触れる唇。濡れた吐息。
妖しく蠢く赤い舌。最初は掠めるだけだったキスが、徐々に熱を帯びて来る。
触れては離れ、何度も角度を変えて、1番深く絡み合う場所を探す。2年ぶりに触れ合っているのだ、止まれる筈がない。
私のベッドの上で、互いに服を脱ぐ余裕もなく、抱いていいかと訪ねるでもなく、ただ無言のまま夢中で唇を合わせている。もう、我慢なんかしたくない。
自らルフィの頬を撫で、髪を掻き回しながら飽く事なく求める。どれだけ吸っても、舌を絡め合っても、まだ足りない。
ルフィが欲しい……ナミが欲しいと、互いの唇から伝わる。今は他に、何も考えられない。
熱い蜜を、吐息を、漏らす事無く味わっても、全然足りない。愛しい男の声が、艶めいた響きを二人の唇の間に落とす。
「貪り尽くされそうだ」
「してあげる」
ほんの1瞬でも離れるのが惜しくて、呟きさえも舐め尽くす勢いの私。それをルフィは、喜びと戸惑いの入り混じった表情で迎えている。
積極的なのは嬉しいけど、リードを奪われるのはイヤなのかも知れない。その証拠に、流星錘を解き放つと上着の中に手を入れて来たルフィの指が、お仕置とばかりに乳首を摘む。
「あっ……」
小さな突起に走った電流のような痺れに弾かれて、私は漸く唇を離す。何処か心配そうに見て来るルフィに、私は素直に言葉を告げた。
これを告げて、この先は身体だけを求められるようになるのかも知れないとか……そんな不安は、確かにあった。けど、それならそれでも、今は構わないと思える程にルフィが欲しいの。
「捨てられる覚悟だったの」
「……馬鹿だろ」
ルフィの声が微かに揺れて、掠れて……私はルフィと身体の位置を入れ替える。それに驚くルフィの上で、むき出しのその胸に触れていいのかと戸惑ってしまう。
痛々しい傷跡。あの戦争を超えた証。
「馬鹿でも良い。航海士として、使って貰えるなら、それだけでいいって……思ってたの」
「……俺はナミを使う気はねェぞ。俺は、ナミを道具として扱うような事はしねェ」
「抱いて貰えるなら、処理に使われるんでも構わないって、思う位に……ルフィが欲しかったの」
「本当に馬鹿だな。俺は、身体も欲しいけどよ……心も離すつもりねェぞ。……心だけでいいなんてのも言わねェけどな」
そっと私の髪を指に絡めて、楽しそうに笑う。そして、雄の顔を見せて来るのだから堪らない。
赤くなる私にルフィは楽しそうな顔をする。それから耳を甘噛みしながら言う。
「健全な肉体を持ってる男が、こんないい女抱かないなんて選択肢ねェからな。……ナミの全てが、俺のものだ」
「うん。ありがとう。……あの、この傷、痛くない?」
「触られても、何ともねェよ」
私は笑うルフィに導かれるようにして、そっとその傷跡に触れる。ルフィの心の傷を具現化したみたいな、その傷跡に。
痛みが無いなら、良い。とりあえず今は……。
「でも……ルフィは私がこの二年の間に「ナミが何百人の男に抱かれていようと、犯されていようと、俺はナミを手放さねェ」」
「ルフィ……」
「ナミ、好きだぞ。大好きだ」
ルフィは嘘をつかない。それは皆が知ってる。
だから、この言葉は嘘偽りのないもの。私は零れ落ちる涙を拭う事も出来なくて、ただルフィに抱き着く。
「ルフィ……!」
「ナミは、俺の恋人で、俺の仲間の航海士で、俺の姉ちゃんで……最愛の女だ。……他の男の事が気になって、怖いなら……少しくらい時間や「やだ……抱いて欲しい」」
余りに素直過ぎる言葉に、ルフィが苦笑する。珍しく我慢なんて事をしようとしてたルフィの決心なんか、即座に崩れ去るその威力。
身体を小刻みに震わせていたから、他の男に触れられた事が心と身体を蝕んでるのだと判断して、堪えようと思っていたのだ。なのに、そんな事を言われたらルフィにはもう、欲望を抑える術などない。
「例え腕や足が無くなっても、抱いてやる。コイツが使い物になる限りは」
「馬鹿……」
ルフィが自分の股にある雄々しく立ち上がるモノを示して言えば、ナミは頬を染める。そんなナミの肌に指を這わせて、ルフィは弱い所を狙ってくすぐり始めた。
悪戯なルフィの両手を優しくベッドに縫い付けると、私は自分で服を脱ぎ始める。……ルフィが欲しい。
「動かさないで。自分で脱ぐから」
「ケチ。俺だって触りたいのに」
不満げに唇を尖らせるルフィだけど、ストリッパーよりも下手したら色気のある恋人を見るのも楽しいのか、尖っていた唇は次第ににやけていく。そんなルフィにナミは珍しく大盤振舞だ。
世界中探しても、商売女をその中に加えても、ここまで色気のある女はそうそう居ないだろう。それが、本気で愛しいとその瞳に熱を宿らせながら、その素肌を惜しげも無く晒すのだから……待てが効く筈もない。
「これから先、いくらでも触れるわよ」
「んな事言ってると、皆が居ても触るぞ」
「元々、触ってたじゃない」
少し不満げに唇を尖らせるナミは、その幼い仕草がルフィを煽ってる事に気付かない。幼い仕草を見せる相手が限られている事が、男の劣情を刺激し続けているのだ。
「そうだな。それでも俺は……ナミの可愛い姿は、仲間にも見せたくねェぞ」
「なら、際どい所で襲わないでよ」
図書室は鍵も掛けられないし、ある意味通路なのだ。本当に辞めて欲しい。
ほぼ全て脱いだけど、ビキニの上を取るのが何となく気恥ずかしくて、戸惑う。そんな私に意地悪く笑うルフィ。
「全部、見せろよ」
ベッドに押し倒されて、馬乗りになられても尚余裕の表情。実際ルフィと筋力勝負になれば、勝てる筈無いのだ。
「……今度は、ルフィの番よ」
とは言えルフィは既に上着を脱いでいる。だからこそ私は、ルフィの素肌にそっと触れて、首筋から胸へと唇を這わせた。
チロリと突起を舌先でなぶると、微かにルフィが反応した。顔を盗み見ると、微かに赤くなってるその顔が、恥ずかしいと言っていて……。
……なんか、攻めるのも楽しいかも。ルフィが、可愛いくて、色々したくなるわ。
「気持ちいいけど、なんか、犯されそうだ」
ルフィが嬉しそうで、それでいて何処か困惑したような声を出す。それから困ったような顔で固定されたルフィの表情が、妙に可愛い。
「迫られるの、嫌?」
「いつも恥じらって、逃げ回って、最後には俺に絆されて甘やかすナミしか俺、知らねェからな」
「アラバスタでも、私がルフィを襲ったわよ」
「何言ってんだ。俺が襲って、俺が不安定だからって無理してただけの癖に」
バレてるとは思わなくて、指摘された事実により頬に勝手に朱が走る。誤魔化そうと既に昂り始めているルフィの証をズボンから引き出すと、茎を両手で握り、躊躇いもなく咥え込む。
ドクドクとルフィの鼓動が脈動が伝わって来て、誤魔化しついでに揶揄うつもりが、いつの間にか夢中になって舌を絡ませていた。だって、欲しい……!
ルフィの全てが欲しくて、強く吸い上げながら溢れてくる先走りの蜜を余さずに舐めとって行く。すると、ルフィの吐息が揺れた。
「積極的なナミも、良いな」
「いい?」
「快過ぎて、ナミの口を汚しそうだ」
そう言われても、なんだかもう離す気になれない。つまり、会話の時も咥えたままである。
それに、アラバスタでは飲んだし。今更だと思う。
直に味わうルフィの情熱が嬉しくて、愛しい。喉の奥までいっぱいに頬張ると、荒い声音と共にルフィの手が髪に絡んで来た。
そして無理矢理に引き剥がされてしまう。見上げる視線が、欲情に潤んだルフィのそれと絡む。
「狡い。ナミばっかり楽しんで」
「あら、楽しませてたと思うけど?」
「俺は、する方が楽しい」
「なら……して」
甘えるように身体を擦り寄せ、自らの口腔でたっぷりと育てたルフィのモノに跨ろうとする。それにはルフィも動揺を隠さない。
「ちょっと待て!そんなにサービスしなくても、俺はナミを捨てたりしな「私が、したいの。ルフィが、欲しいのよ」」
その瞬間、息を飲んだルフィが私の身体をベッドに抱き上げて大きく足を開かされる。それにより羞恥に頬を染めると、ルフィが言った。
「なら、自分でして見せろよ」
「え?」
「自分で指入れて、俺のを挿れやすくしてみせろ」
「ルフィ……!」
「早く、ナミを味わわせてくれよ」
意地悪に、挑発的に、けれども本当に飢えた瞳で。その視線だけで、何もされてないのに、濡れてしまう。
全身を恥じらいに染めながら、指をその場所に運べば、やはり濡れていて……。や、恥ずかし……い!
「ああっ」
指を促されるままに1本入れると、ルフィは楽しそうにそれを見ている。見られて、いる。
「ルフィの、好きにしていいから……」
どんなにいやらしい事をされるより、自分でするのは何倍も恥ずかしい。なのに、屈辱だとは、思えないの。
「意地悪言わないで……はやく、ここをルフィで満たして……」
それでもルフィは首を横に振る。まだまだ足りないと。
モノ欲しげに腰を揺らして、秘部を晒して、指で中に刺激を与える。そうして、期待と快楽に身悶える姿を晒させるのだ。
「綺麗だ。自分を愛撫してるナミは、淫らで、いやらしくて、それでいて恥ずかしげで……最高に、美味そうだ」
「あっ……ああっ……!!」
「せめて三本、根元まで入れられたら、俺の上に乗ってもいいぞ」
「ルフィの、意地悪」
「意地悪にさせてるのは、ナミだ」
羞恥に身体を火照らせながら、それを気持ちいいと感じてる自分に気付く。それにより激しい目眩を覚える。
人が羞恥で死ねるなら、もう私はとっくに死んでる。なのに、ルフィはその瞳をギラつかせながら、指を止めると休むなと言って行為を続けさせるのだ。
「もっと根元まで突っ込んでみろよ。そんなんじゃ俺のはいつまでも、挿いらないぞ」
いつの間にか取り除かれていたビキニの上。つまり私は、生まれたままの姿になっている訳で……。
でも、それを気にしてる余裕は無い。だって、どんな理由であれ指を止めると耳を噛まれて、休むなと命じられるから。
言葉に従えば、肩や鎖骨に熱い唇を押し付けられる。何処も彼処も、酷く感じやすくて、口付けられる度に焼きごてでも当てられたように身体が弾ける。
ルフィの両手は私の足から離れて、代わりに膝を使って閉じられないようにしてくる。そうして自由な両手は、私の胸を這い回っているのだ。
「ナミは、ここを弄られると下の締まりが良くなるんだ。つまり、指も入れやすくなる」
ルフィの言葉通り、悪戯な指先でゆるゆると2つの突起を探られる度に下半身から力が抜ける。そして、入ってる指を強く締め付けたり、もっとと言うように緩んだりし始めた。
「あっ……や、弄ったら……駄目……!」
「ナミだけ楽しむなんて狡いだろ。だから少しは触らせろよ」
言葉と同時に両方の乳首をいっぱいに引っ張られて、私の身体はブルリと震える。それだけで、自分の指が締められるのを身震いしそうな程の羞恥の中で感じていた。
堪らない。小さな突起が、恥ずかしい程敏感になってる。
肌が粟立って、ゾクゾクした痺れが背筋を1気に駆け上がる。頭が真っ白にスパークしたと思った瞬間、自らが達した事に気付く。
「ゃ……ひど……ぃ……」
「可愛かったから良いだろ」
「だ、だから……駄目って言ったのに……馬鹿っ!」
イヤイヤと首を振って、ルフィから逃げようとした私をその腕が抱き締める。そして、私の耳元で囁くように言うのだ。
「乳首弄られただけでイクなんて、こんな淫乱な身体には……俺がしっかり栓してやらないとな」
「ルフィの変態!」
「ナミが、誘ったんだ」
「へ?」
今回、押し倒してきたのはルフィだった筈。それに対して、喜んで求めたのは私だけど、誘ってなんていない。
それとも、何か別な時の事を言ってるのかな?
でも、初めて身体を重ねた時も、ルフィからだったし……。思い当たる事がないわ。
「ナミが、魔性のように俺を誘って、天使のように無邪気に翻弄して来てるんだ。出会った頃から、ずっと」
「そんな訳「どれ程ナミが苦しんで、離れたいと泣いても、離してやるつもりはない。本当に逃げようとしたら、縛り付けてでも逃がさねェ」」
「ルフィ……」
「もう、我慢できない。挿れるぞ」
堅く張り詰めたルフィのモノが、私の指を邪魔そうにするから、そっと指を退けると強く押し付けられる。その熱を感じただけで、身体はみっともない程に期待に戦慄く。
もっと、確かなものを感じたい。性急に求めているのは、ルフィでは無く寧ろ私の方。
でも、ここまで来たなら……。歳上の意地、見せてくれるわ。
「だめよ、ルフィ……。私が乗るの」
「ナミ……俺をどうしたいんだよ?」
ルフィをベッドに戻して、自らルフィの上に跨る。それを見て、ルフィの喉が鳴ったのが分かる。
ルフィが、私を欲しいとその眼差しで訴えて来る。でも、なんか、前より随分と、男の証が……いや、女は度胸よ!!
どこかから、違うよ、愛嬌だよ……なんて突っ込みがなされた気がするけど、そんなのどうでもいい。色々な意味で成長期なルフィの灼熱を感じながら、私は自ら挿れやすいようにと足を大きく開いた。