窓から優しく指す朝日にまぶたを照らされ、目が覚める。
ベッドから降り、うーんと腕を伸ばすと、体の動きに合わせて、ドロリとした液体が足を伝っていく。
なんだと足を見ながらその白く透明な線を目で追うと秘部から流れ出ている。
入り口を指で小さく開いてみると、大玉を作ってドプリとたれ流れてゆく。
粘度が高いのかゆっくり足を伝ってゆく、どことなくくすぐったさを感じた。
「たくさんでたんだなあ……」
どのくらいが普通なのかはわからないが、AVよりはるかに出ているのだから、多いのだろう。
なんだかそれが自分のことを思ってたくさん出してくれたのだと喜びのような気持ちが湧いてくるのを感じた。
自分への思いの証拠に違いない。
それを意識した瞬間に胸がときめくのも感じた。
異性を意識しなかった自分だが、こんなにときめくなら皆が夢中になるのも仕方がないと感じる。
ベッドへ視線を向ける。未だ寝ている彼の寝顔は無邪気で更に幼く見える。
年下相手に誘ってしまったことに少しだけ罪悪感を感じた。
(まあ、一生一緒にいるんだから年齢なんて大して問題ないか)
子供は何人ほしいだろうか。でも、欲しがる人数よりずっとずっと多く生んでやるんだと……気合を入れた。
**
「勇。好きだ。子供は何人ほしい?」
セックスした翌日のおはようの挨拶の次がこれである。
笑顔を浮かべ、どことなく満ち足りた表情をしている絆はそう言った。
「ありがとう? 男女一人ずつ??」
「なるほど。兄弟はいいよな。オレはもうちょっと女の子ほしいけど」
なんだか彼女からの好意が振り切っているのを感じる。
先に起きていたらしい絆は体を洗って服を着替えているにも関わらず、お互いの体液まみれで全裸のユウにもたれかかってきたのである。
好感度がとても高かった。
初めての子には深い快楽に怖がるタイプとのめり込むタイプがあるが、それとも異なる、惚れ込まれている感じである。
いい奥さんになる! と意気込んでいる彼女は可愛らしかったが、ここに根を張る気はなかった。
こちらの世界についてきてはくれるのだろうか。
「それで、出口を探しに行きたいんだけど」
シャワーを浴びて、朝食を一緒にとって。
その間ずっと目に薄っすらとハートを描いた絆にあなたのことが気になります! とキャピキャピ質問されていた。
日本の学校を思い出すノリだったが、いつまでもこうしていられない。
話をすると、絆は一瞬表情を曇らせた。
「これでもオレだって勇者で、ずっと出口は探し続けたんだ」
けど、見つからなかった。世界は繋がり合い、閉じている。
入れるのに出られない。そんな有限でありながら出口のない無限の迷宮なのだと。
「出口が見つからないのはわかった。そうなると、ほころびや、中心点かな」
「そんなものあるか?」
体を守るような小さな結界であっても、全てが均等に力がかかっているのではない。
力を維持している術者との繋がっている点が一番力強く、遠くなるにつれて弱く薄くなる。
手をかざしてバリアを張っている場合正面が強くて後ろから殴るのが一番簡単に壊せるという感じだろうか。
内側に入ってわかった。高い耐久性を感じるがこの世界は壊せる。
ただ、壊した際に周りにどんな影響を与えるか。出口だけを作るのであれば極力起点となる場所か一番外側で行う必要がある。
そう言ったことを伝え、なにか思い当たるようなところがないかと伝える。
「……社みたいなところがあるけど、そこ行ってみる?」
**
無限の迷宮は確かにおかしな世界だった。
海近くの寂れた港町みたいな光景から、森深い木々に囲まれたり、山頂のような岩石に囲まれたり。
そんな道を歩いて進んだ先にあったのは寂れた神社であった。
管理者のいないそこは苔や木々に侵食されだしている。寂れた空間に反して虫は一匹もおらず、音がない。
二人の立てる足音すら静かに吸い取ってしまう。
廃墟マニアだったら喜んで写真を取りそうな光景だったが、滅びの美しさを感じるには若い二人にはなんとなく寂しいところと言う印象だった。
「維持システムのひとつって感じ……かな」
神社の柱をペタペタ触る。
迷宮を閉じるシステムに触れられることで、干渉が可能になった。
たが、複雑なシステムに介入するのは、システムを良く理解していないと難しいものである。
ところで、プログラムコードの書き方がひどすぎて中身が全く理解できない。
この苦しみは公式をおぼえていない数学の証明問題を解くような苦しみである。
「だいじょうぶ?」
このへんを、こうして、たぶん、いける! ──エラーが検出されました。
どこが! なぜ!?
腹を立てながらもとに戻して、再度──
思うに、昔の勇者時代の魔法を習う時間はそれなりに楽しいものだった。
できることが増えるという実感、役に立てるという思い、褒めてくれる仲間の声援。
ひどいトラウマのできた時代だったが、それでも強くなるための努力に関しては面白かったと思えなくもない。
──いまは腹しか立たない。
ムカムカしてきた。そもそも出られない迷宮なんてなんのためにあるのか。
なぜ穏便に解決しなければいけないのか。
そもそもこんな迷宮の存在、百害あって一利なし。
壊そう。このイライラとともに……。
仕組み自体を変えることは全くできなかったが、性質自体はなんとなくわかった。
閉じられた箱なのだ。だからどこまで移動しても箱の中。
そして、返しがついている穴がどこかにあり、入れるが出れない。
しかし、内側から大きな力を爆発させれば、膨らんだ空間はパカリと開かれるはずである。
言うなれば炭酸の入ったペットボトルにメントスを入れると膨らんで蓋を飛ばすようなイメージである。
そんなふわっとした理論を絆に伝えるとジトッとした目で見返されたが、まあ、何事もチャレンジだ! と応援されることになった。
社をでて、システムへのとながりであるそこに向けて構える。
──全力。
魔王を倒したときより、遥かに増えた能力。全力を出す場所も相手もなかったが、こんなところで行うことになるとは思わなかった。
戦闘ではためのない一撃、消費が少なく最大威力がジャスティスだったが、今はいくらでも準備が可能である。
全身にパフを重ねる。何倍にも掛け算が繰り返され、能力が莫大に膨れ上がっていく。
刀を引き抜き、魔力を込める。
カタカタと弾けそうになる力に震える勇者武器。
かつて手にしていた剣であれば力に負けて溶けていたかもしれない。
悲鳴をあげながらも力に耐えているあたり、さすがと言えよう。
「──で、でたらめだ」
「雷神剣!」
雷が落ちるような轟音とともに神社は消え、空間は歪み、穴が開く。
「飛び込むぞ!」
「お、おう!」
絆を横抱きに抱えて穴へと飛び込む。
落ちるような浮遊感。この夢幻迷宮に入ってきたときと同じような感覚。
「やった! やっと、やっと出られた! 間違いないよ! ここは外の世界で間違いない!!」
うわああと湧き上がる歓喜にニッコニコに笑う絆は抱きつきながらもぴょこぴょこジャンプするせいで服が擦れて何度もめくれ上がる。
何年も閉じ込められていたのであればこれはしょうがない。
「ミカカゲだ!! 鏡の眷属機の国!! 出てこれたんだ!」
うおーと両手両足をバタバタと振り回しながら喜ぶ絆であった。
どこまでも嬉しげにバンザーイとはしゃぐ絆だったが、反面周りの様子がおかしい。
突然降り立った二人の男女にざわめくのは当然のことだが、大量の武装した兵士たちがやってきたのである。
「おのれ、罪人、狩猟具の勇者、風山絆め!」
ピンチ到来である。
一週遅れてすみません。絆世界はアニメに出てこないので、イメージがしづらいという問題点がありますね!
盾の勇者の成り上がりは書籍で何故か地名など名称を出さない傾向にあるので、絆の拠点国の名前もよーわからんし(8巻で色々活動してるのに出てこなかったと思う)、キョウとは別の敵の天才術士さんの名前は何度も聞き取れなかったとかで、まじで出てこなかったし。
なんか平安風の服! とかなんか江戸風とか省エネすぎるよおお!
あ、盾の勇者の成り上がりリライズ(アプリ)はじめました。課金し始めるとキリがなさそうなゲームですが、決めておけば楽しめそうです。
ワールド25でプレーしてます。よかったらうちのギルドに来てください(勧誘)
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