※この作品はR-18です。

波間の向こうを目指して(新・本編)   作:夢枕 七変化

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か弱い女の子

 後に……語り継がれるこの〝ヒルルクの桜〟は、まだ名も無きその国の、自由を告げる声となって夜を舞う。丁度、この土地でおかしな国旗を掲げる国が誕生するのは、もう少し後の話だ。

 チョッパーが涙を流し終えた頃、私はチョッパーの手をひいて共に船へと向かう。その道すがら多少の買い出しを行い、その荷物を1人で抱えようとしたらチョッパーが当然のように荷物を持ってくれる。

 それに笑顔を向けてお礼を口にすれば、ルフィやサンジ君も買い物したなら持つと言ってくれたので、予定よりも多くの買い物を出来て思ったよりも多くの食材等を買い込めた。夜だというのに人に溢れた街で、最低限の買い出しをした物を積み込んでいると、ビビが川で凍り付いているカルーを見付けた。

 悲鳴をあげながらビビが助け出した後、カルーを必死で温め治療している間に、私は大騒ぎして居るだけで手伝いもしない四馬鹿に指示を出して船を出させる。けれどもふと、気がついた時には酒盛りを始めていた。

 海からも見える祖国の桜を見つめるチョッパーを、四馬鹿が酒盛りに誘う。それについて私が怒ると、ルフィはカルーに対して生きていたから良いと言い出した。

 それに続いてゾロは、カルーに対して足を滑らすなんてドジだと笑う。酒の席とは言え、コイツらには思いやりがないのではないかと先日とは正反対の事を思う。

 

 「ゾロって奴が川で泳いでていなくなったから……」

 

 そう言ってカルーの言葉を通訳したチョッパーの言葉を聞いて、私はゾロを殴ってからチョッパーを褒める。チョッパーは相変わらず口は素直じゃないけど、態度がそれを覆すからつい、抱き締めてしまう。

 うん、可愛い!仲間になってくれるのを今か今かと、時期とか忘れちゃってたけど、ずっと待ってたのよー!

 しかしそこに来て何故か、サンジ君とルフィがチョッパーが医者である事に驚きの声を上げるから、つい冷たい反応を返してしまう。その時の反応でチョッパーがどこかへ逃げようとするから、それを抱きしめる事で抑えて危険人物達から見えないように庇う。

 

 「大丈夫よ、チョッパー。コイツらが危険そうなら、夜は私と寝ましょう」

 「い、良いのか?」

 「チョッパーなら構わないわよ。ね、ビビ」

 「えェ、トニー君。酷い目に合うようなら、1緒に寝ましょう」

 

 私達がそんな会話をしていると、不意にチョッパーが医者として役に立てないかもなんて落ち込んだ様子で言い出す。だからどうしたのかとチョッパーを見れば、チョッパーは泣きだしそうな顔をするから、とりあえず頭を撫でながら話を聞く。

 

 「医療道具が無いんだ」

 

 慌てて逃げて来たから、何も持って来てないのだと嘆かれてしまう。けれどソリの中を見れば袋があって、私は不思議に思いながら確認する。

 

 「これじゃないの?」

 

 ……それはチョッパーが用意したものではなく、ドクトリーヌがチョッパーの為に用意していてくれた物だった事が、あの逃げて行く時に投げ込まれたとしか考えられない事で理解出来た。それによりしんみりするチョッパーを撫でながら、私は笑いかける。

 

 「素敵な人ね」

 「……ありがとう」

 

 チョッパーはそう言って笑うから、孤独の中に埋もれて生きてきた子だから、私は思わず強く抱き締めていた。それにチョッパーは気恥しそうにしながらも抵抗しないから、つい、そのままで語り掛ける。

 

 「困った事があったら言ってね。やれる事はやるし、どうにか出来ないかちゃんと考えるから。だから……1人で悩んだりしないで、ちゃんと話してね」

 「……うん!」

 

 そんな私とチョッパーの幸せな雰囲気を破壊するかのように、ルフィとウソップに誘われたチョッパーは宴に混ざっていく。あの2人にかかれば哀しみなんて消えてなくなるのは分かってるけど、純粋なチョッパーにアホな事を教えるなと私が怒ってもそれはどこ吹く風。

 チョッパーはそんなこんなで輪の中に入って行くと、泣き笑いを浮かべる。それは本当に嬉しそうで、きっとこれから先チョッパーが孤独の中で泣く事は無いのだろうと思えて、ほっこりとした気持ちになりながらその姿を見守る。

 

 「こんなに楽しいの、俺、はじめてだ!」

 

 チョッパーにそんな可愛い……いや、嬉しい事を言われたクルーは、迷う事無く酒を手にして、新しい仲間に乾杯をした。船は今〝最高速度〟で……砂の国アラバスタを目指している。

 その中で何か歌えと言われて私は唇を開く。ルフィが望むのならば、きっと私はなんでも出来る。

 明るい歌や曲を選んで演奏しつつ歌う私に、皆も楽しそうに混ざってくれるから宴は大いに盛り上がる。なんだかんだと1番盛り上がるのはいつもと変わらず、ビンクスの酒だ。

 そんな中でも皆が何か私の歌をと言い出したから、ビビとチョッパーは不思議そうにしながらも趣味で何か歌を作ってるのだと判断したらしく、歌ってくれと言われる。だから私はゆっくりと唇を開き、心のままに歌い出す。

 

 「『ピースサイン』でも、歌いますか」

 

 なんて言葉を口にしてから。それに皆分からないだろうに頷いてくれるから、演奏を開始する。

 

 「ーーー」

 

 歌い出すとチョッパーとビビが私の低い声に驚いたような顔をする。それに気付いていながら、私はそれを無視して歌い続ける。

 

 「ーーー」

 

 歌詞に反応したのは私をアーロンから助け出してくれた仲間達で、私はその優しさに笑いそうになるのを堪えて歌い続ける。彼等がいるから、私は今ここにいる。

 

 「ーーー」

 

 ルフィがその表情を歪める。私が未来を知ってる事はここにいる誰も知らないはずだから、この歌詞と私は繋がる事はそんなに多くないと思うのに。

 

 「ーーー」

 

 今だからこの歌を歌いたいと思えた。誰にも私が未来の1部を知っている事を教えるつもりは無いけれど、この歌に心の1部を……思いを込める事を許して欲しい。

 

 「ーーー」

 

 ベルメールさんとノジコが泣かないでいられるなら、それだけで良かった。今は、悲しませたくない人が随分と増えた。

 

 「ーーー」

 

 サビを歌い終えた所で、皆の視線が突き刺さるのがわかった。でも、歌い始めたからには、最後まで歌うと決めているからそれを無視する。

 

 「ーーー」

 

 家族も、村の人達も、ルフィも、エースやサボも、シャンクス達も、私が守るなんて本当は烏滸がましいと分かってた。でも……守りたかったの。

 

 「ーーー」

 

 そう、私は怖いと思うようになった。独りではもう立てないのではないかと思う程に。

 死にたくないと思った。死んだら、悲しませるのだと知ってしまったから。

 

 「ーーー」

 

 アーロンに刃向かって、かなわなくて、その行為が本当は意味なんか無いと分かっていた。だからこそ、言葉にも出来ないような思いが、爆発しそうになった事が数え切れない程にあった。

 

 「ーーー」

 

 仲間達の優しい心に触れてしまったから、今はもう……離れられないと痛感してる。ルフィ達の心に、これからも私は寄り添って生きていきたい。

 

 「ーーー」

 

 ルフィ達と共にいるのならば、どんな事でも叶う気がする。仲間がいるのならば、叶わない事なんて、きっと何1つ存在しないと思えるから。

 

 「ーーー」

 

 波間の向こうへ、共に行きたい。彼等と共にいる限り、眩しく輝くような未来しか思い描けないから。

 

 「ーーー」

 

 彼等の為ならば私は、なんでも盗むし、描いて見せよう。ルフィ達と共に居られるのならば、恐るものなどありはしないから。

 

 「ーーー」

 

 何度、その言葉と笑顔に救われただろうか。チョッパーやビビもきっと、そう遠くない未来に同じような思いを抱くだろうと思う。

 

 「ーーー」

 

 どんなに叶わないと思える夢も、この船ならば叶えられると信じられる。だから……私も前を向けた。

 

 「ーーー」

 

 最後のサビに入り、1気に歌い上げる。私はここで……仲間と共に生きて行くと決めている。

 

 「ーーー」

 

 余韻を残しつつ、歌を終える。それからは特に変わった事はなく、宴は続いて行った。

 その日の夜中、私は酔い潰れて眠るビビを静かに起こして、ふらつく足取りの彼女を支えながら部屋へと移動させた。ベッドにビビをそっと横にたえて布団を掛けてから、眠っているのを確認してその頭を撫でると、部屋の隅に置いてあるタオルケットを持って甲板へと戻る。

 カルーにそのタオルケットを掛けてから、その近くで眠るチョッパーを抱き上げて再び自分の部屋に戻ると、チョッパーを自分のベッドに寝かせてふぅと息を吐き出す。見た目より重いのはやはり、野生動物であった名残なのかと思いながらも、チョッパーが風邪をひかないように布団をかける。

 それからまたもや部屋を出ると、倉庫から毛布を3枚取り出して甲板へと急ぐ。まだ起きてる様子のゾロに毛布を見せて、使うか尋ねれば少し迷った様子を見せつつも借りとくとか言うので、それを手渡す。

 

 「……ゾロ、明日にでもその足ちゃんとチョッパーに診てもらってね」

 「ナミがやってくれたじゃねェか」

 「私のはサバイバル用の処置で、最悪の場合傷口焼くようなタイプの処置なの。だから、ちゃんとした普通の医術と言えるかと言われたら微妙だし、死ななければいいみたいなものだから、医者が仲間になったんだから診てもらった方がいいわよ」

 

 その瞬間ゾロは小さく笑って、そうだなと言った。それから私の腕を掴むと真剣な顔で口を動かした。

 

 「……治療の件は本当に助かった。だから忠告してやるが、ルフィの様子がおかしい時がある。なんかやらかしたんなら早めに謝っとけよ」

 

 思い当たる事がなくて首を傾げると、ゾロが小さく忠告はしたぞと言って去って行く。サンジ君の姿が見当たらなくて後片付けしてるのかなと当たりを付けてから、良く眠ってるウソップとルフィに近付く。

 寝顔を見るだけで自然と顔が綻ぶのがわかり、ウソップに毛布を掛けて次にルフィに掛ける為に毛布を広げた所で、ルフィがパチリとその瞳を開いた。それにより何となく見つめ合う形になった後、毛布を使うかと問いかけようとしたらルフィの腕が体に巻き付いてそのまま抱き寄せられる。

 何事!?と焦る私に、ルフィは低い声で囁いた。

 

 「確認したい事があるって、言っただろ」

 「……ルフィ、ダメよ。後3日は寝てるように言われてるの。だから、後3日はダメ」

 

 何となくルフィが望んでる事が分かって口に出せば、ルフィは仕方ねェかと言って私に毛布を巻き付けると何故か男部屋に運んで行く。どういう事かと聞こうとしたら、ルフィが欠伸混じりに口を開いた。

 

 「俺、ナミが近くにいると眠りやすいんだ。とりあえずなんもしねェから、1緒に寝るぞ」

 

 そんな馬鹿な。ハンモックに2人とか無理だからと思ったら、男部屋に何かあった時の為にと置いてあったベッドにルフィが私共々倒れ込み……本当に寝た。

 いや、性行為は無理なんだし、体力持たないからそれはいいけど……。17歳の男の子として、この反応は大丈夫なのかとルフィの事が少し心配になる。

 でも、ルフィの寝顔を見ていたら私もまた、気が抜けて結局1緒に眠ってしまった。それを部屋に戻って来たサンジ君が発見して騒いだようだけど、私達を含めて誰1人目覚める事は無かったらしい。

 朝、目覚めるのと同時に髪を手櫛で整えながらベッドを降りようとした所で、ルフィの腕が伸びて来て腰に回されると簡単にベッドに引き戻されてしまう。起きてたのかと思って視線を向けると、ルフィの唇が私のそれと重なった。

 

 「んっ……ふっ……ぁ……」

 

 寝惚けていた頭が覚醒して、ルフィのそれに翻弄されそうになるのを必死で抵抗するけど……冗談抜きで力では全くかなわない。冷静になってみれば、片腕で私を抱いて移動出来る腕力なのだ。

 それも、ほぼ意識の無い状態にあり、身長もほぼ変わらない私を落とさないように……。私にそれが出来るなら、ビビを昨日起こす必要は無かった事を考えたら、力でかなう筈がない。

 

 「や……ルフィ……っ!まっ……」

 

 僅かな隙間で制止を呼び掛けてみるも、無駄以外の何物でもなく、ルフィは深く深く私の口内を貪ってくる。ルフィのこれも寝惚けてるとかでは、決して無い様子なのもありどうしたらいいのか分からない。

 ただ身を任せる訳にもいかないし、かといって本気で抵抗できるかと言われたらそれも出来ない。だって私も、ルフィと触れ合う事が嫌な訳では無いから……苦手なだけで。

 

 「ナミ……おはよう」

 

 漸く開放され呼吸を整えてる私に、ルフィは笑顔で呑気な挨拶をしてくる。それに私もおはようと返して、今度こそベッドから降りようとするのに腕をルフィが離してくれない。

 

 「なんで何も言わずに、ベッドから出ようとしたんだよ」

 「ルフィはまだ寝てると思ったから……」

 「起こせよ。起きた時ナミがいなかったら焦るだろ」

 

 そう言いながらルフィは私の首を舐めるから、それにビクリと体が反応する。でも、それは流石に不味い。

 

 「ルフィ……ダメっ……ぁ……」

 「……ナミ、本気で喰いたくなるから少し黙ってろ。俺、これでも我慢してんだぞ」

 

 そう言ってルフィは私の胸元に唇を落とすと、華を散らしていく。微かな痛みと疼きに声を必死で抑えて耐えていたら、ルフィと視線が1瞬絡んだ瞬間に何故か溜息をつかれる。

 

 「……どうしても、ダメか?」

 「だめよ。私はアンタ達と違って〝普通〟の〝か弱い〟女の子なんだから、医者の言葉に逆らってたら生きられないのよ」

 「……昔っからナミはそう言うけどよ、あの当時も鬼みたいに強かったエースやサボを庇って戦ってたナミが普通のか弱い女の子ってのは、無理があると思うんだよ。それに、本気になった時多分今1番生き残れるのはナミだぞ」

 

 どういう意味よ、それ。エースやサボは女の子相手だからって手加減してくれてたんだろうし、ルフィはまだ小さかったからってだけで……当時から私はか弱い女の子よ。

 不満を内心に抑えきれずに、表情にモロ出ししながら睨めば深く溜息を落とされる。それも軽く頭を横に振るなんてオマケ付き。

 

 「分かってねェ……。ナミは逃げ足だけで生き抜いたと思ってるみたいだけどよ。……相当強いぞ、お前」

 「何言ってるのよ。どうしたって私は耐久力も無いし、基礎体力も足りないし、筋肉も少ない。クリマタクトがあってなんとか逃げ回れてて、それによって生き抜けてるだけだもの。クリマタクトが無ければ……1般市民と変わらないわ」

 「あのな、1般市民は武器をそもそも扱えねェよ。俺なんて剣とか全く使えねェじゃんか!」

 

 そんな、自慢げに言われても……。それに私は、1応元軍人の娘だから扱えるだけで、それも本当に扱えるって程度だもの。

 

 「……私は、扱えるだけで、戦ってるって言えないのよ。本当に……いつも、適わない」

 

 思い出すのは、本気で抵抗したのにかなわなかった2人の男達。確かに傷付ける事に躊躇ったけど、でも、どうしたってかなわなかった。

 私は躊躇ったけど、鷹の目だって武器は用いなかったのだから、十分手加減されてた。それなのに、怯えを隠して虚勢を張る事が私に出来る精一杯で……。

 相手が七武海だろうと四皇だろうと、海賊王のクルーがサシで向かい合って怯えてるだけなんて、許される筈ない。このままじゃダメなの、強くならなきゃ……。

 

 「ナミ……ナミ、聞けよ。ナミ」

 「……ルフィ……?」

 「何考えてるか、全ては分からねェけど、ナミは万能タイプなんだから、1点集中型の奴らにその得意分野で勝てないからって気にする必要はねェんだよ」

 「……へ?」

 「ナミは元々頭を使って生きてるのに、力でも勝とうとか……何目指してんだよ。ゾロは世界1の大剣豪だけどよ、今の勢いで行くとナミは〝誰にも何1つ負けねェ完璧人間〟目指してる事になるんだぞ」

 

 それは、確かに……言われてみれば……そうかもしれない。どうしよう。

 否定出来ないわ。確かに、力でルフィに勝とうとか、料理でサンジ君に張り合おうとか、無謀過ぎる……。

 

 「……少しさ、肩の力抜けよ。なんの為に仲間がいると思ってんだ。……ナミが1人で全員守って、庇って、養う必要なんかねェんだよ」

 「ルフィ……」

 「ナミは俺の傍に居たらいい。そうしたら、必ず守ってやる。そんでその分、俺を導いてくれたら、後は楽しく生きるのがナミの役目だ」

 

 そんな馬鹿なと言おうとして、言葉に詰まる。だって、ルフィはそれを本気で言ってるのが伝わるから。

 ルフィは戦って、クルーを守る事が船長としての役目だと言う。その代わりに、料理も航海術も、剣術も、狙撃も出来ねェと笑う。

 私は航海士なんだから、船の進路を定めて導けばいいのだと、他にも細かい事を押し付けてんだから、戦いとか色々な事を背負い込むなと言ってくれる。その温もりが、嬉しくて、愛しくて……少し、苦しい。

 

 「……そうだ、まだ言ってなかった」

 

 ルフィが突然そんな事を言ったから、私は視線を上げる。その表情は複雑そうで、何かあったのかなと不安になる。

 

 「……後少し医者に診て貰うのが遅かったら、ナミは死んでたんだって聞いたぞ。馬鹿ナミ。……生きててくれて、ありがとう。でも、次にんな無理したら、部屋に閉じ込めるからな」

 「そうしたらこの船、遭難するんじゃない?」

 「その間は船停めとくから気にすんな」

 「……サンジ君が死んじゃうわよ。食料不足に頭悩ませて」

 

 困った船長だわと思いながら、それでも、なんだかこんな会話さえも嬉しくて……私はルフィの背中に腕を回す。もう少しだけ、この温もりに甘えていたいと願ってしまったから。

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