※この作品はR-18です。

性勇者様のやり直し   作:もこもこ@

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099 お前たちは包囲されている

 

「み、ミカカゲの兵士!? なんでこんなに!?」

「普段はいないのか?」

「そりゃそうだよ! 脱出不可能の無限迷宮の入り口を誰が見張るっていうんだ! 普段は数人しかいないはずなのに!?」

 

 現れた兵士たちはメルロマルクで見るような鉄の鎧を基本とした西洋の兵士ではなく、和風な、それこそ時代劇で見覚えのある江戸の戦士、侍に似ている。

 かといって顔立ち自体は日本人のそれではないので、日本かぶれの西洋人が全力を出して似合うカッコ作ってみました、という感じだ。

 違和感を感じるのに着こなしているという不思議な感覚を覚える。

 人数は10を超えており、どれもがランクアップを果たしてそうな……メルロマルクで言えばそれなりに強い人間たちだ。

 

「異世界から巨大な存在がこの世界に侵入したことを感知して、念の為警備を厚くしたのだ! 観念するがいい! 今噂の天才術士殿もぞうえ──」

「《範囲化》《麻痺》」

「んガピッ!? がが、かららが……」

 

 周囲を麻痺させる。事情はわからないが、敵である以上先手必勝である。

 

「わお。瞬殺だ……強いんだな、勇って」

「半日はろくに動けない。《範囲化》《記憶混濁》これで一時記憶……一時間分くらいの記憶は曖昧になったはずだ」

「混濁って、どの程度?」

「ピンク色の象に襲われたと真剣に主張し始めるレベルかな」

「それは厄介だな」

 

 麻薬中毒者と誤解されること請け合いの魔法である。少人数相手だったら確実に首か牢屋送りになる恐ろしい魔法である。

 とはいえ、兵士10人となると、個人の犯罪だったとは思われないだろう。

 信頼のある真面目な兵士だっているだろうし、薬物を盛れる何かがあったことは間違いなくなってしまう。

 無限迷宮に入ったのか出たのか、どちらかだと判断されるだろう。

 そうなれば絆は逃げたと警戒されるはずだ。だが──。

 

「……殺さないでくれて嬉しいよ」

「嬉しい?」

「まあ、日本人の勇者だし殺さないかな?」

「なるべくは……」

 

 罪ある盗賊ですら殺したくない人間なので、敵対しているだけの善良な兵士など殺せるはずもない。

 

「俺は殺せないだけかもだけど」

 

 絆の狩猟具は、狩りの道具だけあって、人間を害せず魔物に特攻を持つらしい。

 盾もそうだが極端な武器である。

 正直鉈だって武器になるし、盾だって人を殴り殺せるので、盾だから攻撃できない、狩猟具だから人間を狩れないというのはなんともゲームチックである。

 

「それはともかく、急いで離れないと」

 

 グラスからの依頼は絆を無限迷宮から助けることだが、女神と合うためには彼女の国に行く必要がある。

 

「歩いていくのは……難しいと思う。国を出ようとすると関所があるし、出る人間のチェックは厳しいんだ。逃げ出したことがバレてないならともかく、バレたんなら関所破りしないといけないし、追っ手も来るだろうし。だから、龍刻の砂時計に接触して、帰路の龍脈で安全な国に移動するのはどうかな?」

 

 いわゆるポータルシリーズのこの世界バージョンらしい。

 龍脈の砂時計の場所を基準に転移できるが、一度行ったことのある場所であることは変わりがないようだ。

 

「この国の龍脈の砂時計の場所は?」

「神殿……国の重要施設だから、──まあ、カチコミかな?」

「わーお」

 

 とはいえ、強さに関してはグラスからもお墨付きがついており、すなわちこの世界でも強者であるということだ。

 であれば追手に追われてえっちらするより、一気に突き進むほうがいっそ安全であると言える。

 

 **

 

「うん、似合うと思うよ?」

「いや、ぜったい似合ってないよ……」

 

 バレて対策を取られるまでに半日以上の時間はあるが、そもそもあからさまに異国風のカッコではすぐに警戒されるということで、着替えることにしたのだ。

 金は盗賊から奪ったものの換金できていなかったアクセサリー類である。

 そこまで物がいいものではないが、ここから見れば異国の材質の異国の細工。

 それなり以上の値打ちになったろうが、商取引の経験もなければ実績のない若い子供の二人。

 だいぶ足元を見られて買い叩かれてしまった。

 

 尚文のように商才でもあれば別だがないものはない。

 とはいえ、それでも首都へ行くための足代など諸々を支払うには十分な金銭を得ることができた。

 お金があるなら着替えよう。

 あまりにも異国の風体である俺をみて絆が提案した。

 そうしてショッピングが始まったのだ。

 

 和風なこの国の衣装……将棋の棋士くらいでしかテレビで見ない、羽織袴である。

 しかも異世界らしい色鮮やかな翠色。

 なんというか、やはりしっくりこないというか、コスプレじみているというか。

 

 絆もまたトレードマークになっているゴスロリをやめ、胸当てを装備したくのいち衣装だ。

 上から羽織をつけているので、ややミスマッチだ。

 お色気方面なのか衣装の各所から肌色が見えており、特に太ももが白く輝いている。

 幼く見える外見に反したその衣装に周囲からちらりとこちらに向けられる視線を何度と感じた。

 

 とはいえ、顔まで変わっているわけではない。バレるのでは。色を変える魔法でも使おうかと提案すると、

 

「お偉方でもないとオレの顔は知られてないし、大丈夫大丈夫」

「なんだか恥ずかしいなあ……」

「大丈夫大丈夫」

 

 見るからに異国風の男が隣りにいる狩猟具の勇者っぽい女=絆になるのは当然だから変装は仕方がない。

 ただ、微妙に日本に近い分恥ずかしさを感じてしまうのだ。鎧は大丈夫だったのに不思議なものである。

 メルロマルクが割とスタンダードな異世界というか、前の異世界ともさほど違いがなかったこともあり、今のほうがより異世界感を感じている。

 

 和服なエルフとかがそうだろうか。

 スレンダーなシルエットに、肌も白くてきれいな金の髪の美貌揃い。濃い色の平安風の衣服に違和感があるが、みているうちにだんだんとそういうものと思えてきた。意外と似合っている気がしてきた。

 胸もスレンダーだからだろうか。ぜひとも帯を解かさせてほしいものだ。

 

「草人はやっぱり珍しい? オレも最初は珍しくてさー、じっとみちゃったし、仲良くなった子に触らさせてもらっちゃったよ。ツンと硬いのに触るとピクって動くんだ」

 

 絆はにこやかに語っているが、こちらの声を聞いた草人が恥ずかしげに顔を伏せてからさっと耳を隠したので、結構敏感な場所のようだ。

 

「あの子、やらしいみたいな目で見られてるけど」

「あ、あれえ!?」

 

 視線を避けるように俺たちは移動を開始した。

 




メルロマルクの亜人はけも系ですが、絆世界はエルフやスピリット(魂人)がいるわけですが、エルフのかわいい女の子はいなさそうなので残念ですね!
絆世界は絆主人公というか、男キャラのほうが多めみたいな。

しゅん。

絆パーティで好きなのは?

  • 風山絆
  • グラス
  • テリス
  • ラルク
  • 全員さほど好きではない
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