抑え込んだ手を離したあとのレールディアはそれこそ
テラテラと濡れるような潤んだ瞳には狂信的な光を帯びていて、ユウは一歩退いてしまった。
何でもしますとねっとりと言われて一瞬ラフタリアやメルさんに会いたくなったが、仕事を終えずに帰れない。
サクラを守るためのブキチレレイプで場合によってはそのまま逃亡一択だったかもしれないが、隷属してくれるのであればそれを生かさない手は……ない。
よよしよしと頭を撫でるとそれはもう犬のようにブンブンしっぽを振って大喜びである。
メイドのエリーでは得られなかった知見……タクトの周りにはグリフォン娘などがいるが誰だったら本能に流されそうで、誰だったらタクトにつきそうかを判断してもらったのである。
「なに。予想が外れたら我が首を跳ねてやろう」
あんまりにも喜々としていうのでドン引きである。
仲間としての情はないのかと聞けば別に仲間じゃないしとのこと。
もう所属する群れが違うからと言っていたがあまりにもアニマルワールドである。
グリフォン族の王女アシェル、キツネの亜人のトゥリナ、サメの亜人のシャテが押し倒されて寝返った。
奪っておいてあれだが、元カレを悪しきざまに罵られると冷めるものがある。
彼女たちは快楽に皆、うっとりと酔っていたが、国民性と言うものだろうか。
シルトフリーデンの代表、アオタツ種族長のトカゲの亜人であるネリシェン。
ホムンクルス研究者。
そしてメイドのエリー。
この三人はタクトへ強さ以外のものを期待してつながっており、断ち切ることは難しそうである。
権力のつながり、非人道的な研究を認めてくれるから、そんな実利を超えた、幼馴染で愛しているからと言う答えは強かった。
「くっ、だれが、あなたっんほおおおお♥ ま、やめっ♥」
「やめるの? それって俺に従うってこと?」
「だれっっ♥ がああぁっ、やめてええ♥ く、クズうう……っ! たすっったすけて、タクトぉ……」
腰をパンパンと叩きつけるたびに出されたばかりの精液がどぷどぷと逆流してくる。
だが、その何十倍も愛液が流れ続けており、欠損を回復できる……すなわち体内の栄養なども戻る回復魔法を使わなければとっくに体中の水分をなくして死んでいたかもしれない。
バケツを引っくり返したように濡れているベッドで、喉をかすれさせながら彼女は喘ぎ続けている。
彼女の休日を狙っての"説得"だったが一日かけてもかなわないようだった。
どうも彼女は俺がハーレムを減らしてくれる程度の相手ではなく、タクトのパーティーすら乗っ取りだしていることにようやく気づき、協力者ではなく敵であると認識したらしい。
人知れず暗殺するために時間を作りーーそれを利用されているところというわけだ。
できればと説得を試みたが、エリーは完成が殺人鬼的なところのあるとち狂った女であったが、その愛情は確かなものらしい。それが実感できたからこそ、崩せることはないだろうと諦めた。
ズルリとイチモツを抜くとポッカリと大きく穴が開いたまま、ヒクヒクと動くだけで閉じていかない。
一日かけて仕込んだせいでだいぶ広げてしまったようだ。
もうタクトのサイズには合わないかもしれない。
「こうなると不審に思われる前に動くしかないな……」
この国の勇者教ともつながりはできている。
幻覚魔法でエリーの顔と髪色を変える。
これで彼女はエリーではない。
勇者の幼馴染であるのなら問題になるが、勇者が頼むのであれば意識のない女性のレベルダウンと奴隷化の処理をしてくれてしまうのがこの国である。
「イサム……」
背中からかけられた声に振り返る。
そこにいた一人の少女の表情を見てユウは期待するように名前を呼んだ。
「ナナ」
**
ナナは王女である。
それも、今一番力を持った王子であるタクト王子の妹である。
勇者であり、革新的な発明家の彼のおかげでナナの自由に動かせる金と権力はそこそこのものである。
そして、彼女は一人の少年に恋慕の情を抱いていた。
彼女は恋する少年のことが知りたくなり……影を使うことにした。
王族直属の諜報員である。
とはいえ、王ならともかく王女が使える程度の見習いに近いところのある存在だったが、それでも仕事をしっかりした。
彼らに伝わる勇者などの魔力に敏感な人間に察知されないような、技は凄まじく、メイドのエリーの動きは察知できたユウが探られていることに気づかないレベルだった。
そうして彼女は知ったのだ。
それどころかもっともっと知りたいと思った。
「すごいわ……」
「うわ、エゲツナイでごじゃる」
ユウは女を抱くとき自分の部屋もしくは相手の部屋でいたすことが多かったが、常にではなく、エリーが都合をつけてくれた空き部屋に触れ込むことも多かった。
影は空きを操作して、指定の部屋を使わせるようにした。
なんのためかといえば、その部屋は覗けるのだ。
豚王の変態趣味の一環である、性行為を見せつけたり覗き見たりするのに使えたりするひと部屋である。
恋する相手が不特定多数と情事に耽っていると知ってナナはまず最初に見てみたいと思った。
今その希望を叶えているのである。
付き合ってくれた影はナナより年上だが、まだ成人して僅かな仕事を仕込まれている最中の影である。
経験がないわけではなかったが、知らない世界があるのだと知った。
隣にいるナナ王女といえば女を落としている姿を潤んだ瞳を向けている。
影でありながらどこか外の世界には王子様との恋のようなきれいな愛があるのだろうな、自分には関係ないけどと思っていただけに目の前の勇者の行いに凹んでいたのにこれである。
フォーブレイの王族らしいとも言えるだろうか。
「で、どうするんでごじゃる?」
「あなた、お父様……豚王派なんでしょう?」
「え……」
「お兄様は王座に座る気だったものね。王の予期せぬタイミングで」
タクト王子によるクーデター計画はある程度補足されていた。
問題は勇者とその取り巻きの力は豚王では止められないレベルであるということだ。
そして王子の身でありながら一定の成果をだしており、勇者の血を広めることにも精力的なタクト王子は評判がいいのだ。
いっそ抵抗なしに明け渡したほうが国のためになるレベルで抵抗は無駄である。
そんな中どうにか助けを求めるなら外である。
そして並の七星勇者ではタクト王子にはかなわない。
「だから四聖勇者のいるメルロマルクに助けを求めた」
あとは消去方である。
メルロマルクにいる勇者で最も強い勇者……刀の勇者ユウであると。
ナナは胸がときめいていた。
自分が惹かれた相手は兄と同格の勇者であった。
その力は兄以上であると言ってもいいかもしれない。
少なくてもメルロマルクは敵地に送っても対応できると思っているのだ。
兄は正しかった。
兄妹で愛し合ってはいけない。兄を愛してはいけない。
それは、真に愛すべき相手がいるのだという兄の思いに違いなかった。
「ああ、こんなに潤んでる……」
立ち上がったナナの両足の間からポタポタとしずくが落ちていた。
王族の影はみんなおじゃる口調なのだ。多分。
メルロマルクのオジャ影が来てるわけではないということでお願いします。