「なんて美しいの……」
できたからつけてみてほしいと呼び出されたのは翌日で、小さな小箱を開いて顔を出したのは私に縁の深い宝石。
深い青緑色に輝くエメラルドに似た輝き。けれどそれは太陽の元での輝き。
窓からの光から遠ざけ、ロウソクの明かりに近づけるとその色を赤紫色に変えてゆく。
まるで魔法にでもかかったかのような二面性のある魅惑的な美しさ。
白銀に輝くプラチナとその意匠がどこまでも宝石の美しさを際立たせている。
アレキサンドライト。
私の、晶人としての元となる宝石は私に訴えかけてくる。
のめり込みそうな、魅惑。吸い寄せられるように手に取り、指に嵌めていた。
私の愛する他の人間が作った宝石たち。
晶人は宝石の力を借りて魔法を行使する。思いが、宿った魔力がその力の源。
けれどこれは今まで感じたものを遥かに超えていた。
今までも宝石たちは小さく私に囁いてきた。
応援してくれて、協力してくれて、ともに歩んできた。
けれど、愛を込められたこの宝石からはとろりと甘い愛の言葉を何度も私に囁いてくる。
ああ、甘い言葉にとろけてしまいそう。
宝石は造り手のユウを愛していた。そして、込められた思いはテリスへの愛だった。
どこまでも深い愛欲は所持者の心にとろりと染み込み始めた。
『愛してる』『ユウの近くにいたい』『愛している』『もっともっと見ていたい』『愛している』
所持者が宝石に囚われ、心を病み不幸な結末になるいわくつきの宝石のように、テリスにユウへの愛を囁いていた。
テリスは思いに浸るとともに、これほどの愛を抱けるこの子を羨ましいと思い始めていた。
なんて素敵な思いを込めて作られたんでしょう。羨ましいわ。
そんな思いが短期間のうちに積み重なっていく。
造り手の本人にしてみれば、あくまで込めたのは思いのほんの一部だろう。
なにせ『愛情たっぷり込めてほしい』なんて言いつつも、彼がテリスに込められる思いなんて全部から比べればほんの少しに違いないのだから。
だからだろう。自然と口が開く。
「ねえ、とっても素敵な指輪をありがとう。お礼をしなきゃいけないわね」
「お礼? いいよ。俺は向こうに戻っちゃうし、こっちをしっかりと守ってもらわなきゃだしね」
「そんなのダメよ。これだけのものを作ってもらったんだもの」
ああ、つれない。なんてつれないのだろうか。これほどこの身を愛情で炙っているというのに、本人にとっては何でもない思いなのだろうか。
この思いを胸に抱いて秘めることなどできるだろうか。出来はしない。
この愛は、気持ちは指輪のものだったが、今はテリスのものでもある。
気づけば彼を抱きしめ、奪うように唇を押し付ける。
ああ、お礼に体を差し出すような淫売だと思われてしまってはいないだろうか。
そう思われてしまっても構わない。宝石も私も彼と触れ合えることにこんなに喜んでいるのだから。
「ねえ、あんなに素晴らしいものもらって私こんなに喜んでいるのよ」
彼の手を取り、そっと服の内側に導く。下着越しに手が秘所に触れるだけでビクビクと体が快楽に震える。
晶人となり人と同じ欲を持つようになったけれど、発情ってこういうことなのかしら。
ふれあいたい、近づきたい。
彼の左手を握って秘部を撫でさせるとそれだけで人生で初めての衝撃を受ける。
「あっ♥ くうっ……ん♥」
脳天が真っ白になるが、それでも思いは止まらない。
停止しては体を擦り付け、心がそのたびに飛んでしまい真っ白になる。
ずうっと抱きしめてこうしていたいのに、とても不便だわ。
どうしてこんなふうになってるのかしら。
唇がふれあい、彼の手が私に触れるだけでいっぱいいっぱいなのに、彼の舌がにゅるりと口内に入ってくる。
飛ぶ直前まで気持ちが高まりつつも、柔らかい肉同士の接触はとても心地よい。
自然と目をつむりその感触に浸ってしまう。
すると、今まで動かしていた手が止まってしまい、そのことを咎めるように彼の指がクチュクチュと下着の上からかき乱し──
「あああアッンっ!! ♥」
とても大きな声を出してまた気をやってしまう。
なんだか自分がうまくないのではないかと不安になってくる。
「やり方わからないの?」
「私、晶人だから、人間の交わり方なんてわからないわ……」
今まで興味もなかった。
まれに、そう、思えばラルクと距離が近かった時なんかに夜もやもやする気持ちが湧いてきて、なんとなく秘所を触れていればそのうち解消されるということはわかっていた。
けれど、今はその何倍もすごいのに、いつまで立ってもこの思いは解消されないままだ。
「ふうん。じゃあ、練習だね」
「いいえ、本番だわ」
彼が下着を下ろすと跳ねるように大きな棒が顔をのぞかせた。先端がテラテラと濡れており、ムワリとどこか胸が高鳴る香りがする。赤黒いそれは太い血管も浮いており、まだ可愛らしさの残る少年の彼には似合ってないような、この今の気持にはふさわしいような不思議な感じだった。
なるほど。交配のためにはこれを私の中に入れないといけないのだった。
だからいつまでもこの気持が収まらなかったに違いない。
宝石に導かれた愛欲だったが、これほどの思いに触れられるのなら子供を生んでみるのもいいだろう。
国の仲間もキズナやグラス、それにラルクもいる。みんな助けになってくれるはず。
ユウへの思いなのだから、練習で済まされては困る。
そっと肉棒に触れるとドクドクと熱く力強い血の流れを感じる。
……こんなに太い必要はあるのだろうか? このキノコみたいなエラはなんのためにあるのか。
人の体は少し不思議だ。
下着がユウの手でゆっくり降ろされ、髪と同じ水色の毛に覆われた秘所が彼の目にさらされる。
じっと見つめられると普通の人と違うのかしらと不安になるけれど、息が当たるだけで気持ちよくなってしまう。
足を開かされ、秘所にゆっくりと押し当てると、ダラダラと流れ出し続けている愛液にぬるんと滑り込むように肉棒は体内に入り込んでいく。
「ああっ♥」
押し開けられていく感覚が、なるほど、この人のモノにされているような奇妙な満足感を与えてくれる。
そして、引き抜かれてゆくときにカサの部分がゴリゴリと膣内をえぐり、より深い快感を与えるとともに、どこか遠ざかるモノへの寂しさが生まれ……再び押し込まれることで満足へと変わっていく。
ぬちゅぬちゅと粘度の高い液体とパンパンと体同士がぶつかり合う音が辺りに響き、そのたびに深い快感に脳が真っ白になる。
「しろっ、白くなるう……♥ 」
「イクって言うんだ」
「い、イクっ、イクっ♥ また、イク、イクっ!!」
彼から直接与えられる愛情に指輪も私も満たされ、溢れてゆくのを感じた。
アレキサンドライトは色の変わる宝石。
穏やかで深い緑から、情熱のような赤い色へ。
**
「テリス、機嫌いいな」
「え? ええ。これ、素敵でしょ? とっても気に入っちゃったわ」
ラルクはそれ以外何も見えないとばかりに愛おしそうに指輪を見つめるテリスに何も言えなくなってしまった。
腕の良いアクセサリーに夢中になってしまうのはそれこそ何度も見ている。
ナオフミの作ったものなんかはそれこそラルクの知る最大のものだった。
ただ、なんと言えばいいのだろうか。今までのような喜びの大小ではなく今回は深さの違いのようなものを感じていた。
そのせいで自分には割って入れないような何かができてしまったような……。
いや、きっと気のせいだろう。
またテリスのコレクションが一つ増えた。ただそれだけのこと。
ただ、ラルクは今の彼女を見ると思わずにはいられない。
「これだけできれば俺もテリスを……」
その独り言は誰にも伝わらず風に消えていった。
すみません、投稿したつもりで忘れてました。
ゲーム盾の勇者リライズでは道具屋で親父さんが武器の鋳造をするのですが、
「親父さんすご~い」とか「フィーロの馬車も作って、作ってー♪」とか可愛らしいコメントが多い中、
ラルク「これだけできれば俺もテリスを……」
しかもそしたらデートに誘えるなー♪とかの明るい声ではなく、胸の奥からくる悲しい「これだけできれば俺もテリスを……」なので、「親父さんみたいな人と結婚できる人は幸せだと思わない、ラルク!」くらいは言われている衝撃感でした。正直NTR後だべ~ってなりました。
聞いていただければきっと皆さんも「あ、取られてる」って思うはず(笑)