「いやあ、噂に名高い刀の勇者様の戦いを見れなくて残念だ」
波のあとの祝賀祭ということで、誰もがたらふく酒を口にしていた。
波の力での世界渡りは波が終わったあともできるのかできないのか。
それでも、彼らは今もここにいる。
尚文と一緒に酒につまみにと食事を楽しんでいた彼らだったが、ユウが近づいてくると目が探りを入れてくる。
その様子に不審なものを感じたのか顔をしかめる尚文。
「ちょっとそこの二人と話したいんだけど、いい?」
「……勝手にしろ。誰と話すなんて俺の決めることじゃない」
そう言うと腰を浮かして舞台の上で楽しそうに歌っているフィロリアルのフィーロの元へと歩いてゆく。
その足取りはあれだけたらふくお酒を飲んでいた割にはしっかりしている。
どうも酒には強いらしい。顔色にも全く出ていない。
「グラスの嬢ちゃんが世話になったな」
一瞬どきりとするが、抱いたことへの文句ではないようだ。
特にマイナスの感情は見えない。
「俺は鎌の勇者ラルク。こっちはテリスだ」
「よろしく」
青に近い青緑色の美しい髪が光にきらめく。ラルク自体おせっかいなお兄さんキャラという感じだが、テリスはお姉さんという感じだろうか。
落ち着いた物腰と優しげな眼差しがポイント高い。
腕も悪くない。おそらく今この瞬間襲いかかったとしても、一撃はしのいで見せるだろう。
こちらの世界はレベルによる補正が強くてイマイチ総合力を測りかねるため、どの程度価判断しづらいが、グラスに負けず劣らずと言った感じに見える。
技術経験は四聖を超え、レベルなどのステータスはトントンかやや下だろうか。
「早速だが、酒をお預けされながら長々腹のさぐりあいなんてしたくない。何が聞きたいんだ?」
手元にあるコップの中の氷が溶けてカランと音を鳴らす。
「女神について知りたい。一体どういう存在で、信頼できるのか、そして何よりも会う方法がないかだ」
俺をこの世界に送ったという張本人。何を考えているのかがわからない。
単純に波を勝ち抜きたいならそもそも彼らの世界に呼べばよかったのだ。
わざわざこちらに配置した理由が知りたかった。
「それについてだが、こっちに来る前、夢で本人から伝言を頼まれてる。ーー『絆の救出を果たしたときに会おう』ってな」
「絆さんは私達の最後の四聖。こちらとしてもなんとしても助けてほしいの」
グラスからお願いされていた四聖勇者の救出。しかし、そのためには波を利用し、向こうに渡らなければいけない。
心配しなくても向こうに行っている間は俺たちがこの世界を守るぜ! と言ってくれている。
彼らからは勇者らしい誠実さを感じる。嘘はないと思う。
はっきりいって彼らと俺には大きな実力差がある。三人がかりであろうと問題なく踏み潰すことができるだろう。
彼らからしても俺は敵に回したくない相手のはずだった。
「わかった。波でそちらにいくよ」
「よしきた」
こうして女神に会うために→向こうの四聖勇者を助けるために→波で向こうの世界に向かうことになった。
ゲームのお使いイベントみたいである。
**
「お!? おおお、いいタイミングだ、任せた! ユウ!」
「はっ?」
波を終えたあと、再びブートキャンプは開始された。
魔物と戦い、仲間のLVが上限である100に達した。
だが、そこは終着点ではない。
レベルを下げ、再度育成し直すことで初期値に大きなボーナスをためてから育成し直すことができる。
戦って戦って、戦った。
回復しながら戦ってここらの魔物を簡単に倒せるようになったら、回復せずにギリギリまで追い詰めて戦わせる。
簡単に倒せるはずの魔物相手に体の動きが鈍って攻撃を受けるようになってゆく。
だから、考えるしかない。
限界に至ると人はどうすればこの局面を解決できるか考えて動く。
ラフタリアとガエリオンは次第に合図なしに連携を行い始め、ふたりとも効率的に敵を殺すようになっていく。
一太刀で命を絶ち、魔法一つで複数の敵を屠る。
敵すら利用して状況を有利に運ぶ。
そうしないと不利になるだけだからこそ、工夫が生まれだしていた。
レベルに存在しない経験を積み始めていた。
二人の思考のにぶりが極限まで至った。いつ気絶してもおかしくないところになった時点で戦闘を切り上げる。
気絶するまで戦わせることは可能だったが、そうなっても俺が助けてくれると頭に刷り込むのは危ういことだった。
剣を杖のようにつこうとするラフタリアにそれじゃあいざとなったらふるえないだろうと叱ってから宿に戻る。
倒れるように二人は部屋のベッドに倒れてしまった。
今までは他の勇者と一緒のレベル上げしかしたことがなかったから仕方がない。
一人で大浴場に向かい、汗を流したところでーー槍の勇者に出会った。
元康のすぐ隣には弓の勇者樹のパーティであるリーシアがいた。
輝く緑の髪はどことなくくすみ、ぴょこぴょこはねている二つのみつあみはしんなりとしている。
彼女自体はボロボロと涙を流しており、鳴き声を上げていないのが不思議なくらいである。
「どうしたのさ?」
「い、いやー、なあ?」
ちらりと視線をリーシアに向けるが、その表情は涙でぐちゃぐちゃでぶちゃいくである。
化粧が薄いのかしてないのか、絵の具をかき混ぜたようにはなっていないのが救いだろうか。
しかし、どうしたのだろうか。
元康は割合ライトな恋愛関係を好むようだが、別の勇者の仲間を抱いて孕ませてしまって困っているのだろうか。
自分としても一度とはいえ、抱いた相手なのでリーシアには情がないわけではない。
「……責任は取るべきだと思うけど?」
「せ、責任!? 違う違う。俺も泣いてたこの子を見つけて声かけたんだけどさー、ちょっと苦手なタイプで。その……任せる!」
そういって逃げてしまった。
その逃げ足は驚くほどに早い。
あっという間に姿が見えなくなってしまった。
「ふぇええ……、私なんて、わたしなんてだめな子なんですぅっ……!」
リーシア=アイヴィレッド。
規模の小さい貧乏貴族の娘ではあるものの、貴族の娘であり、勇者の仲間である。
しかし、今のカッコは鎧や腕輪の一つも装備していないラフな軽装で、涙で胸元までぐっしょり濡れており、山賊にでも剥ぎ取られたあとのようである。
ともあれ、泣いているところを見られるのはよろしくない。適当な個室に連れ込む。
ムリヤリする趣味がないせいで、個室に二人っきりでも慰めてほしいとでも言われない限り抱いたりするつもりはない。
話を促すとぶええと幼児のように泣き始めて困惑である。
「えと、樹と何かあったの? 作戦、だめだった?」
元康でないなら犯人は樹である。
仲良くなれると言いくるめて抱いたところもあるので、ちょっと罪悪感が湧いてくる。
「い、いえ、ちゃんと、ちゃんと樹様とほんの少し仲良くなれましたぁ」
あれがこれでああなんだとシーンも状況もごちゃごちゃの中話し始めたが、どうやら距離は縮んだようである。
正直、樹との仲が深まったというよりは、リーシアが男に慣れて近づけるようになったという感じのようだったが。
「じゃあなんで?」
「ううう、鍛えても、鍛えてもわたし、強くなれなくてぇ……首にされちゃったんですぅ……!」
なんでも、弓の勇者の樹の必要とするメンバーは盾にもなる前衛である。
魔法の才能もあったが、リーシアもまた前衛側にクラスアップを果たし、カルミラ島でレベルも上げたのだが……
あまりにも弱すぎたそうなのだ。
そもそも、樹のフィロリアルのブラックなんちゃらのクロちゃんが強すぎたそうである。
樹を乗せながらも狙いやすくする補助動作、高起動能力による回避。
近づかれた場合のキックによる攻撃力。
正直純前衛職である戦士のヒゲおっさんですらどこまで役に立っているのかという状況で、格別に低いステータスを誇るリーシアは足手まといになってしまったという。
「あんなの、あんなの反則ですぅ……!」
「な、なるほどー」
「盾でも、何に使ってもいいって、使ってほしいって言ったのに、言ったのにい……!」
ふええと鳴いていた生き物はぶええとなく生き物にクラスチェンジしてしまった。
勇者のフィロリアルはクソ強いからね。しょうがないね。
しかも弓の勇者に最適な攻撃しながら移動可能で、接近戦も行えるとか……。
原作で尚文はリーシア鍛えましたけど、あくまではめられ追放だったからっていうのが強いから、この作品だと尚文が知っても仲間にしたりはしなさそう。
エロシーンほしいサブキャラは?
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メルティ・マルティ
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メイドのメルさん
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商人のラビさん
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ガエリオン
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まだエッチしてない原作キャラ