これは罪を犯したと思っているナミへのお仕置と言う名目で、ルフィが満足するまで続く宴。悲鳴のようなナミの声は当然仲間達にも届いてはいるが、ここで邪魔する野暮は流石にいない。
これで本当にナミが拒み、助けを求めているのであれば、彼等は相手が
だからこそ、彼等はいつも行為が終わるのを待ち、ルフィを締め上げるに留めているのである。無論……医者として看過できないと加減を忘れて叱るチョッパーや、親友に何してくれとんじゃと怒り狂うロビンが少しばかり過激になるのは、不可抗力の領域だろう。
「動かさないと、ナミが辛くなるぞ。俺が満足するまで抜かねェからな」
「ひゃっ……あぁぁ……!!」
腰を抱えて持ち上げると、私の敏感な場所をクビレの部分で擦りあげる。それまで虚しく宙を蹴っていた私の足が、意志を宿したかのようにビクリと突っ張った。
爪先までピンと伸ばし、次の瞬間、何かを堪えるようにキュウッと指を丸める。夢中でルフィにしがみついた私を、ビクビクと激しい快感の痙攣が襲う。
「だっ……だめっ!ルフィ、そこ、やぁっ……!」
「ん、わかった。ここだな」
「い、いぢわる……っ!ルフィの、虐めっ子!」
「おしおきだから、意地悪でも良いんだろ?」
それを言われたらもう、言い返せない。必死で声を抑えてルフィの首に顔を埋めるのが精一杯の抵抗。
だって、私が悪いから。ルフィ以外の人に心揺らして、抱いて欲しいと……願ったもの。
ルフィが怒るのは当然で、だけど、それならもっと酷くして欲しい。甘いお仕置では、罪の精算にはならない気がするの。
「ごめ……なさっ」
「駄目だ。許さねェ」
「ああっ……!んっ……ルフィ……」
既に隙間のない程に密着しているのに、私はルフィの首に腕を回した。その状態で耳元へと囁く。
「優しく、しないで……」
「ナミは、痛みより快楽のがお仕置になるだろ」
「やあっ!痛みならっ耐えられる!からぁっ」
「駄目だ。耐えられたら、お仕置にならねェだろ」
言いながら腰を激しく動かされて、卑猥な水音が響く。声を抑えるために息を殺して、でも身体が勝手に達してしまえば直後に力が勝手に抜けてしまう。
そうなればこれ以上刺激を受けない為にと、ルフィに凭れたのは当然の選択。ルフィの鼓動が、伝わって来る。
でも、その為にがら空きとなった背中をルフィの指がなぞり、そのまま指が差し込まれれば抑えきれない嬌声が響く。それにルフィはどこか満足そうに笑うけど、こんな事されたら身体が持たない。
「ダメ……だってばぁ……!ひゃぁんっ」
「駄目じゃねェよっ……良く締まるっ!!奥に注ぎ込んで、栓してても溢れるくらいにして、そこからが……本番だ」
「やっ!そんな、の……んっ!壊れちゃ、う」
耳元で囁かれた言葉は、軽い狂気を孕んでる。ルフィから見ればほんの僅かな時離れる度に、自分の女が他の男の手篭めにされるのだから心中穏やかな筈も無い。
自分への怒りが、若さ故に精力となり恋人へと向けられる。海賊王になる男の激情を、ナミはその身に受けるしかない。
「あっ……あぁ……!!」
楔でズンと奥を突かれて、私は大きく背中を仰け反らせた。それにより後ろの中にある指に内壁が擦られて、終わらない快楽が全身を駆け巡る。
立て続けの喘ぎ声で開かれっぱなしの口に、ルフィの唇が押し当てられる。すぐさま熱い舌が口内深くまで差し込まれれ、感じやすい粘膜を縦横無尽に侵略して来た。
絡まる舌の間に、どちらのものかも分からぬ唾液がねっとりと流れた。ルフィはそれを、まるで極上の蜜でも味わうように嚥下していく。
行為そのものより、女部屋に満ちる隠微な音と、ルフィのその行為に耐え難い羞恥を覚え身体を火照らせた。何より、イカされたばかりの身体は休息を求めている。
「ルフィ……音、恥ずかしい……から……」
口付けの間から小さくお願いしてみる。するとルフィが小首を傾げて見せたけど、なんでかな、嫌な予感がするわ。
「音って、これか?」
ルフィは首筋に唇を押し当てて、チュウッと激しく吸った。その時に小さな痛みを感じたから、多分跡が着いたと思う。
「ひゃぁ」
「それとも、こっちか?」
言葉と共に一際大きく突き上げられて、粘液に塗れたモノがグチュッと隠微な音を立てる。それにより、声は言葉としての意味をなさなくなってしまった。
「あっ……やあぁァぁぁー!?」
「嫌なのか?こっちの音は、ナミが悦んでる音の筈だろ」
腰を抱える為に突如後ろから抜かれた指。その時に、ついでとばかりに弱い所を弄るのだから質が悪い。
そうして抱え上げて、下から突き上げるようにして揺さぶる。その度に、ニチャニチャと粘膜の絡まるいやらしい音が船室に満ちた。
「やぁっ!ルフィ、ワザと、して……っ」
「当たり前だろ。……お仕置なんだから、嫌がる事しないとな」
恨みがましい目で見ると、蕩けそうな程に破顔した微笑みが返ってくる。ルフィは、私に対して意地悪なのに、優しくて……愛しい。
ルフィは狡い。そう小さく呟くと、どっちがだよ……なんて、ルフィが肩を竦めた。
それに首を傾げたら、ルフィが動き出して何も考えてる余裕はなくなってしまう。太い肉棒が抜き差しされる度に、充血しきった内壁がそれにより表に出たり奥へと押し込まれているのではないかと思わされる程に動く。
その度にどちらのものとも分からぬ蜜が、しとどに流れ出る。自分の内側から満たされていく。
熱く、逞しく、優しいものに。愛という名の楔で、いっぱいに満たされていく、そのあまりの心地良さ。
「ナミは、俺のもんだ。何があっても、手放してやらねェ。……ナミを愛してる」
繰り返される甘い言葉。今はまだ、何も確実なものなど無いけれど、それでもこの瞬間、二人は確かに未来に想いを馳せていた。
夢を壊され、希望に縋って、死ぬ事が許されないから仕方なく生きていた少女は、今……ハッキリと明日を見つめ始めている。愛してくれる人の存在を受け入れられる余裕を取り戻したのは、間違いなくそれまでの環境を破壊したルフィ達の功績があっての事。
愛してくれる人達のいる日々。誰かに必要とされる日常。
手を握り、心通わせ、身体を繋ぎ合い、互いの存在を身体の一番奥で感じながら、生きている現在。それを、確かに脳裏に描きながら、私は愛しい男を抱き締めた。
共に生きる。悦楽の高みを目指して。
独りである事が、孤独であると分からない程に孤独だった過去。多くの疑問を抱いては唯一許されていた自由を最大限に利用して、物言わぬ書物を抱きしめるように読んでいた。
生命は、どこから来るのだろうか。心は、どこにあるのだろう。
愛は、どうやって生まれるのかな。私は、なんでここに存在しているの?
その答えは本に刻まれた活字からは得られなくて、大切な友ができてはじめて多くを知った。そして、自らの姿が歪に思えて来る。
腕は二本しかない。足も二本しかない。
だからバランスは悪いし、動きも早くない。大切な人を全員抱えるなんて事もできない。
でも、借り物の今の姿になって、その歪さが愛しくなった。腕は愛しい人を抱きしめるには充分な長さと量があって、足は大切な人の元へかけていくには充分な効果を持っている。
埋められない人と人の絆を繋ぐのは、姿や形では無いのだと理解した。寂しい子供の心を慰める為に、柔らかなその髪を撫でる事ができる手を持っている今は、恐ろしい程に幸福であると、理解出来たの。
与える事しか知らない少女は、愛情の受け取り方を理解していなかった。魘されながら眠る度、仲間達がそっと手を握ったり、頭を撫でたりして眠りが安らかになるよう気遣っている事を当人は知らない。
人は、誰かに正しく愛された時、その愛を返す事を自然と行うもの。受け取り方を知らない不器用な少女は、頭を撫でる為にあると、抱きしめる為にあると思うその腕ごと、大切に抱き締められ、撫でられるべき立場にある事を今もまだあまり理解出来てはいなかった。
それでも、家族や村人、仲間、そして恋人に愛される日々の中で少しずつではあるけれど、己を大切にする必要性に気付き始めた。愛情を求めて、手を伸ばす事ができるようになってきたのだ。
「ルフィが、欲しいの……」
「いくらでもやるから、煽んな……」
甘く激しい時は、簡単には終わりそうもない。愛情の受取方を何も知らないのに、男を煽る事に対しては天性の才能を持った少女はその体力が尽き果てるまで、休む事はできないだろう。
お仕置きの名目で、自らの不満をぶちまけて……けれどもそれを受け止めてしまう甘ったるい恋人がいる。そんな彼女を殺さないように、少年はそれでも精一杯気を付けて貪っていく。
その声が枯れて、身体が力を失って、それでも止まれない程の激情をぶつけようとも少女は困ったように笑って受け止めてくれる。それを少年はしっかりと、理解しているのだから質が悪い。
翌朝艶々した様子でルフィが食堂に1人で姿を見せた時、冷たい視線を投げ付けたフランキーとブルック、苛立ちを隠さないゾロの姿があったのも、当然と言えるだろう。顔色を悪くしていたウソップ、チョッパー、ロビンはルフィを無視してそれぞれが動き出した。
サンジが酷く冷たい表情で、顔色を無くしているウソップに何かを手渡した後ルフィを蹴り飛ばし、朝食は抜きだと怒鳴ったのもこの場合仕方ない事と言える。何せナミの声が掠れ、弱々しくなり、聞こえなくなってもギシギシと響いたその音を仲間達はずっと聞いていたのだから。
発情期の猿は、天から落ちてきてしまった無垢な天使の羽根を引きちぎり、己が満足するまで辞めないのだと理解してはいても、手折られた花が生きているだろうかと不安になるのは当然である。その確認の為に、チョッパーとロビンは女部屋を目指し駆け抜けて行ったのだ。
その結果その日は、ルフィが死なない程度にサンジが飯を与え、ロビンとチョッパーが甲斐甲斐しくナミの対応をして過ぎる。漸くナミが意識を取り戻したのは、その日の夕日が沈むのとほぼ同時刻であった。
目覚めてすぐ、窓から見える異様な光りを目にしたナミは、部屋の中から掠れた声でルフィを呼んだ。それに僅かに不満そうな顔をする二人に苦笑して、唇の動きだけで謝るナミに、文句など言える筈もない。
「ルフィ……」
「ナミ?」
甲板にいたのに即座に反応して部屋に入るルフィに、チョッパーとロビンは呆れを隠さない。そんな状態でナミは、航海士の顔で微笑んだ。
「到着よ。あの光が目的地。グラン・テゾーロ」
薬を置いてワクワクを隠せないままに飛び出したチョッパーと、話を聞き終えると同時に船首までかけて行ったルフィを見送って、ロビンと二人笑い合う。そっと蜂蜜入りの果実水を口元に運んで貰って、何とか薬を飲んだ私はそのまま少しだけ1人にしてもらった。
恐らく薬の効果もあり、数時間で動けるようになるだろうとは分かってる。なのでそれまでは、少しだけ休んでいようと静かに笑みを浮かべた。
船が目的地であるその船に近付くと、何か音楽が聞こえて来た。聞いた事のないその歌は、けれどなんだか妙に既視感がある。
……それにしても、この歌詞、なんと言うか救いが無いわね。でも、何なのかしらこのゾワゾワする感じ。
そもそも私は、このグランテゾーロに来る話を知らない。麦藁の1味がカジノに行くなんて、そんな話は知らないのよ。
いくら原作の知識を奪われたとはいえ、前に覚えていた内容を書き出したそれにも無かった。勿論、チョッパーに会った時の私の病気もメルヴィユの事も知らなかったのだから、そんなの不安に思う必要と言われたらそれまでなんだけどね。
それでも不安になるのは、きっと……私の知識にない麦藁の1味の行動は、即ち私の生命に関わるから。ここで航海士不在になるのは不味いってのは、正直あるのよね。
……この事、ロビンにだけはバレないようにしないと。無駄に心配かけちゃうわ。
「おおーっ!!」
突然表からルフィの声が聞こえて来た。窓から甲板を見れば、ルフィが光る入口に騒いでいるらしいと知る。
それに続くウソップとチョッパーの声。そう言えば、ウソップが私にスープとか運んでくれたのよね。
「何じゃコリャ~っ!!」
「ええーっ!!」
ウソップには今回随分心配かけたみたい。私のお気に入りであるスープの横には、ベルメールさんの蜜柑もある。
サンジ君が作ってくれたのは分かるけど、これをリクエストしたのがウソップなのは何でか分かってしまう。サンジ君はこんな時ミルク系のスープをチョイスするけど、ウソップはコンソメスープをチョイスするから。
野菜をみじん切りにされたコンソメスープは、私のお気に入り。……てか、ここまでウソップが気を使っちゃう位にまで声、筒抜け……なのね。
考えてみたら、サニーも木造なんだし当然なんだけどさ。うー……恥ずかしいよぉ……。
「「「すっげー!!」」」
歌の合の手のように三人の声が聞こえる。それについ吹き出した時、ドアが勢いよく開かれた。……うん、ドアとか壁が壊れなくて良かったわ。
フランキーが直しながら怒るのが見える気がして、内心でホッと息を吐いた。でも、フランキーも簡単には壊れないように頑丈に作ってくれてるのだから、この程度大丈夫に決まってたわね。
「ナミー!!本当にコレが船なのかー!?」
「ええ!!世界最大のエンタテインメントシティ!!一攫千金が狙えるカジノの街!!グラン・テゾーロ!!」
「って……殆ど島じゃねぇか!!」
私の答えを受けてか、そんな声が甲板から聞こえて来たけど、直後にルフィが目標カジノと騒げばそこからはお祭り騒ぎ。私は船室で休ませてもらいつつ、皆の騒ぎ喜ぶ声を聞く。
金粉が降ってくると聞いた時だけは、集められるだけ集めておいてと告げたけどそればかりは仕方ないと思う。でも、突如船が揺れれば何も考えずに診察着のままで表に飛び出したのは当然。
けれどもその時にはゾロが戦い始めていた。そんなゾロの言葉が、何か妙に懐かしい。
「てめえが何者か知らねェが、抜いたからには覚悟しろよ!!」
「フン!!上等だァ~!!」
「……起こしたからには、でしょ?」
思わず突っ込みつつ、ルフィのいた所に向かう。その途中でルフィが戦いの為に姿を消してしまったので、会って話す余裕は無かったけど。
「ねェ、サンジ……。私少し甘い物が欲しいわ」
「任せて、ロビンちゅァーん!!」
私が前甲板を通り過ぎる時そんな会話をしていた筈のサンジ君とロビンは、その直後潜入してきた海賊を始末しながら飲み物等の受け渡しを行っている。本当に凄いわよねー。
ロビンなんて余裕で手には本を持ったままだし、サンジ君は用意したそれを零す事も無かった。バランス感覚が、神がかってると思うのよね……。
「か弱い私とは、大違いね」
思わずそんな言葉を口にした時、ルフィが居ないのをいい事にルフィの特等席に集まって来た海賊達が言う。それも、妙に偉そうに。
「女!金はどこだ!?」
「フフ……。1ついい事、教えてあげる」
クリマタクトを構えて、簡単に作れるようになった雷雲にニッコリと笑みを浮かべる。今日はもう少し休んでいたかったのに、邪魔するなんて酷いわ。
雷が落ちた時、ゾロ達と違ってその後すぐに起きる事も無い海賊達。ドフィとかシャンクス達は、ゴムじゃないのにダメージ殆ど受けないという事を考えたら威力が低いのかなって思ってたけど……そうでも無いのかな?
「他人に恵んであげられるほど、うち……お金ないの。べー」
そう言ってから、とりあえず後は皆が片付けてくれると判断して女部屋へと戻ろうと足を進める。だって、慌てて飛び出して来たから、治療用のガウン姿なんだもの。
でも!歌声がバックミュージックのように聞こえれば、視線くらい向けてしまう。そこにいる男はこの世界にありがちな大柄な人で……でも、それよりも。
「……カリーナ?」
似て、いる。可愛くて、生意気で、無鉄砲な妹分。
本人である確証はないけど、遠目には似ているように思える。もし、彼女だとして……私は、会う資格を持っているのかな。
逃げるように部屋へと戻り、ベッドに腰かければ、ルフィ達の声が聞こえて来る。どうやら皆楽しそうにしてるから、私の出る幕は既に無いわね。
そんな事を考えて、自分の行為を正当化しようと試みる。脳裏には船で去って行ったカリーナの姿と声が、繰り返されていた。