※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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136 反攻!

 

クーデターを起こした尚文は何をする気なのか。

皆の調べでは国中から様々な素材を複数集めているらしい。

 

勇者としての強化を行っていることは当然として、レジスタンスには尚文の他にも勇者がいるのだろう。

レジスタンス側……反尚文軍に所属している四聖は剣の勇者である錬と槍の勇者の元康だ。

 

ふたりともカースシリーズの発動の影響か精神的にどうもあれだが、それでも国を救うためとこちらについてくれているらしい。

行方がわからないのは弓の勇者の樹である。

尚文とうまくやれるとは言いづらい人物であったが、彼なりの基準ではなにがしかの正義があるということである。

 

「樹様ならむしろレジスタンスに参加してもおかしくなさそうですけど……」

 

司令室となった大きなキャンプ内のテーブルに主要人物たちが座る。

リーシアはここにいない樹に対し心配そうな表情を浮かべながらもどこか納得がいかなさそうだ。

 

「それだけユウ様が嫌いなんでしょうか?」

「俺かー」

 

確かに樹とは仲良くな会ったとは言いづらいかもしれないし、元仲間のリーシアを引き連れて入るし、思うところはあるのかもしれない。

 

「やつは土壇場で俺たちと違ってカースシリーズを開放して戦うという選択肢を取れなかった。そのせいで俺たちのついてない陣営を選んだという可能性もある」

 

カースシリーズの影響か独占欲が跳ね上がっているらしい錬はテーブルに置かれた茶菓子を食べないにも関わらず手元に引き寄せながら言った。

 

「ゲームならおかしいことではないだろう? ーー4人中2人が向こうについたなら自分はあっちにつこう、なんて考えてもな」

「樹らしいですぞ」

「ゲーム感覚かあ……」

「そうでもなければ戦争になんてまともな精神なら参加できないだろ? 俺達みたいなのが」

 

たしかに初めて生き物を殺したとき恐ろしいほど怖かった。

それが人間であればなおさらである。

クーデターなんて起こせば人と人との闘いになる。

 

「わからないのは尚文の狙いだ……。不満は誰よりもあっただろうが、だとしてなぜ今だ? 恨みがあったなら領地をもらったのもわからん」

 

お手上げと手を振る錬。

そう、そこが一番解せないところである。

 

「会議中に申し訳ありません! 盾の勇者軍から声明が!」

 

ガシャガシャと大きな音を立てながらテントに入ってきた兵士が声を荒らげながらも報告する。

この場にいる皆が知りたい内容である。

一瞬にして場が静まる。

 

「報告を」

 

メルティのよく通る一言で兵士が口を開く。

 

「『波とは世界の融合現象。融合を果たし、大きくなった世界は悪しき神々に狙われ続ける運命にある。

この世界と別の世界の融合を防ぐため、刀の勇者ユウを全力をもって倒す。これは世界を救うための聖戦だ』……以上です」

「ありがとう。退室しなさい」

 

敬礼を返しその場を去る兵士。

彼が出ていくと同時に周りに混乱の空気が広がる。

最初に口を開いたのは錬だった。

 

「……事態がつかめない。なにか知っていることがあるんだろう? 話さないなら俺は尚文に聞きに行かなきゃならないぞ」

「ふっ、俺と戦うのに聖戦などと馬鹿らしいですぞ」

「……元康は黙っててくれ」

 

きりりと告げる元康の言葉は流されてしまう。

四聖勇者は恐ろしい敵ではない……はずだがそれがわかっているはずの尚文が怖い。

少なくても勝機があって行動しているはずだ。

不安要素を増やしたくないと説明をする。

波は世界同士が融合する現象で、過去にも起こっていた。

今は四聖勇者だが、かつては二聖であり、今回の融合で八聖になるのだと。

 

世界同士が協力し、穏便に融合を迎えることを目標にしていること、世界を壊そうと考えている女神と別の世界を育てることを目的にしている女神と協力することで、別の女神からのちょっかいを防げることを説明する。

 

「女神にあったことのない俺にはそれがいい選択なのかわからないが、他に世界を救う手段はないのか?」

 

世界を救う手段は2つ。一つは霊亀を含む四霊による結界。ただこちらは霊亀が倒されている上に、結界の発動には世界中の人々の魂が必要であるということ。もう一つは女神を倒すことだが、これは自分が一生をかけて強化をしても全く歯がたたないだろう相手であると告げる。

 

「霊亀を倒した俺たちのせいか。……全人口の2/3なんて許容できないだろ……ここじゃないにしても世界の滅亡もな。実質、勇に乗るしかないじゃないか。ーーでも、それがわからない尚文じゃないだろ?」

「そうだね~。女神にそそのかされる尚文でもないと思うんだけど……」

 

波を防ぐことを目的としている尚文どいうことで、世界の融合を支援する俺を敵と扱うくらいなら分からないでもないが、俺を倒してどうするというのか。

 

「どちらにせよ、負けるわけにはいかない。尚文を倒してふんじばってやろう」

 

結局、話は倒してから聞けばいいのだ。

 

「脳筋だ。でも、ゲームの勇者みたいだなーー協力しよう」

 

負けるわけにはいかない以上勝てば良いのだ。

理由は勝ってから聞くとしよう。

ゲームの勇者らしい脳筋さに笑ったのは錬と勇だけだった。

 

 




最近更新できておらずすみません、忙しいとか暑くてぐったりとかいろいろでしたが、気合い入れて頑張ります。
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