俺はラフタリアの怪我を癒すと、プロテクションをかけ、ラフタリアが魔物を倒していくのを見守っていた。
体格の違いか、リファナほど鋭くも早くもなかったが、躊躇や恐怖が消えたせいか、前よりも一歩踏み込めており、十分に一撃で倒すことができている。
この分なら十分に経験も積めているだろう。
リファナは当然として、ラフタリアも40レベルに到達できるかもしれない。
「俺の魔法がお前を守ってる。攻撃されることを恐れずに突っ込め」
「はいっ!」
その一言により、攻撃を恐れずに突っ込むラフタリア。
攻撃を紙一重で避けながらも、倒していく。
村獣の魔物を倒しながら一回りする頃には、戦いは終わったようだ。
「ま、こんな所だろ」
「そうだな、今回のボスは楽勝だったな」
「ええ、これなら次の波も余裕ですね」
勇者たちが今回の一番のボスらしきキメラの死体を前に雑談交じりに話し合いを続けている。
怪我はパーティー含めて誰もないようだ。
まあ、今回は敵が弱かった。ボスであっても同じようで、彼らの皆が……いや、一人戦士がプロテクション切れしているようだが、それ以外は皆無事のようである。
彼もさほどの怪我ではなく、癒やされている。
尚文はそんな三勇者を苛立ち混じりで見ていたが、兵士の声に非常に嫌そうな表情に変わった。
尚文のお城嫌いも根深いなあ。
最も良くなるところがないので仕方がないといえばそうか。
「よくやった勇者諸君、今回の波を乗り越えた勇者一行に王様は宴の準備ができているとの事だ。報酬も与えるので来て欲しい」
準備が早いので、最初から宴の用意をしていたのだろうが、のんきなものである。
尚文に村の連中が感謝を伝え、それを少しだけ嬉しそうに受け取った尚文を見る。
胸を張るリファナは尚文とくっつかんばかりの距離である。
(なかよくなったなー)
ぼんやりとそんなことを考えていると、ラフタリアがやってきた。
「ユウ様」
「なに?」
「私、頑張りました」
「そうだね」
確かに頑張った。トラウマを超えて戦える人間は多くない。ごつい髭面の兵士が恐怖に震えて戦えないと泣いている姿を見たことがある。
恐怖を乗り越えられる人間は少ない。
「だから、褒めてください」
目をぎゅっとつむってぐいっとその茶色い髪の頭を差し出す。耳は不安なのかぺたりとたれている。
「まあ、いいか」
頭をがしがしと撫でると、ぴこんと耳が立ってわっさわっさとしっぽが揺れる。
「わかりやすいな、お前は」
「えへへ」
手を浮かせようとすると耳がへたれるので、兵士から催促されるまでなで続けた。
ちょっと短いですが戦いの終わり。
三勇者がよゆうよゆうと言っていますが、ダメージも受けないし、
ドラゴン装備もあるしとだいぶ余裕だった模様。