を自分のために使って欲しいんだ!」

 

「……ブレイクさん……」

 

受付嬢ちゃんは、下を向いてしまう。

 

「……それとも他に気になってる奴でも居るのか?

 

……あのデブ……」

 

「……えっ!?」

 

受付嬢ちゃんは、顔を勢いよく上げる。

 

「…………そうか……」

 

ブレイクは、握っていた手を離し受付嬢ちゃんにステータスカードを渡す。

 

「……更新してもらおうか」

 

「……はい……では……ブレイクさんは今からB級冒険者になりました。

 

……更新終わりました……どうぞ」

 

「……ありがとう……その死体はいらないから捨てるなりしてくれていい……

 

……では……また来るよ……」

 

ブレイクは、受付嬢ちゃんに背を向けて歩き始める。

 

「……ブレイクさん!」

 

受付嬢ちゃんは、しっかりとした大きな声で言う。

 

「…………」

 

ブレイクが振り返る。

 

「…………もう少し待ってください……必ず……必ず答えるので……」

 

「……いい返事を待っているよ」

 

ブレイクは、今度こそ振り返らずギルドを出て行った。

 

「…………」

 

受付嬢ちゃんは、自分の手を見る。

 

「……どうしたら良いのかな……」

 

受付嬢ちゃんは、教会にいる家族達の顔を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………君は僕のものだ……だが……邪魔者を先に排除しなくてはいけない……

 

 

……醜いオーク狩りだ……」

 

ブレイクは、その場にはいない醜いオークを睨むように言った。

 

空の天気が曇り始めていた。

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