尚文のフィロリアルのフィーロを見ればわかるが、彼らは小回りがきく割には強力かつダイナミックである。
奴隷と同じく成長補正も簡単に効かせることができるので、成長も早い。
種族の暴力で防具なんてなくても強い。
さらに言えば人化で人でないとできないことがだいたいできてしまう。
(トロそうだしなー)
リーシアはどう見ても校内マラソンで一周二週の差をつけられてチャイムが鳴るまで走り続けるタイプである。
過去の勇者経験ではそもそも優秀だろうがなんだろうが孕めば前線から下がるので戦力なんてどうでもいいというか、料理や寝床の準備さえできれば仲間の強さなんでどうでも良かった質ではあるが、現代中学生としてゲームで学んだ感覚はある。
その知識が言っている。
使えない仲間は酒場送り。
よくあるやつである。
戦場で出撃されるパーティ人数に限りがある以上、下位互換は上位互換キャラが来た瞬間に下げられるものである。
聞いた話から特に苦手属性なく幅広く魔法が使える便利枠っぽいが、得てしてこういう万能キャラはどっちつかずで確かに使えないことが多い。
せめて魔法に特化すれば生きる道もあったかもしれないが、前衛不足からの戦士系クラスアップではステータス的にもとどめなのだろう。
ゲームではないが、ゲームでよくある『クラスチェンジミスしたユニットってやっぱり育てられないよね』と言う感じである。
「えっと、故郷に帰ったら? 戦うだけが人生じゃないよ……?」
世の中選択肢はたくさんあるものである。
あえて戦いの場に身を置く必要もない。
樹に助けられてついてきたらしいが、本人に不要とされたのならこれもまた機会である。
「ぶええええっ!! 樹様のち゛からになれ゛ないなんて、じんだほうがましですぅ~~~!!」
いつきさまのためならいのちだっておしくないのにと幼児のようにわんわん泣き続け、疲れ果てたのか寝てしまった。
夢でも捨てられているのかシクシクと泣いている。
正直、勇者は遊びではない。
覚悟が要求される上に実力も求められる。
お情けで連れていけるかといえば否である。
少なくても、ラフタリアはそういった気持でついてきてくれている。
だが、もったいない。
あれ程慕っていて、命の危機であろうとついていきたいと言っていのだ。
かつて勇者だったときだったら踊りながら受け入れて100人くらい子供を産ませていたかもしれない。
それにだが、初期パーティーから色々入れ替えているせいか、今の勇者パーティはクセが強い。
元康の仲間は後方で応援とバフばかりだし、錬の仲間は錬を崇拝しちゃっているし、樹の仲間は皆、目の奥に打算が見える。
元康のパーティーも結構怪しいが、樹のパーティーの信頼度は結構低めである。
錬の仲間のように慕っているわけでもないのに正義の御老公ごっこに笑顔を貼り付け慕っていることを考えればどの程度かはわかるだろう。
そんな中、リーシアの純粋に彼を慕う点はポイントが高いだろう。
「仕方がない」
他の勇者の仲間を鍛えるなんてお人好しすぎるが、現状ラフタリアとガエリオンはもう上限に近い。
これ以上は竜が知るというLV限界突破の秘術を得ないと頭打ちになる。多少早いか遅いかである。
回り道が力になることもあるだろう。
**
「たのもーう!」
「か、刀の勇者! 何だ貴様、ここは樹さまの部屋だぞ!」
「おや」
首にしたとはいえ、リーシアは弓の勇者の仲間である。本人に確認と許可をもらうべきだろうと考え、彼らの部屋へとやってきたのだ。
ソファーに座り、優雅に紅茶を口にする樹を見つけ、近づこうとすると口元のヒゲが特徴的な甲冑男のモルドに阻まれる。
ムッとしながら樹に要件があると伝えると、渋々横にどかれる。
部屋の樹は誰か来るかと思ったがあなたかと目が語っていた。
「どうしましたか? 僕も暇ではないのですが」
「そんなに時間は取らせない。リーシアのことだ」
そう伝えると、紅茶のカップを静かに下ろした。
「僕も彼女のことは評価していましたし、辛抱強く彼女が強くなるのを待ちました。本当であればカルミラ島に来る前にパーティーから外したかったのですが、最後の機会と思って連れてきたのに、彼女は強くなれなかった。ですから、彼女のためを思ってパーティーから外れていただきました」
「なるほど」
「それに、彼女はちょっと他の仲間と合わないみたいですし。正義のために戦う僕たちにあれこれうるさく言うことも多くて」
女王の影は樹に殴るべき悪徳貴族や盗賊などの情報を与えていたが、どう行動するかは樹たちに任されていた。
樹の前で行うことはなかったが、モルドが何者かに金銭を渡されているのを見たことがある。
手慣れた様子を考えれば初犯ではありえず、そんな彼らの行動に注意して煙たがれるリーシアの図は簡単に思い浮かぶ。
彼女はそれなりの格の家のわけで、バカではない。
真に自分を想う仲間を外して、彼らを養護する姿は哀れに見えるが、『勇者は女神の遣わした信仰対象』という常識の中であっても命の危険がゼロでない中ついてきた仲間をかけらも信頼できずにだたの女としか映さなかった自分の言えることではないかもしれない。
男として恋人として見ていなくてもこちらを思ってくれている人はいたかもしれなかったのだから。
しかし、
「それはしょうがないな……」
「ええ、そうでしょう? 僕は悪いことをしたとは思っていませんよ」
やはりそのまま仲間でいてもらうことは難しそうだ。少なくても強さがなければ行けない。
同意を返したことに我が意を得たりと大きくうなずく樹。
「じゃあ、リーシアもらっていい?」
「え……」
「仲間にしようかと思って」
「い、いいですが、足手まといになっても知りませんよ……?」
「現状だと誰を仲間にしても足手まといスタートなのはしょうがないさ」
「鍛えた上で、となると別だと想うんですが」
何が理由なのかわからないが、どことなく嫌そうである。
仲間が引き抜かれるような気持ちか、強くなって見返される可能性か、小さく不満と嫌悪が顔を出している。
本人の自覚があるかはわからないが、全く思うところがないわけではなさそうだ。
そもそも、カルミラ島まで連れてくるくらいには期待はしていたのだろうし。
口うるさいというのも強くさえなればなんとかなりそうな範囲のようである。
「役に立ちたいんだってさ。盾でも何でも使ってほしいって──「そうですか。そこまで言うなら勇さんが連れて行ってください」──え?」
だから、育ててみようかと。いつか強くなったらまた考えてほしいとつなげようとすると不快そうにふんと鼻を鳴らす樹。
「あ、え?」
「話は終わりですね。では出ていってもらえますか?」
「へ、あ~と」
「おい、樹様が出て行けといっただろうっ!」
モルドに突き飛ばされるようにして部屋から追い出されてしまう。
「一体どこが地雷だったんだ……?」
できれば強くなったらいいですよと確約を得たかったがこうなったら仕方がない。
強くしてからもう一度話すしかないだろう。
ため息を付きながら部屋に戻ると、そこはすでに蛻の空だった。
樹は原作よりはリーシアと心の距離が少し近いので仲間にすることに不快なようです。
樹「(勇者なら誰でもいいのでしょうか……すこし、不愉快ですね……)」
次回はリーシア改造計画。
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原作では尚文が元康にリーシアの事情を聞きに行くのでそれを参考に
元康のところに行くが席を外していてその間にマインと怠け豚エレナさんとエロス、と思っていたのに、いざ書いてみると……。
原作と違い樹パーティにはめられた→勇者の醜聞にもつながるのでリーシアは事情を話さない→尚文は情報収集し、自分と同じくはめられたと気づく→身投げしたリーシアに悔しくないのかと怒り、鍛えることにと言う流れ、でしたが。
力が足りないのが理由の解雇→リーシア赤裸々に話す→元康を通す必要がないので直接樹に確認する→力がないなら鍛えるかに。
プロットはふんわりと書いてるので、時々想定と合わなかったりしますw
リーシアさんの方向性を参考に教えて下さい
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樹様大好き一途。勇様ありがとうございます
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樹様大好き一途。勇様はエロテク教師です
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樹様大好き、でもエロは勇様と♥
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樹様は尊敬、でもパートナーは勇様です♥
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樹様も勇様も純粋に尊敬してます!!