※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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116 鞭の勇者の妹

 

大国であるフォーブレイに王女として生まれたナナ。

 

この世で最上級の生活をしていたが、その心は自由とは程遠いところにあった。

まず、親が糞である。

どのくらいクズかといえば、彼に嫁ぐことが女貴族の処刑法になる、といえば伝わるだろうか。

大国の王相手にこれである。

 

異世界の物語らしい、アラビアンナイトに出てくる、一夜をともにした相手をその翌日に必ず首を飛ばすシャフリヤール王もかくやという感じである。

 

見た目もかなり醜悪な外見で「うごめく肉塊」「豚の化け物」と言われており、オークと比べてすらオークのほうが文化的で生理的にOKだと言える相手である。

政治的には優秀らしい点が更に同しようもない。

長く続いた勇者の血を濃くしていくべく営まれたこの国の象徴らしい狂った王である。

 

当然のことながら、女を愛せない王であるからして、親として子供への愛などかけらもない。

とはいえ、全員が死ぬかといえば誰もが殺されているわけではなく、極稀に死なずに何度も床をともにする女はおり、そういったものが子供を生んでいる。

 

父の弟であるメルロマルク王は男児一人の女児二人であったが、何百何千と女を抱き殺している父の子供はそれなりにいるのだ。とはいえ、こんなクズ王に娘を差し出すような親族も、こんな王に捧げられるような母もクズであるからして、ナナに向けられる愛などあるわけなく、ナナにとって家族とは兄であるタクトのみである。

 

タクトは素晴らしい人間だった。

人を愛せる人だ。

 

初めてあったナナの頭を優しくなでてくれたときからナナは兄を愛している。

父のように女を殺したりはしない。無節操に女に手を出す男ということもできたが、すべての人間に愛を注げる枯れぬ愛の持ち主なのだ。

女もまた不幸な顔をしておらず幸せそうに笑うのだから、兄は正しい人だった。

 

そんな兄のことをナナは愛している。

たが、兄は家族である。

 

兄に連れられ、城下町で兄が宿屋の兄妹と出会い、二人が愛し合っていることを知って兄は「兄弟で愛し合っては行けない」と二人を諭した。妹はタクトに愛され兄への愛は勘違いであると気づき、真実の愛に目覚めたとタクトを抱きしめた。

 

兄弟で愛し合ってはいけない理屈を色々と説明してくれていたが、あいにくナナにはよくわからなかった。

わかったのは兄妹で愛し合ってはいけないという兄の言葉だけだ。

生理が来て子供を埋めるようになったら兄に自分も愛してもらおうと思っていたが、本人から拒絶の言葉を聞いてナナはショックを受けた。

 

(どうしよう……)

 

人生の歩む道が消えてしまったようなショックだった。

兄を愛するがゆえに、兄の言うことは絶対だった。

その言葉を破ってまで行動に移ることができなかった。

行ったのが父親である豚王であれば気にせず翌日に兄に抱かれに言っていただろうが。

 

ちょうど来た遅めの初経にウンウンと唸っていたのもあり、どうにもいい方向に気持ちが変わらなかった。

 

「大丈夫?」

 

そんな時声をかけてくれたのが彼だった。

自分と歳の近い少年。レベルを上げただけとはいえ、勇者の手ほどきを受けている自分からみてもそれなりに強そうに感じる。見ない顔だった。頭の中で誰だろうかと思い出そうとしても対象になる人間はいない。

 

男なので兄が育てた人間ではないだろう。

騎士団の人間の子供だろうか。

勇者の血が濃いフォーブレイの騎士団の関係者だと思えばその輝きも納得がいく。

 

兄に似た色の金髪に今より幼かった頃の兄を少しだけ感じた。

 

きっと彼以外が今の自分に声をかけてきたのなら無礼者といって鞭で叩くくらいしただろう。

だが、なんとなく印象がよい。どこか惹かれるものを感じ、そんな気にならなかった。

笑顔が可愛く感じたからだろうか。男にそんなことを思うなど初めてだ。

 

「お腹が、痛いのよ。あっち行って」

 

けれども彼は優しく手を取る。暖かな手のひらはなぜか安心感をくれる。

彼の手のひらがお腹を優しく撫でるとそれだけで感じていた不快感は消えてしまった。

 

「どう?」

 

ニコリと笑う彼の頬を私は叩いた。

王女のお腹に触れるなど何を考えているのか。

 

「処刑しないであげるわっ!」

 

元気になった体でズシズシとその場を去る。

触られてしまった。

あんな見ず知らずの男に。

悔しい。自分は兄のものなのに。兄のものになるのに。

 

でも、でも。

 

「暖かかった、かも……」

 

胸の奥がジンジンとうずく。温かいような不思議な満足感が心を安心させた。

日々悩んでいてクマができるくらいだったが、その翌日から以前以上に元気になる自分がいた。

 





普通に考えて、国王に女を捧げることが貴族女性の名誉ある処刑法になるとかいう時点でヤバすぎ国家のフォーブレイにおいて、よくいるヤリチン転生者タクトは割とノーマルなタイプかも知れない。

美人に手を出す程度であとは知識チートに励んでますし。
ちょっと成果出てないですけど。

あの豚王の子供にしてはすごいまともでやる気のある素晴らしい王子だ。
勇者だしさすがだな。ってなるのも仕方がない気がするブラックフォーブレイ国。

タクトのお母さん情報はなかったと思いますが、二人子供を埋めてる時点で豚王様には超気に要られたんでしょうかねー? 母親は違うのかなあ?

フィーロとの子供、フォーブレイに

  • 連れて行く
  • 連れて行かない(ガエリオンが育てる)
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