※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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050 竜帝の欠片

 

 ガエリオンが人の姿になれるようになった。

 

 ドラゴンっ子らしく、お尻から尻尾が生えているが、それ以外は普通の女の子に見える。燃えるような赤毛のきれいな女の子だ。ラフタリアよりは大きく、中学生くらいだろうか。

 

 ドラゴンとしても大きくなり、すでに数人が背に乗っても飛べるようになった。これにより安定して行動が可能になった。

 であればやることは一つ。

 

「ぐええ、ご主人さま、しんじゃうなのー!」

「大丈夫です! ガエリオン、ユウ様の守りの中にいれば絶対に死にませんっ!」

「もうバリアでは防げないレベルだから8割合ダメージ減退だけどね」

 

 レベル上げである。

 他の勇者と違い、知識こそないものの、勇者として名を挙げているおかげで覚えがよく、他の勇者におすすめではない高レベルの狩場を城や教会の伝手で教えてもらうことができた。

 

 他の勇者に協力した分、最低限のレベル上げはできているものの、せっかくもともとの強さとは別に勇者の強さが加算されているのだから、強化しない手はない。

 強力な魔物を生体感知で探しては殺し、めぼしい敵がいなくなったら体力を回復してすぐ次の狩場へとマラソンを強行した。

 移動の足でもあるガエリオンは永久の戦闘と移動で疲れても魔法で強制的に回復されるため、全く休みを取れず、連日連夜戦い続けた。

 そして、狩場のボスと今戦いが始まる。前で言えば四天王の直属配下。国一つ滅ぼすレベル。

 ここまで来ると今まで無敵を誇ったバリアは一撃すら耐えきれずに風船のように割れることになる。

 ダメージ割合カット系の防御壁の出番だ。

 

「でも、でも、あいて竜帝なの!」

 

 ダンジョンの主らしいプテラノドンのようなドラゴンを前にガエリオンは震えながら半泣きだ。

 

『ぐはは、なんと小さき同胞よ、だが挑まれたからには食い殺そう。愚かで小さな──』

「流星刀」

 

 流星のように輝いた数多の光がドラゴンを貫く。

 いくつもの大きな穴からは血が吹き出しどしゃ降りの雨となって地面を染めている。

 人間相手にガトリングガンでも食らわせたような状態だ。

 生きているのが不思議なくらいの状態である。

 

「……勇者って強いなの。相手は強い竜帝のはずなの」

「ユウ様さすがです!」

 

 ぱくぱくと小さく動く口は言葉の一つすらあげることができない。瀕死になったドラゴンは波の前の最後の経験値となった。

 

「わーい、竜帝の欠片ゲットなのー!」

 

 倒したドラゴンから出てきた紫色の欠片を手にきゃいきゃいはしゃいでいるガエリオンにラフタリアと一緒に首をかたむける。

 

「竜帝の欠片を取り込むとドラゴンは強くなれるのっ! あーむ。──むむっ、龍脈法を身につけたなの」

 

 なんでも、かつて竜帝という恐ろしく強いドラゴンがおり、竜帝の欠片とはそのドラゴンの力なのだという。

 ドラゴンはその欠片を得ることで劇的に強くなるのだとか。

 今ならさっきのドラゴンを一人で倒せると喜んでいた。

 龍脈法は自分の魔力ではなく周囲やものに宿った魔力を使うことで発揮する。MPいらずのスキルらしい。

 いずれ教えてもらうこととする。

 

「それに、竜帝の知識にはレベル制限の限界を突破する方法もあったはずなの」

「なるほど」

 

 強行したレベル上げのおかげもあり、ラフタリアとガエリオンのレベルはすでに90後半である。波に参加した結果、限界に達する可能性が高い。

 レベルで言えば前の勇者レベルだが、短い期間で上がる反面か個としての強さの差なのか、ここで勇者になる前の自分ならそこまで労せずに倒せてしまうだろう。

 それだけに限界の突破法は仲間として連れ歩きたいならマストだ。

 

 次の勇者会議の議題はこれだな、と頭の端に記憶する。

 

 **

 

 くたくたになって城に戻った俺達はぶーぶー文句を言うガエリオンを部屋において城に行く。

 メイドのメルが声をかけておきましたと様々な職人や使用人、兵士から集めたという前回なかった素材を色々もらっては刀に取り込んだ。

 

「あとこれも。最近流行りの勇者様が発見した果実で、成長が早いし、美味しいんですよ」

 

 差し出された赤い果実を取り込むと、植物改造のスキルを得る。槍の勇者の元康が錬金術師の隠していた果実を封印から拾ってきて助けた村の特産らしい。

 皆、色々やってるんだなあ。

 

「応援しています。頑張ってくださいね」

 

 波で怪我をしたりしないでくださいね。別れを惜しむように悲しい目をした彼女にありがとうとキスをする。

 

 **

 

「そんなわけで、波に兵士を連れていきたいんだ」

 

 どうにかできない? マイン? 

 

 他の勇者と話してわかったことだが、波の時間になると登録されている人間は皆、どこにいても転移される。

 だが、それは勇者パーティーでなくても、編隊機能を利用し、下位のパーティーとして登録さえしておけば、例えば城の兵士を引き連れて参加することができる。

 

 前回は刀、盾と守護の得意なメンバーが救助に動いたこともあり、大きく被害は出なかったが、それも人の少ない村だったここが大きい。

 次また二人がフリーになるとは限らないし、人の多い街になると救助も大変になる。

 できれば避難誘導と雑魚退治の手伝いくらいは期待したいところである。

 だから、元康と協力し合った際に、マイン経由で王様にお願いをしてもらったのだ。

 

「ええ。こちらとしてもありがたい提案だし、ユウ様には実績と信頼を積んでほしかったから丁度いいわ。レベルの上がりやすい若い兵士を中心にメンバーを組んだと言っていたから、登録していってくれる?」

「助かるよ、マイン」

 

 権力者と繋がりがあると、こういうところは話が早くて助かる。メルロマルク王としてもバリアの魔法についてはしっかりと認識しており、被害をあまり出さずに動けることから刀の勇者が指揮を行うならと許可が出た。

 

「問題ないわ。だって、第一歩ですもの」

 

 熱っぽく潤んだ瞳をこちらに向けるマイン。

 場所はマインの部屋で、ここにいるのは俺とマインだけ。

 合間合間の村や街で、それなりに処理をしてきたが、マインに近づくと甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 

 ビキビキとあそこが立つのを感じた。

 マインがクタクタになって寝入ってしまうまで相手をしてもらった。

 




兵士A「死なない安全な経験値稼ぎができると聞いてっ!」
兵士B「オレ、勇者様と一緒に戦ったって孫に自慢するわ」
兵士C「いやー勇者サマサマだぜw」

使える国家権力は使うべき(*゚▽゚)ノ
使える勇者も使うべき( ・`ω・´)キリッ

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