ラフタリアは興奮していた。
刀の勇者であるユウさまと共に戦う決意をして、波を乗り越えてはいたが、正直なところ、役に立てたとは言い難かった。
盾の勇者のナオフミ様は攻撃のできない体質であるため、リファナちゃんはナオフミ様の剣であると胸を張って宣言できたと思うが、自分がなんの役に立っているだろうかと思えば必ずしも代替えの効かない何であるということができなかった。
出会いの際こそ信頼することができなかったが、今はわかる。
彼は勇者らしいかはともかく、良い人である。人を助けたいと思える人である。
自分とて、リファナちゃんほどではないにせよ、勇者様には憧れがある。
「頑張ってやくにたとう!」
戦闘面では正直、他の勇者を遥かに超えているように感じるので、どこまで役に立つかわからないが、一日でも早く強くなろう。
それに、どうもユウ様は命を奪うことがそんなに得意ではないようだ。
モンスターはバシバシ倒してしまうが、可愛らしい懐いてきた狐やたぬきを私が狩ったときは目の奥に咎める感情の色が見えた。
とはいえ、ナオフミ様が調理すれば美味しく食べていたので、情を抱くと殺せない質なのかもしれない。
村でも世話をした家畜を捌いたことがあったが、可愛がりすぎた子が涙を流しながら「殺せない、かわいそう」と言ってたが、え、食べるのに? ごちそうなのに? と思ったことがある。
今回のターゲットは盗賊である。
お金になりそうな盗賊団を狙うらしい。盗賊たちは家畜だけを狙う狼たちと異なり、女の子をさらったり、商人を襲ったりと村にとって百害あって一利なしの相手だ。
減れば減るほど平穏に生きる村人たちの助けになる相手である。
でも、勇者様は殺すの嫌かもしれない。私が頑張ろう。
むん。気合が入った。
**
盗賊のアジトを一日とかからずにユウ様は探し当ててしまった。
すごい。
規模も人数も丸裸で、丁度いいレベルと強さも把握できているらしい。
波でも使った防御の魔法をかけてもらう。
暖かい服を一枚多く着たような感覚で、ユウ様に包まれているようで少し恥ずかしい。
「行ってきます!」
その言葉に手を振って返事を返してくれる相手がいることがとても嬉しい。
おりゃーと声を上げながら入り口へと走る。
夕餉が始まっているようだったが、それでも見張りが一人立っていて、すぐに気づかれる。
クマのようにもじゃっと毛の生えた男は、子供が見たら泣きそうな容貌だ。
男は私を見ると一瞬警戒の目をして、私が幼い少女であることに気づいて顔を歪に歪めた。
迷子だと思ったのか、獲物がわざわざ走ってやってきたと思ったのか。
こちらはすでに剣を抜いているにも関わらず、真正面からこちらを待ち受けている。
「ガハッ、おい、お嬢ちゃん、まい──」
奴隷として売るとのことで、死んでないことが好ましいとのことで、剣の腹で殴打した。
大きく振りかぶったその一撃はニタニタと笑いながら足の付根あたりを見ていて油断していた男を簡単に殴り飛ばしていた。
獣人はどの種族かによって特性は変わるものの、総じて人より丈夫で力強いものである。
勇者に連れられ、波を経験することでそのレベルは上限である40近い。
人を害するには十分でも、戦士と戦うには不足が過ぎた。
強くなっていることを感じる。
勇者様に出会う前なら私はこいつらの獲物にしかなれなかっただろう。
「ばか──な」
「私は刀の勇者様の……」
勇者様の──。
まだ堂々と言えるほどではないから、頭の中でだけ。
剣でも盾でもない私。なりたいのは。
私は刀の勇者様の──―だ。
カクリと完全に気を失った男を縄で縛り付けると盗賊のアジトにカチコミをかけたのだった。
**
「ぎゃあ!」
「か、囲め! 左右からなら──ぐえっ」
「は、早すぎるっ」
「よし罠だ、今のすきに──なんで傷つかねえんだよおお」
「大丈夫だ、睡眠薬の仕込んだ吹き矢を当てた──ごふっ」
殴っては進み、ボコッては進んだ。
戦闘は楽勝ではあったが、まんまと罠にかかり、ダメージを負った上に毒まで仕込まれてしまった。ユウ様の魔法がなかったら足を止められ、薬で眠ってボコボコにされるのはこちらになっていたはずだ。
「ゆだん駄目、絶対」
しょんぼりと頭の耳がたれるのがわかる。
あー、だからゆう様は毒対策もしたのだとようやく理解した。
レベルが高い相手だって準備をすれば倒せる。
そしてそれは何も相手だけではなく、自分だってそう。
寝てるとき、水浴びしているとき。スキなんていくらでもあるし、作れる。
今度そういうのも勉強しよう。そうすれば敵のすることを覚えて自分の手段にもできるかもしれない。
**
盗賊たちをぶちのめし、囚われていた女たちを助け、彼女たちと一緒に盗賊たちを拘束していく。時々捕らえた盗賊を殴ったり蹴ったりする人間が出るが、「奴隷にして売るからころしちゃだめ」というとおとなしくなった。
耳元で今後について脅しているようだったが、そのくらいは構わないはず。
「あ、あの、ラフタリアさん、勇者様、盗賊たちのボスのところにいるみたいだから、その」
「あ、はい」
助けた女のうち、一番盗賊捕縛に協力的だった女性から袖を引かれて振り返る。
戦闘の気配が消えたので、向こうも終わったのだと盗賊捕縛を開始したが、それにしてもユウ様が遅い。
事前に聞いた人数を考えると、あんまり大人数を相手にはしていないはずなのだが。
まさかと不安になり、彼女たちにはここで待っててと言い聞かせ、音殺してゆっくりと部屋へと近づく。
**
『い、いぐうううっ♥』
一体何の声だろう。獣のような声はなぜか胸の奥をドクドクと大きく脈打ちさせる。
そろりそろりと開きっぱなしの扉からそおっと中を見る。
そこには裸の女性にのしかかり、嗜虐的な目をしたユウ様がいた。
目が離せなくなる。
じゅぽじゅぽとどこからか水音が響くたびに女の人は大きく声を上げる。
はあはぁ
ユウ様に体を撫でられるとそれだけで嬉しそうにとろりとした目をしている女の人。
はぁ、はあ
部屋からむわりと香る匂いは嗅いでいると何故か体が高ぶる。
ふうっ、ふうっ
それに、うるさい。さっきから大きな吐息がとても耳障りに響いている。
黙れと言いたかった。けれど気付かれないように静かにしながら視線は部屋の奥にいる二人に釘付けだった。
しばらく眺めているとじっとりと股が濡れているのに気づく。怪我なんてしてないのに。
手で触れて見るとねとりと糸を引く液体が指についていた。
ぴくんと体が震えた。確かめるようにもう一度触れると、もっと深くしびれるのを感じる。
「んっ! んんっ」
不思議とユウ様を見ながらだともっと触れたくなる。
『あうんんんっ! き、きもちよすぎるのっ♥』
きもちいい、きもちいい? そう、きもちいい。
これは気持ちいいことなんだ。頭に刷り込まれるような艷声。
口は開いていないはずなのに、自分の口から出ているように錯覚して、ギュッと口を閉じながらもすりすりと指で擦る。そうしていると、より深く気持ちが良くなってくる。
『また、イッちゃう!』
いっちゃう、いっちゃう。言葉が頭の中意味をもたないまま、けれど女の様子になんとなく今がそうなのだと理解する。
『イクッ、あああっ♥』
「あっ、あっ、ああっ♥」
重なるように激しい快感に襲われ、視界がチカリと真っ白になった。
くたりと全身から力が抜ける。骨がなくなったみたいに地面に寝転んでしまった。
ぼんやりとしていると、行為は終わったようだった。
『らび、私の名前、ラビです、がんばりますから、また、褒めてくださいぃ』
起き上がった女の胸に奴隷紋が見えた。
──自分とおんなじ。
あんなに重なり合った様に感じたのに、自分と共通点が見えた瞬間に何故か別物だと感じる。
ずるい。
ユウ様の奴隷は自分だけ。そんな考えたことがない考えが浮かぶ。
「わたしのなのに」
おかしいな。私がユウ様のなのに。
ほんのすぐ先にいるはずなのに、遠くを見るような目でユウ様を見つめた。
ラフタリアは性感と独占欲を手に入れた!
盾の勇者と違って剣というわかりやすい立ち位置がないため、色々葛藤のあるラフでした。
次はようやく槍の勇者っすね!
エロシーンでのハートマークの使用は?
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なしがいい
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ここぞというときに使ってほしい
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あってもなくてもいい
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好きなので使ってほしい
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めちゃすき❤❤❤