「あっ、んっ、はあ、きもち、良すぎますっ!」
ダラダラと泡立つ愛液は肉棒どころか伝って勇のお尻へとたれている。
自分の与える快感にあえいでいる。喜んでいる。
それが嬉しくて、もっともっとと攻め立てる。
「ああ、とても気持ちいいです、勇者様! 早く、出してください! 私も孕ませてください」
アリシアの言葉は、その熱に水を掛ける行為だった。
抑えられていた興奮は緩み、あっと声を出すとと同じ瞬間にビュッ、ビュルっと精液を出し続けた。
勇は、女を抱き続けた。仲間を抱いて、王国にお願いして集めてもらった女を抱いた。
幼い少女から、年上の美女、様々な相手に多くの技を試した。彼らは実験台だった。経験値だった。
おかげさまで、アリシアを快感で脳を焼き切る寸前まで攻めきることができるようになった。
子宮を攻めることも覚えた。
ポルチオを攻めることで、心配になるくらいにイキ続ける彼女。けれども、それでも彼女の心は自分にないことがわかった。
今日もこっそり避妊魔法をかけて彼女が寝落ちするまで責め立てた。勇の持っていたエロマンガならもうとっくに堕ちて自分を愛したはずだった。
経験を積むための行為で、仲間はそれこそ驚くほどの速さで入れ替わった。正直もう何人子供を作ったのかわからないくらいだった。
開放した王宮の豪華なベッドで一戦を終え、自分の成長と、それでも感じられない成果にがっくりとしながらも開放された王宮を歩き回る。
正直もう、どうしていいかわからなかった。
「ねえ、あなた勇者様の仲間になったんでしょ?」
「ええ! 勇者さますごいらしいから、きっとすぐ後方に下がることになると思うけど」
話していたのは開放された王宮に戻った女官と、新しい仲間になると聞いたクレリックの少女だった。
「勇者様の相手をするとすぐに子宝に恵まれるのよね? ねえ、勇者様って見た目子供じゃない? 私の弟より幼いし、あなた確か恋人いたわよね。それってどういう気持なの?」
私なら嫌よ?
そうつぶやいたのが勇者の強化された身体能力のおかげで聞こえてくる。
まさしく勇の知りたいことだった。
なぜ彼女は俺を受け入れるのか。なぜ受け入れているにも関わらず、全く迷いなくその心はあいつのものなのか。
「だって、勇者様は女神様の使徒でしょう? 勇者様の子供は女神様からの祝福。正しく授かりものだわ」
「うーん?」
「子供の頃、どこから子供はやってくるのと聞いて、コウノトリが運んでくるの、と親に言われたことなかった?」
「私はキャベツ畑だったけど、まあ、聞いたことあるわ」
「でも、だれもコウノトリがあなたのお父さんなのよ、なんて言わないでしょう? そんな感じかしら」
「ふうん。敬虔な人たちってそうなのね。私は恋人の子供がほしいわ」
「彼も敬虔だもの。頑張ってきなさいって言ってくれたわ」
ずるっ、ずるずる。
壁に隠れるように寄りかかっていた勇は、力を抜かしてゆっくりと滑り堕ちた。
ああなるほど。驚くほどに勇の中では納得がいった。
人間だと思われてなかったのか
神の使徒だと思っていたから
子供を孕ませても、授かりものって扱いで……
俺を、認めてすらいなかった
よたよたと歩く。
サンタクロースからもらったプレゼントに「これは半分サンタさんのもの」なんて思わないように。
俺の産ませた子は、女が授かった子であって、俺の子ではないのだ。
だからこそ、平気な顔をして婚約者と会えるのだ。
部屋に戻ったらアリシアは衣装を整え、お茶を口にしていた。心配そうに、不思議そうにしながらコテリと首をかしげた。
「どうしたんですか? 勇者さま」
ああ。そうだ。
彼女は──俺を勇者と呼んだ。
国家で一番敬虔である聖女であるからこそ、宗教の教えは常識で、皆が思っていることは彼女も当然として思っているだろうことで、彼女はきっと子供を孕んでも──俺を子供の父親だなんて思わないだろう。
それがわかった。
だから、意味がないと知りつつ、今は顔を見たくないとその日、彼女を孕ませた。
彼女はいつもの笑顔を浮かべて去っていった。
そうして、二度と顔を合わすことはなかった。
──
残ったのはそれこそ一ヶ月もしないで消える仲間とも言えない同行者たちと、都市に戻るために行われる多くの女との乱交だった。
なんのために女を抱いているのだろうか。
自分の気持が全く届かない相手に腰を振っては精液を吐き出した。
優秀な勇者の体は一戦ごとにレベルを上げていた。魔法を駆使すれば快感を好きに与えることができた。
奥までつける凶悪な肉棒と、回復魔法による無尽蔵な精力はそれこそ用意された危険日の女をその日のうちに皆孕ませた。
激しく入れ替わり、体は交わりつつも心は一切交わらない仲間たち。能力差は膨大で、勇者はもはや敵のいないLV90に達していたが仲間は20~30といったところだった。
足手まといの彼女たちはもはやついてくる肉袋だった。
嫌悪感すら覚えだしたのに、それでも彼女たちを連れていたのは快感だけが苛立ちを忘れさせてくれるからだった。
セックスは気持ちいい。口づけは偽りのつながりを感じさせる。射精は開放感を与え、妊娠は偽りの独占とそれ以上情を感じないように別れをくれた。
抱けば抱くほど何も手に入らないのだと虚しさが心を傷つけた。そのくせ、少しずつ抱いてしまっている情のせいで、勇者として世界を守ることの意味を感じるようになった。
世界を滅ぼす魔王は倒さなきゃいけない。
そして、勇者をやめる。
それが勇にとっての唯一のゴールだった。
――信仰心には勝てなかったよ……。
勇者をやめること=魔王を倒すこと。
そうすれば、きっと。
なお。