※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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119 タクト一行と

 

「お前がアキラか……なんだ、だだのがきじゃん」

 

うーんと顎に手を当てながらこちらを品定めしているのはこの国の王子である。

タクト=アルサホルン=フォブレイ。

少し長めの癖なしの金髪にバンダナを巻き、黒い革ジャケット・ジーパン、レザーブーツといった、

米国ドラマによくいそうなアウトローバイカーめいたいでたちである。

 

どこかの格闘ゲームにも似たようなのがいた気がするな、という感じである……が、いるのが異世界で相手が王子となると違和感がになめない。海外の軍隊上がりの高校生とか、ホワイトハウスに務める忍者といった不似合いさである。

ここがアメリカのストリートなら見逃していたのかもしれないが。

 

城務めの雑用の見習いとして各所で仕事をしながら城内を忙しく走り回っていたら呼び出しを受けて、行ってみればこれである。城の裏庭にはタクトを含め数人の女性たちがこちらを待っていた。

 

「タクト様と比べれば天と地ですわね」

「どこかの騎士の子供か? タクトと比べれば天地だが、マアマアなんじゃないか? 我のタクトほどではないが」

「あら、あなたあんなのが好みなの?」

「ふんっ、妹相手には悪くないという話だろうが。男と見れば品定めを始める女は違うな」

「なんですっ!?」

 

いきなりボルテージが上がりだす彼女たち。

タクトのパーティだ。

誰も彼もが数百のレベルがありそうな力があり、一人で国家を相手にできそうなほどである。

それこそ、全員集まればこの世界に来たばかりの俺であれば十分相手ができそうなほどに。

 

ただ、この世界の成長は強化法の多重実施で簡単に狂うので、今ならリーシア一人でも彼女たちを蹴散らしてしまうだろう。だが、このレベルの戦力が各国で暴れ出せば被害は尋常なものではすまず、鞭の勇者でありながらこの波の状況で他の勇者から武器を奪っているというのだから、倒すしかないという判断には納得がいくところだ。

 

しかし、こうして呼び出された理由はなんだろうか。

まだその正体がわかったというわけではないようだからまだまだなんとかなりそうだが……。

 

「俺はタクト。ナナの兄っていえばわかる?」

「は、はい。タクト様」

「そんなに緊張するなよ。ただ……妹と仲がいいって聞いてさ。兄としてはだから顔を見ておこうってわけ。ま、妹とはいえ俺の女に近づく男なわけだしさー?」

 

肩に手を置かれ、そのまま力を入れられる。

痛みを覚えるほどではないが、それなりの強さではあるので、ちょっとだけいたがるようなふりをする。

 

「妹の相手にまでこんなに心配してあげるなんてさすがタクト様です」

 

どこが琴線に触れたのかよくわからないが、アイドル並みに何をしても褒められているタクトは表情を緩めつつも手の力は抜かなかった。

 

「まあ、俺の妹なんだ。この国で……しかもこんなガキになにかできるわけないか」

「タクト様とは男としての格が違いますもの」

 

本当に様子見だったらしく、彼らは去っていく。

ナナはタクトに深い親愛を抱いていたのが見て取れたが、それと比べるとだいぶ温度差を感じる。

【妹とはいえ女に近づく男】という言葉にはどこか気持ち悪さを感じる。

 

「女ねえ……」

 

女狂いであった日本にいたときでも家族である母親にはそんな気にならなかったので、気になってしまう。

ナナはどうなのだろうか。あの様子であれば兄にそう見られていたとして喜ぶのかもしれない。

この国の勇者の血を尊ぶ感覚はどこか昔の世界で勇者をやっていた時代を思い出させる。

タクトの周りの女がどこか残虐であることにも精神的な拒否感があった。

 

「やなくに……」

 

勇者の血を尊ぶことで栄えた国なのだ。

強いこと、勇者の血が濃いことを崇めることはこの国の国民性なのだろう。

 

「タクトは勇者であることを利用して女を抱いている。けど、自国での悪さはその程度か」

 

それで咎めるならまずあの豚王を咎めなければいけない。

女性に意欲的なのは王族としてむしろ好ましいこと。

しかも市政の女にもチャンスがあるとむしろ評判がいいくらいである。

 

内側では不満も膨らんでいるが、爆発するほどでもない。

王子なのだから誘われればラッキーだと思っている分だけ、セックスレスの夫婦よりマシかも知れないくらいだ。

 

大きくため息をはく。

 

女を通してのタクト像はお気に入り以外は平均三回ほど抱いたらお手つきが極端に減るらしい。

そのせいか放おって置かれた女は簡単に股を開いたし、抱かれていいのかと聞けばもしタクト様に呼ばれたら行くわよ? としれっと答えている。

 

関係は持てているが、真に落とせているとは言い難い。

勇者であるタクト王子から女を奪うのであれば……。

 

「勇者であることを明かす必要がある……か」

 

それも【より強い勇者】として力を示す必要がある。

正体を明かすタイミングはじっくり練らないといけない。

 

「はあ」

 

人間同士殺し合う戦争に比べればよっぽどマシな行いであるが、段々と後悔し始めている。

心を通わせている相手のなんと貴重なことか。

 

ユウは初めて自慰がしたくなった。

 

 




タクトはギルティ○アのアク○ルっぽいなって思います。
アメリカンスタンダードな感じなんでしょうかw
向こうは鎌ですけどね。
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