油断してる間に、膝頭にかかった手で大きく足を割り開かれ、余りにも卑猥な体勢に頭が沸騰しそうになる。自分では知りようもないところまで、もう何度も暴かれていて、何を恥じ入っているのか……。
そう自分でも呆れもするけど、慣れるなんて絶対無理だと思う。羞恥で人が死ぬのならば、私はきっともう生きては居ない。
「お願い、見ないで……!」
「どうして?こんなに良いものを、見ちゃダメってなんだよ。ナミの全ては俺のものだろ」
そう言われてしまえば違うなんて言えないけど、でも恥ずかしくて……。思わず顔を背ければルフィは私に体重を掛けて足を閉じられなくしてから、服を脱ぎ始めた。
アクアリウムの魚や海水の光がルフィを包み、何だかいつもとは違って見える。そうして惜しげも無くさらけ出された裸体に、私の視線は自然とルフィへと戻る。
普段は細く何処にでもいる少年のようだとしか思えなかったその身体には、驚く程に立派な筋肉がある。その筋肉の隆起を確かめるように撫でさすれば、ルフィの手が私の足に戻されているのがわかったけど、そんな事気にしていられない。
触れてみればやはりルフィが愛おしくて、何だか泣きたくなる。そのまま両手を背中に滑らせて、自らの胸を押し付けた。
ピッタリと合わさったそこで、どちらのものとも分からぬ鼓動が乱打して、更に勢いを増して行く。それが嬉しいような、切ないような、不思議な気持ちを沸き立たせる。
こうして触れた部分から、想いも共に流れ込んでいけば、きっとそれが1番わかりやすくて済むのに。そうしたら不安に怯える必要も無いのにと、微かに思ってしまう。
けれど私も生きている人間で、つまりは動物だから。どんなに理性で抑えようと思っても感じ合えるのは、想いを伝え合えるのは別な場所。
今も私の中で蠢いている指のおかげで、身体が私の意志を無視して熱を持つ。もどかしいそれに、ねだるように腰を揺らしてしまう。
そんな私にルフィは愉しそうに笑うと、妖しく囁き掛けてくる。それはなんて残酷な命令なのか。
「もっと欲しかったら、言葉にしろよ」
「……っ、……して、ルフィの……挿れて……」
恥辱を堪えて言ったのに、ルフィは残酷に笑う。俺の、何が、欲しいんだと。
瞬間的にスっと頭が冷えた。どうしてこんなにも触れ合う部分は熱いのに、燃え上がるようなのに、辱めようとするのか。
1瞬ルフィの漆黒の瞳に、私の反応を試すような狡い光が宿った。この期に及んでルフィは、私が何処までルフィを赦すのか、受け入れるのかを試している……!
猛烈に腹が立った。私にのしかかってるルフィの股間を蹴り飛ばさなかった自分を、賞賛したくなる程に。
なのに……ルフィは狡い。鼓動が、熱が、想いが、欲望が、痛い位に伝わって来る。
私が欲しいと、ひたすらに私だけを希求するルフィの脈動が、強く激しく、痛みさえ伴うような勢いで。それでも、どうにも怒りは抑えられない。
試さなくても、ルフィの事なら何でも受け入れるのに。ルフィになら、なんでも叶えるのに……!
「ルフィを、ルフィの熱くて太いの、ちょうだい!全部、何もかも……!」
その怒りから言葉にはトゲがあるのを自覚する。それでもルフィは嬉しそうに、笑ったから……それに、絆される自分を自覚してしまう。
「ナミは確かに、俺を甘やかし過ぎだな」
言い切ったルフィの指がずるっと抜かれると、その僅かな刺激にさえも身体ははしたなくうち震える。もう、ルフィならなんでもいい……!
「ルフィ、早く……!」
私の身体はもう、我慢の限界なんて遠に超えているらしくて、寂しくなった場所を早く埋めてくれとねだるように腰を揺らす。その時ルフィもまた、猛るそれを揺らした。
ごくりと息を飲んで喉を鳴らしたのは、果たしてどちらだったのか。モノ欲しげに蠕動する私の入口に、同じ位焦れ切ってる男芯が押し当てられる。
極限まで広げられている太股の間に、凶暴な滾りを感じる。それにより更なる情熱を渇望する腰が、勝手にうねり始める。
ひくつき悶える入口をジワジワと広げながら、侵入して来る熱塊。滴る程の蜜を纏わせ、易々と亀頭部のくびれまでを呑み込む。
その状態で悪戯に笑ったルフィは、先端だけを咥え込んだ場所をいたぶるように腰を揺らす。飢えた自分の内壁が、入口で遊ぶばかりのモノを更に奥へと吸い込もうと収縮しているのが、見なくても分かる。
「で、どうする?このまま入口で遊んでるか?」
「やぁっ!な、かに……欲しい……!」
「なにを?」
自分の声だなんて信じたくないくらい媚びた声が聞こえる。理性なんてもう、私には欠片も残ってはいない。
睡眠不足に加えて、アルコールも入ってて、愛しい男が熱を高めて来ているのだ。そんなもの、残ってる方が寧ろおかしい。
緩やかに掻き回しながら、じくじくと疼くそこを焦らされて、降参する。プライドなんて、矜恃なんて今は要らない!
何度でも望む。何度でも求める。
ルフィがそれを求めてくれるなら、ルフィが今この時だけは、私だけのものでいてくれるから。私は、弱くて……だから、ルフィだけのもので居られないし、ルフィもまた色々な意味で大き過ぎるから、誰か1人のものになんてなれる筈がない事を知っているの。
だからこそ、今だけは……。私を貫いてるその瞬間だけは、ルフィも私も、互いだけのもので居られるから……!
この至福の時間を、手放したくない。ルフィの全てが欲しいと魂が震える。
「あっ……ん!ルフィの、太いのを……挿れてぇ!」
そうしてあられもない嬌声でねだれば、己の存在を力強く誇示したモノに1気に最奥まで貫かれる。心臓迄届くと言われても納得できそうな程の衝撃に、肌が粟立つ。
全ての性感帯が振動し、連動しているかのように刺激を与えてくる。脳内が真っ白に発光してしまう。
「ひっ……!いやぁぁぁ!」
微かに残った理性が恐怖を呼んで、悲鳴が上がる。けれどもその先はただ、声と呼ぶよりも圧迫された喉が発する音がひゅっと漏れるだけ。
腰の奥が痙攣する。皮膚の内側から発火してるような熱に踊らされて、ルフィを咥え込んだ身体が跳ね上がるのを抑える事も出来ない。
舌が縺れて、言葉は既に意味をなさない。ただ、ルフィ、ルフィと甘えるように呼ぶ他は、単語としてさえ意味をなしてはいないのだ。
既に閉じる事さえ出来ない唇から漏れるのは、淫らな喘ぎばかり。そんな状況下でルフィもまた、私の名を幾度も呼び続ける。
呼ばなければ私が消えてしまうとでも言わんばかりに、憂いと熱を持って、繰り返し。身体の奥でどくどくと激しく脈動するものに、熟れきった粘膜が自ら絡み付いて行く。
今だけは……ルフィが私の、私だけの存在でいてくれる。それと近い事をルフィもまた感じているのか、その瞳に宿る熱は切なさを帯びていると分かってしまう。
だから私は、自らの意思でルフィを締めて、逃すまいとしつつもルフィのものだと伝える為に努力してみた。ルフィにも、善くなって欲しい。
「くっ……!締まる……!」
繰り返される抽送の度に、中を穿つモノの質量と熱、そして硬さ迄もが増してる気がする。そんな中で最奥を1際強く突かれた時には、怯えとも快楽とも知れぬ思が混濁した意識の中で走り抜けた。
「あぁぁ!こわれ、る……!」
「いっそ、壊れちまえ……!俺だけの、ナミでいてくれるなら、壊れてもいいっ!」
余裕のないルフィの声が耳を掠める。それにどうしてかな、嬉しくて……涙が零れてしまう。
どうなっても、もう構わない。ルフィがそれを望むなら、望んでくれるのなら、それだけで幸福だと言い切れる。
この身1つでルフィの不安を拭えるなら、夢を叶えられるなら、役立てるなら、それだけで存在してる意味はあると思えるの。私はただ、ルフィが……愛しい。
淫靡に響く音の中でルフィを求める自分の醜さに泣きたくなると、それを分かってるかのようにルフィが目尻に、頬にそっと唇を触れさせて来る。涙に滲む視界の中で、ルフィの顔が苦悶に歪んでいるのに気付く。
……痛い、のかな?
眇られた双眸には既に余裕の色は無い。大丈夫かと心配になり、顔を近付ければ何を勘違いしたのかルフィが唇を重ねて来た。
でも、それはそれで嬉しい。舌先を差し出しながら薄目で様子を伺えば、間近に欲望に孕んだ瞳を見付けて、どくりと心臓が大きく脈打つ。
「なんか……やらしい顔してる。ナミも、そんな顔するんだな」
口付けの隙間から囁かれて、それはそっちでしょ!?と言いたくなる。だけどそんな余裕が私にある筈もなくて、そんな事を言えはしなかったけど。
熱の篭った瞳で見詰めてくるのは、狡い。ルフィにこれ以上、私が差し出せるものなんて無いのに……。
私の全ては、既にルフィのものだから。これを愛と呼ばないならば、何を愛と呼べば良いのかな。
そう思った途端、素直過ぎる身体がひくりと悦ぶようにルフィの猛りを締め付ける。それには私自身予想外だったので、背中が弓形に仰け反ってしまう。
「こら……!ナミ、お前っ」
纏った粘膜を振り切るようにルフィは腰を引く。それに甲高い嬌声を響かせれば、夜中で皆寝ててよかったな……なんて、ルフィが意地悪く囁くけど、それに何か反応を返す事も出来ない。
入口にかろうじて残った傘の部分が、いっぱいに開いたそこを慰めてはくれている。けど、その程度の刺激で足りる訳もない。
「やぁっ!ルフィ、止めな、いでぇー!」
「ナミ、お前……?そっか、大丈夫だ。必ず守るから。俺も、皆も、ちゃんとナミを守るから……怯えなくていい」
そんな風に優しく言いながらも、行動は少しも優しくない。私の言葉に従ってるフリをして、ルフィは最奥までの距離を1息に詰めて来る。
それに私が耐えられる筈もなく、甲高い嬌声がアクアリウムに響き渡る。内部は、埋め込まれた熱塊の感触をダイレクトに受けて、巻付き、捕らえ、しゃぶりつかんばかりにルフィを翻弄している様子だけど、それはもう私の知った事じゃない。
肌も、秘肉も、酷く敏感になっている。ルフィはそんな中で柔らかく笑うと、優しく頭を撫でて来て、でもそんな刺激にさえ私はもう甘い声が抑えられない。
「こんなに弱ってるナミ、初めて見た。甘えてくれるならなんでも嬉しいけど、流石にこの甘え方は……殺しちまいそうで怖いな」
「る……ふぃ?」
「俺の事を悦くしようとか、考えなくていい。今は何も考えないで甘えててくれ」
そう言ったばかりなのに、ルフィは再び退いて行く。離れないでと駄々っ子のようにぐずる自分を自覚しながら、そんな私に嬉しそうに笑うルフィに思わず見惚れる。
それにより1瞬動きを、呼吸を止めてから、やはり離れないでと囁くように言葉にして手を伸ばす。伸ばした手の先に見えたのは、愛情だった。
私が欲しかったのは、昔からずっと今見えているような愛情だったのに、それを受け止める事さえ出来なかったんだと唐突に理解する。誰か……と、祈り願いながら突っぱねてしまう位子供であり、受け入れるだけの余裕が私に無かったのだと。
その温もりが、消える未来だけを見ていたから、喪うくらいなら初めから要らないと半ば本気で思っていたの。だけどもう、幻影のように消える事がないと信じられる相手からの愛情を私は、受け取ってしまった。
こうして手を伸ばせば抱き締めてくれる。その腕に、甘えても怒られない現実が今はあると知る事が出来た。
「ルフィ……」
「ナミ?」
「もう、独りは、いや……」
その瞬間、ルフィが私を抱き締める腕に力が入ったのが分かった。そして、ルフィは耳元で確かに1言、そうだよな、つらかったよなと、呟いてくれたのを聞く。
私は涙が零れ落ちるのを拭えないままに、ルフィに縋るようにしがみつき……身体を震わせるしか出来ない。幼子の様に甘える事しか、私には出来なかった。