かわいがっていたサクラは大きく姿を変える。
パパ。ほほを擦り付ける自分より大きくなった娘に
鳥のままでいてほしかったような、わかりやすく愛情を示してくれることにうれしいようなと複雑だった。
そんな二人を囲む美女たち。
勇者と分かったことで改めて抱いてと迫ってくる女性たちだった。
「サクラ、だいぶ大きくなった……?」
子供の成長は早いというが、想像以上である。
というより、昨日まではもっと軽くて羽毛のようだったのに。
いや、羽毛だったか。
ぴいぴいかわいい子鳥だったのに、今ではだいぶでっぷりと重さを感じる。
人間の赤ちゃんくらいだろうか……?
勇者の能力は重さを感じさせなかったが図れないわけではない。
何か変なものでも食べたのだろか?
サクラは手からシュタッと飛び降り、ピイと鳴いた。
すると、彼女は光に包まれ……その背中に髪色と同じピンクの大きな羽をはやした一人の女性が立っている。
腰まで流れるきれいな桜色の髪が大事な部分を隠しているが、程よく膨らんだ乳房に、きゅっとひきしまった腰つきをしている割に、その表情はどこか寝起きのようにふにゃりと緩んでいる。
見た目以上に子供っぽい表情。
だがその気配はそれが誰かをユウに告げていた。
「わお。サクラがフィロリアルクイーンになって人化した」
恥じることなくさらされっぱなしの肢体に周りの視線が集まる。
多くは女性のものだが、豚王が連れてきた兵士のものや、野次馬に集まってきた城のもの、なにより決闘を見守った女性たちの強い視線が刺すように感じられた。
「これ着て」
勇者らしく成長しているはずだったが、まだまだ年相応でしかないユウとくらべ、頭一つ大きい。
年齢も高校生後半か大学生相当である。
ふわふわとした気配を感じさせながらもその視線はユウだけを見ている。
上着を渡したが受け取ったまま動かなかったため、何とかはおらせるが、サイズの合わない男物は逆にフェチっぽく、胸の盛り上がりのせいで、大事な部分も隠しきれていない。
「だ、だれか着るものを……」
すると辺りの女性の中から何人かが羽織るものなどを差し出してきたため、結ぶなどして体を隠す。
見た目は非常に悪いが背に腹は代えられない。
しかし、なぜ進化したのか。
ただこれは進化までに起こったことを考えれば答えは一つ。
タクトを倒した経験値、だろう。
「どうして進化なんて……」
「えっとね、生まれた時からお話がしたかったの。頭なでなでしてくれてありがとー」
人の姿なのに鳥の姿の時のように頬を擦り付けてくるので、体に胸がふにゃんふにゃんと押し付けられる。
生まれたばかりのせいか羞恥心まで育ってないらしい。
あまりにも純真だったが、性的接触ではあったので簡単にユウの下半身は盛り上がり、直前までかわいがってきた記憶のせいで深く落ち込んだ。
「そ、そう……」
手を差しだせば自分から手の下に頭をくぐらせ、撫でられにくるサクラに、サクラはサクラなのだとかわいらしくおもうように頭を整理した。
トラウマがあるせいか、フィロリアルの姿のサクラの愛情は100%確信できるのに、女の姿になっただけで受け取り方が変わっていたり、性欲を抱いたりする自分がいるのに気づいては落ち込んでいるのである。
いずれなれるだろうかと何度もなでると嬉しそうに笑う声が耳を撫でた。
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用事が過ぎたら即退散。
そうはいかないのが国家間のお付き合いである。
フォーブレイの”お礼”のパーティーはさすが最強の国家であるだけあり、非常に豪勢なものだった。
製法を考慮に入れたトータルの味は日本が勝るのだろうが、高級品に縁のなかった中学生のユウとしてはかなりのものだった。
過去勇者だったときは魔王相手に荒れ果てており、豪勢ではあっても高級ではなかったというのもある。
すばらしいです、さすがですな勇者様と賛辞だけ送られる会場での食事を笑顔を浮かべながらええ、まあ。がんばりますの三択でごり押しながら過ごしていると、ナナがやってくる。
パーティに合わせて着飾った彼女は幼いながらも美しかった。
開き始めたつぼみである彼女の笑顔には女らしさが混じりだしている。
嬉しそうに、それでも下品にならないように少しだけ速足でやってくる彼女。
抱きとめるように受け入れると、嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「パーティは……楽しんでないみたいね」
「料理はおいしいよ」
露骨ではないにせよ、娘を押し付けようとする貴族との会話よりは料理こそが楽しませていたのは正直なところである。
「だったら抜けちゃいましょ」
手を引かれて場所を変えることになる。
この後待っているものが何かは考えるまでもない。
この国の求める勇者のお仕事だ。