「よっ、来てやったぜ」
「先に来ていたのは感心だが、わざわざ呼び出すとはな」
「しかも、あの人まで呼んでいるとは思いませんでした」
王城の一室に、彼らは集まっていた。
四聖と言われる四人の勇者は、先に待っていたもうひとりの勇者に視線を向ける。
「それで、勇。なんで俺たちを……コイツらを呼んだんだ?」
こんな場所には一分一秒居たくないとばかりの吐き捨てるような言葉。
盾の勇者のその言葉に、刀の勇者は笑って応えた。
「勇者会議をしようと思って」
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コホン。
一つ咳払いをしてから周りを見渡す。
円卓の席についた彼らは興味深そうだったり不愉快そうだったり色々だ。
「波は次の波までだいたい一ヶ月、と言う話だったでしょ? 実際はもうちょっと長かったけど、一ヶ月と考えて、各勇者に一週間ごとに手助けをしようと思って」
「はーん、なるほどな。けど、尚文のお世話はもういいのか?」
元康の明るい声に、尚文は不快そうに鼻を鳴らした。
「ご飯美味しかったし、キャンプ手慣れてたし、そこまでお世話をした記憶はないけど、一人じゃ戦えない盾の勇者に、戦える仲間ができたし、波でもしっかり戦えたから、そろそろいいかなって。元康に誘われたってのもあるけど」
「ちっ!」
「お、ちゃんと覚えてくれてたか。そうそう、俺、勇とちょい冒険を──」
「それよりだ。あの魔法はなんだ?」
不愉快そうな尚文。勇者に囲まれているせいか、何でも不快そうである。傷は根深い。逆に嬉しそうにニカっと笑った元康の言葉を錬が遮る。
だが、詳細を知りたいと思っていたのは錬だけではなかったようで、勇者全員の視線が集まる。
「プロテクション。攻撃、魔法ともに、一定量まで必ず防ぐ魔法だよ」
「それはすごいですね」
「けど、一定量までか」
「そう、一定量まで。中盤までは大活躍だけど、高位魔族が出てきたあたりから、割合減少のほうが強くなったかな」
ドラゴンからであっても耐えるプロテクションではあるが、金色の鱗を持ったグレートドラゴン、カイザービーストなど高レベルの魔物相手になるとプロテクションは一撃すら防げずに割れることになり、お蔵入りとなった。
雑魚には徹底的に強い半面、強者には頼りにならない魔法である。
「でもすごいですよね。アレのおかげでパーティみんな攻撃に専念できましたし」
「そうだな。女の子たちも怪我一つなかったし」
「俺たちが身につけることはできるのか?」
「うーん」
悩ましい質問である。
自分が両方を習得できる以上、できないとはいえない。
「あっちの魔法を使えるかだけど、今のところはわからない。仲間に身につけさせようと思っているから、できたら教えるよ」
「頼むぜ」
補助呪文は重複する。
その点だけとっても習得に価値がある。
「で、順番だけど……」
「まずは俺で」
「じゃあ、次が僕でお願いします」
「ならその後が俺か」
「俺は別に飛ばしても構わないんだがな……」
予定は元康、樹、錬、尚文ということになった。
お互いのひとまずの予定を話し合い、同じところを攻略しないように調整を行った。
「あと、みんなで得た情報の共有もしたいと思ってるんだ」
「情報ねー……」
なんかあるか? と元康が周りを見渡し、全員が口を閉ざしてしまった。
ううむ。狩場を共有しないことと合わせて、どうにも勇者達はリソースを独占しようとする傾向がある。
ネットゲーム経験者なら協力し合う大切さはないものだろうか。
いや、ネットゲーム経験者だからこそ、狩場の独占に考えが行くのかもしれない。
とはいえ、彼らは四聖だが、俺はそうではない。
できれば勇者は強いほうが良い。
まあ、女の子の取り合いになるようなら容赦はしないだろうけど、
女性に興味が強いのは元康くらいである。
「じゃあ、俺から。教会から得た情報なんだけど、従魔っていうのをみんな一匹は契約してほしいんだ」
三勇教で得た情報の一つを公開する。
「勇者武器に素材を取り込むと能力を得られるでしょ? その中で、従魔……契約した魔物の成長率を向上させる効果があって、ドラゴンやフィロリアルなどを従えた場合、最高位の魔物まで成長するらしいよ。過去、フィロリアルの最高位、フィロリアルクイーンを従えた勇者が神鳥の聖人と言われていて、普通のフィロリアルより倍も大きかったとか」
「へえ。そんな裏技があったのか」
「それは有用な情報だな」
「これからは移動も多くなりますし、考慮に値すると思いますが、フィロリアルってなんですか?」
「あー、あれだろ? ちょくちょく見る、荷物持ちのダチョウ」
「ああ、あれか。あれで馬車を引くらしいからな」
「チョ○ボっぽいやつか」
「できれば有用性も確認したいから、全員ドラゴンとか、全員フィロリアルとかじゃなくて分けたいんだけど」
皆、興味は持ったようで、どんなのがいいかなど、頭を悩ませている。
「俺ドラゴンがいい!」
「はあ。元康はそういうのが好きそうだな」
「なんだよ、錬。お前だって乗るならドラゴンって思うだろ?」
「そりゃな」
「じゃあ、僕はフィロリアルでいいですよ。馬車を引くのが得意らしいですし。ドラゴンの上から弓を撃つのも悪くはなさそうですが」
やはり年頃の男の子だけあって、ドラゴン人気らしい。
「お前は……」
「え?」
「勇はどっちがいいんだ?」
どちらがいいとも言わなかった尚文。
個人的にはどちらでも良いが、手元にある卵を考えれば答えは決まっている。
「ドラゴンかな。竜の卵を手に入れてるし」
「じゃあ、俺はフィロリアルにする」
「ふむ。竜3の鳥2か。バランスは悪くなさそうだな」
「フィロリアルは専用の牧場があるらしいから、そこ行くとかんたんかも。ドラゴンは魔物屋とかかな」
皆でどんなドラゴンが好きだとか、フィロリアルの馬車を引きたがる性質は変だなどとワイワイ話しているうちに一旦解散になり……
宴の時間になった。
尚文「……(今までなんだかんだでずっと一緒にいて何となくずっといるものだと思っていたが確かにそんなこと言っていたが本当にいなくなるのかこいつ、というか他の勇者と仲いいな、腹が立つ。いや、あいつらと同じ勇者であるあいつにそう思う俺にも腹が立つ)」
なんて、不満そうにしつつも、一人勇に希望を聞く尚文。
宴後は勇者と同行するのですが、四人書いていると長さがやばいので一人固定でほかをアンケートしてみようかなーなんて。
第二の波のあとの見たい勇者は?
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尚文
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元康(固定)
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樹
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錬