それでもまだ日は高いので、私はビビを見て近くにオアシスは無いのかと聞こうとして辞める。今更、思い出した事があったからだ。
そう……全てのオアシスに、竜巻をぶつけて居る奴がいる事を……。あぁ、忌々しい。
言葉を音にする前に思い出せて良かったと思いながら、私は水浴びする事を断念する。水浴びするだけの水をここで無理に生み出す位なら、飲水として作り出す方が有意義だものね。
無から有は生み出せない。空気を冷やして無理矢理作り出す雨雲も、空気中に1切の水っ気が無ければ雨雲にはなり得ない。
ならば無駄にそれを消費する事は、出来ないと判断した私は間違っていないだろう。それによりサンジ君にその話をして最低限料理で必要な分の水分を生み出すと、後はチョッパーやマルコさんと相談する。
この暑さだから、必要最低限の水分量が通常とはどうしても異なるだろうと判断したから、医者の意見が聞きたかった。私とチョッパーとマルコさんが話し合いをして、サンジ君に提示された量をそれに足して、私はクリマタクトを動かすと鍋に水を溜めるために雨雲を発生させる。
そんな私をビビはキラキラとした眼差しで見つめて来るけど、こんな数人を1時助けられる程度の力では何にもならないのだと、本当はビビだって分かっている筈なのだ。私に甘えて、私の前では阿呆な事を言ってみてるけど、本当は王族としての教育を受けた、賢く真っ直ぐな正しい道だけを歩む子なのだと言う事は知っているから。
雨雲から必要な水を作り出してから、残った雲は霧に変えて霧散させる。必要になれば、これが本物の雨を呼ぶ1部になるから。
ここからは医者とコックの仕事だろうと考えた私は、岩陰に移動して少し休ませてもらう事にした。その間ゾロは休む事なく見張りをしていて、動物や化け物が出たら食料にする為に切り刻んでやると言っていたし、ウソップはチョッパーを運ぶためのソリを少し改良してくれていた。
ビビは荷物の管理をしてくれていたので、それぞれが何かをしているのを確認した。その中でルフィの姿を見てないなと思った直後、突如伸びてきた腕に私の体は絡め取られ、口を塞がれて岩陰から移動させられる。
移動した先はやはり岩陰ではあったけど、それを確認してる余裕も無くサラサラとした砂の上に私の体は落とされる。日に当たる時間の短い場所なのか、砂は何処かひんやりとしていて、涼をとるのに向いているような気がした私は皆に教えようと体を起こす。
けれども即座にまた砂の上に押し倒されて、どうしたのかとその犯人を見つめれば、無言のままに唇を重ねられた。その口付けからは戸惑いと躊躇いを強く感じて、何がルフィにあったんだろうと思いながら、慰めるようにその背に腕を回す。
するとルフィからの口付けはより深くなり、私を翻弄する。でも何処かそれは縋るような雰囲気を含んでいるから何があったのかと、余計にルフィが心配になる。
「はっ……ぁ……」
「……声、抑えねェと皆に聞こえるぞ」
「んっ……」
そう思うなら、こんな所で唇を奪うなと言おうとして開いた唇の隙間を利用されて、奥まで蹂躙してくるルフィに私は小さく声を漏らすのだけで精一杯で、言葉なんて何も紡げばしない。もう辞めてと、今更ながらに抵抗しようとしたら上着として着ていたマントを開かれて、踊り子の衣装が顕になる。
そこからはもう、ルフィが何をしたいのかなんて分かりきっていて……でも、そんなのは嫌で。
「や、そとは……ァ……っ」
唇の隙間で意志を伝えてみても、ルフィは止まる事なく私の素肌に触れて来る。何かを確かめるように踊り子の衣装に触れていたと思ったら、器用に下着だけ脱がせ始めるから思わずルフィを凝視すると、大人しくしてろよと囁かれる。
「あまり騒げば皆が来るだろうな……。それでも、辞めるつもりはねェ」
「どうして?」
問いかければ首筋に吸いつかれて、僅かな痛みと共に華を散らされる。その刺激で声を出さないように耐えれば、ルフィは面白そうに笑った。
「ナミが、他の男に狙われ過ぎるのが悪ィ。エースの時、守れなくて悪かった。でも、やっぱり嫌なんだよ。ナミが他の奴に触れられてるのは」
ルフィの言葉に、1瞬ドキリと心臓が鳴った。マルコさんにも、2度ほど連続して唇を奪われたから……何となく罪悪感がある。
その瞬間ルフィはまるで私の思考を読み取ったかのように、乱暴に唇を合わせてくる。乱暴で容赦の無いそれなのに、何故か泣くのを耐えてる子供のような雰囲気を感じてしまって、私は抵抗する気が薄れて行く。
ルフィはなんでも自信満々に見せて、案外臆病なのかも知れないと思う。子供特有の、皆は俺のモノって考えが強いから、傍から居なくなるなんて考えてもいないのだろうと思えば、その中で私だけが誰かに盗られるかもって不安を拭えなくなってるのでは無いだろうか。
そうと気付けば、今のルフィの心情も何となく分かろうと言うもので……何をしても離れていかないか、それを無意識で試しているのだろう。まったく、馬鹿なんだから。
唇が離れた瞬間、私は笑みをルフィに向けて仕方ないとその肩を掴んで位置を入れ替える。突然私に押し倒される形になったルフィは驚いているけど、こういう事は相変わらず苦手だけど……不安にさせたのなら、それを拭うくらいしてあげないとと思う。
「ルフィ……好きよ。ルフィが不安になるなら、私は何度でも言う。言葉だけでは信じられないなら、どうして欲しいか教えて。……私はね、ルフィが本当に愛しいの」
「ナミが俺を愛してるのは知ってる。分かってるさ。それでも……それが〝姉〟なのか〝母親〟なのか〝恋人〟なのかわからなくなる時がある。……俺は、怖い」
ルフィの珍しい弱音に、私は耳を傾ける。傾けつつルフィのズボンに手を伸ばして、そっと大切なソレを取り出す為に緩めていく。
姉や母のような気持ちになる事が無いとは言わないけど、私は弟や息子に抱かれる趣味は無いの。勿論……こんな事する予定も無い。
「いつか……俺の事は愛してるけど、他にも愛する人が出来たと、俺を弟として愛しながら他の男の元に行くんじゃねェかって……そんな不安が拭え……って、ナミお前、何して!?」
ルフィの言葉を聞きながら私はルフィの大切なそれを手で取り出して、そっと口付ける。それに動揺するルフィに気を向ける事無くパクリと口で咥え込むと、ルフィは石像のように固まった。
……癪だけど、ドフラミンゴの言ったように役立ったわ。そんな事を1瞬だけ思いながら、私はルフィのそれを奥まで咥え込む。
ルフィの反応を伺いながら、ルフィのそれが大きくなるのを苦しい顔なんて見せずに高めて行く。視線が交わる時には、微笑みさえ浮かべて。
だって、不安になんてならなくて良いんだもの。私はルフィに命も心も人生も、私の差し出せるものは全て託しているのだから。
ルフィが行きたいと言うならば、地獄の果てだって私はついて行くし、案内する。導いて、共に進む。
その覚悟も無しに、ルフィの航海士になんてならなかったわ。それに……なかなか素直になれないけど、本気で愛しても居ない相手に私が従ったり、素直に抱かれる筈ないのよ。
どうやら今の体は気圧とか気候とかの変化に敏感な分、感度も良すぎるから抵抗しきれない所もあるけど、基本的に何も抱えていないのならばルフィ以外にそれをされるくらいなら、死んだ方がマシだと思ってる。それくらいには、ルフィを女としての私も、ちゃんと愛してる。
……言葉にする事はなかなか出来ないけど、それを許してくれるルフィには甘えてるけど、それで不安にさせると言うなら、行動で示すから……だから……。そんなに、不安にならないで。
ルフィの呻き声が聞こえるのと同時に、その熱が私の口内に放たれる。それを吐き出す場所も無いからと飲み込めば、瞬間的にルフィが赤くなったので不思議に思う。
いつも私の中に平気で出してる癖に、何を今更。エース達に連れて行って貰った所でも、これくらい経験あるでしょうに。
「な、なんで……飲み込ん……っ」
「ルフィ、可愛い」
思わずそう呟いて、私は上半身を起こしているルフィに抱き着くと、どうせ下着は奪われてるしとまだまだ衰える気配のないそれに自ら跨る。口を濯いで居ないから、キスをねだれない事だけがこの場合少し不安だけど……ゆっくりとルフィを中に埋めて行けば、キスをしていないからこそルフィが苦しそうな顔をしているのが見える。
「ルフィ……よく、ない?」
「ナミッ!馬鹿、逆だっ!」
「なら、良かった」
微笑みを浮かべた私はそのままルフィとの隙間が無くなるまでしっかりと私の中へとルフィを咥え込み、その肩に頭を預ける。余裕があるように見せかけていたけど、色々な意味で本当はキャパなんてとうの昔にオーバーしてる。
ルフィに抱き着いてなかったから、きっとこんな事出来なかった。ルフィは、私の安定剤みたいなものだから。
「っ……ルフィ、この後、どうしたい?」
「……ナミ、お前。その……」
「このまま、私に好きにされたいか……私を好きにしたいかって聞いたのよ」
妖艶に見えるように微笑み、ルフィに問いかければルフィが中で1回り大きくなったのを感じる。それに刺激されて息を詰めつつ耐えるけど、体は正直にルフィを締め付けたようでルフィが苦しそうな息を吐く。
「ルフィ……私は、ルフィ以外に自分からこんな事しない。力とかでかなわなくて、他の男に何かされたとしても……私が愛してる男は、ルフィだけだもの」
「……俺に、それを言うためだけに、慣れねェ事したのかよ。ナミは本当に……俺に、甘ェ」
その言葉を最後に、ルフィは私の唇を自らの唇で塞ぎつつ私を翻弄して来た。今僅かな時ルフィをリードする形と言うか、襲っただけなのにその僅かな時さえ主導権を握られたのを悔しがるかのように。
ルフィのそれを飲んだ口を濯いで無いからと口付けを拒めば、んな事気にしなくて良いと言ってから、声を誰にも聞かせたくなくなった……と言われればそれ以上もう拒む事は出来なかった。ルフィと肌を触れ合わせている方が、1人でいるよりも少し涼しくて……人肌の方が、気温より低いからそうなるのだと今更気付く。
でも、高め合う事で体温も上がってるから1概にそうとも言えない筈なのに、どうしてこんなにも気持ち良いのかと思わなくもない。食事の支度が出来たと言って、私とルフィを探すサンジ君の声が聞こえてくるまで、私とルフィは繋がったまま飽きる事無く、心を通わせる為に体を繋げ続けた。
当然その後すぐに私が動ける筈は無いけど、こんな事で心配はかけられないからと下半身に覇気を纏わせて何とか動いて皆に合流したと言うのに、即座にマルコさんとチョッパーに大人しくしてろと声を揃えられてしまい、岩に寄りかかりつつの食事となった。それからチョッパーがルフィを連れて行って、少し離れた所でルフィを叱ってるらしいとわかる。
でも、今回ルフィは反省しないと思うのよね。私が先に襲ったと言っても過言じゃないし。
そう思って苦笑した時、マルコさんが横に腰を下ろした。その視線は何処か呆れを含んでいる。
「覇気をそんな使い方するとは思わなかったよぃ」
「……これやると、体力を恐ろしく消耗しますけど、それでもその場を取り繕えますし、逃げ出す時にも便利なんですよ」
「……女海賊ならでは、だねぃ」
マルコさんの言葉に私はクスクスと笑う。状態を分かっていて口にしてると分かるから、余計に。
「男の人の方が、急いで逃げないと大変な事になりますよ。休ませなきゃいけない日も無く、間違いも起きない。自尊心を折る事も出来るし、死ぬ事は不名誉を残すだけとなる」
「……ゾッとしないねぃ。確かに、有効過ぎる拷問だよぃ」
深い溜息と共に落とされた言葉は妙に実感が篭って聞こえたけど、それは医者であるが故なのか、それとも……?
そんな事を1瞬でも考えた私は、腐ってるのだろうか。それともこの人に色気が有りすぎるのだろうか。