十分な明かりのない中、視覚が弱まる分、他の感覚は興奮もあってどこまでも高まっていた。
(におい、いいにおい……肌も、ところどころ固くてゴツゴツしてる……オレと違う……)
唇と唇を触れさせるだけで心臓が弾けそうになるのに、彼に引き寄せられるように体が近づいてゆき、二度、三度と口づけを交わす。
幸せな時間だった。
何年もの孤独の中、変わらない毎日を過ごし続けていた絆にとってはそれはそれは植えて死ぬ寸前まで絶食した後に口にする水や甘い蜜のようなものだった。
……と、ここまでは良かった。
唇をしたしそろそろと考えてはっとしたのである。
絆は何年も何年も閉じ込められていた。
最低限の習慣は続けていたものの、こんな場所ではできることできないことがある。
勇者武器によるアイテム生成があるにせよである。
例えば食事はするし、デザートもたまには作って食べたし、食後の歯磨きもしている。
だが、肌ケアは最低限だし、寝起きから1時間もかけるような手入れや化粧などはしていない。
素のできが良い絆は化粧などなくても十分に可愛らしい容姿をしていたが、問題は別である。
人間、必要必要ないと思うものは削ってしまうものだ。
例えば──そう、夏の間は熱心であっても、着込む冬には疎かになりがちな──
(毛の処理してないっ!!)
コンプレックスを抱くほどに生える質ではないが、整えていない以上生えている。
そうこう悩んでいる間に勇の片手が体を優しくなでながらだんだんとしたに下がっていくのを感じる。
まずい。まずい、このままじゃ──
吹き出しそうになる冷や汗。笑顔を崩さないようにギリギリのところにとどめながら──
勇の手を掴んだ。
「こ、こっちを……その……」
掴んだ手をゆっくりと胸へと運ぶ。過程で手のひらが乳首に触れた瞬間、衝撃が体を襲い、間抜けな声が出そうになってぎゅっと口を閉じる。
「んっヒッ♥」
(うわ、おおおお!? 男に触られるってこんななの!?)
絆とて中学校には通っていたのだ。友達もいたので、これ兄のなんだけど、とAVを見たことも一度だけだがある。
あの中では胸の大きいお姉さんが胸を強引にぐにゅんぐにゅんと揉んでいた。
触れただけでここまでとなると、あんなにされたら死んでしまうんじゃないだろうか。
だからプロやれてるんだろうか。やばいな。やばい。
とはいえ、優しく撫でるように胸を触られると、感じすぎない程度に心地よく、ベテランのマッサージを受けている以上に気持ちが良い。
見えない何かが高まっていくのを感じるが、不安を心地よさがうわまっている。
その上、毛が生えているだろう足に触れられることがなくなって安心したこともあり、その心地よさを受け入れることができた。
そう、生えているのは足である。
産毛のようなものにせよ、それが触れられると感じた瞬間に恥ずかしさを覚えていた。
陰部の周囲の毛については姉もまだいいかと指導しなかったこともあり、本人の意識外にあった。jkゅいお
姉がここにいればそっちの毛こそ意識するべきでは? とツッコんだかもしれないが、感覚で言うなら、背中の毛やほくろのようなものだろうか。
自分の見えないモノは意識しずらいものなのである。
(あれ? 進んで胸を触らせている?)
そう考えた途端、それはそれで恥ずかしくなった。気持ちいい。でも恥ずかしい。
だから、言ってしまった。
「も、もう大丈夫だから!」
何が大丈夫なのかわからないが、大丈夫なのである。
キスして胸を触ったからには多分これでセックスである。上、真ん中、下である。
痛いらしいがさあこい! と食いしばっていると、「わかった。でももうちょっと準備してからね」と額に口づけされる。
(おーう、なんだかアメリカン……)
どうアメリカンなのかわからなかったが、絆の中で額へのキスがアメリカンなドラマか少女漫画にしかでてこなかったのである。
年下なのに大人っぽいと思う反面、経験豊富なのか? と見えない相手に嫉妬する。
だがその気持も、勇の指があそこに触れるまでだった。
「はひっ♥ はっ♥ あっ♥ ……え?」
体がプルプル震え、頭がしびれる。
視界が真っ白に埋め尽くされて、自分が壊れてしまったみたいである。
(攻撃された!? でも、魔力を感じない……)
お豆を触られているのはわかる。なのに、なぜこんなに体が反応してしまうのか。
(……え? イッてる、ってこと?)
普通はそうそういかないらしい。性の奥義みたいな領域のはずである。
だからこれは違うような、いや、他にあるのだろうか。
「えっ、え♥ なんだ、これっ♥」
今までもじんわりとトロトロと愛液の”漏れる”感覚はあって、セックスをするのだからそういうものだろうと思っていた。
それまでの人生でそれこそAVを見たときになんとなく濡れたな、と言う状態になったことはあるのであるし、本番となればそういうものだろうと思っていたが、いじられ始めてからは締め切らなかった蛇口の状態からひねった蛇口に変わったようである。
もうすでに下着どころか布団も濡れている。
「じゃあ、入れるね」
横に並ぶようにして二人で寝そべっていた状態から、上に覆いかぶさるような状態になる。
その際、少しだけ、男性器が見えた。
(うわあ、股間から角が生えてる……)
あまりに雄々しく写り、自分は串刺しにされるのかと怖いイメージが一瞬浮かぶ。
それも勇が絆の手をそっと握ってくれたことでなくなっていくのを感じる。
注射を目をつむりながらこらえるように痛みを待っていると──
クプッ、グチュチュと音を広げながら自分の中に異物が入ってくる。
「あっ♥ ああっ、あっ♥」
小柄な絆のお腹をふくらませながらよく濡れていてもひったり締まっている穴をズルリと入り込んでゆく。
膣壁をゴリゴリ削るように入り込んでくる感覚は耳かきを何倍にも心地よくしたものであり、脳を貫く甘い痺れと合わせてズンと膜を破って入り込んできたとき、再び絆は絶頂した。
(オレ、どうなっちゃうんだ……)
年下の男の子に赤ん坊のように抱きつきながらも、優しく攻め上げるようなその動きに一突きされるごとに自分じゃない誰かが変な声を上げるのだ。
抱かれて、内側を晒して、体を、心を預ける。
なるほど。母や姉が『好きな相手とするべし』というだけはある。
体の内側から染め上げられていくような感覚を覚えた。けれども、それは不快ではなくとても心地よいものだった。
そして、これを知る前の自分には絶対に戻れないことを確信した。
もう何も知らなかった純真な昔にはもどれない……
まあ、昔が釣りしかない閉じた世界だからまあいいよね。
--追記--
うまく次話がかけなくて、1週お休みになります。すみません。。
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