※この作品はR-18です。

カーんスト99なら強いよね?   作:チョロォーク

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幽霊…なんて

「……あ、ありえないわよ……そんなの……」

 

俺の目の前にある女性が驚いた表情で一歩下がる。

 

「…………」

 

何故ここにこの人は居るんだ? それに……凄くびっくりしてる……俺もすごいびっくりなんだけども……

 

「……だって……あなたさっきまで見えてなかったはずよ……」

 

「……さっき……ですか?」

 

……いつの事だろうか……この屋敷には、俺とシロフワさんだけなはずだ……よな?

 

「…………」

 

「…………」

 

前にいる女性は黙ってしまった……ど、どうしよう……なんか盾を離せって言われたから……それで怒ってるのかな?

 

「……ごめんなさい……この盾……貴方のですか?」

 

俺は盾を拾い、彼女が取れるように差し出す……重っ!

 

「……え、ええ……私のよ……」

 

女性は、盾を受け取るのではなく、浮かせて自分のところに持っていく。

 

「……えっ!?」

 

物が浮いた! ……てことはさっきのは……幽霊じゃなくてこの人がやったのか?

 

「……さっきはごめんなさい……侵入者だと思って攻撃してしまったの……私……浮遊魔法得意だから……」

 

(これ以上脅かすのは……可哀想だし……でも……いきなり私が見えるようになるなんて……)

 

「……そ、そうなんですか……」

 

……な、なんだぁ……やっぱり幽霊じゃなかったか……よかった……凄く怖かった……

 

「……大丈夫? 結構強くしちゃったんだけど……」

 

(今は、認めるしかないか……なにかしら起こって、私が見えるようになった……本当に何が……」

 

「……だ、大丈夫です……」

 

……正直……めっちゃくちゃ痛い……背中と落ちた時にお尻ぶつけて……でも……言うほどでもないかな……

 

シロフワさんが、俺の頭に乗っかる。

 

「……ちょっと話したい事があるから、廊下に来て……」

 

女性は、盾を浮遊させながら部屋の外にでた。

 

「……は、はい」

 

……こう言う時って、手を出して立たせてくれると思うんだけど……俺じゃやだよな……

 

……だって俺だぜ?……

 

ケイゴは、痛い体でゆっくり立ち上がり、女性のところに行く。

 

「…………」

 

「…………」

 

女性は、すっかり曇ってしまった外を見ていた。……窓……汚れてるのに……拭けばいいと思うんだが……

 

「……あなたは、ここに何しに来たの?」

 

(私を消しに来たはず……でも……それにしては、掃除ばかりしている……)

 

「……え、えっと……掃除ですよ……ローゼさんから依頼されたクエストです……この屋敷を綺麗にして欲しいって……」

 

……この人は……何者なんだ? ここは誰も住んでいないはずなのに……

 

「……それは……屋敷の中を綺麗する掃除? それとも……この屋敷に何か出るからそれを掃除する方?」

 

「…………や、屋敷を綺麗にする方の掃除ですよ……」

 

……え? 何その聞き方……ほ、本当に何か出るの? ゆ、幽霊とか……

 

「……変な聞き方して悪かったわ……大丈夫よ? 私ここに勝手に住まわせてもらってるけど、一度もそんなの出た事ないもの」

 

(ふ〜ん……コイツは、私を消しに来た訳じゃない……と言うか聞かされてないみたいで、ただ掃除していたと……

その出る幽霊が私だと言うのは、言わない方が良さそうね……)

 

「……そ、そうですよね……幽霊はいるはず無いですよね……」

 

「……当たり前じゃない……私にとっては、あなたの方が怖いけど?……シロフワさん」

 

「……っ! き、聞いてたんですか……」

 

「……聞きたくなくても……あなた、大声で喋ったり笑ったりしてたから、嫌でも聞こえてくるわ……」

 

「…………」

 

……う……マジかよ……あれ聞かれてたのかよ……恥ずいんだけど……絶対、この人に俺はヤバイ奴認定されたよな……はぁ……

 

「……それより……そろそろ帰ったら? 今日は暗くなってしまったし……人生かけてるんでしょ? あなた今、ちゃんとした精神状態じゃないから……」

 

「……え…….なぜ聞こえたんですかそれ……あまり大きな声出していった訳じゃないのに……」

 

……確か……シロフワさんに聞こえるほどの声で言ったはずだ……頭のすぐ上だし……

 

「……え? あ……そ、それはね……」

 

(近くで見ていたなんて言えな……その手があったわね……)

 

「……私……盾士なのよ……このスキルって知ってるかしら……

 

<| シークレッルド |>……どう?」

 

盾士ちゃんが、シークレッルドを唱えた瞬間……消えた。

 

「……えっ! み、見えなくなりました!」

 

うおー!! な、なんだこれは! すげー!

 

「……今どこにいるかわかるかしら?」

 

「……ここら辺ですか?」

 

俺は、見えないが声のするら辺を指差す。

 

「……そうよそこら辺にいるわ」

 

「…………」

 

でも……これだと音が出てしまったらわかるんじゃ……

 

「……分かった? これで隠れていたの……そして……消えるだけだと音でわかるでしょ?

 

だから……<| サイレルド |>」

 

「……ん?」

 

盾士ちゃんは、姿をあらわすとサイレルドと唱えるが……何か変わったのか?

 

すると、盾士ちゃんは、掃除用具から掃除機を取り出す。

 

「…………」

 

すると掃除機のスイッチ部分を俺に見えるように押す。

 

「…………えっ!! 音が……聞こえない!」

 

掃除機を使ってだからわかる……結構な音がしていた……

 

盾士ちゃんは、掃除機が動いてることがわかるようにホコリを吸うところを見せて……

 

……微笑む……ね? と言うかのように首を傾げて。

 

「……この、サイレルドとシークレッルドを使っていたの……だからあなたがいっていたことがわかった訳なのよ……」

 

「……なるほど……そのスキル凄いですね……」

 

「…………凄い……か……」

 

盾士ちゃんは、少し悲しそうな顔でそう言った。

 

「……でも……ここに住んでるって……良いんですか?」

 

……ローゼさんは住んでないと言っていたと言うことは……この人は……不法侵入していて勝手に住んでいると言うこと……ローゼさんに言うことも考えなきゃ行けない……

 

「……私……ここに逃げて来たの……ここにしか居場所が無いの……」

 

盾士ちゃんは、肩を抱くようにしてプルプルと震える。

 

「……えっ……そ、それは……」

 

「……ごめんなさい……これ以上聞かないで……思い出したく……ないの……」

 

「…………」

 

ケイゴは、彼女の服装を見る……ボロボロだった。ズボンはダメージジーンズのようにボロボロで、綺麗な足が穴からのぞいていた……上半身もおへそが見えるか見えないかくらいまでそこから千切れるような服装だった。

 

「……お、お願い……私を追い出さないで……ここにしか……」

 

盾士ちゃんは、顔を上げずそのまま言う。

 

「……分かりました」

 

……彼女が例え不法侵入者だとしても……俺には追い出すことはできない……いや……

 

……したくない……そう思った。

 

「……えっ……本当に?」

 

盾士ちゃんは、辛そうな顔でこちらをみる。

 

「……ローゼさんには……内緒にします……だから……安心してください……」

 

……彼女が、どうしてここに逃げ込んで来たのかは……知らない……だけど……これ以上辛い思いをして欲しくない……俺が黙ってれば良いだけのこと……

 

「……ありがとう……」

 

盾士ちゃんは、安堵するかのように微笑む。

 

「……すみません……掃除はクエストで受けているので……また来ることになりますが……次は、隠れないでいてもらって良いですか? そ、そのびっくりしてしまうので……」

 

「……え、ええ……明日来るのよね……玄関で待ってるわ……」

 

盾士ちゃんは、さっきのことが無かったかのように明るく言う……この人は、強い人だな……気を使って元気に振舞ってくれるなんて……

 

「……はい……では……今日は帰ります……」

 

「……玄関まで送るわ……」

 

「……ありがとうございます……」

 

俺と盾士ちゃんは、盾士ちゃんを先頭にして、少し離れた位置から俺が付いていく形で廊下を歩く……あまり近づくと嫌だろうしな……

 

「……ねぇ……そのヒカルン……のことをシロフワさんって呼ぶのはどうして?」

 

「……えっ! あ、あはは……」

 

まだ引っ張るんだ……俺の恥ずかしいところを……

 

「……それは、白くて……フワフワとしているので……」

 

「……ふ〜ん……なんか可愛いわね……その名前……」

 

「……そ、そうですかね……」

 

盾士ちゃんは、シロフワさんを見ながらとても可愛い笑顔を作った。

 

 

 

 

「……さようなら……」

 

「……さようなら……」

 

俺は、盾士ちゃんに見送られながら屋敷の扉を出た。

 

 

 

 

 

 

「……ちょっと辛そうに見せたら……あはは♪ 本当チョロいわねーアイツ♪」

 

盾士ちゃんは、すうっと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

「……やっぱ暗いなぁ……雨降るだろこれ……」

 

ケイゴは、屋敷の門に来ていた。

 

「……これをつけて……ニャンっと……」

 

ケイゴは、ローゼさんに渡されたバンドを手につけて招き猫の腕をしてクイっとやった。

 

「……お疲れ様です……ケイゴさん……」

 

黒スーツの執事さんが、シュタッ! と現れた。

 

「 ……お疲れ様です……その……今日はこれで終わりにします……」

 

「……今日は……という事は、まだ掃除できてないという事ですね?」

 

「……はい……また明日来ます……」

 

「分かりました……では……掃除を始めてから4時間という事で、32純銅タプになります……どうぞ」

 

黒スーツの執事さんが、懐から袋を取り出し、32枚の純銅タプを出し俺に渡す。

 

「……ありがとうございます……」

 

「……では……お気をつけてお帰りください」

 

黒執事さんは、シュッ! と帰っていった。

 

「……はえ〜……ふ〜盾士ちゃんの事はバレなくてよかったぜ……」

 

ケイゴは、32枚のタプを見ながら言う。

 

「……32純銅タプ……これは3200銅タプって事だろうなぁ……こんな額貰えたのに……あまり喜べない……はぁ……」

 

ケイゴは、32純銅タプをバックに大切に入れると、いつもの場所に向かった。

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