※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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124 誘拐

 

ユウの一日は結構忙しい。

 

潜入先の設定に合わせた業務はもちろん、裏切りのための仕込みや今後のためにアレヤコレヤと仕事はいくらでもある。

そんな中、何より心安らぐのはサクラやナナとの時間だ。

何よりサクラは自分の手であれやこれやと面倒を見ているおかげで(人間の子供と比べれば遥かに手がかからないが)愛着が強く、愛する女性達に抱く気持ちとはまた別なきれいな白色をした気持ちが胸の奥からこんこんと湧いてくる。

 

昼はサクラと取るため食事をもらって部屋で食べている。

手づからに肉の欠片を差し出すと嬉しそうにぱくついてくるのがなんとも愛らしい。

 

たまに我慢のできない悪い女がこの時間を邪魔をすることもあるが躾けを行い、今ではそこそこゆっくりと過ごせる。

 

ユウの食事は今日はカリカリに焼かれたパンに鶏肉がごろりと入ったシチューとサラダであるだ。

湯気の立つそこへスプーンを差し込み咥える。

ホクホクと濃厚な味で、暖かな熱が体に染み渡るようだ。

喉を通る感触がーーあっ

 

あ~~

これは。

 

毒が混入している。

ため息が出そうになる。毒はそこまで強いものではないようで、何もしなくても勝手に無害化される。

 

前の世界ではメイン戦力勇者一人だったこともあり、状態異常には人一倍気をつけていた。

装備や持ち前の身体能力もあり、相当強力でなければほぼ影響なく解消された。

 

(睡眠薬か)

 

一瞬覚えた眠気が薬の正体を示している。

 

(殺す薬じゃない)

 

殺す気だったらすぐに動き出さなければいけないところであったが、そうでないならばいくつか選択肢がある。

そもそも誰がなんのためにしたのかが問題である。

手懐けたつもりの相手の裏切りか。

それともコソコソ動き回っていたことがバレてのタクトの登場か。

 

「うう~ん、なんだかお腹が膨れたからか、眠くなってきたな……」

 

大根もいいところかもしれないが、眠くなったふりをしてベッドに横になる。

いつもと違う行動のせいか、どうしたのと心配そうに枕元にぴよぴよよってくる。

なんでもないよと頭をなでてやりたい気持ちになるが、ここは心を鬼にしなければならない。

 

「サクラも眠ろうかーー《眠れ》」

 

軽度の睡眠魔法をかけるとLV差もあり、抵抗なくストンと眠りに落ちる。

耳をすませばすうすうと鼻息が聞こえてくる。

 

枕元に横たわらせる。

自分も目を閉じ寝入ったようにしながら相手を待つ。

 

《生命感知》

 

部屋に近づいてくるのは二人。部屋の前に来ると、ゆっくりとドアノブが周り……鍵に気づいてゆっくりと元に戻る。

耳をすませば音を極力立てないようにしているようだが、何かを鍵穴に差し込み、ガチャガチャと金属が触れ合う音が小さく聞こえる。

ゆっくりと開いてゆき……

 

「ふう、無事ミッションコンプリートでごじゃる」

「あなたの仕事はこれからでしょ? 早く私の部屋に運びなさい」

「人使いがあらいでごじゃる」

 

声でわかる。一人はナナ王女である。

もうひとりは誰だろうか。

脅威は感じないが、城の兵士に並ぶ程度には強そうだ。

世界最高の戦力のフォーブレイ基準であるため、それなりに腕が良いと言えるだろう。

 

「ああ、なんて乱暴な担ぎ方! 起きたらどうするの!」

「心配ないでごじゃる。勇者であっても眠らせるネムールZを使ってるでごじゃる」

「ならいいけど」

 

ズタ袋のようななにかに入れられたと思ったら俵持ちで肩に抱き上げられる。

安定感は小さい上に、扱いが荒いせいで部屋を出る際に頭がぶつかる。

ダメージはないが痛覚はあるので腹は立つ。

 

思えばさらわれたのは日本以来である。

俺の女をとったとか俺のほうが先に好きだったんだと絡まれるのはよくあるのだが、そのときは売春組織で働かさせられていた女性複数に手を出しており、管理していたヤのつく仕事人に襲われたのである。

おうおう、にいちゃんよお。そんなふうに声をかけてくれるオールドタイプではなくビジネスでやっていますといったサラリーマン風の男たちで、目の凄みだけがくたびれたリーマンたちとは違っていた。

彼らは脅しの一つもなく車に詰め込んで、仕事場の事務所にユウを運び込んだのである。

 

……その十分後には彼らの頭は麻薬でもやったかのようにハッピーになっており、匿名の通報から全員が逮捕されてしまったが。

 

運び方からして、敵対者へのそれではなく、隠して連れ込みたいという意図を感じる。

おとなしく運ばれていると、ふわりと体が柔らかく受け止められる。

どこもだが王族のベッドは特に質がよい。

どうやらナナ王女の部屋に運ばれたらしい。

 

「で、いつ起きるのかしら?」

「強力な薬でごじゃるからな、一晩は眠ったまんまでごじゃる」

「加減しなさいよっ!!」

 

彼らからは緊張感というものを感じなかった。

しかし、このままでは話が進まない。

 

「それで、なんのようかな。ナナ王女」

 

目をパチリとあける。

そこには驚きに目をパチクリさせるナナと、見るからに怪しい黒装束の女が立っていた。

 

 





やたらめったら手を出しているとやばい女にも手を出してそう。
でも普通ならやばいなので、そんなに問題にならなさそう。
魔法が使えればいくらでもお金稼げそうですしね!

忙しいは忙しいですが、休日までは忙しくならない感じになったので、元のペースに戻せそうです。
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