※この作品はR-18です。

波間の向こうを目指して(新・本編)   作:夢枕 七変化

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対価※

 何かを得る為には、何かの対価を支払う必要がある。それは時間だったり、お金だったり、精神力だったり、労働力だったりと様々。

 私はローちゃんの生命と、ルフィの笑顔を求めて、だからこそ対価を支払う他の手段は無い。対価とは相手が求めるものでなければならないか……あ!そうだわ!

 

 「ね、ゾロ……!」

 「ん?」

 「良いお酒あげるから、それで……!!」

 

 隠し持ってる良い酒が有るのよと笑いかける。酒好きなゾロなら、そっちでも許してくれる気がした。

 普段は飲めないようないいお酒なのだから、飛びつくはずよね。ドン・ペリニヨンとか、それに準ずるランクのお酒を隠してあるのが幸いしたわ。

 

 「ナミに勝る美酒を、俺は知らねェ」

 「私はお酒じゃなっ!!ひゃっ!?」

 

 けれども会話の途中なのに、ゾロは私の胸を弄り続けるから声が震えて、しかも妙な声まで出た。指先で弄くられ、舌先で転がされて、これ以上尖ったら人としておかしい所まで弄ってから、更にきゅうっと甘噛みされる。

 それにより背中がしなれば、自ら胸を突き出すようになってしまう。娼婦でもこんな媚びた声出さないんじゃないかって位の甘い声が鼓膜を揺らして、誰の声だろうと現実逃避したくても自分の喉が発したのは分かりきってる。

 恥ずかしくて全身が朱に染まれば、ゾロはその瞬間に指をするりと濡れ窄むその場所に差し込んで来た。ゆるゆると蠢く指の感触は、嫌なものでは無い。

 だからこそ、私としては嫌なんだけど……。それを分かった上で、ゾロは内部を掻き回すのだ。

 傷付けないようにしてるのだとわかっていても、辱められてる気がする。そんな事ならもう、さっさと挿れて出して終わらせて欲しいと思って睨んでしまう。

 潤んだ瞳で睨んでも、逆に男の嗜虐心を煽るものでしかないのだと、この強気な猫はまだ理解できないらしい。艶めいた吐息の合間に、濡れた音が混じる事でナミの羞恥心は加速して行くばかりだが、ゾロとしてはよく突っ込まないで耐えてると自分を褒め讃えたい所だろう。

 ゾロの指が、これ迄に行われていた愛撫と、直前までローに抱かれていた関係で柔らかくなっている秘部に滑り込んで来る。艶めいた吐息の間に、濡れた音が混じって来て羞恥に輪をかていく。

 浅い部分をやわやわと刺激されて、充分過ぎるくらいに湿ってる所に二本目が押し込まれる。その上で耳元に寄せた唇が、問い掛けてきた。

 

 「二本、入ってるのはわかるな?」

 

 分かりたくないと思って首を横に振る。するとゾロは喉で笑って、野獣のような眼差しで貫くように私を見た。

 理解できないならさせてやる。視線だけでそう言われた気がした。

 

 「こっちが人差し指で、こっちが中指だ。これで分かるだろ」

 

 敏感な粘膜は言葉に合わせた指の動きを、驚く程ハッキリと受け止めてしまう。その上で、器用に動く力強い指がある1点を擦った時、酷く直接的な痺れが全身を駆け抜けた。

 それにより私の意思を無視して身体は愉悦に震える。それは、ゾロの表情を愉しげなものに変えるには十分過ぎる反応だったらしい。

 

 「ここが、ナミの弱い所だ。先に1度イッとくか?……何も、俺はナミを傷付けたい訳じゃねェからな」

 

 傷付けない為だとか言いながら、ただ辱めてるようにしか思えない。それに声を出せば喘ぎ声になるのなんて自分でもわかってるから、必死で唇を噛めばゾロが辞めろと言ってキスをして来る。

 それにより噛む事を諦めると、ゾロはそれを感知して唇を離す。そんな優しさを見せるなら、他の対価でも許してくれる方がずっと有難いけれど。

 

 「ンな事したら、傷になるだろ。声を抑えたいなら、キスしていればいい」

 

 それは、唇や指を噛む度にキスをすると宣言されたようなもので、私はつい眉を寄せてしまう。それを見たゾロは悪戯を思い付いたかのように、くるりと中で指を回転させるから、その後に来る快楽を求めるように内壁がゾロの指に自ら絡んで行くのを自覚してしまった。

 それにより楽しそうに……世間的に見れば野獣のようとか、残忍にといった表現が似合いそうな顔で笑ったゾロが、容赦無く私の両足を割り開く。そして、己のイチモツを見せ付けるように取り出すから、明る過ぎるのもあってつい見てしまった。

 それは既に逞しく勃ち上がり、先端に露を煌めかせている。驚愕の吐息を呑み込んでしまったのは、無意識でルフィと比べたから。

 体格差もあるし、これでゾロは案外女慣れしてる。つまり、使い込まれてるのだ。

 悲しいかな、これ迄に何度も多くの人のを見て来てしまったから気付いたけど、男のこの器官は外から見ただけでもその差異がハッキリとわかってしまう造りになっている。体格とか、経験でサイズと色に格差が出てしまうのだからつい、ゲッ……と言いたくなったのもわかって欲しい。

 でもまぁ、サイズを自在に変化できるルフィは中で膨張するので今見てるのよりヤヴァイ事になってる可能性はあるけど……。とりあえず言える事は……それは、明らかに凶器だと言う事。

 いやね、ドフィとか位の体格になってると諦めもつくんだけど、ゾロって比較的人間の形してるから、だからそう……もう少し可愛げがあってもいいと思うのよ。もしくは、もう見えない所で形変えて欲しい。

 そんな訳で、往生際悪く言葉で止めに入ってみようとする私。でも、ゾロがそれで止まる筈もない。

 

 「ぞ……ぞろ、さん!」

 「あ?気色悪い呼び方すんな」

 「ちょっと待って、私、まだ、ちょっと、心の準備が……」

 「ンなもん、永遠にできねェだろ」

 

 もっともな言い分に息を飲んだ瞬間、ゾロの唇が私の唇を塞ぐ。もう黙れと、それにより伝えられてしまう。

 入り込んで来た舌が、上顎や歯列、舌の裏まで余さず舐め尽くす。息苦しさに酸素を求めてふと口を開いた途端、唇の端からどちらのものとも分からぬ唾液がつうっと零れ落ちた。

 

 「……ふっ……ぁ……」

 

 それが恥ずかしくて顔を背けようとしたら、頤を掴まれ、今度はもっと深くまで重ねられてしまう。柔らかく絡め取られた舌を甘噛みされ、じんと頭の芯が痺れて意識が混濁する。

 その1瞬を狙いすましたように、しどけなく綻ぶその場所にどくどくと脈打つ熱いモノが押し付けられた。それが何か気付いてしまって、私の身体はビクリと弾ける。

 ゆっくりと、本当にゆっくりと、ゾロの雄々しいモノが柔らかな入口を広げながら押し入って来る。指とは比べ物にならない太さと質量に、喉が勝手に悲鳴を出そうとするのを抑えたら、掠れた声が微かにもれた。

 全てが収まってもすぐに動こうとしないのは、前回の時にそれで私が泣きそうになったからだろうか。ゾロは妙な所で気を使ってると思う。

 これは対価だし、外なんだから気にしないでさっさと終えて欲しい。前をはだけていてもちゃんと服を羽織ってる上に、ズボンを脱いでる訳でもないゾロと、全裸の私では随分違うのだから。

 

 「動くぞ」

 

 その言葉に小さく頷く。そうしなければ終わらない。

 気遣うようにしながら動き出したゾロに合わせるように、内壁が急激な蠕動を開始する。それは決して心地よくはないけど、多分それは私の心が拒んでるから。

 だって身体は悦んでいるのだもの。痛みや圧迫感なんて、本当に皆無と言っていいと思う。

 ゾロを咥え込んでる入口は微熱を帯びたように火照り、出入りする動きに合わせるように収縮している。内部は柔らかく熟れて、埋め込まれてるゾロの1部が脈動するのを敏感に受け止めてしまっているのだ。

 陶然と揺らめく腰も、喉を震わせそうになる嬌声も、中を穿つ熱も、何も望んでなんか居ないけど……他に手段が見付からない。いつもは眠そうにしてるばかりのその瞳が、今は灼けるような情熱を浮かべている。

 過敏になった肌を刺激して、私の意思とは関係無く涙で濡れた睫毛に、頬に、そして首筋にと……あやす様に口付けを落とされる。大切なのだと、愛しいのだとその行動で伝えて来るから……応えられないとわかっている私の胸が酷く軋んだ音を立てた。

 

 「今は何も考えず、快楽に溺れてろ」

 

 言葉を落とされた直後、内部を満たすものが徐々に律動を早める。シャボンディ諸島で見付けられてしまっていた弱い所を狙って、激しく擦り始められれば喘ぎ乱れるしか道は無い。

 奥を貫かれては身を捩り、熱い吐息が濡れた嗚咽となる。せめてと思って顔を隠したら、その手を掴まれて強制的にゾロの背中へと回させられてしまう。

 その背中に触れた瞬間、弾ける汗と筋肉の脈動を感じる。ゾロもまた、抑えきれない熱情の中に居るのだと言う事は嫌でも分かった。

 

 「今だけは……俺のものだ!ナミ!!」

 

 違うと言いたいのに、言わなければいけないのに、声も出せなくて……。私はゾロの背中に爪を立てて、夢中でしがみつく。

 与えられる快感を享受しながら、腰を揺すり、ゾロを締め付け、時に緩ませる。相手を悦ばせる術を、この身体は知り尽くしてしまっているのだ。

 

 「本当に、名器だな……!ナミは!」

 

 褒め言葉とは思えないそれに、自然と眉が寄る。でもその瞬間を狙ったように1際強く中を穿たれ、あられもない嬌声が唾液で光る唇から迸れば、必死に縋り付いてしまうのも不可抗力と言える筈。

 自分を苛む相手に縋る他、どうにも出来ない。やめて欲しいのに、それを願う権利さえ私は持たないのだ。

 

 「やっ……ぁ!そこ、ダメっ!!ゾロッ」

 

 なんて声を出してるのかと思う度、羞恥に火照り泣きたくなる。それは肌を重ねてるゾロにも伝わるから、ゾロの昂りはいっそう熱く燃え上がった。

 ゾロと、この島を包む炎のどちらの方が熱いのか。流れる汗はどちらの熱によるものなのか、そんな意味のわからない事を考えるくらい私の思考は溶けていた。

 

 「麻薬のようだと……聞いちゃいたがなっ!」

 

 誰に聞いたのかと言いそうになり、犯人なんて1人しか居ないと思い至る。あの大剣豪様には次会ったら、とりあえず雷撃をお見舞しても許されるんじゃないかしらね。

 ゾロは、欲望のままに歓喜の汗を弾かせる。すっかり熟れた私の粘膜は、1匹の雄と成り果てた男の劣情を受け止めようと絡み付いて行く。

 それでもまだ足りないと、満足なんかできないとその瞳が私を貫くように見詰めるから、私の心は渡せないと私も瞳だけで返すしかない。するとゾロは新たな愉悦を求めるように、私の中いっぱいに埋め込んだモノで乱暴に中を掻き回す。

 逃げられないようにか、支える為か、ゾロの大きな手が私の腰をしかと押さえつける。ジリジリと後退っていた灼熱の塊が、粘膜を巻き上げながら再びずるりと押し入って来た。

 燃え上がる欲情に質量を増して行くばかりの滾りが、壊そうとしてるかのように更に激しく突き上げてくる。ただただ熱い奔流が、官能の高みへと互いを押し流して行く。

 行為が終わったのは結局その後、私が熱中症のような症状で意識を失ってからだったらしい。気が付いた時には私の目の前に座ったまま心配そうに私の手を握るロビンと、カルテを睨み付けてるチョッパーがいた。

 

 「ロビン、チョッパー……」

 「良かった!目覚めたのね」

 「本当に良かったよ。ゾロが竜の肉と1緒に、ナミを担いで帰ってきた時には大騒ぎだったんだからな!!」

 

 想像してみれば、騒ぎになるのもわかる気がして苦笑してしまった。その後二人の話を聞けば、私は半日程帰らなかったらしい。

 出発して4~5時間後に帰ってきたローは、私と途中で別れて隠れてる奴を探していたと説明したらしい。そしてその結果、潜んでいた敵は見つからなかったと言いながら、石灰と化した外にいたミノタウロス擬き達を持ち帰ったと教えられる。

 そんな彼等を、せめて埋葬してやりたいと言うチョッパーに、私は言葉を無くしてしまう。だって、ローちゃんの話には無理が無いから、もし嗚呼してゾロを止めなければそれこそ大きな問題に瀕していた可能性が高いと気付いたから。

 その後は私の捜索にと手分けして皆が動き、ゾロが私と竜を抱えているのをサンジ君が発見。連れ戻されたと言う。

 

 「ゾロから聞いたけど、あの灼熱の中で1人で竜を持ち帰ろうとして力尽きて炎の中で倒れてたんですって?」

 「うっ……。だって、ルフィが喜びそうだなって思ったし、食材欲しかったんだもの」

 「ナミって時々馬鹿だよな。それに、そんなに弱った状態で無茶すんなよ」

 「弱った?」

 

 よく分からなくて首を傾げたら、チョッパーに睨まれてしまった。交尾は程々にするように、ルフィに言っとくと言う言葉付きで。

 それにより言わないでと叫ぶように言えば、チョッパーが呆れたような顔をして、甘やかしてると死ぬぞ……なんて言う。でも、ルフィは今回悪くないもの。

 そう思って落ち込むと、ロビンが頭を撫でながら話を変えてくれた。こんな時は本当に、持つべきものは親友であると実感する。

 

 「そう言えば、トラ男君が子供達をタンカーに連れて行ったわよ」

 

 その言葉にチョッパーは慌てて飛び出して行った。そして、ロビンが現状を纏めて説明してくれる。

 

 「全ての行動は明日からで、今日は各自タンカーとサニーに別れて眠る事になったわ」

 

 そう言って始まった説明はわかりやすい。フランキーが破壊したタンカーを使い、子供達は帰る事になると言う。

 その為に明日はタンカーの修理を行い、その間に医者達が子供達の応急処置を施す事になっているらしい。そうして皆が働いてる間に、サンジ君を筆頭に宴の準備を行うと言うけど、食料はどうするつもりなのかな。

 

 「タンカーに食材が積まれてたのよ。それを使うのと、貴女が無理して得て来た竜があるから問題ないわ。海にも毒の成分は流出してないから、凍ってる側からこっちに来る間にフランキーが捕った魚も使われるそうよ」

 「私、まだ何も聞いてないわ」

 「あら、違った?」

 「合ってるけど……」

 

 ふにゃりと顔が歪むのが自分でも分かった。そんな私にロビンはクスクスと笑うと、今夜はゆっくり休みなさいと優しく言ってくれる。

 それに素直に頷いて、私は深く眠りに落ちた。私の身に起きた事を、この賢い親友と、医者であるチョッパーが本当に気付かないなんてある筈も無かったのに、それに気付かないままに……二人に守られながら……私は深く深く、眠りに誘われていた。

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