※この作品はR-18です。

波間の向こうを目指して(新・本編)   作:夢枕 七変化

224 / 462
虎の威を借る狐※

 相手はルフィじゃない。それどころか仲間でもなければ、信頼出来る相手でもないのはわかり切っている。

 確かに今舌が触れているそこは、私の感じやすい部分ではあるけど、まだ触れられてない側まで望んでない相手に触れられたがって、待ってるように充血してるなんて……。何が、起きてるの?

 

 「随分、敏感だな。……あァ、成程」

 

 青雉は混乱する私に気付かずに1人納得すると、もう片方を指先で摘む。こね回し、押し潰して、その反応を確認してから再び食らいつかれる。

 

 「んっ……や、ぁ!」

 

 片方には舌が、唇が絡みつき、もう片方には指が這う。そうして弄り倒されれば、身体はそれに反応し弓形に仰け反る。

 それにより自ら胸を突き出すような形になれば、青雉が楽しそうに笑ったのが伝わって来る。望んでいない行為に腰が揺れて、潤んでしまう瞳で青雉を見ればその喉が鳴ったのが分かった。

 

 「体格差があっても、今日の感度なら大丈夫そうだな」

 

 ヤダヤダと首を横に振っても、青雉はその行為を止めようとはしない。その瞬間足の氷が消えて解放されれば、終わってくれる気になったのかと呼吸を調えつつ、身体から力を抜いた。

 その瞬間グイッと開かされた足に驚く間もなく、中指が秘部に侵入してくる。第二関節迄押し込んで、円を描くようにしてゆっくりと掻き回され、弛緩していた為に緩かったのか即座にもう1本指を増やされた。

 

 「はっ……ぁ……んやァ……!」

 

 中を2本の指で掻き回され、淫蕩な響きを感じてしまえばどうしたって苦しい。泣きたくなるのを堪えて、その間もなぶるように舐められていた胸の飾りが開放されるのを、何処か不思議な気持ちで見ていた。

 そんな私の足を青雉は肩に抱え上げるように乗せて、じっと指を咥えこんでいる場所を見詰めてくる。少しでも抵抗しようと動くと、指が蠢き身体から力を抜かせてくるから、下手に動く事さえ許されない。

 

 「見な……ぃ、で……」

 「敵に対してこの反応じゃ、本命の時はどうなるのか……見てみたい気もするな」

 

 そんな言葉を口にしながら、青雉は残酷に笑うと埋め込んだ指で中をジワジワと広げてくる。それにより中から溢れる水に、情けなくて、悔しくて、いっそ殺せと叫びたくなってしまう。

 その言葉を口にしようと唇を開いた瞬間、開かれているその場所に唇が押し付けられ、指の間から舌を深く差し込まれた。それによりブルブルと下肢を震わせ、首を横に振りつつ悲鳴を迸らせる。

 止めてと哀願してみるも、効果は無い。ふぅっと息が吹き込まれ、その衝撃に涙が零れ落ちると指と舌を用いて丹念に愛撫され始めた。

 お願い止めてと甘ったるい声で頼むそれは、男にはもっとと言っているようにしか聞こえないだろう。それに気付く事さえ出来ずに、ナミはその珍しい色合いの長い髪でベッドを叩く。

 啜り泣くようなナミの甘い声と、望まぬ快楽から溢れる水の音が室内に響く。それでも、そろそろ欲しいかと問われる度に、鋭い視線で睨み付けるのだからその気位の高さも分かろうと言うものだ。

 

 「強情だな……だが、覚えとけ。獲物が強ければ強い程、狩人は燃える」

 「いやぁぁぁ!」

 

 指と舌だけで丹念にその場所だけを解され、イキそうになると動きを止めるのを何度繰り返されたのか。時間の経過さえ、既に分からない。

 ……ルフィ達は、無事かしら。ローちゃんは、ちゃんと、逃げてくれたかな。

 

 「こんな時に、考え事とは……余裕だな」

 

 その声が下肢から体の中に直接送り込まれて、そこで喋るなと言葉を紡げば氷の男とは思えない程に、熱く滾る楔が潤みきったその場所に押し当てられる。壊さぬようにか、飛ばさぬようにか、ゆっくりと押し挿れられる男根に内部が伸縮しつつ、歓喜を持って受け入れてしまう。

 深すぎる所まで入って来るそれに、身体は快楽に歓喜し、心は嫌だと悲鳴を上げる。もう充分過ぎる程に深くまで入っているだろうと、涙で滲む視野の中でそこを見れば、まだ半分にも満たないと気付かされた。

 

 「う、そ……!や、もう、いやぁぁぁ!」

 「全て、埋め込んで……奥に注いでやるから、怯えなさんな」

 

 昂るそれに恐怖し、イヤイヤと首を振っても進むそれは止まらない。恐ろしい程の圧迫感と、激し過ぎる快楽に頭が混乱する。

 そんな状態で身体はもっともっとと望むように熱塊に絡み付き、締めつけ、愉悦の蠕動を繰り返す。背後を這い上がってくる痺れのような感覚に、ぶるりと身動ぎ、喉からは悲鳴としか思えない声が溢れ出した。

 最後まで、しっかりと、深く埋め込まれた時、青雉が頭皮を擽るように頭を撫でて来た。それからふっと笑い、言葉を落とされる。

 

 「俺の方が、余裕無さそうだ」

 

 ナミを追い上げて、その身体を翻弄して、青雉は己だけが楽しむだけのつもりだったのだろうか。その真意は不明だけれども、その身体に触れた男達が揃って名器だと、麻薬のようだと言わしめるその身体が相手だ。

 例え大将と呼ばれるような男であっても、青雉が余裕を保ち続けるなどできる筈も無かったのだ。室内には蜜柑の香りが充満し、食欲を誘う色の髪が男の嗜食刺激する。

 だからこそもっと乱したくて、鳴かせたくて、熟れた粘膜のもっとも敏感な場所を、青雉は激しく擦りあげる。部屋に満ちる涙に濡れた嬌声は蠱惑的で、誘っているつもりのないナミの胸に青雉は誘われるようにして、むしゃぶりつく。

 

 「ひっ……!?や、ぁー……!」

 

 甘噛みされ、吸い上げられ、転がされる。その度に唇からは甘い声が漏れて、青雉を煽り続けた。

 縛られたままの腕は青雉を抱き締める事は有り得ず、だが、抵抗する事もない。前回の時ナミを助けに飛び込んで来た青年は、今は海底深くにある牢獄(インペルダウン)の中にいる。

 ナミの身体が爪先をしならせながら震えようと、青雉は構う事なく腰を動かし続ける。それによりナミは休む間を与えられる事無く幾度も達し続けさせられ、もう無理だと、休ませてと、涙に濡れた声で哀願した。

 けれどもそれは受け入れられる事は無く、シーツに水溜まりとしか言えない物ができようと、行為は続行され続ける。その時、幾度も熱を中に放って尚衰えない青雉に、ナミは止めて欲しくて言葉を向けた。

 

 「おねが……わたし、に、できふこと、なら、なんでもするから、も……やめ……」

 「……なら、口と胸で続きの奉仕してみるか」

 「え?」

 「それを約束するなら、抜いてやる。その胸と、唇で……俺を満足させてみてくれるか」

 

 荒い呼吸を超えて、既にどうやって呼吸してるのかも分からない状態で言われたそれに、もう無理だと答える。身体を起こす力も、もう残っては居ないのだと。

 それに青雉は溜息を落とすと腕を解放し、なら後は俺が満足する迄もう少し付き合ってなさいなと言って、腰の動きを再開した。終わりの見えない饗宴の宴は、私の意識が戻らなくなるその瞬間まで続けられる。

 私は自らがその間に何を口走っていたのかさえ、定かでは無い。その時、青雉が何を思ったのか、それを考えるだけの余裕も存在はしない。

 

 「る、ふぃ……ごめ……」

 「……この流れで謝られたら、少年の立つ瀬がねェだろうと思うがな」

 「……る……」

 

 ふっと意識が浮上すると、異物感と腰の重さの他に、身体中にある痛みと倦怠感が、夢ではなかったと知らしめてくる。身体を動かすと中から流れるそれに、全てかきだしたいと動けない体を、力を入れるだけで震えるそれを必死に動かす。

 その時、部屋に入って来た大きな人影を強く睨み付ける。目的が分からなくて。

 

 「……そう、睨むなって。ウォーターセブンで、中途半端になった分を取り戻しただけだろ」

 「最低……。なら、もう終わったんだから、関わらないんでしょうね」

 「ナミちゃんは、天竜人を殴り飛ばしたりしたって分かってるか?つまりは、天竜人に献上されるか、殺されるか、もしくは海軍預かりとなるか……。本来選べる選択肢はこの程度だろ」

 

 その言葉で青雉が、何故あんな提案をして来たのかわかった気がした。青雉の持物(・・)でさえあれば、上手くすれば献上されたりはしないで済む。

 でも、ルフィ以外の男にこんな事をされながら生きるくらいなら、私は死んだ方がずっと良い。ルフィにしか、触れられたくないよ……。

 内心でいくら嘆いても、泣いてみても、現実は変わらない。だから私は艶やかな笑みを意識して向けると、揶揄うように言葉を紡ぐ。

 

 「殴ってないわ。寧ろ、私は撃たれた被害者よ」

 「天竜人相手にその理屈が通じると思ってんのか?」

 

 青雉から冷静な声が向けられる。その瞳は冷静だ。

 それに対して私はふふっと笑う。それを見た青雉は怪訝そうな顔で私を見るから、動けもしないのに挑発するように言葉を紡ぐ。

 

 「……私、天竜人の知人は居ないけど〝元天竜人〟なら、私と懇意にしてくれてるのよ?つまり、私だけはその理屈が通じると思ってるわ」

 「強気だな。……動けもしねェ今なら、俺の心1つでどうにでもなるってのに」

 「四皇の〝赤髪〟と〝白髭〟。七武海の〝鷹の目〟と〝天夜叉〟。革命軍を敵に回す覚悟があるなら……好きにしたら?」

 

 シャンクス達と、ミホークはともかく、他はハッタリもいい所だ。ドフィも立場があるし、白髭なんてマルコさんが優しくしてくれる他は、エースが慕ってくれてるだけなのに。

 それでもそれを今は表には出せない。虎の威を借る狐で結構。

 名前だけでも影響力の強い知人を使って、穏便に終わらせてしまいたい。そう思った直後、今居る部屋の壁が粉砕された。

 

 「……そこに〝冥王〟レイリーも、加えて構わないぞ。ナミちゃん」

 

 粉塵の中をゆったりと歩きながら、そう言った人影。それは正しく〝冥王〟レイリー本人だった。

 ……どうして、ここにレイリーさんが?

 て言うか、今更だけど、ここはどこなの?

 そう思った直後、始まる戦闘。それは正しく異次元の戦い。

 どちらも私を巻き込まないように戦っているのだけは分かってしまって、歳は取りたくないなんて笑ってるレイリーさんと、珍しく汗なんてかいてる青雉のそれに呼吸さえ忘れそうになる。動けたとしても、立ち入れるようなものじゃない。

 ……このレベルの戦いを、私はしなくてはならない。私は、エースを諦めたくないから。

 エースを助ける第一条件が、大将達との戦闘である事は分かっているから……。だからこそ……この戦いは目に焼き付ける必要がある。

 そう思っていた途中で、せめて何か布くらい巻いておきたいと背後に位置していた棚に手を伸ばして、バスローブを身に纏う。その流れで、大切な武器を装着してホッと息を吐く。

 クリマタクトと短剣が無いと、私は心まで弱くなるのかな。甘えてばかりでごめんね。

 そんな事を考えながらクリマタクトと短剣を軽く撫でる。そうして視線を戦いに戻した時、レイリーさんが地を蹴ったのが見えた。

 ルフィもだけど……あの、サンダルというか、草履というか、あれはこの世界だとそんなに優秀な履物なのかな。そう言いたくなる位に、ルフィも、シャンクスも、レイリーさんも、私の知る強い人はサンダルを愛用してる。

 そんな事を考えていたら、1瞬の隙に目の前に移動して来たレイリーさんが私を抱き上げて、空気を蹴った。それにより動揺する私に、レイリーさんは視線さえ向けずにその場を後にしたのだった。

 どうして青雉が追ってこないのか、そんな事を尋ねられる雰囲気でも無く、確認する余裕も無い。でも、実際青雉は追い掛けて来ていないのだと認識した瞬間、身体から力が抜けそうになる。

 

 「ありがとう、ございました」

 「ん?」

 「助けて、頂いて……」

 「現状で、ルフィ達に好き勝手暴れられては、この島を出る事は出来なくなるだろうと判断してな」

 「……よく、ルフィ達を静かにさせられましたね」

 

 例えばシャンクスに言われたのだとしても、ルフィはシャンクスが傍を離れれば暴れるだろう。なんと言っても、1応は、その、恋人のピンチだから。

 ……ん?

 あれ?

 待って、なんで私のピンチを知ってるの?

 

 「……ローちゃん?」

 「正解だよ。やはり賢いな。……長身で金髪の青年が、ナミちゃんの昔馴染みだと言って姿を見せて、攫われた事を伝えてくれてね」

 

 金髪で長身の昔馴染みと言われて思い浮かぶのは、ドフィとロシーの2人だ。そうなれば当然、その情報を持ち得ていたロシーと言う事になるだろう。

 ロシーの能力を考えれば、確かに伝言を伝えるには適任だろう。そして、ロシーがそういった事を出来たのならば、ローちゃんも無事だと確信できる。

 

 「ルフィ達には、1服盛らせて貰ったよ。酒に混ぜたからまァ……数日は眠っているだろう」

 「そうでしたか。ありがとうございます。寝ていれば、意識が無いので、見聞色の覇気でも中々見付けにくいですものね」

 「あァ、そういう事だ」

 

 そう言ってレイリーさんは笑ったらしいけど、荷物のように担がれている私には、その笑顔を見る事は出来ない。それでも、皆の無事を確認も出来た私は、心底ホッとしてそのまま落ちようとする意識を、保つ事が出来なくなかった。




病室に入る前に、これだけ。
暫くお休みします。1週間位で帰れる筈です!
ではまた!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。