この世界では英語で歌った歌詞も、そのまま素直に伝わってしまう。伝わらないのは、子供達にだけだろう。
だからこそ、皆の視線が痛いのだとわかるけど……何事も無いかのように立っていられる自分を認識して、苦笑してしまう。だってこれだけの視線の中、笑って立てるのは多分異常だと言う事は理解してるから。
「流石は〝宝玉〟だな」
突然のその声に視線を向ければケムリンで、その横で何故かドヤ顔のローちゃんがいる。それを確認した直後、割れんばかりの拍手に驚かされたのは私だった。
冷たい視線には慣れてるし、蔑まれるのにも慣れてる。でも、こうした温かな感情を向けられる事に私は慣れてない。
どうしたらいいのか分からなくて、眉が寄ってしまう。そんな時にブルックが声をかけてきた。
「この曲、まだ発売前ですよね。良かったのですか?」
「ええ、だって、皆を想って描いた譜面だから……皆に演奏するのは当然でしょ」
当然の事ながら私が創り出した曲じゃないけど、私の心を表すのに丁度いいと思ったの。大切な人達に向けて、私は歌いたかったから。
けど、ルフィは少し不満そうに私を見る。どうしたというのかと思い首を傾げたら、その腕が文字通り伸びて来て私を捕らえた。
「ナミ、俺に歌えって言ったのに、皆に歌っただろ!!」
「ルフィにも、歌ったもの。問題無いでしょ」
「……今夜、俺の為だけに……歌わせてやる」
その言葉の意味に気付けなければ良かったのに、気付いてしまったから赤くなる顔を抑えられない。そんな私にルフィは満足そうに笑うと、触れるだけのキスをして宴の中に戻って行った。
膝から力が抜けてその場に崩れ落ちた私に、駆け寄ってくる子供達。それにより私は、赤い顔のまま対応を強いられる事となった。
「お姉ちゃん!本当に、もうすぐお別れなの!?」
「ええ、そうよ。でもね、ちゃんと皆を治療して、家まで送り届けてくれるって言ってるから……安心してね」
向けられた言葉に少し驚く。私は何もしてないのに、慕ってくれる温かな心。
その優しさに応えたくて、何より不安にさせたくなくて微笑みを向ける。そんな私に子供達は叫ぶように言う。
「お姉ちゃんと行きたいよ!!」
「離れたくない!!」
「私も、皆と居たいわ。……でもね、私は海賊で、私達といると危ない事が沢山起きるの。皆には無事に、お父さんやお母さんの所へ帰って欲しいんだ」
笑い掛ければ、子供達は素直に頷いてくれる。それに笑って、私は宴を子供達と共に楽しみ始めた。
ルフィは私を口説いてたのが別人にしか思えない程に、幼くも楽しそうな様子で錦えもんと食事を楽しむ。錦えもんの無事を喜びブルックが涙を流し、温かな食事にモモの助が涙を落とす。
ゾロは敵味方の区別無く酒を酌み交わし、サンジ君は食事を追加で作り続ける。そこでブルックが、宴に相応しい曲をと言って楽器を手にして演奏を開始すれば、サンジ君も楽しそうにそれに耳を傾けた。
その時モチャが意識を取り戻し、チョッパーが泣きながらその手に飛び乗る。それによりモチャが微笑み、子供達は大騒ぎとなった。
その近くでロビンは嬉しそうに笑って、スープを口にする。ウソップはフランキーの鼻を押して宴を盛り上げて、私はそれを遠目に眺めて笑っていようとして……失敗した。
子供達に囲まれては、私に抵抗力なんてある筈もない。その時ケムリンの所へかけていく海兵を見て首を傾げたら、解毒剤の事を聞き出せたと喜ぶ声が耳に届く。
良かった……これでもう、死人が増える事は無いわよね。死んだと思っていた人達が、生きて仲間や友に、恋人や家族にまた……逢える。
その時シーザーがケムリンが生きてる事に反応したのを見て、少しだけ殺気立つ自分を自覚した。それにより怯えた顔をした子供達に、悪い子にお仕置きして来るわと笑いかけて立ち上がれば素直に頷いてくれる。
そうして私がシーザーの元へ向かう時、ローちゃんとケムリンが仲良く会話をしていたけどそちらを聞いてる余裕が私には無かった。シーザーは私を見て、驚きにその表情を変えて、あー!!と叫ぶから不快感を隠せなくなってしまう。
「……何よ?」
「お前……〝JOKER〟の妻だろ!?なんで、コイツらの味方してんだ!?」
「それ、何処の情報よ。情報源が新聞なら、その後に他にも〝俺の女〟だと騒ぐ人達が居たでしょ」
その時何故か動きを止めて、1部の人達が私とシーザーに意識を向けてるのがわかったけど、それに考慮する余裕は無い。今は情報を何処で手に入れたのかが重要だから。
これで新聞からの情報なら構わない。ただ単純に、シーザーが情報処理能力に問題有りと言うだけの話だから。
でももし、これが闇での共通認識なら、何かの時は私をドフィの元へ連れて行く勢力が多いという事になるわ。それか、ドフィから直接告げられているのだとしたら……ドフィはそれだけ根回しをしているという事になる。
「〝JOKER〟から直接聞いたんだ、隠そうったってそうはいかないぞ!シュロロロロロロ!!」
「ドフィが、貴方に告げたのね……」
私の言葉は何故かよく響いた。そして、それを聞いたロビンが青ざめて、ケムリンは驚愕の眼差しを向けて、ローちゃんは苦虫を噛み潰したような顔をする。
空気が凍ったと感じた直後、巻き付く腕の温もりに力を抜けばそのままルフィに抱き寄せられて、持ち上げられた。何がしたいのか分からなくて、ルフィを見つめて見れば真剣な顔をしたルフィが唇を動かす。
「皆は宴続けててくれよ!俺ちょっと話してくる」
「ルフィ?」
「……部屋に戻るぞ」
そう言われては頷くしかなくて、何の話が有るんだろうかと少し思う。けれども女部屋に入るのと同時にコートと服を剥ぎ取られて、裸にされてしまえば目的が話じゃないのは分かる。
慌てて名を呼ぼうと開いた唇も、ルフィの唇により塞がれてしまう。ルフィに求められるなら、抵抗なんてする筈も無いのに……。
ルフィの身体が、発熱してる。まるで、誰かと戦ってるかのように。
「ナミにとっては、あの鳥の奴も大切なんだな」
「ルフィ?」
「あいつはナミを何度も強姦してるのに、ナミは、それを許そうとしてるんだろ」
ルフィの眼差しが真剣で、怒りが強い事をその空気で伝えて来る。でもね、どうしてそんなに怒ってるのか分からないの。
けれども首筋に、胸元にとルフィが唇を触れさせるのを見て、ハッとしてしまうのは……ローちゃんとゾロにつけられた跡を辿ってると気付いたから。二人とも、隠そうと言う気概が存在して無かったのだから当然だけど、でも、それを見てルフィが怒らない筈無かったわよね。
ルフィが熱いのは、だとしたら怒りのせいなのかな。どうしよう、どうしたら許してくれるかな。
それとも、もう、許してくれないかな。私はルフィに……。
「捨てられちゃう?」
その刹那、ルフィが動きを止めた。そして、スッ……とその瞳を眇めたと思ったら、そのままピリピリとした殺気を含んだ愛撫を開始される。
何を問い掛けても答えて貰えなくて、肌に散る赤い跡は既にルフィが追加で付けたものの方が多いのでは無いかと思わされる程。そんな中声を推し殺そうとする度に、弱い所を攻められてそれさえ許しては貰えない。
「やあっ……!もう、そこ……っ」
既に散々に弄られ、ぷっくりと立ち上がった尖りを舌先で押しつぶすようにして舐められると、痛みにも近い快感が駆け抜ける。感じ過ぎて辛いのだと訴えても、聞き入れられる訳もない。
いつの間にか付け根まで埋め込まれた中指と人差し指で、熟れた内壁を抉るように引っ掻かれてしまう。それにより、嬌声とも叫びともつかぬ声が喉を震わせる。
「辛いか?でも、しょうがないよな。これは……お仕置きだから。酷くしなきゃ意味が無いだろ」
そんな言葉を言う割に、乱暴さは無い。それどころか、ルフィは服さえ脱ごうとはしない。
その瞳が、泣いている。胸にある大きな傷跡と同じ位、心が傷付いてるように見えて……傷付けたのは自分だろうと何となくわかってしまう。
「いた、い……?」
「ん?」
「ルフィ……ないて、る……」
「涙は流してねェんだから、気にするな……っても、ナミには無理だよな。……だけどさ、俺が痛いと思うのは、俺のせいだからよ」
意味が、分からない。ルフィは、私を怒って、捨てようとしてたんじゃないの?
そう思うのに、泣いてるようにしか見えないルフィが心配で手を伸ばせば、ルフィは私を好きにさせてくれる。身体は熱いけど……そんなの気にならない。
私はルフィを傷付けたい訳じゃないの。ルフィを、誰よりも大切に想ってるのに……どうして上手くいかないんだろう。
「ルフィ……愛してる……」
「ナミ……ごめんな」
「ルフィ?」
「俺がトラ男に預けたから、襲われたんだよな。ゾロももう〝俺の女〟だって理由だけじゃ、もう止まらねェみたいだしよ……」
その言葉で気が付く。ルフィは、ルフィ自身を許せずに傷付いているのだと。
……ごめんなさい。苦しめたり傷付けたりしたくはないのに、どうして……どうして私はいつも上手く愛する事さえできないんだろう。
「ルフィは、何も悪くないわ。……ねぇ、ルフィ」
「ん?」
「私を、捨てないで居てくれるの?」
期待と不安が交錯する。捨てないと、言って欲しいけど……難しい事も本当はわかってるの。
でも、もしも本当に捨てないで居てくれるなら……私は他に、何も望まない。ルフィが笑う事が私の存在理由だもの。
「ナミって馬鹿だろ。……この場合、捨てられるとしたら、俺だと思うぞ」
「なら……好きにして」
「あ?」
「私、ルフィになら、何されても嬉しいから」
「後悔、すんなよ」
頤を掴まれて、恐らく自分に向けてた怒りの感情をそのままに強く唇を押し付けられた。僅かに漏れる吐息ひとつ、蜜のひとつさえ、逃すまいとするようにキツく吸い上げられる。
歯列を強引に割って入り込んで来た舌が、喉の奥迄突き刺さって来て、その激しさに息が詰まりそうになる。その間も、内部を掻き回す手が止まる事はない。
それどころか、もう1本捩じ込まれる。唇を塞がれてるからこそ、発する事さえ許されぬ悲鳴は無理矢理嚥下させられてしまう。
そうして飲みきれなかった銀糸が、口の端から顎へと流れ落ちて行く。そんな風にして身体中を蹂躙してるように見せかけて、ルフィは直接女なら誰でも弱い筈の所には触れて来ない。
その間際、柔らかい肌を撫でたり、近くを滑りで擽り、時に爪を立てたり意地悪な悪戯をして来るだけ。そんな僅かな刺激さえも、中を穿つ指の動きへと伝播して、ずくりと疼くような感覚を齎してくる。
「はっあ……!ルフぃ……」
「ん?どうした?」
酷薄な笑みを浮かべて、ルフィは聞く。奥の方から湧き上がるとめどない痺れに、腰が勝手に揺れてしまう。
言葉を引き出すように、敏感なポイントをやわやわと擽られると、焦れた粘膜がもっと逞しいモノを希求して浅ましくひくつきはじめる。声を出そうとする唇が、羞恥で震えて、声が掠れるのを自覚した。
「ルフィの……熱いの……」
「欲しいのか?だったら、何処に欲しいのか見せてくれないと。ほら、自分で足を広げろよ」
「ゃ……でき、な……ぃ」
「なら、尻をこっちに向けたら良い。顔は見えないだろ」
それは獣のように四つ這いになれと言う意味で、それに気付かない筈もない。ただでさえ上気してる身体が、かっと熱を帯びる。
それは酷く淫らで、羞恥ばかりを煽る体位だけど……確かに顔を見ない分、自ら足を広げるよりは少しはマシかもしれない。そう思って身体を動かそうとするのに、ルフィは指を抜いてくれないから、指を咥え込んだまま何とか身体を返してベッドに俯せる。
そうなれば自然と腰が浮かび上がって、艶めいた秘所がルフィの視線に晒される。見えなくても、視線を感じてしまって、寧ろ見えないからこそ気付く事もあって……!
「この後、どうして欲しい?」
中を埋めていた指が入口付近まで後退し、蕩けった入口を難なく開いて行く。そこにルフィの熱い滾りが押し付けられて、身体がビクリと跳ねた。
ルフィにより蕩け、十分過ぎる程に濡れているその場所は、粘液を滲ませるどころか滴らせて、今か今かと挿れて貰えるのを待ち望んでいる。なのに、ルフィはその場で動きを止めてしまう。
「ルフィ……お願い……!」
「ん?」
「ルフィの、おっきいの……挿れ、」
最後まで言葉を紡げなかった。散々に焦らされ、火照ったそこは、易々と亀頭部のくびれまでを呑み込んでしまう。
卑猥な水音が聞こえる。それが羞恥を煽るけど、今はただルフィにされてる現実が愛しい。
「あっ……ふっ……ぃ……!!」
身の内を浸食して行く雄の逞しさが嬉しくて、媚びたような嗚咽が漏れる。でも、身体は物足りないと、もっと奥へと願って誘い込もうと、熟れた果肉を浅ましく蠕動させていた。
「このまま入口を弄っていたら満足か?」
「ルフィ……!!」
「ナミ……?」
狡い……。振り向いた瞬間にそう思う。
だって、捨て犬みたいな顔で、不安を隠せないで、何処まで許してくれるかなって甘えてるのが伝わってしまう。ルフィが甘えてくれてるのに、突き放すなんて出来ない。
ルフィが望むなら、羞恥なんてどうでもいいと思えてしまう。ねぇルフィ……私は、ルフィが望むならなんでも出来るのよ。
「ルフィ……」
「……ナミ?」
「中をルフィでいっぱいにして……掻き回して、グチャグチャに……して……」
恥ずかしい言葉を口にすると、背後で息を飲んだ気配がした。僅かにふるえる指先で撫でられて、ふっと体が弛緩した所を狙ってルフィは最奥迄一気に貫いて来る。
汗の浮いた背中をしならせ、私は甲高い嬌声を抑えられない。それはけれどもすぐに引き抜かれて、再び内側にある弱い所を掠めながら打ち込まれる。
緩急をつけた律動に、内壁は震えながらルフィのモノに巻き付き、入口はそれを逃すまいと伸縮する。身体の中、1番深い所で脈打つルフィの鼓動が、私の鼓動と重なりどちらのものか分からなくしてしまう。
どちらの息遣いなのかも分からなくなる。そうなった頃には、甘く爛れた声がひっきりなしに溢れ出す。
繋がった部分の感度や、締まり具合を存分に味わいながら、激しく腰を前後させるルフィ。それに倣って、私もまた恥じらいなど忘れて高く掲げた尻を蠢かせていた。
引き抜かれ、また突き挿れられ、繰り返される度に容積が増して行くのを感じる。でもそれにより例え裂けてしまっても、ルフィにされるなら構わない。
ルフィにされる事なら、何でも嬉しいとはしたなく幾度も限界を超える身体は、既にどちらのものかも分からない白濁としたものを溢れさせていた。貫かれる快感を覚え知ってしまった身体は、まだ足りないとばかりに更に奥へと咥え込もうとする。
ここぞとばかりに熱情を発散させているルフィもまた、その締め付けに満足の喘ぎを放つ。それが嬉しくて、愛しい。
「ルフィ……ルフィ……っ!」
「くっ……!!」
「ルフィ……だい、すき……!!」
「……っ!!よっぽど、壊されたいみたいだなっ!!」
「あっ……あぁっ!!る、ふぃ……!」
何でもするわ、ルフィの為なら。どんな淫らな体位も、行為も、ルフィが望むなら、羞恥さえ快感になると断言してみせる。
こうして、傍に置いてくれるなら……何でもする。役立つなら、使い潰してくれて構わない。
性欲の捌け口としてでも、遊びでも、繋ぎでも構わない。ただの依存でも、仲間意識でも、独占欲でも構わないの。
「ルフィに、使って……欲しい、の。だから、傍に……おいて……!!」
切なる気持ちを伝えたのに、瞬間的に背後でルフィが動きを止めた。何事かと振り返ろうとした瞬間、ずるりと身の内に埋め込まれていたものが引き抜かれる。
乾いた悲鳴が出たのは生理現象。けれどもそれさえ無視されてしまう。
気が付いた時にはルフィの手により、ベッドの上に仰向けにされていた。強制的に動かされた身体は熱を帯びて、全てを快楽に変えて受け入れてしまう。
「ちっとも分かってねェんだな、ナミは!!」
それは怒ってる声なのに、苛立ちを顕にした態度なのに、眉根をキツく寄せた表情は……悲しんでるようにしか見えない。何処か、怪我でもしてるのかと不審に思って手を伸ばすけど、服を突然脱ぎ出して触れる事は叶わない。
余計な心配してる場合かと言うかのように、私の両足を掴んで大きく割り開くと、太ももの間に強引に身体を捩じ込まれた。驚いてる間に腰が浮く程持ち上げられた下半身に、ぬらぬらと輝く男芯が押し当てられる。
「思い知らせてやるよ……俺が、どんな想いを抱いてるのかっ!!」
ずるっと粘着質な音がして、いっぱいに怒張したものが、寂しかった場所を再び熱く埋めつくしていく。そのえも言われぬ陶酔感に、私の濡れた唇から歓喜の悲鳴が迸った。